12月29日/2013年

本日より1月4日まで冬季休診になり、新年の診療開始は6日(月)からになります。この間は迷惑をおかけしますがよろしくご承知下さい。尚、休日中の市内医療機関の診療状況はトップページにリンクしてあります。基本的に休日夜間急患診療所をご利用して頂くことになろうとおもいます。
年末最後の情報も特にありませんが、報道でもご存じの通り子宮頸がんワクチンの積極的再開に関しては結論が見送られ、全国的にはインフルエンザの流行が始まったとのことですが平塚保健所管内ではまだ流行レベルには達していません。果たして来年はどの様な年になるのか期待半分不安半分ですが、いつも感じていることに正しい情報の共有ができることが望ましいと思います。医療関係だけを思い返しても、断面だけを捉えた報道だけで真実を理解するのは困難だと感じていました。物事の流れや裏側までも深読みすることは至難の業ですが自分なりに今後も努力していきたいと思っています。それでは良いお年をお迎え下さい!m(_ _)m


12月25日

本日の朝日新聞朝刊に以前ここでご紹介した通り、高齢者用の肺炎球菌ワクチンと水痘が来年度から定期接種に向けて予算計上した旨記載されていました。まだ国会で法案化されたわけではないのですが、恐らく来年の10月頃から高齢者肺炎球菌ワクチンが一部助成で始まり、水痘がほぼ全額公費負担で1−2歳対象に6か月空けて2回接種になる方向のようです。それまでの間どうすれば良いのか迷われるでしょうが、財布とその時までの感染の危険性の大きさと必要度に応じて決めてもらうしかありません新聞記事なのですぐにリンク切れになるかもしれませんが、記事を紹介しておきます。 朝日新聞


12月21日

本日は夜間診療所に勤務のため夕刻の診療をお休みにさせて頂きました。申し訳ございませんが診療後に出かけるとこの時期間に合わない可能性が強いのでご容赦下さい。さて、夜間診療所では合計28名の受診がありました。季節柄インフルエンザも出はじめたので怪しい人には検査を行ってB型インフルエンザが松延小学校や横内小学校の児童に出ました。大磯からの溶連菌感染症が2名、アデノウイルス感染症に水痘が2名と非常にバラエティに富んでいましたが、やはり一番多いのはウイルス性胃腸炎のおう吐でしょうか?幸いなことに重症の疾患はいなかったと思いますが、高学年の女児の不定愁訴に近い腰痛と大腿痛は発病?まもないので経過観察しか方法がありません。発熱の既往もないし動作に異常はない訴えだけだと??まあ連休の初日にしてはまあまでしょう。抗生剤を使用せずに発熱が長引く児に検査で溶連菌が続けて出たのは残念でした。


12月18日

今日の午後は「すくすく子育て教室」の講師として保健センターに出かけました。予防接種枠を休診にして誠に申し訳ないのですが、これも地域医療に貢献する必要もあるのでご容赦下さい。そもそも当院の診療時間体制が変則なのでいろいろご迷惑をおかけしますが親父の代から何十年も続いた特徴の一つですからやむを得ません。
この教室は生後5−6か月の親御さんにこどもに良くある病気とその対処や予防接種のお話しをするものです。以前は1時間の持ち時間があったのですが、今は45分と緊縮財政の影響を受け、前説があったので本日の正味時間は40分ですからとてもお伝えしたい事の1/10も話す時間がありません。その為もあって自分で作成した補充ノートをお配りしていますが、その内容もここ10年近く微々たる改訂しか出来ませんでした。本当は雑談や冗談も交えて話したいのにテキストを読むこともなく一気に喋ってお終いになってしまいます。それでも後で話し忘れたことがたくさん見つかるので悩みますよ。今後はテキストを読むだけにして終わりにしてしまおうかと思います。
講義の冒頭で紹介した平塚市の病後児保育が8月より始まり、現在はまだ空いている事が多いようです。ここでは投薬もしてくれるので早く病気が治ってくれるかもしれません。関心のある人は平塚保育園に併設されているので問い合わせてくださいね!


12月3日

今年も師走に突入しました。例年冬の感染症が増えてくる季節ですがまだ目立った動きはないようです。先週分の感染症動向調査報告が届きましたが、RSウイルス感染症と溶連菌感染症と感染性胃腸炎が現在の主流ですが、夏風邪の手足口病やヘルパンギーナもまだ残っているようです。この季節に発熱が長引く人に検査を行うとマイコプラズマ感染症やアデノウイルス感染症が年長者に、RSウイルスが年少者に検出されることが当院でありました。インフルエンザは空振りです。さて、市議会でも子宮頸がんワクチンに関する質問が出ているようです。日本に導入されるまでの経過を思い出せば、世界に遅れてようやく導入されたワクチンもまたしても日本ではワクチンが悪者にされ混乱を招いていることは不思議でなりません。どのワクチンでも100%安全安心とは考えていませんが、どうもこのワクチンは風評被害?に似たメンタル的にマイナスイメージが広まってしまいそうな気がしています。当院で接種時に痛みはどの位か大体は後日に聞いていますが、DTワクチンの方が接種時は痛いと言っています。しかし、初回接種時は一番痛いと友達に聞いたとか脅されたとか言う人がたくさんいました。
現在は専門家が具体的にワクチンとの因果関係を確かめているのでその結果を待つしかありませんが、世界で行われているのと同じワクチンでも日本だけ副作用が出るとは不思議です。もし今後子宮頸がんを発症した人から逆に訴えられたらと考えるだけで可哀想です。複合性局所疼痛症候群は何も頸がんワクチンだけが原因でなく、一番多い報告は骨折などの疼痛をきっかけにしているようです。副反応の症例が沢山出ていますが、接種後1年後の倦怠感まで本当に関係あるのでしょうか? サーバリックス報告ガーダシル報告 全体 子宮頸がんで不幸にして亡くなられる人の数は年間3,000−4,000人ほどらしいのですが、この方たちはワクチン接種を望んでいることと察します。

現状では、まだ未接種の人は結論が出るまで待っていて下さい。既に接種開始してしまった人は残りを行った方が良いのではないかと私は思っています。もちろん納得の上ですけれど!


11月24日

夜間休日診療所に勤務してきましたが、連休なのに予想外に患者さんはすくなく16名した。ちょうと研修医の先生が来ていたので、いろいろ病気の見方から各科の状況、卒後研修体制やらかなり多くの時間をとることができました。皮膚科志望なので湿疹とかアトピーとかの蕁麻疹とかの話題も多かったのですが、そもそもこれらの本当の原因がまだわかっていない現状をどの様にして解明し病気を撲滅できるかの話も出来ましたが近未来の事であって欲しいと臨床医としては思います。


11月19日

本日の新聞で公表されましたのでご存じかと思いますが、昨日開催された○第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で高齢者用の23価肺炎球菌ワクチンと水痘が来年度から定期接種化する方向に決まったとのことです。まだ具体的に何時からか?、対象年齢は?負担額は?等ハッキリしていない点も多く詳細が決まり次第お知らせする予定です。まあ、水面下では情報が漏れてはいましたが、、、、 参考


11月18日

昨日は東京で開催された講演会に出かけてきました。メーカーさん主催の小児科医療の最新トピックスを日本の第一線の専門の先生に講演してもらうものです。実は、我が大学小児科教授に決まった下条先生の講演を聴きたかったからで座長の河野先生も同じ研究室だったこともあります。30数年前のことですが、河野先生がアメリカより帰国した時に免疫アレルギー研究室には自分を含めて3−4人しか残っていなかったと思います。当時の中島教授からはノーベル賞級の研究をしろハッパをかけられていても私にはとうてい無理。でも河野先生はそのレベルで研究できる優秀な先生でした。その後教授に就任して日本の小児アレルギーに基礎研究を持ち込んだ開拓者だったと思っていますが、その影響を全面に受けて成長してくれたのが下条先生です。テニス部でも後輩であり実力も医学部レベルではありませんでした。
今回の講演内容は、「母乳中免疫活性物質と乳児アトピー性皮膚炎」で、母乳にはメリットがあると言ってもどこがメリットか解っていないので有益な物質を特定し、母親がある物質を経口摂取することで有益な物質を母乳から赤ちゃんに飲ませてアトピーになるのを根本的に防ごうとする研究発表になると思います。あまりに簡単に要約したので間違っていたらごめんなさい。その様な内容なのですぐに現場の赤ちゃんに恩恵がでることはないのですが将来的には希望も持てます。実際には人間には様々な多様性があるので、ある人にとって有益なことも反対に有害になる可能性があるのが人間のややこしいところです。現実の予防接種にしても免疫学的に解析すれば効果も様々なはず。
まあ、我々一般開業医にとっては目の前の1人1人に真摯に接するしかないと考えています。
ついでながら、今朝のNHKニュースで基礎免疫学教室の中山先生がアレルギーを押さえることに、、、、と流していました。NHKサイト  詳細は後日にしましょう。


11月12日

本日先週の感染症情報が出て管内で今季初めてのインフルエンザの報告がありました。年内の報告は決してめずらしいものではありませんが流行することはまず無いと考えて下さい。今後急性胃腸炎の発生に引き続いてインフルエンザの流行が年明けになるのではないかと考えています。まあ、いろいろな意味で本格的な風邪の季節が迫っていますのでご用心!
さて、この欄では馴染まない話題かもしれませんが、本日インフルエンザ予防接種を受けに来た人が9日の全日本テニス選手権大会で優勝した穂積絵莉選手と学校が同じだったとの会話がありました。平塚市出身で杉山愛ちゃんのスクールで腕を磨いてきた地元の選手が全日本で優勝したのです。各新聞紙面に載っていると思いますが平塚出身とまでは書いてないので目に留まらなかったかも?本人の公式ウェブサイトが開設されたのでご覧下さい。 こちら


11月5日

13価肺炎球菌ワクチンの補足;神奈川小児科医会より県へ出された要望書に書いてある効果をご紹介。公費負担が始まった平成22年に比べ平成23年のヒブによる髄膜炎は77%減少、肺炎球菌の髄膜炎は40%減少にとどまっているのは今までの7価ワクチンでは防げない19Aと言う血清型の菌による髄膜炎が多いためです。米国でも7→13価に切り替えた際に13価ワクチンの追加接種も定期接種にしたところ2−5歳以下の侵襲性肺炎球菌感染症が1年で約半減したのに対し、英国ではこの追加接種を任意接種にしたところ同様の感染症が1年で10%しか減少しなかったとのことです。日本でも任意接種扱いで(ほとんど自費負担になります)すが、7価の定期接種完了後でも8週間以上経過し5歳以下であれば13価ワクチン接種を受けることが出来ます。


11月1日

今日から小児用肺炎球菌ワクチンがバージョンアップして7価から13価に全国一斉に切り替わりました。このワクチンを接種中の人は乳児がメインなので少ないでしょうが覚えておいて下さい。ワクチンの普及で肺炎球菌による髄膜炎は劇的に減少していますが、現在の肺炎球菌による髄膜炎は19Aと言う型の肺炎球菌で、今までの7価ワクチンでは対処できませんでした。13価ワクチンであれば19Aにも対応しており、ようやく世界の標準ワクチンが日本でも開始になりました。旧7価ワクチンで行った人はその点では可哀想ですが、新しい13価ワクチンを5回目として1回でも追加すると効果があります。しかし、5回目を公費で補助する自治体は小松市や大田原市等ほとんど無いのが現状です。神奈川県でも県小児科医会と県医師会が県に対して補助の要望を出していますが果たして回答はいかがでしょうか?


10月28日

昨夜は休日夜間急患診療所に勤務してきました。夜間は12−3人と少なく相変わらず発熱が主訴が多いです。強いて言えば10歳以上の発熱が普段よりも多かったかな?市民病院や共済病院で臨床実習中の医師が急患診療所でも一緒に研修しているので大学病院や勤務病院時代を思い出しました。


10月22日

19日に私の病院勤務最後の場所である松戸市立病院小児科の同窓会?に参加させて頂きました。松戸市は平塚市の約倍の人口があります。市立病院の小児内科の常勤医は20名で3名が当直で参加できなかったとのこと。他に小児医療センターには新生児科や小児外科、小児心臓血管外科等小児に関係した医師が30名はいるでしょう。これだけいると人件費で赤字と思いがちですが、何と外科や内科以上に病院の稼ぎ頭になっているとのこと。なにも稼げりゃ良い訳じゃありませんが、昔と違って大学医学部を卒業した人は研修先を一般病院にしている傾向が強く、この研修医に松戸市立病院は非常に人気があって人が集まり5−6年経って専門機関の研究室に出向いて実力をつけ、また育ててもらった研修時代の病院に戻ってくるようです。昔の大学の医局の役目をしているので大学病院と同じレベルの高度先進医療から一般医療まで幅広く扱っているのも特徴です。本当に後輩たちが伝統を受け継ぎ世界レベルの先進医療と息抜きの時間帯作りを守って和気藹々としている姿に感銘を受けました。ヒラモトよよく頑張ったネ!
平塚市の場合は数の面では非常に不遇だと言わざるを得ませんが、その分1人で何人分かの働きをしてくれていると考えると頭が下がります。市民と共済合わせても10人以下ですから大変です。でも一次医療に徹していて後方に大学病院もあると考えた方が良いのかも?


10月17日

今朝のNHK朝のニュースの中で覚えのある名前が出ていたので見てしまいました。内容は、過去の病気と考えていたクル病が最近増えているとのこと。コメントを医局後輩の皆川真規先生が行っていましたが、どうやら完全母乳栄養にこだわって日光浴も避けている赤ちゃんに多く、またアレルギーを怖がってビタミンDの豊富な卵を摂取しないのも原因の一つに考えられるような内容でした。母乳中のビタミンDは人工乳に比べると少ないのです。いくらカルシウムを摂取しても活性化されたビタミンDがないと上手に取り込まれないので欠乏症がでてしまい、O脚や肋骨の隆起等の骨の異常が出てしまう可能性があるとのこと。何事も過ぎたるは及ばざるがごとしと言うように極端に走ってはいけませんね!逆に言えば、アレルギーを誘発したり皮膚癌を招聘したりと悪いこともあるのですから注意しましょう!
この放送内容をNHKで捜しましたが見つからず、他のサイトでコメントされていましたので参考までにリンクさせてもらいます。ここ (このサイトの記載者を私は存じていませんが書かれているくる病の内容には問題ないと思います)


10月15日

本日よりインフルエンザの予防接種を開始しました。昨年同様に3歳以上13歳未満は2回接種と決められています。欧米では低年齢でも接種回数を1回していますが使用ワクチンも異なり接種方法も異なるため厳密に同一に考えることは出来ません。薬事法で添付文書記載が行われており日本の方法は13歳以上が1回または2回接種になっています。でも、これを守ったからインフルエンザに罹患しない保証も出来ないのは皆さんもご経験の通りだと思います。この悩ましい状況をお察し下さい。集団で比較した場合に免疫学的に考えたら、回数の多い方がより有効でしょうし年長者の方が効率がよいでしょうし、過去の罹患歴がある人の方が有効でしょうし、過去の接種歴の多い方が有効でしょうとおおざっぱには言えますが個人個人レベルではなかなか効果に差が出てしまうのはやむを得ないと考えるしかないでしょう。もちろん生後6か月以上であれば接種可能になっていますが上記理由で効果は少ないと考えて下さい。私は親御さんが予防されるのが年少者にとって一番重要と考えています。


9月28日

どうも更新作業がはかどらず申し訳ございません。特段のニュースが無いのか自分の行動が衰えているのか?察しはつきますが言及しません。
さて、夜間休日診療所に出かけてきました。この報告だけがこの欄の趣旨ではありませんが定期的な報告が存続の礎になり得ます。患者さんは珍しくバラエティに富んでいて、総勢17名と多くはないのですが、内容は水痘、おたふく風邪、蕁麻疹、片頭痛、排尿痛、喘息発作、RSウイルス感染症、急性腹症等で市民病院への転送が2例ありました。まあ珍しい方の勤務だったかもしれません。
さて、この欄に報告していない事項があるかと考えてみましたが、一般公開できるものは意外に少ないかもしれません。
11月より小児肺炎球菌ワクチンが現在の7価から13価に一斉に変更になりますが、簡単に言えばバージョンアップなので粛々と従ってもらえたらよいと思います。まあ、現行の7価が始まった時から諸外国での13価使用がわかっていたので、、、、、残飯整理とは思いたくないのですが、、、、、
平塚市への予算要望も例年のように行いますが、これも市民の健康を考えて代弁しての要望になっています。詳細は後日に。
報道でご存じと思いますが、平塚市でも病後児保育が8月より始まりました。順調に発進ですがいかんせん夏枯れの時期で利用者がまだ少ないようです。市のHP案内 をご参考に!


9月8日

久々に休日急患診療所に勤務してきました。小児科の患者さんは少なく34名、発熱と咳嗽がメインで、あれほど流行した手足口病と確定できたのは1名だけでした。天候不順のため喘鳴のある人も2−3人?おたふく1名、とびひ1名とまあ言葉が適切かわかりませんが平穏な診療所でした。


9月3日

なぜか8月の記載がないままに1か月以上の空白を生んでしまいました。特段のニュースがなかったとも言えるし、夏季休診で活動日数が少なかった為もあるかと思います。
さて、ようやく夏風邪の減少が見られています。7月に提出しウイルス分離が出来た手足口病は全てコクサッキーA6型ウイルスでした。今まで書き記したことが確認されたことになります。確かに例年と異なる手足口病だけでなく、通常の手足口病でも同じウイルスだったのがちょっとショックでした。


7月29日

昨晩は夜間診療所に勤務してきました。昼間は66名でほとんどが手足口病を代表とする夏風邪で、夜間の27名も突然の発熱を主訴としたものでおそらくは夏風邪や突発性発疹が多いと思います。いつもは多い咳と鼻水は数名だけでした。現在も市民病院や共済病院で研修を行っている先生の地域医療研修で休日診療所にも来てもらっています。小児科では手足口病とおたふく風邪しか供覧できなかったかもしれませんが、数多くの小児科の患者さんをトリアージする要領を得てもらえれば何かの参考になるでしょう。


7月9日

今日の感染症情報で、平塚にもようやく手足口病が流行し始めたことがわかりました。基本的に怖い感染症ではありませんが、何か例年の手足口病と臨床症状が異なっている気がします。もともと高熱持続は少ないのに、今年は高熱が先行し1−2日経過して発疹が出はじめています。2峰性に発熱しているケースもあるようです。それも手のひらや足の裏のような教科書的な場所だけでなく、上腕や大腿、口の周辺、首周りや体幹部にも出ています。盛り上がった丘疹や水疱を伴ったものもありますが、小さな紅斑が中心になっている患児も多く見られます。一昨年に流行したコクサッキーA6ウイルスは大きな水疱や丘疹が特徴的だったので、今年のウイルスはA6に混ざって他の種類かもしれません。病原体定点なので数人分の咽頭拭い液を衛生研究所に送付しますが結果が出る頃には流行は終焉を迎えているのではと思います。エンテロ71やコクサッキーA16のような教科書的ウイルスは少なそうです。
と言うことで、この時期に突然の高熱で発病する乳幼児には手足口病の可能性も多そうです。


7月4日

昨日夕刻は臨時休診でご迷惑をおかけしました。診療後に駆けつける予定でしたが叶いませんでした。平塚市医師会小児科部会・保育園部会の総会と学術講演会が行われました。会長挨拶の中で最初に触れておくことが昨日の会務で決まったため時間変更が困難になりました。さて、今日の講演内容は共済病院の村藤先生が調布市の事故から平塚市でも食物アレルギーの管理統一ガイドラインを策定しては如何かという内容と、メインの講演は「小児呼吸器感染症における耐性菌の動向と治療戦略」と題した慶應義塾大学感染症教室教授 岩田敏先生の講演です。先生は今では日本の感染症に関してはトップランナーの位置におられて数多くの役職に就かれています。元々大磯育ちで平塚共済病院にも3年間在籍したこともあり、市民病院や共済病院の先生方の上司の立場にもあったので関係者知人も多く非常に盛会の講演会になりました。講演会後にサインを求められたり記念写真を求められる光景は珍しいことです。
まあ、私も学生時代からのテニス仲間?髭を生やす仲間?として知った仲でもあり、昨年藤沢でお会いしたときに今年は平塚で講演して欲しい旨依頼しておいたものです。現医師会長の武川先生も共済病院時代に一緒でテニスのダブルスを組んで県医師テニス大会の決勝まで行ったのが思い出されると同窓会の雰囲気もありました。さて、講演内容も日常に診療に役立つもので、日頃の治療投薬内容に間違いがないのかの再確認をさせてもらった気がします。幸い私の理解している内容と大きな違いがないので安心しました。


6月27日

感染症情報を掲載するのを忘れていました。申し訳ございませんが、まだインフルエンザの報告があるのには驚きです。平塚で他に目立つのはおたふく風邪になります。まだ夏風邪の流行はありません。
さて、23日には夜間急患診療所に勤務してきましたが、ここでも目立った感染症はなく比較的空いていた勤務でした。1名だけ粘血便の下痢だったので細菌性の腸炎の疑いがあり抗菌剤を使用すべきか検査後の投与にする常道手段にするのかが少々困りました。全身状態が良かったのでかかりつけ医での加療を勧めました。この1週間は医師会の総会や代議員会やらいわゆる公務が増えて辛いところです。今日も学校保健の心臓疾患判定会が控えており、学校保健会の会合や腎臓疾患判定会等は他の公務と重なっていましたが今日は出席しなくてはいけないようですね。


6月18日

いろいろ診療以外に動員をかけられることが増えてきました。今日の夕刻もやむを得ずお休みで申し訳なく思います。まあ、医師会の推挙する羽○田副会長が参議院選挙に出るので決起大会に各医師会への動員指令が出たためですが、深く考えればこれも患者さんたちの為になると思えるのでお許し下さい。医師会の主張はマスコミでも流れているのでおわかりでしょうが、国民皆保険の維持です。保険がなければ自費診療が基本になるため個人の支払いが3〜5倍にもなってしまうかもしれません。そうなるとアメリカのように支払い能力がなければ個人で薬局で薬を購入して自分で治すしかありません。高額の保険をかけている裕福な人だけが医療機関の診察や検査を受けて投薬してもらうことにつながると言う主張です。TTPが騒がれているのも基本はこのためです。しかし裕福な人にとっては最先端医療は皆保険で認められていないため不満も出るのでしょう。どの視点でものを考えるかで結論が異なると思います。いくらノーベル賞の山中先生がiPS細胞を使って新しい治療を開発しても、法治国家の日本では政治家が法律で許さない限り実現は難しくなるシステムですから、、、、、、、例えが悪ければ申し訳ないのですが、、、、、、、医療も法律の下で動くことが沢山あるのが現実ですから一面やむを得ないと思います。選挙に関しては各個人の視点で優先順位をつけて行うのが正当と思いますのでよくよく考えてください。人気取りゲームではないはずですからね!


6月16日

14日に報道があったように、子宮頸がんワクチン接種(今はヒトパピローマワクチンとなっており、ガンに関係のないウイルス予防のワクチンが存在するため、、、?名前変更)が、「積極的勧奨の差し控え」と言う以前に日本脳炎ワクチンであったような訳の分からない通知が出ました。下の(↓)コラムでも書いたとおりに副反応の調査結果を基に当面の方向性を出したようです。個人的には非常に残念な結果になったと思います。いわゆる風評被害に似た現象ではないかとも考えており、報道で「怖い」と言う印象づけされたのでは安心して接種できないので仕方がないかもしれません。このワクチンを接種に来る人はほとんどが痛いだろうという先入観が先行している人が多く、恐怖心を和らげることから始めている現状ですから、、、、、。このワクチンは日本だけで行われているものではなく、全世界で接種が広がってアメリカでも頸がんの減少(正確には前癌状態)につながってきている効果が出てきているのに、日本だけが副反応恐怖で頸がんが減少しなかったら誰が責任をとるのでしょうか?今回の積極的勧奨とは行政(平塚市)から個人宛に「このワクチンを行って下さい」と言う趣旨のお勧めは行わないというものですが、実際には中止になったと勘違いする人が多いと思います。だから定期接種にこのヒトパピローマワクチン接種を行っているとの情報は出さないといけないのです。何か矛盾しているようですが、何やら責任逃れをしている気もします。この様な通知が出た以上は、ワクチンのメリットとデメリットを正確に理解した上で当院でかかりつけ(顔なじみで不安がない人)を対象に接種するしかないでしょう。また、接種の途中の人も途中で止めると効果は保証できなくなるので完了してもらいたいと願っています。
厚労省の会議で出されている副反応は何かメンタル的要素が強いように思えますが如何でしょうか? こちら  通知


5月28日
一昨日は休日急患診療所に勤務してきました。午前中は16名と少なく、午後は25名とやや増えた感じの勤務です。今日に限っては内科や外科の方が忙しかったかもしれませんね。小児科ではB型インフルエンザがまだありましたし、溶連菌感染症、おたふくかぜ、水痘、蕁麻疹が名前のつくもので大体は風邪症候群と言われるものあったと思います。
本日の感染症動向調査報告でもまだインフルエンザの報告があります。5月も終わろうとしているのにまだこれほどインフルエンザが出るとは珍しい年だと思います。
さて風しんの騒ぎは各種報道でご存じと思いますが、予防接種を行っている世代と昔の行っていない世代とでは感染者数がこれほど違うものだと実感していらっしゃるのではないでしょうか?日本では副作用騒ぎを繰り返し世界の予防接種の常識から随分後れをとってしまったこともご存じの通りと思います。残念ながら100%安全なワクチンは考えられず、最近ではワクチンとの因果関係がハッキリしなくても何とか救済しようと言う動きにはなってきていると思います。先日、「子宮頸がんワクチンの被害者の会」が報道されていましたが、ニュースに出ている症状は慢性疼痛症候群ではないかと言われています。これはまだ原因不明ですが何かの疼痛がきっかけでなるようで、何も頸がんワクチンだけに限ったことではないものです。これを一つのワクチンの責任にしてしまい中止にでもなったらそれこそ頸がんになった患者さんが被害者になってしまいます。なにしろ年間1,5000名もの患者さんが出ているのですから。問題はいかに悲惨な人を出さないように努力し、万一の時の補償制度もきちんと行うことではないかと思っています。


5月7日

連休も明けました。この間休診で皆様にご迷惑をおかけして申し訳ございません。連休明けの感染症情報でもまだインフルエンザがくすぶっているようで驚きます。本日も当院にB型の子どもが来院されたのでもう少しの注意が必要なようです。さて、連休中はインドへ旅行してきたのですが、医療に関してのショックを受けたことがありました。タージマハルの駐車場でポリオの少年に出会ったことです。この年になってと言うのか医者になってまともにポリオの患者さんをみたのは初めての気がします。医師になる前にはもしかするとまだ日本にも患者さんが多かったので戦傷者ではない不具合の人が居たかもしれませんが、、、、弛緩性の単麻痺で左下肢が著明に萎縮しており三つん這い(両手と右足)で移動して、萎縮した左足はさながら尻尾のようにブラブラで一瞬お猿さんが走っているのかと錯覚しました。日本ではもう30年以上も発生していない自然のポリオですが、インドで眼にしたその姿は痛々しくもありめげずに生き抜こうという目つきを感じてきました。でもやはりショックです!


4月26日

その後の状況で分かってきたこと。清川町、愛川町も7460円(4140円)の補助があるようです。大和市の全額というのは9744円位を設定しているようです。埼玉の例ではありませんが医師会で自費のワクチン代を設定することは出来ないので、インフルエンザワクチンの時も各医療機関でバラバラになってしまいます。その場合に格安店とデパートの価格設定ではありませんが、当院では出来るだけ価格は中庸設定で情報提供は市内トップクラスで行いたいと願っていますので、今まで怠慢で格安料金になっていましたが中間値に戻す方が信頼につながるとの周囲の意見もあって近々見直すことにしました。それでも低めの設定になりそうです。

で、平塚市が表明した23日は他の市町村の表明がまだ少なかったのに、大勢の情報が出た最後に最低価格の補助を決めた大磯町の町長はたしか医師のはずです。私が大磯町民であったら怒り心頭でしょう!


4月25日(26日加筆)

追加情報。風しんワクチンへの助成額。県内の状況についておおざっぱに分かってきています。対象者や実施期間など微妙に違いがあるので正確な比較は出来ません。しかし、補助額を設定するか、自己負担額を設定するかの2通りの公表の仕方です。今まで定期の予防接種委託料を決めるのに保険診療での点数を参考にしています。例えば初診料を2700円、技術料(注射の)が330円、ワクチン代、ロス代(×0.1);これは予約してもキャンセル等で無駄になる分を予め組み込んだときで、今回ロス代は設定しないと考えると約9350円、で通常通りの設定だと約9950円程。実際には事務手数料とかもろもろの加算もあってワクチン込みの値段は決まっているのでもっと高額のはず(おそらく10000円越え)。この加算のない価格の中間をとって9500円をもし平均的なMRワクチンの値段と考えても、自己負担額2000円とは補助額7500円相当になります。
これで、各市町村のMRだけの補助額を単純に比較してみました。全額補助は大和市、秦野市、補助額8000円は厚木市、伊勢原市、(小田原市)、補助額7500円は川崎市(自己負担2000円なので)、補助額7000円は座間市、横須賀市、鎌倉市、海老名市、補助額6500円?(実質7000円と同等かも?)はいずれも自己負担3000円の横浜市、茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、補助額6000円は相模原市、綾瀬市、で今までの最低補助額5000円は平塚市のみでしたが、噂通り大磯町、二宮町も平塚と同額になり最下位です。平塚市民の皆さんはどうお考えになるでしょうか??
もちろん仮定ワクチン料金が異なれば自己負担で公表している市町村との比較が出来ないのですから考慮してお読み下さい。


4月23日

残念なお知らせと言えるでしょうか?全国的に風しんワクチンを自治体が補助する方向になっていることはニュースでご存じのことと思います。平塚市でも突然決まったので協力できるかどうかのFAXが届きました。あれほど事前に経過進捗状況など話してあったのに、他の市町村と比べて補助額が最低です。まあ、全市町村を知っているわけではないのですが県域の平均補助額はMRワクチン7,000円、風しん単独ワクチン4,000円で大和市は全額補助、小田原市も8,000円で平塚市の補助は5,000円と3,000円ですからあきれてものが言えません。過去自分の知っている限り平塚市の予防接種助成が県域の最低だった記憶はありません。
もともと自分はお金に無頓着?なずぼらな性格なので、当院でのMRワクチンの自費負担額を麻しん単独時代のままになっていたことに気づかず格安料金で行っていたようでしたが(数が少ないので、、、)今回の事態で見直すことが出来て反面有り難いのですが、悲惨な子どもを守るためには平塚市の姿勢がどうしても許せなく、そのまま格安料金で大人へのワクチン接種を行うことにしました。実質他市と同等の自己負担で出来るのではないでしょうか?平塚市がケチった分を当院で補填する形に結果としてなりそうです。どうして決まる前に医師会へ相談してくれなかったのか、、、、、、本当に悔しくて眠れなかったのは何時以来でしょうか???行政の上が決めたと言っていたのは誰のことか???

対象者は妊娠を望む女性とありますから、風しんの抗体が無いと思われる女性は中学生でも小学生でも少ない額ですが補助されるとも言えますけどね!


4月21日

今日は休日診療所勤務してきました。生憎の雨で気温も寒く患者さんも少ないと思っていましたが、予想に反して平均的な数の来院者があったようで50名弱でした。内容はほとんどが吐き下しの胃腸炎か普通感冒でB型インフルエンザの山下小学校生とA型インフの母親から感染した1歳児の2名もインフルエンザがありました。内科ではA型インフが2名ですからわからないものです。学級閉鎖があった松原地区ではないので感染経路は不明。それにしても急に冬に戻ったようですから多少の咳と鼻水くらいは1日くらい様子観察でも、、、、、と言う人もいた気がします。


4月18日

本日は皮膚科部会と小児科部会の共催で「アトピー性皮膚炎の薬物療法」について埼玉医科大学皮膚科教授中村晃一郎先生の講演会が行われました。小児科相手に役立つ内容で近隣の市町村からも参加された先生も多く非常に盛況に終わりました。小児科も他の科と重なる疾患も多く日頃の勉強が肝心であることを改めて思い知らされました。この中村先生はアトピー死皮膚炎の診療ガイドライン作成にもかかわっておられる第一人者のお一人で、私の大学時代の後輩の先生ともこの作成時に一緒だったこともあって初対面でしたが非常に懇意にさせてもらいました。同じテニス部だったのも意外でしたよ!少し前の時代まで食物アレルギーが話題の中心でしたが、今後は変わっていく予感がします。喘息も原因がわからないまま対症療法がどんどん進み重症者が少なくなっていった経緯に似て、アトピーも原因不明のまま治療方法が進歩していくのではないでしょうか?


4月17日

風しんの大流行は↓に書いたとおりで、東京都に次いで神奈川県は多いです。厳密に言えば横浜と川崎がダントツで、藤沢市、相模原市、厚木市と続きますが、平塚市からの報告は昨年も今年も非常に少ないのです。風しんは軽症ですから見逃されたり届出を忘れられたりしたらあてにはなりませんが、、、、、(県の状況は ここ)  (政令市の横浜、川崎、相模原が独自に公費補助でワクチン開始を決定しているのもこの数字で納得でしょう)

それでも黒岩知事が昨日県から補助を出すと記者会見しましたので、おそらく県域の市町村も公費補助で大人の風しんワクチンが期間限定で行われるのではないかと思います。さて、実際にワクチンが日本中にどの位余っているのかが現実的に問題になってきました。重ねてお勧めしておきます。MRワクチンの対象者(1歳過ぎの乳児と来年度入学の現在年長児)は早く済ませましょう!

感染症情報でも学級閉鎖情報でもおわかりかと思いますが、現在もまだ主に海岸地区でB型インフルエンザが残っていますし、全域で吐き下しの胃腸炎が多く、一部で学級閉鎖にまでなっています。この状況である幼稚園児が吐いた末に悲しい結幕をむかえました。医師会へ一報された内容と、本日に検証した内容には大きな違いがありました。確かに中国の鳥インフルエンザ騒ぎではないでしょうが、みじかなところで重篤な疾患が出ているというお母さん方の連絡網で余計な心配事がまわってしまったのかもしれませんねぇ!感染性胃腸炎の流行時には良い教訓になったかもしれません。


4月12日

新年度が始まっての変化は?
当然ながら、公的な機関の移動が行われており、医師会に関係した部署でもありました。
自分に関しても、医師会の副会長職になり火曜日午後に定例の会務(会長、副会長、総務、会計の5人の会議)に出席するため休診にせざるを得ませんでした。また、医療とは無関係ですがテニスの都市対抗戦で平塚市代表に加えてもらい昨年度全国準優勝の横浜市に勝利したのも平塚初めてのことなので大変化でしょう!
昨日は湘南小児科連合懇話会幹事会が行われましたがこじれた問題もなく雑談に終始しました。でも、貴重な情報源でもありますので、、、、、、ご存じの通り風しんの大流行が続いておりワクチンの接種をさかんに勧めています。これは正しい方法ですが、問題はワクチンの供給量です。もともと大流行を想定してワクチンを製造していませんので、本来受ける予定(定期接種該当者分)を考慮して製造されています。ですから、風しん単独ワクチンはすでに品切れは当然ですがMR(麻しん・風しん混合)ワクチンも定期接種分を侵食していずれはなくなる可能性があります。MRワクチン1期、2期の対象者の人はなるべく早期に接種を完了させることをお勧めします。
また、中国で発生しているH7N9の鳥インフルエンザに関しても先程のテレビでも感染者が何名と報道していました。これは重大な間違い報道です。感染者とはウイルスが身体に進入した?とでも言える人に使う言葉で、熱を出したり咳き込んだり等の症状の出た人は発病者とか発症者と言います。感染しても全く症状のでないことを不顕性感染と言い、私も診察時に良くお話ししているところです。あの豚インフルでは感染者の45%がインフルエンザ症状を呈し、19%は全くの無症状、36%が軽い風邪をひいたと思っていたと後の調査でわかりました。繰り返しますが、感染者は病人ではありません!!


4月1日

本日から新年度が始まります。昨日の休日夜間診療所は特別な混雑もなく殆どが乳幼児の発熱でした。15名ほどだったので空いていたと言えるかもしれません。内科小児科でインフはゼロでした。
さて、年度末の最後の平日であった3月29日に参議院で予防接種法の改定が決まりました。すでにご存じかと思いますが、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンが定期接種になります。実用上今までの促進事業と変化がないので継続と考えても良いと思います。平塚市でもすでに予診票も各医療機関に配布されており準備は出来ています。出来レースとでも言えるかもしれませんが、定期接種化の既成事実があるのにもしも国会が解散でもなって法律化が出来なかったらどうするのでしょうか?また、このような流れがわかっていても医師会では署名集めをしたりCMを流しているのは少々疑問にもなりますが、今回も付帯決議で水痘やおたふく等のワクチンも早く何とかせよと言うような意味合いが付け加えられたので意味あったかもしれません。ただ子宮頸がんワクチンとして慣れ親しんできた名前が、今回の予防接種法ではヒトパピローマウイルスワクチンの名前になりました。これでは混乱すると考えて平塚市の予診票では今までの名称である子宮頸がんワクチンを採用しています。いずれ周知されてきたら変更もあり得るかもしれませんが当面はやむを得ないでしょう。

神奈川県でも成人男子の風しん流行が続いています。最悪は胎児に感染することですから、ワクチンを受けられる人は全て早めに接種をお願いします。子どもでは第二期MRワクチンの接種は年長児が対象になります。もともと麻しんを早く防ごうと言う趣旨で4月−6月接種を推奨していましたが、今は風しん根絶の意味合いもあります。2008年に神奈川県の麻しんは3558名でしたが、ワクチンの勧奨で2012年は26名まで減少しました。目には見えませんがワクチン効果は明らかです。


3月3日

本日発表の平塚保健福祉事務所管内のインフルエンザはまだ横ばいです。本当にじれったいことですが思ったほどB型は出てこないので徐々に減少して(欲しい)くると願っています。
また、昨日の平塚市医師会の臨時総会で補充の理事選挙が行われ、それに伴って役職の変更が決まりました。私は10年以上にわたって公衆衛生関係を担当し、予防接種や健康診査を含めた小児科関係を担当していましたが、今後は副会長としてより幅広く務めることになりました。会議等で休診の日にちがもっと増えるかも知れずご迷惑をおかけすると思いますがよろしくご協力をお願いします。


2月27日

昨日の感染症動向調査結果と本日の学級閉鎖情報を合わせると、まだインフルエンザがくすぶっているようです。今後大流行はしないと思いますが当院でもB型インフルエンザが散見されるのでもう少し注意してください。


2月21日

昨日は、健康課で行っている「すくすく子育て教室」も講師として参加しました。乳幼児に多い病気と対処法を学ぼうというもので、発熱や下痢、おう吐等の項目でテキストが作られています。時間も予算の関係で縮小されて45分間しかありません。そこで、自分は補完用の別冊を作ってお渡しして、どうしても知って欲しい事柄を付け加えています。なかでも予防接種のことは非常に重要なので説明せざるを得ませんが、制度を含めて中身がコロコロ変わるのであらかじめテキストを作っておくのが非常に難しい悩みがあります。今回の講義で述べたエッセンスをここに書いておこうと思います。

予防接種には定期接種のように公費負担のあるものと任意接種で自己負担で主に行うものがあります。しかし、ワクチンの重要性は定期も任意もかわりありません。定期で行っているポリオやジフテリアの患者さんの日本での発生数はここ何年もゼロですし、破傷風も50-200人ほどです。日本脳炎の子供の患者さんも0-1名程度。ようやく定期接種になろうとしているヒブや肺炎球菌の重症感染症は500-1000名と多く、30-50人ほどが亡くなっている計算になり数百人が後遺症で苦しんでいます、子宮けいがんの患者さんは15000人発生し3500人も亡くなっているようです。

ワクチンの導入で今後どの位病気が減少するのか楽しみでもあります。しかし、任意接種の水痘でさえ年間に40名ほどが亡くなっているし、ロタウイルスの胃腸炎でも脳炎・脳症が40名ほど発生し10-20名は亡くなっているとのことです。最近話題になってきたB型肝炎は、母親からの垂直感染とその他の水平感染を含めて毎年それぞれ500名ほどがキャリアーになっていると言われます。キャリアーには年少児ほどなりやすく、慢性肝炎→肝硬変→肝臓ガンへの移行が考えられています。沈黙の臓器ですから気づいたときにはもう遅い!ではあまりにも可哀想です。肝臓ガンで亡くなっている人は毎年5000名前後はいらっしゃるようですから、、、、

この様に定期接種だからお勧めし、任意接種だから勝手にせよではあまりにも無責任だということで、日本小児科学会でも区別することなくワクチン接種を勧めることにしています。これらを決めたのは政治家さんで予算の問題や費用対効果等総合的に勘案して定期や任意にされているのです。しかし、全国には成人用の肺炎球菌ワクチン、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、ロタウイルスワクチンの接種に補助(大体1/2程度)している自治体が多数あります。残念ながら神奈川県には少ないのですが、どこかの市町村が始めれば横並びで開始される可能性もなきにしもあらずです。

本来は国策として世界に追いつかないといけないでしょうが残念です。よく北朝鮮と日本だけが承認されていないと子宮けいがんワクチンやヒブの導入時に比較されていましたが、B型肝炎ワクチンは北朝鮮でももう始まったと先日の講演で述べられていました。WHO加盟の約180カ国で定期に行われているのになぜ日本はまだなのでしょうか?残念ながら日本のお医者さんもこの現状を知らない人がたくさんいるので言われることがバラバラになっていると思います。そうは言ってもワクチンの費用はバカになりません。若いお母さん方にとっては高額で非常に辛いと思います。各家庭の事情もあるので強制は出来ませんが祖父母の方々もお孫さんに手を差し伸べてあげて欲しいなぁと祈っています。


参考までに、私が作成した補完テキストは こちら


2月18日

週明けの学級閉鎖がまだありました。先週も1クラスだけだったのでほぼ終息と考えています。
さて雑談ですが、今日のニュースで天皇陛下の心臓バイパス手術から1年経過したとのことで執刀医の天野教授が久々に登場していました。天野先生は日大医学部ではテニス部のレギュラーだったと同級生のI先生が先日教えてくれました。また、新松戸病院の須磨部長の元に移ったときの病院長が私の同級生でもあり、現在のテニス仲間のT先生もかつて一緒に働いていたとのことで何故か身近に感じてしまいます。確かに市中病院から順天堂の教授になって東大チームと一緒に手術をするとは稀なケースですね。本当はこうでなくちゃいけないのかも知れません。


2月14日

今日は小児科の講演会が行われました。「ロタウイルスワクチンの意義と実際」横浜市立大学准教授 森雅亮先生と「なぜ、今B型肝炎ワクチンの定期接種化なのか?」済生会横浜市東部病院こどもセンター顧問 藤澤知雄先生と2題もあって豪華な講演会でした。近隣の秦野、伊勢原の先生も出席いただきありがとうございました。演題の通り現在話題になっている事柄について懇切丁寧に解説していただきました。両先生に感謝いたします。
両先生とも初対面でしたが、共通の話題も多く非常に勉強になりました。簡単に言えば、防げる病気はタイミング良く防ぎましょうと言うことになるでしょう。予防接種とは痛いだけのイメージになっては困ったもので、病気知らずの健康生活を自然に送る準備だと考えましょう。ワクチンで100%防げるものではありませんが、もしも防げるはずの病気に罹ってしまったら後悔すること間違いなしです。特に重病だと後悔しますから、、、、、


2月11日

休日夜間診療所に勤務してきました。小児科の来院者は32名で、1月の60%と減少しほとんどが発熱でインフルエンザが心配らしいので元気そうでも検査を1名を覗いて行いました。しかし、大部分(正確にカウントしていません)は検査陰性でインフルエンザとは臨床上も検査上も言えない人になっていました。1月の時は90%が検査陽性だったのと大きな違いで、内科の方も時間が余り確実にインフルエンザの峠は越えたと思います。


2月6日

今日の朝日新聞にショッキングな記事が載っていました。ポリオ撲滅に努力している人があまりにも可哀想です。

以下に記事内容を書き写します。

 ポリオが流行しているパキスタンで、政府が進めるワクチンの無料接種が、イスラム武装勢力の攻撃目標になっている。武装勢力は取り組みを「米国のスパイ活動」と批判。AFP通信によると、この2カ月間に、予防接種に携わる19人が攻撃を受けて死亡した。 先月31日、北西部の部族地域でポリオの予防接種に向かっていた男性2人が道路脇に仕掛けられていた爆弾の爆発で死亡した。同29日には北西部カイバル・パクトゥンクワ州で、予防接種のため巡回していた女性2人が武装集団の銃撃を受け、護衛役の警察官1人が死亡した。

 ポリオはパキスタンと隣国アフガニスタン、西アフリカのナイジェリアの3カ国で流行。紛争などで治安が悪いことが、予防接種の妨げとなっている。 パキスタン政府によると、同国では2011年に198件の症例が確認されたが、12年には58件に減った。撲滅に向け、1、2カ月ごとに全国で無料接種キャンペーンを続けている。 しかし、北西部などでは、武装勢力による妨害が続いている。12年は、全国の症例のうち8割が北西部のカイバル・パクトゥンクワ州と部族地域でのものだった。 パキスタン首相府でポリオ問題を担当するマズハル・ニサール氏は朝日新聞に対し、「キャンペーンは深刻な脅迫を受けており、コメントするのも難しい。現場で接種をする人たちの安全に万全を期す」と話した。

 反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)は昨夏、米国による無人機攻撃が中止されない限り、予防接種キャンペーンも認められないとして、予防接種の妨害を宣言した。 武装勢力が予防接種を敵視する背景には、パキスタン国内に潜伏していた国際テロ組織アルカイダの指導者、オサマ・ビンラディン容疑者を11年5月に米軍の特殊部隊が殺害した一件がある。 この作戦に協力したとして、パキスタン人医師が昨年5月、禁錮33年の実刑判決を受けた。地元メディアによると、この医師は、作戦に先立ち、米中央情報局(CIA)の指示に従ってポリオの予防接種を装ってビンラディン容疑者の家族からDNAを採取し、同容疑者の身元特定に貢献したとされる。

 こうしたこともあり、TTPは、キャンペーンが予防接種に名を借りた米国の「スパイ活動」だと主張している。 パキスタンのポリオ対策に対しては、日本も1996年度からの16年間に約100億円の無償資金協力をしてきた。さらに一昨年からは、約50億円の円借款を供与するなど援助を続けている。(イスラマバード=中野渉)


2月5日

本日も学級閉鎖情報が入りましたし、感染症動向調査の結果報告がありました。総合的に判断するとA型インフルエンザのピークは過ぎたようですが、まだまだ急激に減少することなく経過しているようです。順調にいけば2月中に終息して欲しい希望ですが、B型インフルエンザが今年も後半に出てくるようだと長引くかもしれません。今までのあくまで個人的感想ですが、今年は成人のインフルエンザが多いこと、比較的軽症のインフルエンザが多いこと、流行の拡大が急激であったこと等があげられると思います。もう少し頑張って乗り切ってください。


2月3日

昨日は臨時の休診でご迷惑をおかけしました。神奈川県と兵庫県の熱心な県医師会の主導で開催された意見交換会に参加と言うよりも付いて行った形になりました。県副会長先生に公衆衛生理事の先生、副委員長と市大教授の先生の5名が神奈川県からで兵庫県は会長先生から副会長先生各担当理事の先生に公衆衛生委員の先生方でと総勢12名位でしたか?両県は横浜と神戸と似た都市を持ち知事の医療行政に悩まされている点など共通の話題が沢山あります。
神奈川県の知事が医療関係にどの様な発言をしているのか注目していてください。医食同源とか未病とか、、、まあ元は素人で科学者ではないので仕方ないですが、、、、、、押し付けはいけないと思いますよ。特に、素人が専門家に権力で押しつけるのは悪いことです。元々は権力を批判していたジャーナリストだったのに残念です。今回の意見交換会は初めての試みでしたが顔の見える関係になることは良いと思います。私も立派な先生方の心情を窺うことが出来て改めて今回企画され参加された先生方に感謝します。


1月29日

本日は県医師会の公衆衛生委員会もありましたが、引き続いて開催された予防接種講演会に新しい情報がないか期待しました。何時もと異なる時間帯の休診になり申し訳ございませんでした。さて、予防接種講演は、川崎医科大学小児科教授の尾内一信先生のお話で現在の日本の小児感染症のリーダーのお一人だと思います。全般的に了解事項が多い講演内容なので私の再確認になりましたが、ここでも来年度は3つのワクチンが定期接種化されるだろうと同じような意見を述べられ、ロタウイルスワクチンを重点的に解説されましたが、現在の1価ワクチンと5価ワクチンの効果に差は認められないデータを出されていました。一番知りたかったU期に行う予定の百日咳ワクチンの情報を川崎の片岡先生がしてくれたので助かりましたが、答えは訳のわからないもので、、、、、、メーカーが0.2mlを作らないとかPMDA医薬品機構へのデーターが足りないような、、、、、ハッキリしなかったのが残念でした。日本脳炎ウイルス検査用の豚の血は神奈川県では平塚の豚と横田俊平先生が仰っていたけれど今まで自分は厚木の豚の血を検査していると思っていました。

世界で開発中ワクチンとして、9価HPV、15価結合型肺炎球菌、マラリア、デング熱、B群連鎖球菌、ブドウ球菌、緑膿菌、デルフィシル菌、C型肝炎、E型肝炎、クラミジア、マイコプラズマ、HIV,DMV,HSV,RSVのスライドが出ましたので心強く期待しましょう。


1月27日

本日夜間休日診療所に勤務してきました。51人の受診者の殆どが発熱でほぼ90%にはインフルエンザの検査を行い90%位にはA型インフルエンザが陽性に出ました。小学生はほとんどで4〜5歳の保育園児も出ていますし、親御さんがインフルエンザとか兄弟がインフルエンザの場合には1〜2歳でもインフルエンザが出ています。地域に隔たりはないようで平塚市全域で大流行になっていると思って間違いないでしょう。内科も相変わらずインフルエンザが多く小児科よりも終了時間が遅くなっていました。昼間の混雑状況は正確には把握してきませんでしたが普段の2〜3倍の患者さん数ではないかと推測されます。くれぐれもご用心!


1月21日
ついに今シーズン初の学級閉鎖情報が飛び込んできました。今後1ヶ月は流行が続くと思いますので上記の学級閉鎖情報も注意してください


1月17日

感染症情報でおわかりのようにインフルエンザが急激に増えています。ただ、今年から報告する医療機関の変更があったので数字は多少増えてくると思いますがこれはシステム状の問題です。極端な変化はないのでインフルエンザは要注意ですし、休日急患診療所の状況を聞いてきたところ、現在は圧倒的に内科の患者さんが多いとのことでした。人混みでのマスクは是非とも心がけてください。


1月10日

ここ数年はちょうど休暇旅行中で欠席だったのですが、医師会の新年会に久々に出席しました。「今年もよろしくお願いします」とお互いに挨拶しまくる儀礼的な気もしますが、それなりに情報交換の意味もあるので捨ててはおけません。まず医師会長の挨拶では年末年始の休日急患診療所の患者さん総数が1、786名だったとの報告がありました。皆様のご協力に感謝します。今年の取り組む重点項目に在宅医療をあげています。市長さんと議長さんに県医師会長の来賓の挨拶に途中には新規入会者の挨拶もありました。個人的には私も歳をとったせいか多くの方々と「よろしくお願いします」の挨拶をさせてもらいました。
インフルエンザの流行状況はまだまだ本格的になっていないとの認識で一致しています。


2013年(平成25年)1月1日

様、

今年もよろしくお願い致します。
また、皆様にとってよい一年であることをお祈り致しております。

昨年の情報お知らせ等は上段バックナンバー平成24年からご覧ください。