As one pleases
Top



春のにおいの混じった風に包まれて
私はひとり嬉しくて 川の近くの花畑まで行った
ペンキで塗りたくったような 黄色い菜の花
海に近いから 少し湿った海風が吹く

どうして春はこんなに嬉しい気持ちになるんだろう
海たちは波が少なくて穏やかで
手前の海よりも水平線の海のほうが青く濃くて
空は夏よりも優しい水色な空色で
秋に落ちたどんぐりが外の茶色い殻をやぶって根を生やして
梅の花は咲いて桜は花を咲かせる準備をしている

春は出会いと別れの季節だと誰かは言うけれど
春は喜びと喜びの季節であると私は思ってしまう
別れは決して別れではなくて 出発であるから
出会いは喜び 出発も喜びであってほしい

冬は静かに家の中で遊んでいた近所の子供たちも
少しあたたかくなって 夕方まで外で遊んでいる
私が窓のカーテンをそっと開くと夕日が少し眩しくてそっと額に手をやる
誰かが私の名前を呼んだと思ったら
近所の子供たちが2階にある私の部屋を見上げて手を振っている
「一緒にあそぼー」
って声を掛けられて もう一緒に遊ぶ年でもないのに
「いいよ、ちょっとまっててね」
って言って外にいって 一緒にボールを蹴る

一日一日春になっていく日を感じていく
また少し明日は春になっていく