12月30日/2012年(平成24年)

年末の休日急患診療所に昼間勤務してきました。今日は予想外の悪天候のためか思ったほどの混雑はありません。でも、午前中だけで50名ほどだったので切れ目無く診療を続けた気がします。最近は迅速診断キットも揃ってきたので、何人かは検査を行いました。アデノウイルス1名、RSウイルス1名、インフルエンザA型3名(2名は家族内感染)でこの2倍は検査陰性と言うことは怪しいと思って50%の高確率で診断出来ました。他に今日の特徴?で原因不明(ウイルス性?)の全身発疹症が3名もありました。それぞれ形が違うので原因は別だと思いますが幸い元気な子どもばかりだったので経過観察指示で終了。おたふく、突発疹、マイコプラズマ感染症疑、溶連菌感染症、等様々ですが、ノロウイルスらしき感染性胃腸炎は随分と少なかったとおもいます。


12月27日
県内の感染症動向調査が県衛生研究所のHPに出されました。平塚保健福祉事務所以外ではインフルエンザの流行が始まってきたようです。
インフルエンザは迅速検査も抗インフルエンザ薬もあって診断から治療までがつながっていますが、現時点で一番多いノロウイルスは迅速検査も精度がまだ悪く保険適用出来るのが3歳未満や65歳以上とか移植を受けた人や悪性腫瘍の患者さんのように特定の人しか検査対象ではありません。正確に糞便の遺伝子検査を行うには衛生研究所等に依頼しないと難しいので、簡単にノロウイルスかどうかお医者さんで検査してもらってくださいと言わないようにして欲しいものです。もちろんノロウイルスへの特効薬も無く大部分が軽症に済みますから余計な心配はしない方が良いと思います。強いて言えば高齢者は急激な脱水に注意してくださいでしょうか!
これから年末年始休暇に入るのでご参考に。


12月21日

昨日の厚労省の通知で、ヒブワクチンの追加接種の時期を現行の概ね1年後から7ヶ月〜13ヶ月後に変更することになりました。当初は肺炎球菌ワクチンと同じ方法と聞いていたのですが少々異なった気もします。でも、年少時期に危険な感染症なので早期に免疫をつけましょうと言う方向性は間違っていないと思います。(解説パンフレット変更しました)
他に予防接種で変更になりそうなのは、標準的なBCG接種の年齢をもう少し大きくなった生後5ヶ月〜8ヶ月位にする予定ですし、平成25年4月から定期予防接種に子宮頸がんワクチンが入ると小学生も対象になるかもしれません?正式に決まってからお知らせしますのでそれまでは耳をそばだてて注意してください。


12月19日
夜間に「インフルエンザ感染の重症化機序と予防と最新知見」の演題で徳島大学 疾患酵素学研究センター教授 木戸 博先生の講演を聴いてきました。脳症の機序を探る厚労省の研究班の班長?さんでもいらっしゃいます。まあ、血管内皮のサイトカインストームであるのはわかります。CPT2酵素欠損症は熱に弱い遺伝的な欠陥があるので、これにアスピリンやボルタレン、ポンタール等の解熱剤が加わると危険のようですし、熱中症や熱性痙攣を起こしやすいのもこの遺伝子欠損が考えられるとのことだったと思います。インフルエンザに感染して抗インフルエンザ薬で治療されると抗体が出来ず再感染の恐れがあるがクラリスを投与すると抗体が上がるとのデータを出されました。これはこれとして臨床現場で再感染がそんなに起こっているとは考えられないので聞いておくだけに、、、講演後の情報交換会でいろいろお話しさせて頂きました。徳島の酵素研は非常に有名で日本のトップランナーでもあります。私の大学時代のテニスの先輩でもありダブルスパートナーが糖尿病を専門として、徳島の酵素研で教授をやっているので近況を聞きましたが木戸先生と同様に今期で退官されるとのことです。木戸先生は熱性痙攣の検体を欲しがっておられ協力したいのですが徳島は遠いですねぇ。遺伝的に熱に弱い人がいるので熱を下げて飢餓にならないように糖分補給すると重症化の危険が減ることになります。先生の説では熱を下げる行為は決して悪くないと!(水分や糖分をとる方が重要とのことでした)

木戸先生のスライドです。


12月16日

今日は夜間急患診療所に勤務してきました。このところ感染性胃腸炎が多いのですが、今日はおう吐も1〜3回ほどで顔色の悪い人は殆どいませんでした。周りで流行しているので心配という状況になってきたようなので、そろそろノロウイルス感染症も峠を越えたのではないでしょうか?総勢23名ほどなので数も少なくなってきました。アデノウイルスらしき咽頭炎が多少気になりましたが、、、、
今日の選挙で出足が悪いとは思えませんから


11月30日

どうも最近は情報発信が滞って申し訳ございません。まあ、この間に目立った出来事がなかったことになりましょうか?
懸案の子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの公費助成が25年度(4月以降)どうなるのかはまだ不透明の状態です。昨日の会合でも話題になっていましたが、この3つは何とか継続されるのではないかとの見方が強く、通常国会へ定期接種として議案が出される可能性もまだありそうです。B型肝炎ワクチン、水痘ワクチン、おたふく風邪ワクチン、(ロタウイルスワクチン)もこれから争われる選挙結果でどこが政権を担うかによっては定期接種かか公費負担の可能性もありそうです。関心のある方は是非とも原発問題だけでなく子育て支援や少子化対策等にも目を向けて頂きたいと思います。
11月より新たに4種混合ワクチンが開始されましたが、やはりと言うべきかワクチン不足の情報が各地から出ています。神奈川県内では横浜市の供給が滞っているようですが、平塚市も含めてどこも低空飛行でやりくりしているのが現状のようです。潤沢に余っている計算では元々ないので仕方がないとも言えますが、毎回毎回新しく始めるとすぐにワクチン不足では能が無さ過ぎます。官僚もマスコミには弱い?ので余裕を持ってのスタートを切れず、急かされてのスタートとなってしまうように感じてしまいます。何とかここを仕切る政治主導が出来ないものでしょうか?

尚、現在小児科学会でお勧めしている予防接種スケジュールをご参考までにリンクしておきます。無料のワクチンは必要で有料のワクチンは不要では無く、かえって逆のワクチンもあり得るのでやっかいです。例えば、今年世界中で罹患したポリオ患者数はまだ200名程度(もちろん日本ではゼロ)ですが、水痘は日本だけでも毎年100万人位は発生し20人前後が亡くなっています。おたふく風邪が原因で一生難聴になってしまうひとが1/1000人とも言われていますから、毎年1000人も難聴になっている計算です。まあおたふく風邪の罹患数を一緒にした場合ですが、、、

お勧めの予防接種スケジュール(日本小児科学会) こちら


11月11日

今日は夜間急患診療所に勤務してきました。昼間は非常に空いていて患者さん数も45名?ほどだったようですが、天気の崩れが原因なのか夜間には28名?ほどの盛況で喘息の発作の人が1/3と非常に多かったです。誰もが天気の崩れる時に発作が多いとは経験上も知れたことですが、これを血液検査しても当然わかりません。よく喘息の原因を調べて欲しいとIgE抗体検査を望まれますが気象条件の崩れは血液ではわかりませんから。ダニが検出されるのは殆どの喘息児ですから改めて検査しなくても殆ど当たりますしそれが発作の原因とは??ですねぇ。。。


10月31日

本日、厚生労働省で日本脳炎ワクチンに関する会議が行われました。先の事例を含めた検討が行われましたが日本脳炎ワクチンが原因とすることは出来ず予防接種事業を継続していくことになりました。もちろん今後も検証は続けていきますが、下記に書いたように特定の状況が重なった不幸な事例である見方が強いようですが断定は出来なかったようです。7月の事例に関しても他の感染症による可能性がありそうだが断定できないとのこと。
妥当な結論になったのではないかと思っています。そもそも重大な疾患であるADEM(急性散在性脳脊髄炎)が日本脳炎ワクチンの後に出たから以前は中断されたように公式にはなっていますが、、、、、本当はよくわかりません。
ADEMは現在最盛期のインフルエンザワクチン接種後でも他のワクチン接種後でも麻しんに罹ったあとにも、話題?のマイコプラズマ感染症のあとにも何でもかんでも(言い過ぎか?)報告されているのです。つまり本当の原因がわからないので状況報告されているだけです。また万一罹患しても大部分の人は回復していますから。

参考記事 ここ


10月29日

予想通りに本日厚労省の会議で不活化ポリオの↓の件で結論が出されて乳児の死亡と不活化ポリオワクチン接種と因果関係はないとされました。まあ、時間が大分経っての出来事なので予想はつきますが、日本脳炎ワクチンについては31日に何らかの結論が出ると思います。そもそも以前のワクチンが悪いとして変更した手前どの様な説明(言い訳?)をするのか興味深いです。つまり、重大な副作用のADEMが出たから中断の形にして新しいワクチンに変更しましたが新しいワクチンの後でもやはり出現しているようです。しかし、あくまでワクチン後と言うだけで原因かどうかはもともと全く不明なのですから、、、、、、ラーメン食べて何日後にADEMになったと考えないでしょうから難しいですよ!


10月24日

またまたニュース!今回は不活化ポリオワクチン接種後18日も経過してからの報告がありました。おう吐して吐物を気管に詰まらせて亡くなったようですが、どうして3週間近くも前の不活化ワクチンの接種後と関連づけるのか理解に苦しみます。だったら「前日に飲んだ母乳が怪しい」って報道しますか?基本的に不活化の場合の異常事態の報告は1週間以内の出来事ですからどうしてわざわざ報告したのか医師の考えも聞きたいものですが、それを受けて報道する姿勢にも疑問を感じます。全くのいいがかりとしか思えません。このワクチンは全世界で何億もの人が受けてきたワクチンです。本当に怒りでいっぱいです!(>_<)   どうか冷静にご判断下さい!


10月20日

ワクチン接種後に亡くなられた岐阜の不幸なお子さんの記事が岐阜新聞WEBに載っていました。岐阜大学で解剖が行われたようですが、ショックの時によく起こる浮腫や肉眼的な心臓疾患は見あたらず原因不明とのことです。記事以外の詳細がおそらく専門家の会議には伝わるので31日の厚労省の会議まで待ちましょう。再び一時接種がストップになったら困ると言うので接種途中の人が急いで注射をうけに来られました。もちろん何事もありませんでしたが、人によって感じることは異なりますね!


10月19日

すでに報道でご存じのことかと思いますが、岐阜で10歳の男児が日本脳炎ワクチン接種後に亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。
過去にも予防接種後の事象報道が原因で我が国の予防医療が先進国から遅れてきたことも考えて冷静にご判断していただくより方法がないと思います。昨日の連絡網の情報では厚労省も県も市も一時ストップをする予定はないようです。しかし、今後専門者会議を月末に開催してその結果によっては他の通知が出るかもしれません。
通常のニュースで判断すると、10歳まで接種をしてこなかったことやBCGやポリオ内服しか予防接種を行っていないことを考えると正常な経過をたどっていません。したがって元来何かの事情があるのかハンディがあるのかまだ奥深いことがあるように感じます。もちろんどんなに健康な人にもワクチンはある一定の割合で副作用が出る可能性があり、これはワクチンに限ったことではなく食料品でも雑草でも昆虫でも何でも可能性はあるのです。しかし、他の状況が今回のケースにあるのならば予防接種の行為全体に原因があっても他の人にまで当てはまる可能性が少なくなるはずです。

岐阜新聞にはもう少し詳細に掲載されていました。 こちら
やはり、注射器をみて暴れ回り取り押さえられた上で接種されていますし、特別支援学級に行っていることからある程度想像がつきます。通常10歳で暴れ回ることはないのですが、、、、
この情報までを合わせて考えると、元々カテコラミン誘発性多形心室性頻拍症を起こしやすく突然死に至ってしまったとか、日常内服している薬剤が発達障害に良く使用される○○ならば極度の興奮(交感神経刺激過剰)で似た症状が出る可能性があるようです。そうならば何の注射をしなくても同じことが起きていまいます。薬剤起因のショックだけではなく特別な状況が重なった不幸な事例とも考えられるのですが専門家の検証委員会?(31日開催)の結果を待ちましょう!


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どうも上の所から、岐阜新聞の記事へのアクセスが困難なので内容を下記に転載させていただきました。

日本脳炎の予防接種後急変、死亡 美濃市の小5男児
2012年10月18日17:20

 17日午後5時15分ごろ、美濃市藍川の「平田こどもクリニック」(平田正士院長)で、日本脳炎の予防接種を受けた関市内の学校に通う小学5年の男児(10)=美濃市=が接種後間もなく意識不明、心肺停止状態となり、搬送先の関市の病院で約2時間30分後に死亡が確認された。関署は19日午後、司法解剖し、男児の死因、予防接種との因果関係などを調べる。

 同署や同クリニックによると、男児は17日夕、母親に連れられ、妹らと来院。小学生の妹が先に接種を受け、男児も平田院長(73)から接種を受けた。その5分後、「待合室で寝ている男児の様子がおかしい」と看護師が気付き、平田院長が確認したところ意識不明で心肺停止状態だった。妹に異常はないという。

 平田院長は「接種前の問診に異常はなかった。ワクチンの期限や用量は適正だったので、原因が思い当たらない」と話している。

 同クリニックによると、男児が注射器を見て院内を逃げ回ったため、母親と看護師で押さえ、平田院長が腕に注射したという。

 男児の状態が悪くなった後、母親が平田院長に男児が関市内の特別支援学校に通っていることや、別の病院で処方された薬を飲んでいることなどを伝えたという。

 同クリニックによると、男児は就学前に3回受けるのが標準とされる定期接種を受けておらず、今回が初めての接種だった。

 厚労省は18日、事実関係の確認のため県や市を通じて情報収集を始めた。

 同省によると、日本脳炎の予防接種後に死亡した報告は、1994年10月〜2011年3月に4件あった。

県内での死亡例なし 1977年以降

 県保健医療課によると、記録の残る1977年以降、県内で日本脳炎を含む各種定期予防接種後に死亡し、国の救済対象になっている事例は確認されていない。

 県は医療機関から任意で情報収集しているが、接種と小5男児死亡との因果関係は不明。今後、予防接種を実施する美濃市を通じて「副反応報告書」が提出されれば、予防接種法に基づき医療機関から問診や接種の状況などについて聞き取ることになるという。



10月18日

本日夜間に湘南小児科連合懇話会の幹事会が行われました。今期は私が代表幹事として会の進行を司りましたが無事に終了です。この会は湘南の小児科代表者が集まって情報交換をして勉強会の企画も行おうという会で、お陰様で他市の先生方と交流を深めることが出来て助かっています。今期総会の会計報告を秦野伊勢原から行ってもらい、来期講演会の担当医師会は小田原市なので説明があり、私から「保育所の感染症対策ガイドライン見直し検討委員会」の情報提供と日本脳炎ワクチン接種後事例を踏まえての当面の厚労省の対応等を説明させていただきました。この会の創始者のお一人である藤沢市の小島幸司先生がご勇退の意向を示されました。ありがとうございました。


10月16日

本日報告のあった感染症情報ではインフルエンザの報告がありました。成人では時折ポツリポツリの発生も聞いていましたし、周辺都市でもこどもの発生はありましたが例年散発的にはあり得ることなので推移を見守るだけで十分です。実は、沖縄とか南九州では毎年夏に流行しているのですが理由はわかっていません。この地方での報告数はようやく減少してきているのが実情です。
尚、当HPで予防接種の解説をポリオに合わせて改訂しなくてはならないのですが、11月に4種混合ワクチンが開始されるのでこれに合わせて一緒に変更しますのでお許し下さい。
山中先生の嬉しいノーベル賞の話題から、このところiPS細胞を使ったと報道する疑惑の学者の話題で賑わっています。当然私も嘘だと思いますが何故今まで見過ごされてきたのか不思議でなりません。人間って肩書きに弱いのでしょうか?医師でもないのに、ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院、東大医学部、東京医科歯科大学と名前を並べたら相当の研究者だと思ってしまいますからねぇ。東○大学の医局に居た事と東○大学卒業とはイコールではありません。自分の卒業した大学の小児科の医局にも実に様々な大学から入局してきます。理由で多いのが地元に戻ってきたいためかな?そこの医局で実際に医師の仕事を覚えるので全く問題はないのですが世間では卒業生と勘違いしている人がたくさん今までいましたから、、、、余計な話でした


10月8日

今日は夜間診療所に勤務してきました。小児科は昼間も夜間も比較的少なく平穏でしたが外科の虫さされ?が多かったようです。
それよりも、山中伸弥教授のノーベル賞受賞が何と言ってもおめでたい話題でしょう!本当におめでとうございます。全く私には縁もゆかりもない分野ですが、先日授賞式の会場を事前に視察してきたので、、、、、関係ない話でした!
ただ細胞の培養を少々昔行った経験もあるのでノーベル賞級の発想は思いもつきませんが培養の苦労は何となくわかる気もします。


10月2日
今月も言い訳になってしまいますが、更新が滞って申し訳ありません。26日には子どもの皮膚科疾患の講演が皮膚科部会の主催で行われて、こども医療センターの馬場先生をはじめとする演者の先生に珍しい症例を見せていただき勉強になりました。27日には県小児科医会の幹事会が行われ横浜に出かけてきました。議題には報告事項が多く平塚の小児科医会へどの様に伝えるのか困ってしまうくらいですがまとめが出るまで少々待ちましょう。緊急に伝えるべき事項はなく一般への周知事項も無かったと思います。幹事会は公衆衛生、社会保険、学術・広報、救急・病診連携の小委員会に分かれて議論されますが、私の属する公衆衛生委員会は予防接種と感染症が話題の中心なので非常に勉強になります。
28日は平塚市医師会の理事会は形の上では一旦辞任して、10月からは一般社団法人の役員に就任することになるようです。

さてさて、週末に平塚市でもポリオワクチンが少なくなってきたとの情報が入りました。急いで行うワクチンではありませんが多少入荷状況を見ながらの接種になるかもしれませんのでご協力をお願いします。


9月11日

本日午後は県医師会の委員会出席のため休診で申し訳ございません。委員会での議題で早急に周知するべき情報は特にありません。不活化ポリオワクチン接種もほぼ順調に推移しているようですが、システムの問題で一部○崎市ではワクチンの入手が難しくなっているようでした。平塚市での昨日までの情報では順調のようです。感染症情報でもようやく夏風邪が少なくなってきたようです。


9月10日

恒例の休日診療所の勤務状況報告を忘れるところでした。夜間勤務でしたが総勢15名ほどで特に目立った疾患はなかったようでほとんどが発熱です。いわゆる夏風邪も少なくなってきたかもしれません。

ところで、1日より不活化ポリオワクチンの接種が始まりました。健康課へも特別な問題発生はないようで静かに滑り出した印象です。本当にみんなが待てましたと接種に駆け込むのではないかと厚労省も心配していたようですが、賢明にも対象者のみなさんは理解されているようです。


8月30日

長期の夏期休暇でご迷惑をおかけしました。
懸案の不活化ポリオワクチンの接種が9月1日より開始されます。当院も受託医療機関なので接種可能です。今回のワクチンは単独のポリオワクチンですから、既にDPTワクチンの接種がスタートしている人が確実に対象者になります。
まだDPTを受けていない人は11月1日よりDPT+ポリオの4種混合ワクチン接種が開始される予定になっていますので、場合によっては11月からスタートが良い場合もあり得ます。今までも述べてきたと思いますが、ポリオの病気は間近に迫っている感染症ではありません。地球上にはまだ残っていますが日本での発症は30年も無かった感染症ですからインフルエンザワクチン騒ぎのように一刻を争うことはないです。みんながあわてると準備してあったワクチンまで流通が滞ってしまう恐れもあるからです。
平塚市の案内は こちら

さて、本日は平塚市小児科部会の総会と講演会が行われました。市民病院からの貴重な症例報告と「日常診療における小児形成外科」の演題で高山昌賢先生のお話がありました。日常の診療に役立てていきたいと思います。


8月7日

予防接種についてお問い合わせがありましたのでちょっと解説。「子宮頸がんワクチンを9月中に行わないと3回目接種が有料になる?」とのことです。現在公費負担で行っている接種は、「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」で特別に国が交付金を出して各市町村が行っており、平成22、23年度と平成24年度と法律が継続されてほぼ同じ内容で行われていますが、来年度つまり平成25年4月からは予防接種法に組み込まれて接種が引き継がれる予定になっています。これは子宮頸がんワクチンだけではなくヒブワクチンも小児肺炎球菌ワクチンも同じ扱いです。したがって今年度は公費負担で行われているこれら3つのワクチンも来年度は一部負担金が生じることも全く否定は出来ませんが、過去の経緯で考えると継続される法律が出来るので今のやり方の継続になると考えて間違いないと私は思っています。そうでないと9月中に子宮頸がんワクチンを行わないと3回目が有料になるとか、ヒブワクチンも1年後の追加接種が有料になるとか小児肺炎球菌ワクチンの追加接種も有料になるとか平成25年度にまたがるワクチンの補償が出来ないことになってしまいます。まだ誰も改訂される予防接種法の要綱を知らないので対象者?方法等100%正しい答えを出せません。例年の進行だと来年度のことは1月〜3月にならないと全貌がつかめないのでそれまでは誰もわからないでしょう!?
まあ、踏ん切りをつけるきっかけにもなるので特に高校1年生は9月中に頸がんワクチンを考えることは大変結構ですが、過ぎてもあきらめないでください。サーバリックスは10月中、ガーダシルは11月中に初回を行えば公費負担で出来る可能性も場合によっては残っていますし、来年度用に出来る法律によっては年度内接種者は対象者になることも考えられますから、、、、。場合によって3回目は自己負担もあり得ますが、ワクチンの有用性を考えたら2回でも公費で行ってもらった方が助かるでしょう!ワクチンは下のコラムにも書いたように高額なものです。全部自己負担で行えば、子宮頸がんは4.5〜6万円、ヒブも3〜4万円、小児肺炎球菌4〜5万円程かかるので行政には感謝しないといけないでしょ!
(8月13日下3行間の記載変更しました)


7月27日

急激に猛暑が襲っています。本当に熱中症には気をつけて欲しいものです。高温多湿の環境で体の水分調節機能が狂ってしまった時の状態ですから、自宅に戻って夜間に発熱するのが熱中症と言うことはあり得ませんから、、、、現在急激に増えているのが夏風邪ウイルスによるヘルパンギーナや手足口病です。特に、ヘルパンギーナは突然の高熱と頭痛や吐き気で始まることが多いようで、少し遅れて口内炎で口の中が痛くなってきます。
不活化ポリオワクチンの9月開始に向けて着々と健康課担当者による準備が行われていますが、この単独不活化ポリオワクチンを提供しているのはサノフィパスツール社で、個人輸入の時や神奈川県独自で接種していたワクチンと同じものです。問題は提示された価格が5,450円と高額なことです。個人輸入された時には大体2,000円前後で販売されて4〜6千円で実際の現場では接種されていたはずです。と言うことは、初診代や手技料やもろもろ加算されると7〜10千円に相当します。今回は日本の急な需要があったので製造ラインを増やしたりコストがかかると説明されているようですが、負担する各自治体にとっては出費が増えるし税金の使い道にも影響が出るでしょう。もちろん接種を受ける人への直接の費用負担はありませんが、間接的には値上げ分の負担をされていることになります。各医師会からもメーカーに値下げの要望を出していますがどうでしょうか?こんな足元を見る製薬会社が増えては困ります。


7月21日

いつも言い訳になり申し訳ございません。本当に更新が少なくなっています。これからはまとめての記載もお許し下さい。

最近時々質問を受けますが、9月1日より不活化ポリオワクチンを開始すべく準備を健康課が行っています。ただ正式決定(法律化)をもって動けることもあるのでじれったいところですが、接種医療機関の選定もまだ行っていませんので当院で行う約束はまだ出来ません。でも、募集があれば必ず手を挙げますから当院で行いますとほぼ断定的に考えておいても結構です。


7月10日

本日の午後は県医師会の委員会出席のため休診でご迷惑をおかけしました。会議の内容で小児科に関する事項は少なかったですが予防接種に関することはほぼ毎回あります。カンボジアで謎の感染症がでており子どもの死亡者が随分と増えています。今日のニュースで手足口病の原因として有名な「エンテロ71型ウイルスが原因か??」とありましたが、今まで怖いウイルスではなかったのに病原性を増したのでしょうか?まだ不明な点が多いのですが密かに注目していきましょう。特に会議では話題にはなっていませんでした。


7月1日

本日の休日夜間急患診療所に勤務してきました。夜間のみですが来院者は非常に少なく20名で便秘やおう吐と消化器疾患が多少多かったでしょうか?小学生の発熱と咳が気になりましたが重症者はいませんでした。突発疹や3歳のウイルス性発疹症等夏近しの印象もあります。梅雨時は喘息発作が出やすいのですがいませんでした。嬉しいことです。
待合いの写真20枚程も改めて見てきましたが、一時の癒しになれば嬉しいですね。


6月30日

本日の午後は神奈川県医師会の代議員会のため休診で申し訳なく思います。平塚市の定数は5議席で、自分が欠席すると予備代議員の先生に出席をお願いしなくてはならないのでやむを得ませんね。今回の代議員会は医師会の組織が新たに公益社団法人と認定されたため3月に代議員会を行ったばかりでも今後は6月に定例として行うように決まったためです。まあ形式的な開催に思えますが仕方がないでしょう。
会長挨拶では黒岩知事に関していろいろ説明されていました。
マスコミとはいろいろ重要で日頃考えさせられています。マスコミの扇動?でインフルエンザ等の各種騒ぎになったことが何回もあり、逆に扇動してくれてありがたいと思ったこともあり、CMの医師(俳優)の方が本物の医師(医学博士等)よりも説得力があるのは何度も経験しています。このことでマスコミの人は本物の人より出来ると勘違いしないで欲しいと思っていますが、、、、実際にはワイドショーで取り上げられたことは珍しい医学事項でも知っているのが怖いです。善良な人々のためになるマスコミに期待しましょう!


6月26日

昨日は平塚医師会の臨時総会が開催されました。委任状はたくさんで総会は成立しますが出席者は少ないのはいつものことです。今回は公益法人の扱いが変わったため平塚市医師会は一般社団法人になるよう作業中で、それに伴って定款等変更するのですから本職の仕事内容ではないのでやむを得ないかもしれません。どうもこのような作業は複雑で専門家の先生にお任せするしかありません。役員にも報酬を出したら如何なのかとの有り難い質問がありました。本当に皆さん無報酬で会員の先生方の下働きを行っているのに無報酬では今後若手の先生に引き受け手が無くなってしまう恐れもありますから、、、、そうでなくても役員の後任を探す作業が大変で、引き受けてくれる開業の先生はなかなか見つかりません。自医院の診察と経営だけ行えばよいと言う先生方が増えている話は良く聞きますから、、、、
 ついでながら、休日急患診療所の待合室に医師会写真部第1回の作品になる小生の写真が展示されていました。待ち時間の合間にでもご覧下さい。


6月14日

どうも最近は新しい情報の更新が滞ってしまいました。夕刻に湘南小児科連合懇話会の総会と講演会が藤沢GHで行われました。湘南地域の小児科の先生方がお互いに情報交換しましょうという趣旨で昭和43年代に始まった会ですから歴史もあります。ただ現代ではインターネットで多くの情報を得ることが出来るので使命も変化させなくてはいけないでしょう。
さて、総会とは言っても年に1回の講演会を開催するだけが事業なので計画も予算もなにもありません。今回は私が代表幹事なので総会の進行を行い昨年の会計の承認を得てから、講演会は慶応大学感染制御センター教授の岩田敏先生による「ロタウイルス感染症、今後の展望」が講演されました。もちろんロタウイルスワクチンを含めての講演で再整理に役立ちました。ワクチンが広まればその感染症が減少すると言うのは歴史の示すことで、いつも問題なのはワクチンによる副反応と利点のどちらの方が力強いのかということでしょう。やはりワクチン接種された方がメリットはありますが、現状では任意接種の自己負担がかかるのが問題点でしょう。早く先進国並みにワクチンは公費負担が当たり前にならないでしょうか?


5月31日

今日は神奈川小児科医会の幹事会が横浜で行われました。今期から心機一転担当の委員会の変更もあって公衆衛生委員会に属することになりました。まあ予防接種や感染症など一番ホットな分野なのでいろいろ勉強させていただきます。小児科学会はおおざっぱに言えば、大学の研究成果を発表するような会であり、小児科医会はそこを卒業した開業の先生達が問題を解決するために協議する会とでも言えるでしょうか?今回の議題には目新しいものはありませんが、ポリオ等の予防接種や便色カードの経緯等が話されました。


5月30日

夕刻に5歳児健診の実施に向けての説明会が行われました。この健診は全ての人が対象となるのではなく、他の人に比べて発達が遅れているのではないか等心配な親御さんを対象に行うものです。入学してから何らかの遅れが元でいじめの対象になっては困りますから、先んじて訓練しましょうと言うことになります。この事業は平塚市医師会及び小児科部会が行うパイロットスタディで行政が行うものではありません。


5月15日

先週の感染症情報が出ました。予想外にインフルエンザがまた増加しているのが気になります。先日の休日診療所でも内科でB型インフルエンザが出ていました。ある施設で数名が発症しているとのことなのでまだどこかに残っているかもしれません。そして水痘が各保育園や幼稚園で急増しているようです。


5月13日

本日は休日急患診療所に勤務してきました。
今日の特徴としては、患者さんの数は随分と少なくなりましたが急性胃腸炎で吐き下しの患者さんと水痘が目立ちました。2名ほどは昔だったら点滴でもしていたかもしれませんが、経口補水液で何とかなる年齢だったので頑張ってもらいました。腹痛の仲にも便秘がらみの人もあれば、ミドリガメから感染したサルモネラ感染症らしき人もいました。症状から否定できないので便性を帰宅後も追ってもらいましたが血便になってきたようです。検査を行わないと細菌なのか分かりませんがミドリガメから感染するのは現代でもあり得るのでしょうか?午前中は24名、午後25名で合計50名弱の来院ですから時間的には余裕がありました。かかりつけでも扁桃腺がパンパンと言われていたようですが、来院しても苦しそうな児童の奥も見えないほどだったので扁桃周囲炎疑いもあったので耳鼻科の先生に診てもらいました。やはりそのようで東海大救急へ転送になったようです。また歩行障害(歩くとふらつく)女児が来院されましたが先行感染もあったのでギランバレー症候群や急性小脳失調症等疑いもあったので二次病院へ行ってもらいました。片言日本語の人へ説明するのは非常に困難でした。他にも溶連菌感染症や蕁麻疹、と研修医の先生がいたら勉強になったと思いますが本日はいませんでした。


4月23日

今夜は定例の平塚市小児科部会幹事会を開催しました。今期も行う5歳児対象の健診事業の確認を猪股先生にして頂き、今季の総会の日程や講師の選定等が話し合われて解散です。小児科専門医の集まりにもいろいろあります。大学を卒業して新米医者になった頃は小児科学会という学術団体に大抵は所属して学会で発表したりします。歴史も古く研究発表の場ですがどうしても他人とは違った発表にするため奇をてらう傾向がなきにしもあらず?他に小児科医会という団体が日本・・・、神奈川・・・・・、平塚・・・・と各レベルで繰り広げられています。ここは完全に病院を離れた開業の先生が中心の集まりなので、病気の原因を究明するよりもいかにお母さん方に安心してもらえる情報提供出来るかに主眼がおかれていますが、ほぼ同じ内容の団体に日本外来小児科学会があって開業医院へ受診する患者さんの統計や把握が主体のようです。

本日のニュースでも単独ポリオワクチン接種が9月より実施されそうにますますなってきましたねぇ!


4月20日

不活化ポリオワクチンに関する情報です。すでに報道でご存じかと思いますが昨日の厚労省の会で単独不活化ポリオワクチンが承認されました。これを受けて本日閣議後の記者会見で小宮山厚労大臣が9月には実施したいと会見しました。今まで私が折に触れて申し上げていたことが一層具体的になってきました。あとは正式に販売日程が決まり法的に定期接種に使用可能となるのが待たれます。こうなると生ワクチンの希望者はもっと減るでしょうねぇ!
不活化ポリオワクチンは恐らく皮下注射を4回行わないといけないので、注射嫌いがまた増えてしまうでしょうか?生ワクチンは痛くもなく美味しいですが、、、、まだポリオワクチンを全く行っていない人は秋まで待つのが良いでしょう!既に1回でも生ワクチンを内服した人であれば残り1回も生ワクチンで良いと私は思っています。2回目のワクチンで後遺症を残した例が無いからです。注射4回も行うのが大変で兄弟も生ワクで問題なく免疫を十分につけてあげたいと考えられる女児であれば現行の生ワクチンでも統計上何の問題はないと私は思います。自己負担のある神奈川県の不活化ポリオ予約者はどうするのでしょうか?キャンセルして国の無料ワクチンを待った方が、、、、補償も十分だし、、、、、、!

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4月12日

今夕に湘南小児科連合懇話会の幹事会が開催されました。湘南地域の小児科の先生方の代表?が集まって情報交換をして親睦を深めようという趣旨の会合ですが、実際には勉強会にあたる講演会を設定する会になっています。今期は私が代表幹事として進行の役目を仰せつかっています。まあ6月の講演会は慶応大学教授の岩田先生の話が決まっており担当医師会の秦野・伊勢原の先生の準備も出来ているので問題なし。
新学期に入って感染症もロタウイルス中心の胃腸炎が目立つくらいでだんだんと暇になってきたのはどこも同じようです。


4月11日

昨日午後は県公衆衛生員会のため休診にさせて頂きました。先月が休会だったためか議題が多いうえに予定終了時間を早く設定していたのでほとんど議論はありませんでした。また議論になりそうな話題を提供するのにためらってしまいましたね!目立った議題はなかった割に報告事項がたくさんになってしまいました。
本筋から外れて、4月1日施行予定の学校保健安全法情報を川崎市の先生にお聞きし参考になりました。帰宅後調べたら日本医師会へ丁度アップされたばかりで文科省のHPにも掲載されました。2月17日のこの欄に記載したとおり、インフルエンザの登校停止期間は発症5日を経過し、かつ解熱後2日経過してと言うようになります。百日咳やおたふく風邪も変更がありました。まあ5日という日程がキーワードでしょうか?文科省通知は ここ


4月1日

今日も休日急患診療所の報告からになります。4月と言えば新年度が始まるのは何も学校だけに限ったことではありません。が、この診療所では先月の半分以下の来院者でしたが特別変わったことはありません。まあ診療報酬の改定があったので会計窓口では多少の変化もあったかも知れませんが、、、、
小児科の昼間帯の来院者は午前中が25名で午後が14名ですから先月の半分以下になってしまいました。そしてインフルエンザの検査は10名で行い6名がB型で4名は陰性。感染性胃腸炎がやはり多いようですが重症者は少ないようです。喘息発作や蕁麻疹、排尿痛、腹痛と血尿等でしょうか?今後は夏に向けて流行疾患が一旦は減少するかも知れません。昼休みに3階の健康課に出かけてきましたが休日なのに数名がお仕事をしていました。この季節は人事異動も多いのでみなさん本当にご苦労様です。


3月21日

午後は「すくすく子育て教室」の講師に出かけてきましたので休診ご迷惑おかけしました。この子育て教室も長らく開催されていますが、健康課の用意したテキストの内容はほとんど不変です。まあ、熱を出した時、ひきつけた時、便秘の時、下痢や嘔吐の時、頭を打った時の対処等が記載してあります。これを説明するだけに昔は時間を割いていたのですが、数年前からは予防接種の話や事故の話も加わったのでボリュームが増えてきました。ところが近年の平塚市の財政難もあって講義時間も短縮45分になり、とても今までの中味を話せる物理的な余裕はありません。自分で作成した配付資料に記載していくことになってしまいますが、この原稿は上段の病気の解説パンフレットにリンクしてありますのでご参考に。30分話して15分を質疑応答に当てましたが、質問の多くがやはり予防接種でした。病気の対処法は10年経っても内容を変える必要がなかったのに予防接種の解説は直近まで変更の連続作業ですからやむを得ないでしょう!小生はある意味では裏事情まで知っているのでどこまで話して良いのか困りました。
こちらが参加者の方に教わったことは、県の不活化ポリオ接種の申し込みをしたら秋に予定されたとのことでした。一体何を考えているのか??恐らく秋には不活化ポリオワクチンが承認され薬屋さんに手配すれば接種できる可能性もあるし、自費接種だとしても県の値段より安くなる可能性もあり、予防接種法に組み込まれたら公費で出来るかも知れず、、、、、、これらを説明して秋に予約しているのでしょうか?何であれだけ1,200本×○回輸入しておいて秋まで延ばすのか??県に問い合わせないと詳細は不明ですが、、、、今回の補充テキストが余りましたので待合室においてさし上げます。。。。


3月20日

夜間急患診療所に勤務してきました。約27名受診されてインフルエンザの検査陰性者が10名、B型インフルエンザが5名と随分と少なくなりました。まだインフルエンザが残っているので仕方がないのですが、2歳未満の子どものインフルエンザはやはり親族感染以外は無かったです。ようやく落ち着きを取り戻しつつありますが、意外にも内科の方が受診者が多いようなので困ったことです。
平塚市は休日夜間急患診療所がありますが、先頃大学の同級生が茅ヶ崎の某大病院の院長として赴任してきましたので旧交を温めてきた際に聞いたところ、徳州会病院が今まで休日夜間の診療の一翼を担ってきたのに移転するので茅ヶ崎市の休日夜間の体制が大問題になっているようです。市町村によっていろいろ違いますねぇ!


3月14日

昨日の感染症情報によるとまだインフルエンザが残っています。実感としては随分と少なくなったようで発熱児に検査しても半数以下はインフルエンザ以外が原因と思えますが、学校や幼稚園が終了すると感染症も下火になるのでもう少し注意していきましょう。


3月13日

本日は県医師会の代議員会のため休診でご迷惑をおかけしました。まあ、何事も議決されて活動できるのですから役目を負わされた身にとっては仕方がありません。会長の挨拶で知事が代わるとこうも違うのかと言うような意味の話がありましたが分かる気がします。いろいろな会議で話し合ってきたことを思いつきで覆して独断でマスコミ発表してあたふたするやり方は良くないと思うのですが、、、、如何でしょうか?詳細を知らないのであまり述べる資格もないのかも?

夜間は小児科部会主催の講演会が行われました。今回も「5歳児健診の必要性と診察のコツ」の演題で遠路はるばる鳥取大学教授の小枝達也先生に来て頂きました。この健診を広めていらっしゃる日本の第一人者の先生ですから平塚市の取り組みも本物と思って下さい。ちょっと気になる子ども達、、、、、、、って本当にどうなのか自分は素人で分かりませんが、ちょっと前の総理大臣だって人と変わっていることが支持されているとしか思えませんし、今もブームに乗っている某市長も本当はどうなのか気になっています。集団の中で問題のないお利口さんより多少の問題があっても光るものを持っている方が将来は大化けする?かも?


3月11日

あっという間の年度末になりました。本日は東日本大震災より丸1年経過とのことで様々なセレモニーが行われたようです。決して忘れることの出来ない歴史の1頁ですから、、、、
さて、本日は休日急患診療所に勤務してきました。当初の予想通りに本日もインフルエンザが心配で来院した子どもで溢れていましたが、最盛期よりも大分少なくなっています。来院者は午前49名、午後45名でA型インフ午前2名、午後6名
B型インフ午前15名、午後12名、検査陰性者は午前21名。午後14名ですから合計するとインフルエンザが35名(A:8,B:27)、陰性35名でした。検査を行わない人は殆どが胃腸炎の吐き下しで、他は水痘2名、蕁麻疹3名、喘息発作1名になります。どこでも同じような傾向なので現時点での小児感染症の縮図でしょうか?


2月26日

休日夜間急患診療所に夜間勤務してきました。ほとんどが発熱の人で予想通りにインフルエンザかどうかです。昼間は100名ほど小児科に来られたようで、一時期の170名からは少なくなってはいても十分に大混雑ですから、ちょっと早めに診察検査をさせて頂きました。結果は50名ほどで終盤の1時間はほとんど人も途切れてしまったので急ぐ必要もなかったと反省しています。それで、インフルエンザの検査で陽性にでた人の割合は大体60%位でしょうか?
明らかに時間経過も合致して間違いないと思った人でも何人かは陰性の人がでていました。これは当院でも同じなのでインフルエンザ以外の感染症(いわゆる風邪の仲間)がけっこうあるのでしょう!夜間でもピークは80名ほどあったようですから現在は2/3に減少しているのかな?


2月17日

すでに報道でご存じかと思いますが、文部科学省ではインフルエンザ罹患による出席停止期間変更を考えているようです。抗インフルエンザ薬の無かった時代の決め事だったので遅すぎたのかも知れません。ただ4月1日から実施予定で準備に入ったとのことなので、今の流行には2月10日記載の事項が当てはまります。

「発症後5日間」を追加 インフルの登校停止基準 文科省、4月施行へ

共同通信社 2月17日(金) 配信

 文部科学省は16日、児童生徒や学生がインフルエンザを発症した場合の小中高校や大学の出席停止期間について、「解熱した後2日間」としている現行基準を「発症後5日を経過し、かつ解熱した後2日間」に見直す方針を決めた。

 発症後5日たてばウイルスがほとんど検出されなくなるとの研究報告を受けた対応。周りにうつす可能性がある期間内でも、薬で熱が下がったとして早期に登校するケースが増えているため、新基準を追加する。3月中に関連省令を改正し、4月1日に施行予定。

 また、幼稚園児については、低年齢ほど感染させる可能性がある期間が長いとの医学的知見を踏まえ「解熱した後2日間」から「発症後5日を経過し、かつ解熱した後3日間」に改める。

 学校保健安全法は、学校での感染症予防のため、感染やその恐れがある児童生徒の出席を校長が停止できると規定。病名や停止期間は政省令で定めるとしている。

 省令改正ではこのほか、おたふくかぜの出席停止期間を、現行の「耳下腺の腫れが消えるまで」から「腫れが出た後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで」に見直す。百日ぜきについては「5日間の抗菌性物質製剤による治療終了まで」との条件を新たに追加。「特有のせきが消える」か治療終了のどちらかを満たせば出席を認める。



2月14日

本日発表された平塚保健福祉事務所管内のインフルエンザ数は頭打ちになったようです。しかし、B型も散見されていますので今後増えるかも知れませんのでまだご注意下さい。
また、本日は県の公衆衛生委員会のため午後休診で申し訳ございません。この会議で新規情報は余りありませんが、県の行っている不活化ポリオワクチンの接種見通しが甘いとの指摘がありました。実際にどうなっているのか今後調査して報告されるようです。接種希望者が多くてどこの会場も満員ですが、1回接種した人が2回目や3回目を接種できるかがよく分かっていないようです。
現在流行中のインフルエンザでの脳症もやはり出ているようですが死亡例の報告は聞いていないとのことでした。

余談、、、ご存じかと思いますが、神奈川県の麻しん・風しんの予防接種率(U、V、W期)は全国でほぼ最下位です。したがって前知事の松沢さんの時にも慌てて何とかしなくてはといろいろ施策を考え、今では3月を強化月間としてPRしています。しかし、全国の麻しん患者数は過去最低レベルを更新し、一昨年は457人、昨年は434人まで減少しています。神奈川県も一昨年の77人から昨年は40人と半減しています。これだけで結論は出せませんが、予防接種率が低くても患者さんが出なければ目的達成ではないでしょうか?今一歩努力しましょう!


2月10日

相変わらずインフルエンザの流行が続いています。マスコミでも報道されているとおりA香港型で14歳以下が主流であることに大きな間違いはないと思います。
これらの情報はインフルエンザ定点になっている医療機関からの報告をまとめたもので、平塚保健福祉事務所管内(平塚、大磯、二宮)には11医療機関あります。その内訳は小児科が7に内科が4ですから当然小児年齢からの報告数が増えるのが当たり前とも言えるかも?また、病原体定点は3カ所だったと思うし全例検査しているわけでもないので正確でもありません。ただ県レベルた国レベルになると数も増えるので信頼性が増してくることになっています。
あくまで数字上の増減に基づいてコメントをしているのであって、学級閉鎖になって休んでいる子どもが全員インフルンザではないと思います。何回検査してもインフルエンザ陰性の発熱者はけっこういますから、、、、この時期だからインフルエンザが心配になるのでしょう。いずれにしてもウイルスが飛び回っているのは確かですからご用心下さい。

保育所における感染症対策ガイドライン(平成21年8月 、厚生労働省)の登園基準:症状が始まった日から5日以内に症状が無くなった場合は、症状が始まった日から7日目まで又は解熱した後、3日を経過するまで

学校保健安全法施行規則第19条における出席停止の期間の基準について:解熱した後2日を経過するまで

これらより、厚労省管轄の保育園と文科省管轄の学校や幼稚園での対応に違いがあります。
小児科学会では、2012年1月に「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」を公表し、その中のインフルエンザの登校(園)基準:学校保健安全衛生法では、解熱した後2日を経過するまで、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、症状が始まった日から7日まで、または解熱した後3日を経過するまでを、出席停止の目安とされている。ただし、発症5日を経過するまでは欠席が望ましく、咳嗽や鼻水が続き、感染力が強いと考えられる場合はさらに長期に及ぶ場合もある。


この様に記載されています。


2月10日

第4次補正予算が8日参議院本会議で可決成立しました。なにやら国会でいろいろなことが報道されていたようですが、肝心なのはこの中身に関心を持っていた事項があったのをご存じでしたか?
ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンの接種が今までと同様に継続されることが決まったのです!(つまりこのための予算がついたのです)
あとは各市町村も今まで通りに行うと決めれば最終決定ですが、この段階からヤーーーメタと言われた試しがないのできっと継続できるでしょう!細かな点(例えば、現在高校1年生の追加分が2年生になった時にどうなるか?)は最終確認する必要もあると思いますが、、、、、きっと大丈夫かな?


2月9日

今日は神奈川小児科医会幹事会が開かれる横浜へ出かけてきました。沢山の報告事項を承り今後に向けての各種取り組みを会長先生から聞きました。予防接種や感染症に発達障害等が主なものになります。いつもこの会議に出席すると頭の下がる気持ちで一杯になります。本当にみなさん献身的な努力で一生懸命にこれらに向き合っておられ、尚かつ診療にも執筆にも手を抜かないのですから感心します。自分は何もお役にたてずただただ地元の先生への連絡係の役目ぐらいかも知れません。診療以外に自己犠牲にして働いている先生方がいることを少しは考えてあげて下さいと言いたい気持ちで一杯です。


2月7日

今日の感染症動向調査と学校閉鎖の報告を聞くと、今年のインフルエンザは10年に一度の大流行になるようです。調べると2005年に1週間の報告数が500以上ありましたが他の10年ではありません。あの時代よりも予防接種接種率が高いと思われるのに流行は無関係にやってくるようです。見た目は元気で発熱も計測した時点では高くないのにインフルエンザ検査陽性の人に予防接種歴のある人が多い気もしますが、あくまでも例外だと思っています。また平塚市内で学校閉鎖が出た記憶もありませんから欠席者が多いのは確かですね!市内中心部の崇善小学校やなでしこ小学校でも学級閉鎖の報告が本日入ったのでほとんど全域の流行になるでしょう。
公立小学校28校でまだ学級閉鎖報告がないのは、土屋小学校、相模小学校、勝原小学校の3校だけです。
この時期の健康診断や予防接種は感染に留意しなくてはならないので来院時間のご確認をお願いします。


2月2日

すでにいろいろな情報からもおわかりのようにインフルエンザが流行のピークに達しようとしています。現時点ではほとんどがA香港型が検出されています。この型はインフルエンザらしい高熱や頭痛を起こすことで知られていますが、あくまでも教科書的な症状であって稀ながら比較的元気で38℃前後と比較的熱の出ない人も含まれているようです。予防接種の効果も考えられますが全員に当てはまるわけではないようです。学級閉鎖も毎日報告されている現在では、ちょっとした熱でもすぐに検査を勧められて来院する人もいらっしゃいますが、やはり発熱後数時間では検査も陰性のことが多く翌日の検査で初めて陽性と診断されることも目立っていますし、反対に翌日には軽快して解熱し元気になるのど風邪?も混じっているようです。この様な現状ですから元気であればあわてずに時間を見てから検査をした方がすっきりします。何回も何回も検査をすることは原則ですが認められていないのでご承知下さい。もちろんインフルエンザであっても抗インフルエンザ薬を使用しなくても治る可能性もあるのですから。周囲の人はこの間は感染しないように努力して下さい。ここまで増えると1ヶ月すれば流行も下火になると思っています。空気を出来るだけ乾燥させないようにし、手洗い、うがい、マスクの着用等は有用と思います。


1月25日

今日は昨日質問のあったことに考えてみたいと思います。「抗生物質は風邪に必要か?」の質問です。簡単に言えば、抗生物質は感受性のある細菌感染症へ使用します。問題は風邪とは何か?と言うことにもなってしまいます。まあ、人によって定義はいろいろあって難しいので一言では言えません。上気道のウイルス感染症であれば当然抗生剤は不要です。本当にウイルス感染症であるのかを調べるのは実は大変なことで、血液検査で推測するのか、ノドからウイルスを分離培養して確定するのか、いずれにしても費用と時間がかかってしまいます。実際には推測するだけなので、元気がよいとか鼻水や痰が見た目きれいであるとか、兄弟も同じ経過だったとか、、、、いろいろなことを参考にします。まあウイルス感染の大部分は寝ているだけで熱があってもなくても治る確率が高いのだから医療機関を受診しなくても大丈夫と言うことになります。市販薬で様子を見ていても治りが悪いとか、元気がない、顔色が悪い、痰や鼻水が汚く臭ったり、目脂が汚い、化膿性中耳炎を繰り返す、とかいろいろな情報を総合すると細菌感染が単独でなくても重複感染している可能性は考えられるので抗生剤の出番となります。
自分が昔病院で勤務していた時に、開業の先生の朝の診察時には抗生剤を処方されなかった子どもが夕方心配停止で運ばれてきたことがありました。その兄弟は抗生剤を処方されていたそうです。検査の結果は劇症型の肺炎球菌感染で家族もばい菌検査で同じ細菌に感染していましたが大丈夫でした。学会誌にも症例報告されています。このときのお母さんがなぜ朝に診察時に同じ抗生剤を処方してくれなかったのかと泣いていたことが忘れられません。まあ処方されないほど元気だったのでしょうが半日で命取りになることがあり得るのを経験しているので、悩んだ時には使いように私はしています。明らかなウイルス感染やアレルギー性鼻炎には当然抗生剤の出番はありません。


1月14日

土曜日の夜間急患診療所に勤務してきました。総勢25人ほどなので特に多くはありません。大まかに言えば、半数が発熱で半数がおう吐と下痢になりましょう。この時期ですから少々発熱から時間経過が短くてもインフルエンザの検査は行いました。4名ほどがA型陽性の結果で殆どが感染源がわかる人でした。参考までに内科では2名がB型で2名がA型だったようです。徐々にこれからインフルエンザも増えていくでしょうが、まだ本格的な流行とは言えないようで12月に危惧した流行が一旦は途絶えたように感じます。このところ空気が乾燥し新学期も始まりましたので流行する準備が出来たと思いますのでくれぐれも人混みはご注意下さい。


2012年(平成24年)1月1日

様、

今年もよろしくお願い致します。
また、皆様にとってよい一年であることをお祈り致しております。

昨年の情報お知らせ等は上段バックナンバー平成23年からご覧ください。


さて、休日夜間診療所の様子は後ほど報告させていただきますが、緊急性がないとは言っても世間では騒がれてしまったポリオに関して感染症動向を追いかけていますので、情報源をここにリンクしておきますので関心のある方はご覧下さい。 こちら

こちらで調べてもらえばおわかりと思いますが、野生株のポリオはアフリカから鉱物資源の輸送ライン建設中のパキスタンから中国方面へとつながっているようです。いくら隣国の中国に20名以上出たといっても中東の中国ですから数年前の状況と変わらないと考えています。空気感染で広がるものでもないのでまだ日本は危険ではないでしょう!

本日の休日夜間急患診療所では昼間は70名ほどでインフルエンザも3名(金目地区)と比較的平穏だったようですが、夜間は45名と少ない時間に大勢が押しかけてきました。高熱は殆どで中には発疹があったりRSのように喘鳴があったりと内容も複雑でした。しかし、インフルエンザの検査を行っても陽性者は1名のみでインフルエンザは小康状態と思えます。ただ生後2ヶ月児で咳発作が見られる児は百日咳を疑わせるので二次病院へお願いしましたが担当医師の横柄な対応にはかちんと来ました。こちらはベテランなので押さえて対応しましたが。。。。困ったものです!