主にテレビで観戦した試合を見て、自分なりの勝手な感想を書いていきます


男子決勝戦    ナダル63,57,61,61 ティーム

男子決勝戦はナダルとティームで昨年と同様ですが、恐らくクレーコートで最高の2人ではないでしょうか?お互いに同じような弾道のボールを打つので、サービスラインで弾んでもエンドライン後方まで弾んでいきます。自分たちが行っているロブ合戦と似たところがありそうで、ネットする確率は低く攻撃されにくいストローク戦です。自分たちとの違いはサイドラインギリギリやエンドラインギリギリのボールを連続して打ち込めるし、そのボールを同じように返球できてしまう世界トップの技術でしょう。最初の2セットの攻防は見ごたえがありロングラリーも多かったです。ナダルから63,57で3セットに入ったときはティームが優勢かと思いましたが、予想に反してナダルが連続ポイントであという間に4-0になりました。ティームにネットミスやナダルのファインショットも出てその後も61,61と連続してナダルが取り切りました。ティームは4日間連続でタフマッチを行っており簡単に終わった試合がないのに対して休養日のあったナダルに体力的な優位さがあったのではないかと推測されます。後半はさすがのティームにミスが早く出たようでジエンド!これ程までにクレーコートに対応した選手は過去にもいなかったと思います。ビッグサーバーでもクレーではナダルに返球されてしまうので至難の業です。2セット目にティームのストロークに押され気味の時にナダルがいつもよりエンドライン近くからライジング気味に対処したりネットプレーを混ぜたのと同じ事をナダル相手に行えば良いのでしょうが本当に至難。フェデラーのようにライジングでミスなく振り回せる技量の選手がこれから出てくれば一つの時代が変わるかもしれませんが、ナダルが元気な間はキングの座は揺るぎのないものだと思います。お互いの素晴らしい試合内容に感謝しましょう。


女子F バーディ対ボンドルスカバ 61,63
あっけないほどバーディの隙の無いテニスで初優勝でした。クレーでは十分にスライスとドライブの選択が出来ており、狙い所も悪くなく振り返れば順当勝ちになってしまいます。
以前、大阪なおみちゃんと戦ったときの印象では、力で押し込まれると制御不能に陥りやすい印象でした。今回の相手にこの様な押し込みがなかったのが勝因でしょう。



SF ジョコビッチ対ティーム 26,63,57,75,57
引き続き、ものすごい強風の中で試合が始まりました。悪条件の中では番狂わせがよく起きます。最初のジョコビッチのサーブから明らかに嫌がっていたのが明白で精密機械のジョコが負けると思いました。
ティームのドライブも強風の中ではミスヒットの可能性があるのですが、このレベルの選手は全く意に介さないように打ち込んでくるのは恐れ入ります。
試合展開は予想通りにいつもの正確さがない分ジョコビッチが1st落とし、2ndも何とかイーブンについているだけと思っていたら、ちょっとした中断後はジョコが精神的に?立ち直りセットを取って1-1。
3rdからジョコのペースかと思っても如何せん強風と雨で自宅に帰りたいのでしょう。2-2で中断したかったでしょうが、ティーム最後にブレイクして3-1で雨天順延になってしまいました。明日の天気次第ではジョコの逆襲か?(つづく)
(つづき)
翌日は、雨も上がり絶好のテニス日和かと思いきや、風が前日ほどではないにしても吹いています。この程度は通常のツアーでもあり得るのではないかと?
13からのスタートでジョコも引き締まった表情。14から44と追いつきこのままジョコの逆転かと思いましたが、何と56から風下からのサーブで凡ミスが続けて出てティーム75で奪取。
4セット目もほぼ同じような展開ですがジョコの最後のブレイクで75とジョコ。ここまでの展開では、ティームは自分のサーブで0-30になるのですがそこからの巻き返しがたくさんあり、風下からのドロップショットが有効です。
反対に、ジョコは風下からドロップショットが届かずにネットするケースが多いのと風下ではコントロールを失うことが見受けられます。
ファイナルも同じようにジョコは風下からサーブキープが出来ず、最終的に4-5回連続して風下からサーブを落としており1回しかキープできなかったと記憶しています。
ジョコから13,14とティーム優位が決定的になり、ジョコ風上サーブの40-40の時点で雨が降り出し中断されました。再開後の2ポイントで決定的瞬間を迎えますが、何と再開後の1ポイント目でティームのストロークを
ロングと判断してゲームを止めたジョコの判断ミス。次を取られたら15でティームサーブですから。しかし、ここでレシーブミスがティームに出てジョコが最後は取り切って24.
ティーム風下サーブを落として34,ジョコ風下で落として35でサーブフォマッチのゲームで明らかに勝利を意識したのでしょうか?風上からティームが落としてしまいました。マッチポイント2つ逃しました。
エンドチェンジ後のジョコ風上サーブをキープして5-5とイーブンになってしまいました。この流れで分かったことは風上が確実に優位に働いていることです。
したがって、ティームが風下からキープした時点で優位になりました。エンドチェンジしたあとの風下からのジョコのサーブは案の定落として75でティームの勝利です。
今大会ほど男子の準決勝戦が風の影響を受けたことはないと思いますが、見ている方にはそれ程影響がないように打ちまくるトップ選手に脱帽です。
冷静にスタッツをみれば、これ程までいつもの試合内容と異なっていたかを知り得ますが現場の選手はどれ程感じてしあいをしていたのでしょうか?
まあ、同じ条件で試合をしているので勝敗は事実です。ティームの健闘を讃えましょう!ジョコも連続GS4大会2連覇の大偉業は逃しましたが実力は認めざるを得ません。


SF ナダル対フェデラー:63,64,62
戦前の予想は勿論ナダルの勝利。しかし、強風の中の試合だったので番狂わせが起こる可能性もありました。しかし、お互いに強風であってもサーブスピードを多少抑えてダブルフォールトになるわけでもなく
平然とボールを打ち込んでいるのに感心しました。
強風であってもナダルのミスの少なさとコートにボールを入れる執念はものすごいもので、フェデラーに勝ち目はありませんでした。
ドロップショットの多用は戦術としてうなずけますが、スライスで短めのショットをもっと使っても良かったのかな?また、フェデラーがバックハンドでのドライブ強打はほとんどがクロスなので読まれていました。
ティームやバブリンカのように片手であってももっとストレートに打てるようになれば今後に期待できるでしょう。フェデラーにしてはミスも少なく頑張ったと言えるのが悲しいです。
ちなみに、3セットでナダルのミスカウントは19でフェデラーは34



女子SF ボンドルスカバ対コンタ 75,76
この試合はお互いにサーブが安定しておりストローク戦でもなかなかの打ち合いを見せてくれました。
しかし、コンタの強打がしばしばミスに繋がっているのが勝敗を分けたと思います。この19歳は決勝戦でどの様な試合をしてくれるのでしょうか?



女子SF バーディ対アニシモワ67,63,63
この試合は、バーディのスライスでの防御と攻撃が勝ったので最終的に勝利でしたが、アニシモワはまだ17歳なので今後の伸びしろは期待できそうです。
アニシモワは今回、自分のミスと相手のカウンターにやられたのが敗因でしょうが、コースの狙い所やドロップショットの選択時期などゲームメイクが自然に身についているようですから、今後は確実に上位の常連になるのでは?
バーディは攻守のバランス良いので、オープンコートを作ってからエースを取るので強打でなくてもポイントを取れる見本でしょうか。しかし、自分で展開する前に攻められるとポイントが取れなくなります。



2019.6.7 全仏オープン QF ジョコビッチ対ズベレフ 75,62,62
ここまでの勝ち上がりや最近の調子から判断してジョコビッチの圧勝と最初から思っていました。ズベレフが勝手に自滅すると言った方が正しいかもしれません。
しかし、テニスは実際に戦ってみないと分からないのが実感で、1セット目に最初にブレイクしたのが何とか食らいついていたズベレフの方でした。それも、簡単に自滅する展開ではないので
もしかするとロングマッチになるのではないのか?そうなると体力的な勝負にもなり得るので勝負は分からなくなります。
でも、杞憂でした。サービングフォーセットの45からジョコビッチが絶対に自分からミスしないより丁寧なテニスでブレイクバックして55から75とセットを取った時点で勝負有りでしょう!
おそらくズベレフはこの展開にジョコビッチに恐怖をもったのではないでしょうか?その後はやはり自滅のダブルフォールトまで出始めて、62,62とストレートでジョコビッチの勝利。
どう考えてもクレーコートや普段自分たちが行っているオムにコートはバウンドが遅いのでエースになる確率は低いです。
ミスをせずに相手の嫌がる場所(高い、遠い、低い、逆を取る等)へ配球するのが勝利へ近道だと自分は確信しています。素人のダブルスでも同じでしょう。