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休日・夜間急患診療所のご案内 病気の解説パンフレット 9.4 情報センターによる感染症の話し
最新感染症情報毎週更新中 12.26new 予防接種の解説パンフレット 平成12年乳幼児身体発育調査
講演会などのお知らせ 9.26  当院(今月)の休診情報 12.1 
13年度ポリオ日程・予診表掲載 終了 市内学級閉鎖状況 12.14



12月19日(2001年)
感染症に関連する情報が2つ。インフルエンザ感染阻止にはいろいろな手段が増えてきます。今回の薬は去痰剤として広く用いられている薬で安全性も大丈夫そうだから、自分が毎日内服して予防できるか実験してみたい?
もう一つは、ライノウィルスの活動を押さえるらしい。いわゆる鼻風邪ウィルスですから、抗生物質内服よりは理論的に正しい薬になるのですが、問題は風邪の原因がこのウィルスかどうかの確認をどうすればよいのだろうか?ともあれ、記事をご覧あれ。

インフルエンザ感染を抑止 たんの薬、マウスで確認 −1−

 たんの出をよくするため一般的に使われている薬に、インフルエンザウイルスの感染
、増殖を抑制する働きがあることを、徳島大医学部の木戸博教授(酵素分子化学)が十
九日までにマウスの実験で確認した。近く英国の呼吸器学会誌に論文が掲載される。
 ウイルスに直接作用する薬剤と併用することで、インフルエンザの重症化を防ぐ効果
が期待される。
 木戸教授は、たんの出をよくする塩酸アンブロキソールという薬を服用した患者が、
インフルエンザにかかっても症状が軽いという医師の報告に着目。インフルエンザに感
染したマウスにこの薬を投与し、投与しないマウスと比較した。
 その結果、投与しないマウスは九日ですべて死んだが、投与したマウスは十日後に半
分が生存。生き残ったマウスを調べたところ、インフルエンザの増殖を抑える二つの物
質が、投与しないマウスに比べて一つは約五倍、もう一つも約二倍多く分泌され、抑止
力が高まっていたという。
 インフルエンザウイルスは、ヒトの粘膜が分泌する酵素の働きを利用して感染力を高
めるが、これらの物質はその酵素の働きを阻害することが分かっている。
 木戸教授は「この薬は副作用も少なく、耐性ウイルスも出現しにくい。臨床実験を行
い、数年後には実用化したい」としている。
                                 [共同通信]

治療効果の向上に期待  −2−

 福地義之助順天堂大医学部教授(呼吸器内科学)の話 塩酸アンブロキソールがイン
フルエンザの感染を防ぐ効果があるらしいことは示唆されていたが、今回の動物実験で
それが裏づけられた。現在使われている抗インフルエンザ薬と違った視点からの治療薬
なので、これまでの薬と併用し治療効果をさらに高めることが期待できそうだ。
                                 [共同通信]

風邪ウイルスの薬を開発 米大グループらが世界初

 【ワシントン18日共同】最も一般的な風邪の原因となるウイルスの活動を抑え、鼻
水などの症状を改善する薬を米バージニア大のグループと米国の製薬会社が開発、シカ
ゴでの学会で十七日、発表した。
 症状の短縮は一日だけだが、これまでの風邪薬が鼻水や鼻詰まりなどの症状を改善す
るだけなのに対し、この薬はウイルスの活動自体を抑えるのが特徴で、開発成功は世界
で初めてという。
 開発されたのはプレコナリルという薬で、風邪の半分以上の原因となっているライノ
ウイルスの表面に付着、人間の細胞にウイルスが感染するのを妨げる。
 AP通信によると、プレコナリルを与えられた人は、平均三日間で症状の半分が消え
、同六日間で鼻水などが完全に止まり、いずれも偽薬を与えられた人より回復が一日早
かった。
 発熱はライノウイルスが原因でないことが多いので臨床試験の対象外。インフルエン
ザウイルスにも効果はなかった。同社は既に、米食品医薬品局に、市販薬としての認可
を申請しているという。
                                 [共同通信]

12月18日
そう言えば、横浜市小児医療費助成制度を平成14年1月から拡大するとの案内が来ています。内容は4歳児までの通院にも助成枠を拡大するようですが、所得制限はついています。東京では6歳まで拡大されているところもあると聞きます。平塚市では3歳児まで(所得制限つき)ですから、この分野では遅れをとってしまいます。大磯や二宮と比較するのではなく、これらの都市と比較しなくてはいけませんね。医師会でも再三市に要望を出しているのですが進歩しません。横浜市は高齢者インフルエンザ予防接種も国会での法案通過を待たずに、市の単独事業で早期にスタートさせました。これらの一連の動きは市長選挙を控えているからだとの噂もありますが、平塚市でも有権者であるお母さん方(お父さんも)の声が市長に届くと公費負担対象年齢が引き上がるかもしれませんね!


12月17日
相変わらずの冬の風邪の季節が続いています。感染症情報でお分かりのように吐いたり下痢したりと多いのですが、平塚保健所で集計している結果と実状とは少しかけ離れています。認識の違いもあるのでしょうが、単なるお腹の風邪として報告していない機関がある気がします。動向調査は実数把握のためではないのでやむを得ないですが、報告数は3倍で実状と合っているかな?実数はその数倍です。突然の発熱はインフルエンザの迅速検査を行っていますが、まだ陽性者はいません。発熱者全員に検査をするわけにも行かないので見逃していないかと少々心配になっています。前回報告したように、15日の湘南新聞に記事が出ましたが、初期の取材は「小児医療の今」だったと思うのですが、最終的には「小児科病棟の危機」となっており、勤務小児科医の苦労が掲載されていました。これは私が勤務医時代にも同じように過酷な当直が、、、、とずいぶんと話題になって認知された話しです。今回の小児科部会として出した休日夜間救急については掲載していただき、システムの有効な活用が期待できるので有り難かったのですが、他の題材にも時間をかけ会合をもって時間をとった割には内容の少ないものでした。健康課で基本検診表改訂の相談も受けていますが、実施する立場とまとめて報告する役所とでは温度差があるようです。小児科関係でも来年度は母子手帳が新しくなるのにともない変更が今後も出てきます。進歩かどうかわかりませんが、予防接種だけをとってもずいぶんと昔と変わっています。幸い、担当なので法律の改正内容まで勉強させられていますが、いまだに予防接種当日は入浴禁止と○○先生に言われたと昔の予防接種法に沿った指導を行っている先生もおられるようです。何も一律に同じでなくとも医師の裁量があるので文句はありませんが、知った上での指導か知らないで指導かは大きな違いです。各種ガイドラインなるものが出回る時代になっていますが、成立過程まで知った上で独自の指導をしていただきたいものです。自分もこの先同じ運命に必ず出会うので覚悟しましょう!


12月7日
今週も診療以外の雑務が多い1週間で、情報を拾う時間がありませんでした。5日には医師会の集まりで吉野市長の「湘南市構想」を聞き、6日は小児科部会の幹事会で講演会や健診の改訂の話しに湘南新聞取材対応等話し合いました。その取材を今日行ったのですが、予め書き記したもので内容は十分とのことで手渡し程度で終了。掲載内容は15日に載るようです。で、最近の感染症はと考えてみたらインフルエンザ予報がスタートしていました。明日は県医師会の公衆衛生委員会で引き続き予防接種の勉強です。まあ予防接種だけは平塚の担当として全部知っておかないといけないので患者さまにはご迷惑をおかけしますがお許し下さい。

まだ流行の兆しなし 予報がスタート

 流行期が近づき、国立感染症研究所が十二月から週一回の割合でスタートさせた「イ
ンフルエンザ予報」が五日、発表された。
 今年はこれまでに名古屋でB型、沖縄県でA香港型のウイルスが検出されているが、
まだ流行の兆しはなく、全国的に注意報、警報ともゼロのスタートとなった。
 予報は全国五千の医療機関から地元保健所に報告されるインフルエンザの患者数を基
に、専門家が保健所ごとに「注意報」「警報」を判断する。
 注意報は「これから四週間以内に大流行が発生、または継続の可能性がある」、警報
は「大流行が発生、まだまだ続きそう」を意味している。各都道府県ごとに一つでも注
意報や警報が出た保健所があれば、地図上ではその都道府県に注意報や警報が表示され
る仕組み。
                                 [共同通信]
まだ全国的に注意報は出ていないようですが、迅速還元情報と異なりサイトが決まっていますのでご紹介しておきます。
ここからリンクします http://influenza.elan.ne.jp/map_2/map.php3

12月4日
毎回恒例の報告ではないですが、今日の夜間診療所に勤務してきました。予想通りに吐いたり腹痛があったりで消化器症状をともなっている人が半数以上でした。大人の人も頭痛に腹痛や吐き気が多いですね。聞くと身近なところに同じ症状の人がいるので、感染力はやはりあるようですね。感染症情報をご覧になるとわかるのですが神奈川県でも感染性胃腸炎が増加しているとあります。しかし、平塚市からの報告は非常に少ないのが現状です。小児科医療機関が7カ所ですから毎日一人でも6×7=42人の報告数になるのですが現実には先週分は28名でした。当院からの報告数を除くと他の医療機関に患者さんは来ないのかと心配になります。明らかに流行している状況が報告に反映されないと平塚市のシステムは空回りですね。と言うことで、当院以外でも感染性胃腸炎が増加しているのを再認識した夜間診療所でした。


12月3日
さて、今季もインフルエンザの迅速把握事業が始まりました。これは昨シーズンから始まった事業で、インターネットで毎日のインフルエンザの患者さんを報告してもらい、結果も公表して流行状況の把握に役立てようと言う厚生労働省の試みです。昨シーズンは開始が遅かったのですが、今季は実質的に今日からです。平塚保健福祉事務所管内では今季も当院が報告する事になりました。平塚市、大磯町、二宮町の代表1カ所ですから注意深く診察と検査を行いたいと思います。幸い、現在まで迅速検査でインフルエンザが検出された人はいません。40℃の高熱に筋肉痛や咽頭痛で怪しいと思った人もいましたが、検査上はインフルエンザではありませんでした。例年12月中には流行しないまでも患者さんは必ず出てきます。予防接種を考えている人はそろそろ急ぐ必要がありますよ!本格的には1月下旬が流行最盛期ではないかと思っていますが、はたしてどうでしょうか?尚、還元情報の公開アドレスがまだ整備されていないようなので、わかり次第ご報告しますのでお待ち下さい。リンクのページに書いてあるサイトは昨シーズンのアドレスですのでお間違えのないように!


12月1日
ついに師走になってしまいました。本日市内の小学校で集団風邪のため学年閉鎖が今季初めてありました。この様に書くと、もうインフルエンザの流行が始まったのではないかと思われるでしょうが、症状は吐き気やおう吐に下痢ですから「お腹の風邪」とでも言うべきウィルス性胃腸炎です。不思議なことに毎年11月から12月にかけて流行があります。自分ではSRSVと言うウイルスだと思っているのですが、検査をしていないので不明です。いずれ保健福祉事務所に確認しましょう。最初の学級閉鎖だけは検査に向かうことになっているからです。今日から高齢者へのインフルエンザ公費負担が始まりました。今のところ何の問い合わせもないので順調なのでしょうか?こんな時に、雅子妃殿下に内親王誕生とのニュースがありました。少子高齢化が叫ばれているこのご時世に、健全な人口動態が戻る起爆剤にと期待する方が無理というものでしょうか?


11月27日


11月22日
いよいよ風邪が流行ってきました。いわゆる鼻風邪ではなく発熱をともない頭痛や腹痛に咳込みがあって受診者が急増しています。最近のように雨が少なくて乾燥してくると本物です。ところで、インフルエンザに使えるドライシロップ(DS)の抗インフルエンザウイルス製剤が承認されました。先のシーズンで発売になったタミフルカプセルのDSです。これで、診断はA、B型で区別がすぐ出来るし、薬も子供から大人までそろいます。
今までの経験では早期に診断をつけて薬を内服すると翌日には快復も期待できます。悪くても3日以内に軽快するでしょう。早期治療(出来れば48時間以内)することが必要ですから市販の薬で様子を見ていたら手遅れになりますよ!!具体的にDSの使用開始時期はまだ未定です。

幼児・小児用 インフルエンザ治療薬

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は二十二日、インフルエンザウイ
ルスの増殖を抑える治療薬「タミフル」(一般名リン酸オセルタミビル、日本ロシュ社
)について、幼児・小児への使用を認めるとともに、これまでのカプセル剤に加え、水
に溶けやすい粉(ドライシロップ)を追加することを承認した。今後、上部組織の審議
などを経て正式に決まる。
 タミフルは、A型、B型両方のインフルエンザウイルスに効果があるとされ、今年二
月に発売されたが、承認は成人だけが対象だった。

11月12日
最近はインフルエンザの予防接種の時期にあたってしまい、予防接種専用時間以外にも接種者が来院されますので突然に混み合うことも出てきました。医師会の公衆衛生担当で予防接種がありますので、法律が出来たばかりの高齢者へのインフルエンザワクチン接種や風疹ワクチンに関しての周知やら、来年度から健康課で行う事業の刷新の説明を受けたりしています。皆さん本当に熱心です。保健福祉事務所でも喘息児の支援について一生懸命プログラムを進めています。食生活推進協議会も時間を合わせて開催されるようです。一般にはお役所のやることには何でも批判的になる世の中ですが、直の担当はみなさん一生懸命ですよ。医師会も世間ではどの様に見られているのでしょうか?診療報酬反対の政治団体と勘違いされては困ります。ある面では市民と行政のパイプ役を担っていますよ。10日に保育園部会の講演で「病児保育」についての講演がありました。働くお母さんが多くなっている中で、この病児保育についても平塚で考える時期に来ているようです。いろいろありますねぇ!<<単なるぼやき


11月4日
今日は快晴の中、休日診療所に出かけてきました。全体としては徐々に感染症も増えているようですが、まだまだ本格的ではありません。相変わらず喘息の発作の人も来院されていますが、かかりつけの内科では喘息の診断を受けていない人が2名いました。てっきり初回発作だと覚悟していて既往歴を聞くと今までに吸入を何回もしたことがあり、気管支拡張剤の内服もあるようです。ただ診断されていないだけですから、こちらも対処に困ります。まあ逆もあるしと簡単に言えないですね。いまだ喘息とかてんかんとかの病名に抵抗がある人が非常に多いようです。きちんと説明できたら納得されると思うのですが?一般に呼吸困難をきたして吸入で軽快すると言うプロセスを踏まないと喘息の診断に納得できないのかもしれません。また、突然のおう吐で数時間たつと軽快してくる、「吐く風邪」とでも言えるような急性ウイルス性胃腸炎も数人続けて来られたので、毎年の事ながら冬が近づいてきたと感じました。今後数週間は吐く風邪注意でしょうか??


11月2日   風疹ワクチン接種を忘れていませんか?
予防接種法の改正で、高齢者へのインフルエンザだけでなく風疹ワクチンの対象者が拡大されました!
以下の記事を参考にして下さい。もちろん、当院でも接種可能です。

風疹予防接種で特別措置 14―22歳の600万人対象 出生児への影響懸念

 妊娠初期に感染すると難聴や奇形など出生児に深刻な影響を与える恐れのある風疹(
ふうしん)について、厚生労働省は二日までに、予防接種法の改正で接種できなかった
人が受ける場合、国の費用負担や、被害救済で特別の措置が受けられる「勧奨」の対象
にする方針を決めた。
 風疹は一九九四年の同法改正で義務接種が廃止された。同省は、その影響で現在十四
―二十二歳の半数程度に当たる約六百万人が接種を受けていないとみており、出産適齢
期になるのを控えた緊急措置として、受けやすい環境整備が必要だと判断した。
 二○○三年九月末までの臨時措置で、近く関連政令などを改正、施行する。
 一部対象者への国の費用負担や、万一、副作用で健康被害が生じた際も、これまでよ
り手厚く医療費給付などの救済措置を受けられる。
 同省結核感染症課は「胎児を守るため女性はもちろん、女性に風疹をうつさないよう
男性も接種してほしい」と呼び掛けている。
 予防接種法改正は、それまでの女子中学生への接種義務付けを廃止。一―七歳半を対
象にした「勧奨接種」に制度を切り替える一方で、法改正の谷間で接種を受けられなく
なった七九年四月二日から八七年十月一日までに生まれた人には、十二歳以上十六歳未
満に達した場合に勧奨接種の対象とする経過措置を取った。
 しかし、経過措置による接種率は全国平均で約50%ともいわれており、産婦人科医
らでつくる「日本産婦人科医会」が全国の妊婦約三万人を対象に風疹の抗体を持つ割合
を調べる実態調査を進めている。
                                 [共同通信]

10月28日
自費負担のワクチンについてですが、各医療機関で料金が異なっているので混乱があることと思います。本来は統一料金にしてもらえると嬉しいのですが、談合問題になってしまいますから。ところで、公費負担でも同様に各市町村で多少は異なっています。これは県医と都市、町村衛生協会なるものが覚書を決めて、これを参考に各自治体が決めるので大差がないことが多いようです。
予防接種を行うには予診を行って予診表でいろいろ確認してから行いますが、公費負担分でもこの予診だけでも費用が2,700円〜4,720円にしてあります。実際にワクチン(DPT、麻疹、風疹、日本脳炎、DT)を接種すると数百円〜千数百円上乗せになるようで注射器や針等の代金になるのでしょう。ワクチン代は別ですからかなり高額な気がすることでしょう。これは健康保険制度で30%負担分を考えるからで、100%になると初診料だけでも2,700円〜6,600円までかかっているのです。これからインフルエンザワクチン接種が本格化すると思いますが、どこも統一料金を出していません。報道では1回に1万円以上かかるところもあるとのことですが、最低では1500円程度もあります。平均的には各市町村の公立病院の値段が目安になるかと思います。先ほどのお話でわかるかと思いますが、ワクチン代だけでは決められないのです。以前に当院での接種料金が多少安い時期があって、このワクチンは不良品ではないかと言われて困惑したことがあります。平塚市での病院などの料金を考えると、3,000円〜4,000円が大多数である気がしますが、これ以下だと被接種者の負担を考えてとも言えるし、悪く考えると人集めのための商売人とも言われかねません。逆に高額だと、それだけ丁寧にワクチンの功罪を説明しアフターケアまで責任をとってくれる気もしますが、悪く考えると楽して稼ごうと言うことになりかねません。この様なわけで、私は中庸と思われる無難なところでやっているつもりですが、今後は年齢にも配慮しなくてはならないかと考えています。(保険制度上は小児の方が初診料や再診料が高いのが難しいですが)


10月25日
本日非公式に聞いたところ、現在の国会では高齢者へのインフルエンザワクチン接種の法案の他に、風疹の予防接種の公費負担の年齢を21歳まで引き上げる事が審議されているようです。予防接種施行細則の変更なので、可決後すぐにでも対応できるようです。これは、風疹の予防接種が中学生の女子に対して一律に行われていた時に比べて、現在では非常に接種率が下がり抗体の無い妊娠可能年齢の女子が増えていることが危惧されています。御存知のように妊娠早期に風疹に罹患すると先天性風疹症候群になる確率が高くなります。このことは統計上明らかで、全国レベルでみると心臓病の赤ちゃんが一挙に増えているのです。情報を追いかけますので、風疹ワクチンを受けていない婦女子がおられたら教えてあげましょう。もちろん自費負担では今でも接種は出来るのですけどね!


10月18日

本日からインフルエンザワクチンが入庫しますので、接種を開始いたします。対象はインフルエンザに罹患したくない希望者で自己負担で行う人になります。既に予約は行っていますが、まだ十分に在庫はあるはずなので、来院当日予約しそのまま接種も可能です。今年は65歳以上高齢者に公費負担が行われる予定であることは、以前に書いたとおりですが、テロ対策国会のために未だ審議さえされていません。この分では早くても実施は11月中旬以降になり、12月からも考えられます。最悪は法案が通過しなかったときで、平塚市ではこの場合は公費で行いません。なお、70歳以上は無料との案内を先に出したのですが、70歳以上も¥1,000円程度の自己負担がある見込みです。


10月15日
小児科の話題とは全く関係ないのですが、厚生労働省のHPには炭疽菌をはじめとする生物兵器への注意や封筒の扱いも掲載中です。
本当に物騒な時代になったものですが、患者さんが呼吸器症状で炭疽菌が心配できたとしたら困ってしまいます。
水痘と天然痘の違いは?と昔の試験にあった気もしますが、ペストやらみたこともありませんよ!日本でこのような騒ぎが起きないことを祈っていましょう。


10月10日
感染症動向調査結果を掲載しましたが、多発テロ事件の影響はいろいろなところに出ているようです。高齢者へのインフルエンザ予防接種に関する法案もテロ事件の審議でいまだに上程されていないようです。これに従って各自治体でワクチンの納入業者を入札で決めて本数も決まるので他の自費負担分もどの程度余裕があるのか全くわからない状況です。また、炭疽菌感染症なるものもアメリカで発生したのは驚きです。自分では診断もしたことが無い稀な病気ですが、テロ関連だとすれば怖いものですから多少の知識も持っておいた方が良いかもしれません。↑にリンクしてある情報センターによる感染症の話しの中に「炭疽菌感染症」もありますからご覧になって下さい。まあ、稀な感染症よりも身近なインフルエンザの準備をした方が無難かもしれませんね!明日は保健福祉事務所で一般向けにC型肝炎の話しがあります。これは既に書いたように中高年の国民病に進展する重要な問題です。厚生労働省では基本検診に組み入れて40歳以上に実施したいようですが、財政困難の状況で財務省の英断が下りるかわからないようですよ!また、狂牛病関連の問題も少なからずあります。急性感染症ではないのでパニックにはならないと思われますが、現時点で安全だと言われているものが将来も大丈夫とは言い切れないからです。ゼラチン使用の製品なんて沢山あるわけで、どれだけ口に出来るかわかりません。難題山積みの昨今ですね!


10月5日
昨夜は夜間診療所に出かけてきました。毎回雑感を書いているので今日も書きましょう。患者さんは予想通りに喘息系の患者さんが多かったようですが、特別感染症で目立ったものはありませんでした。ここでの診察にはある意味で気を使うことがあります。普段は診察していない患者さんにある程度の説明(ムンテラと言い、ドイツ語を略した業界用語)をしなくてはなりません。ここでいろいろなドクターの診察状況がわかれば問題はないのですが、いつもと違ったことを言われてとまどう患者さんもいるわけです。この場所の性格上、基本的なことしか話さないことにしているのですが、あまりにかけ離れた説明を普段受けている人には困ってしまいます。私は医者になってから小児科一筋で、入局当時は喘息を専門にしている教室で育ちました。他の教室の先生はどの様に思っておられるかは知りませんが、日本の小児喘息のメッカの1つであったと思っています。自分自身では喘息から離れて免疫から移植に移っていきましたが、喘息の話しをたくさん回りの先生方に聞いて育ってきたと思います。
そこで、医者の姿勢にはいろいろあると思いますが、極端に言えば鼻風邪程度でも恐ろしい病気だからあれやれこれやれと何回も何回も通院をしてもらい薬をたくさん長期に出して、「良く治りましたね。良かったねと」感謝される医者と、鼻風邪だから薬もいらないし寝ていたら治るからもう来なくても良いと診断する医者と果たしてどちらが患者さんにとって良いのでしょうか?喘息は残念ながら未だ単一の原因では説明のつかない病気ですが、5年に1回、3日間咳とゼーゼーしても気管支ぜん息です。この患者さんに喘息は慢性疾患だからと抗アレルギー薬を毎日続けないと大人になって大変だと言われたらどうしますか?今は情報公開ですから、正確にこの癌は何%でこうすれば治るとかの説明は受けると思います。しかし、重症でない一般の病気での対応には3通りの医者がやはりいるようです。とりあえず診断より重くムンテラしておく人と、心配をかけまいと診断より軽めにムンテラしてしまう人、ありのままにしかムンテラしない人。どれが正解なのか教えて欲しいですね!最後のありのままにと言うのが良さそうですが、確実な診断が出来ないと(検査を併用して)意外に難しいものです。「風邪」と言う診断名は、自分では診断できなかった時の最後の診断名に近い感じがしています。出来たら、「ライノウイルスによる鼻咽頭炎ですから鼻水から少し咳も出ます。まだ細菌合併症は無いようですから、抗生剤はまだ使わないで経過を見て下さい。」と診断してみたいものです。なんだかまとまりのない話しになってしまいました。これも、よく言われるように「風邪医者」になった証拠でしょうか?


9月26日掲載

今年のインフルエンザはどうでしょうか?との質問を受けるようになってきました。流行の予測は非常に難しいですし、ましてや個人レベルで予想するデーターもありません。ですが、最近の予防接種率の上昇からみると大流行は無いように思えますが、免疫がなくなってくると感染するという常識的なことは考えられます。今年の流行が小さいからと来年は大丈夫とは決して言えないと思います。やはり、「備えあれば憂い無し」でしょうか?高齢者には公費負担が行われる予定になっていて、平塚市でも準備は出来たと思います。予診表の作成も終わりました。この高齢者分のワクチンが一体何本必要なのかがまだ誰にもわかりません。ですから、ワクチンの分配が今後の問題として出てくるかもしれず、ワクチン不足の問題が再浮上するかもしれませんね!?一応専門家の意見を掲載しておきました。

■ 今季インフルエンザに要注意

 今年度のインフルエンザワクチンの製造で使用するウイルスの種類が決まった。ワクチン製造に使うウイルスの選定は、今シーズンの流行を占うもの。製造に用いる3種類のウイルスのうち、昨年度と異なるのは、大規模な感染源にはなりにくいB型1種類のみで、今年の冬から来春にかけても、大流行が起きる可能性はほとんどないとみられている。しかし一方で、ワクチン製造に使用するウイルスからさらに形を変えたウイルスに感染したケースも少数ながら報告されている。流行しなかった分、インフルエンザウイルスに対する日本人の抵抗力も落ちているとみられ、専門家は予防接種など警戒を緩めないことが必要としている。

 国立感染症研究所によると、昨シーズン流行の主流だったウイルスからさらに変異したウイルスや、全く異なる系統のウイルスの出現も報告されているが、今年の冬から来春にかけて「別系統のウイルスが主流になったり、新型ウイルスが出るとの予測はない」という。ただ、「ほとんどの人が去年はインフルエンザに罹っていない。2年前に獲得した免疫もかなり下がってくると思われ、ワクチン接種をしないと心配」(田代眞人・ウイルス製剤部長)との懸念も示している。


9月20日

未承認アトピー薬に注意 皮膚科学会が呼び掛け

 日本皮膚科学会は十四日、劇薬指定のステロイドが含まれた未承認、未認可の軟こう
が、「ステロイドを含まない秘薬」などとうたわれてアトピー性皮膚炎の患者に販売さ
れ、健康被害が広がっている恐れがあるとして、患者や医療機関に注意を呼び掛けた。
また、厚生労働省に対策を要望した。
 この軟こうは、日中合弁会社で製造され、日本向け限定で販売されている「皮炎霜(
ひえんそう)」。福岡県は今月七日、福岡市内の民間療法業者に自主回収などを指導し
たと発表した。
 しかし、製造元もインターネットで販売したり、個人輸入した医師が有料で配布する
など、ほかに複数の普及ルートが存在。類似品も出回っているといい、同学会は一業者
への対応では不十分だとしている。
 同学会は、患者の相談を受け皮炎霜の成分を製薬会社で分析。その結果、五段階のス
テロイドで最も強い「最強」の薬が、正規の製品とほぼ同じ濃度で含まれていた。「最
強」は重症患者でも顔や首には使わないのが原則で、小児には通常、使用しない。
 長期間、不適切に使えば皮膚が薄くなるなどの副作用が出る危険性があるが、ステロ
イド不使用とPRされているため、成人の顔面や、乳幼児にも安易に塗られているので
はないかとみている。
 類似品は「皮肢霜」「ATOPI CREAM」などの名称で売られ、簡易分析では
同じように最強ランクのステロイドが含まれていた。
 同学会の竹原和彦・金沢大医学部教授は「患者の間では大きな話題だが、実態は苦痛
につけこんだアトピービジネス。製造・販売業者などの責任追及が必要だ」と話してい
る。
                                 [共同通信]

千里コメント>効きすぎは怖いと言いますが、隠れてステロイドを使うのはもってのほかです。はっきりと使いますと宣言する医師のステロイドはまず大丈夫ですが、内容を知らせない医者もまだいるようなので注意しましょう。


9月13日
本日午後は休診でしたが、保健福祉事務所と医師会の共催で行われた「保健医療セミナー」に出かけてきました。以前にお知らせした講演内容ですが、私が担当して初めて湘南ケーブルTVで収録が行われました。何と、保健福祉事務所(まえの保健所です)では30℃以上にならないと冷房が作動しないとのことで非常に蒸し暑い中での講演でした。昨年よりはやや参加者が少ない印象でしたが、講師の共済病院耳鼻科小勝先生の花粉症を中心にしたアレルギーの話しを皆さん熱心に聞き入っていました。この模様は11月5〜11日「テレビフォーラム神奈川」で放映予定とのことですが、編集されるので司会進行役の私は画面には出ないと思いますよ。ここ


9月10日
本日は夜間診療所に行って来ました。台風15号が接近しているので患者さんは少ないだろうと思っていましたが、予想よりは人気があって?集まって来られたようです。でも、成人の比率が高かったようです。病気としては、喘息の発作が案の定多く何故か蕁麻疹も複数いました。少なくとも緊急に処置を必要とする患者さんはいなかったと思います。確かにこれから10月は喘息の季節ですね!しばらく発作の無かった人も予備の薬があるのか確認しておいた方が良いでしょう!それにしても台風はどうなるのでしょうか?


9月5日
今日の午後は休診で申し訳ありませんでした。平塚市健康課が行う事業の育児教室(すくすく子育て教室)の講師を務めてきました。なにぶん今までは休診になるので他の先生にお願いしていましたが、若手に切り替えも必要だし自分の担当する健康課の事業ですから今年初めて務めてきました。赤ちゃんに多い病気と応急手当と言うことで、テキストもあるのでこれに沿って話しを進めてしまいましたが、5〜7ヶ月の赤ちゃんを抱いたまま講義を聴くのは無理な話ですね。こちらも話す材料は沢山あっても、テキストの内容も消化しなくてはならないし、最新の情報も伝えないといけないと思うとついついだらだらとした内容になってしまい申し訳なかったと思っています。講義の内容は常々診察室でお話ししていることと同じですが、短い時間で伝えるのは難しいですね。講義も開業前には行っていましたが、お母さん相手の内容はもう一度吟味して話すように努力します。テキストの内容よりもこのインターネットで病気の解説をダウンロードしてもらったほうが良かったかとも思いましたが、個人の宣伝を公共の場で行うことになるので控えました。この文章を読める環境のお母さんがもしいたら新人のお母さんに教えてもらうと嬉しいのですが!
講義で少し内容を話したので、インフルエンザの臨床経過中に発生した脳炎・脳症について書いておきます。(一次調査結果)
(1998/99年)脳炎・脳症例217例(死亡数58例)
(1999/00年)        109例(    31例)
(2000/01年)         55例(     6例) 55例中ワクチン接種歴1例
このように、年々症例数も死亡者数も減少しており、死亡率は約11%まで下がっています。

追加:8月9日に記載しました保健医療セミナーがケーブルTVでビデオ収録されることになりました。参加の申し込みはされましたか?


8月26日
ずいぶんと何も記載しなかったですね。小児科とは直接関係ありませんが、高齢者に対するインフルエンザを予防接種の対象疾患にする法案が衆議院の解散で継続扱いになっています。次期国会で可決する見込みとのことで、各自治体では準備に追われています。平塚市でもこの準備が進められており、70歳以上と低所得者生活保護者は無料になり、65歳から69歳までは自己負担1000円で行う予定になっています。この金額は神奈川県内の市町村は大体同じですが、一部では2500円の自己負担になるところもあるようです。インフルエンザワクチンは一昨年は品薄になり社会問題にもなりました。昨年は大体700万本で間に合ったようですし、流行が小さかったので騒がれませんでした。今年は最大製産本数は1200万本ですから、高齢者分がどの程度使われるかによって品薄になるかどうかが決まりそうです。また、予防接種の相互乗り入れの問題はインフルエンザも同様ですが、現時点では相互乗り入れは難しそうです。


8月9日
保健医療セミナーの案内を掲示しました。医師会と神奈川県が主催して、各市町村医師会(保健所)で独自のテーマで行っています。平塚市医師会と平塚保健福祉事務所主催で(私の担当分野なのです)今年の要項が出来ましたので掲示します。 ここ


8月5日
今日は夜間休日急患診療所に終日出かけていました。いつも申し上げているように、ここでは周辺の病気の状況が良くわかります。しかし、今日に関しては目立った特徴もなく比較的空いていました。やはり小児の感染症は一段落でしょう。おたふくかぜ、ヘルパンギーナ、ぜん息、突発疹、りんご病、細菌性大腸炎、咽頭結膜熱、蕁麻疹、とびひ、等々実に多彩ですが、数はたいしたことはありません。ただ夏休み中のため実家に戻っている時に熱を出したという人が多かった気がします。


8月1日

麻疹予防接種率向上へ国は政策転換を 日本小児科学会が要望

 麻疹の予防接種率を向上させるため、日本小児科学会は27日、日本小児保健協会、
日本小児科医会とともに、厚生労働、文部科学両省に政策転換を求める要望書を提出す
る。
 わが国では昭和53年以降、予防接種法に基づく小児への麻疹予防接種が実施されて
いるが、いまだに小・中規模の地域的流行が繰り返されている。昨年の患者総数は推計
20万人。報告症例だけでも肺炎合併が4800例、脳炎合併が55例、死亡は88例
に上っている。
 ワクチン被接種者の罹患率は5%程度であることから、同学会は「この流行の実態は
接種率の低さに因る」と指摘。接種率は、厚労省の調査では、近年90%台で推移して
いるが、同学会は独自の調査で、実際は平均76〜80%程度に留まっていることを明
らかにした。
 これ以上の接種率向上には「個々の小児科医や保健婦らのプロパガンダだけでは限界
がある」(加藤達夫同学会理事)として、同学会は国に政策の転換を要望。(1)国、
地方自治体による1歳半健診時での接種勧奨の強化、(2)1歳児への個別的再連絡、
(3)医師会への接種率向上への依頼、(4)学校の協力の指導、(5)1歳児、3歳
児健診における予防接種率の正確な把握への指導―といった施策の実施を求めている。
(4031号掲載)
                                 [日本医事新報]

千里>いつも申し上げている事ですが、忘れている人は早く接種しましょう!


7月31日
最近は感染症情報での方で書いたように、夏風邪もピークを越して落ち着いてきたようです。平塚に限ったことでもないと思うのですが、昨年の手足口病の流行が嘘のように今年は少なかったです。多少似た発疹だけが出現している人もいましたが、手掌や足底や口内に水疱はありません。厳密には同じエンテロウィルス感染でしょうが、ウィルス分離は行いませんでした。
どこかの新聞で麻疹の流行を報じたようです。こういったものへのレスポンスは非常に早くて予防接種希望者が増えました。麻疹の予防接種を早くして欲しいし、接種率を高めるのも関係者の願いです。院内にも掲示はしてありますがマスコミ報道の方が効き目があるようですね!もっと医者の世界も広報活動に力を入れないといけないのでしょうか?インフルエンザワクチンが良い例です。マスコミによって接種者が激減もするし、激増もするのです。これは本来の姿とは少し異なるようですね!


7月10日
感染症情報を掲載しましたが、やはりというのかヘルパンギーナが異常に増えています。昨年は手足口病に髄膜炎があって騒がれたものですが、今のところヘルパンギーナでの髄膜炎は聞いていません。しかし、頭痛はかなりあるので検査をすると髄膜炎も出るかもしれませんが、ズバリ髄膜炎の診断をしないと騒がれないようですね。今後に注目です。またりんご病の大人も散見しますが、例にもれず子供の病気にかかると大人は症状が強いですね。今日聞いたところでは、横須賀でインフルエンザがまだ20例近く出ているとのことです。簡易検査で陽性なので本当なのでしょうが、どうしてなのかはわかっていないようです。このためにインフルエンザの終焉宣言が出来なくて今日に至っているとのことです。何かわかれば報告しましょう。今週は県医師会の委員会が3つもあり、保健所で行うアンケートの検討や健康課での感染児の健診手順、医療廃棄物処理やらなにやらで忙しそうです。


7月1日
あっと言う間に7月です。今月の予定と来月の大体の予定を掲載しました。今月は県医師会の各委員会が集中していますのでご迷惑をおかけします。これも、今年は委員の交代があって初会合の顔合わせをしなくてはいけないからでしょう。8月は夏期休暇が多くてこれもご迷惑をかけますが、例年8月の患者さんの数は極端に少なく小児科医にとっては最も暇な月なので休ませてもらっていました。そうは言っても最近は他の月も少なくなっているので、状況に応じて変更するかもしれません。患者さんによっては土曜日が休みだからとか、仕事を終えてからでないと受診できないとかが数年前より多くなっているようです。全国的に救急医療で小児科医が求められていますが、どちらかと言えば夜間診療所に小児科医が欲しいと言う要望が多いようです。確かに若い世代が夜のコンビニを利用せざるを得ない社会状況ですから、子供を連れていくのも夜間が良いのかもしれません。でも何かおかしいですね。病気になったら午前や午後の診療時間に連れて来られるような社会環境が欲しいです。
ついでながら、現在の感染症情報では夏風邪と呼ばれるヘルパンギーナが多くなっています。昨年多かった手足口病はまだ流行になっていません。伝染性紅斑(りんご病)が珍しく今年は多いですね。病気の解説パンフレットに説明してありますのでご覧下さい。


6月22日 開業小児科医にとって悲しい?寂しい報道の紹介。

医療機関MEDIAS1月分 小児科1施設当たり20.3%減

 厚生労働省は5日、平成13年1月分の「医療機関メディアス」(医療機関種類別医
療費の動向)をまとめた。
 それによると、1施設当たり医療費の対前年同月比は、診療所の小児科が20.3%
の大幅減を記録、診療所平均でも6.3%の減となっていることがわかった。老人の上
限付き定率負担導入に加え、昨年のようなインフルエンザの大流行がなかったことが影
響したとみられる。
 種類別に1施設当たり医療費の伸び率をみると、診療所は6.3%減、個人病院は6
.0%減、法人病院は5.8%減となったのに対し、大学病院は2.0%増、公的病院
は0.7%増となっている。
 さらに、診療所を診療科別にみると、小児科が20.3%減、耳鼻咽喉科が8.1%
減、内科が7.6%減となっている。その一方で、皮膚科、産婦人科、眼科はそれぞれ
わずかながらプラスとなった。
 入院・入院外別に一施設当たり医療費をみると、入院外はそれぞれ約三%から六%程
度、すべての種類でマイナス。
 一方の入院は、介護保険への移行分の違いを反映して、法人、個人は大幅減となり、
大学、公的はプラスとなっている。この入院分の増減が1施設当たり医療費全体の動向
に影響を与えた格好だ。
 今回すべての種類でマイナスとなった入院外について、その諸率から分析すると、1
施設当たりの件数は、法人、個人、診療所が5%以上の減少、特に診療所は8.8%も
の大幅減となっている。
 逆に、大学は3.1%の増となっている点が注目される。ただ、1日当たり医療費に
着目すると、大学は4.5%減、公的は1.4%減となり、このマイナスが入院医療費
の減に作用した。(4025号掲載)
                                 [日本医事新報]

小児科診療報酬の改善要求 公立病院医師、厚労相に

 全国の公立病院に勤務する小児科医でつくる「全国自治体病院小児科勤務医の会」は
二十日、小児救急医療の診療報酬引き上げなどを求める要望書を坂口力厚生労働相に提
出した。
 要望は、(1)小児救急医療の診療報酬を抜本的に見直す(2)入院小児科の技術料
や介護料を現行より五割引き上げる(3)診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(
中医協)の委員に病院代表を加え、現場の声を反映させる―の三点。
 同会によると、坂口厚労相は「国民に小児医療の要望が高まっていることは知ってい
る。何とか努力したい」と答えたという。
 小児科は、急患がほとんどで使用する薬も少ないため、老人医療などと比べ診療が難
しい割には診療報酬は低く、小児科医全体の数も減少している。
 近年は「不採算部門」として小児科部門を廃止する動きが民間病院などで進み、地域
の公立病院に小児患者が集中。このため公立病院の小児科医は、週二回の当直など厳し
い勤務環境を強いられているという。
 同会代表世話人で鹿児島市立病院の武弘道病院長は「小児医療のニーズが高まってい
る半面、診療報酬が低すぎる。これでは病院は十分な数の小児科医を確保できない」と
訴えた。
                                 [共同通信]

千里コメント>まあ今に始まった事ではありませんが、小児科医は不採算医療の代表格であったし当直では眠ることも出来なかったし、悪徳医 者が騒がれる中では一番正反対の所に位置している気がしているのですが?赤ちゃんが相手で診療報酬をもらうのも申し訳ないと言う気持ちがあるので、開業してもついつい少なくもらってしまいます。祖父母が連れてくるとお金の余裕はありそうでも、話しの内容がかみ合わないこともでてくるし、、、、、複雑ですよ。だから公費負担の対象年齢の時にはどんどん些細なことでも受診してもらえると経済的にも助かるのですがねぇ(役所では困るのかな?)


6月14日 各種興味のあった報道を掲載します。
なんと言っても小泉総理大臣になって政治報道が多い最近ですが、医療関係では総額規制で医療費を減らそうとしています。
いずれの機会にコメントするかもしれませんが、小児科医は医師の中でも不採算医療の代表ですし、患者さんも親御さんも
若いので収入を上げようと期待している医師は少ないのではと思っています。老人医療費の削減の余波を小児がかぶったら
非常に可哀想としか今は言えません。患者さんが望むのはどの様な医療でしょうか??

皮下脂肪減らす薬

 カネボウは、便秘を改善し、腹部などの皮下脂肪を減らすのに効果がある医薬品「新
コッコアポA錠」を19日から発売する。1カ月分360錠入り4850円。180錠
入り2650円。発汗や排便を促進して老廃物の代謝を活発にする漢方製剤を配合。錠
剤の表面を加工し、漢方独特のにおいと味を抑えた。
                                 [共同通信]
千里コメント>>入手方法はまだわかりませんが、期待する人は多そうですね!!

児童6割にアレルギー抗体 東京都、1200人を調査

 東京都内の小学校四―六年生の児童約千二百人を対象にしたアレルギー抗体調査で、
約六割が居住地を問わず、ぜんそくや皮膚炎などを引き起こす何らかのアレルギー抗体
を持っていることが十二日、都アレルギー性疾患対策検討委員会の最終報告で明らかに
なった。
 委員会は症状が出てからの対症療法ではなく、健康に悪影響のある抗体をつくらない
よう予防することが大切だとしている。
 報告によると、昨年十一月、大田、足立両区、小平、町田、青梅三市、伊豆諸島・大
島の児童千百九十一人を対象にダニ、花粉、かびの三種類について、アレルギー反応を
引き起こす恐れがある血液中の抗体を調査した。
 その結果、児童の約六割が三種類のうちのいずれかに対し抗体を持っていた。内訳は
ダニ約50%、花粉は約40%、カビは約5%で、一人で三種類持っている児童もいた
。地域によって抗体陽性率に差はなかった。
 抗体を持っていても発症するとは限らないが、都はアレルギー性疾患にかからないよ
うにするには、ディーゼル排ガスなどの大気汚染など環境要素の改善が必要だと指摘し
ている。
                                 [共同通信]
千里コメント>>この種の発表は現物の報告書を読まないといけないのですが、伊豆諸島や大島で大気汚染うんぬんとなるので
結論が良く理解できません。IgE抗体を持っている人が多いのはわかりますが、発病となると分からない点が多いので何とも、、

ニコチンガムが一般用に 薬局で購入可能に

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会一般医薬品用部会は七日、禁煙補助薬として使わ
れているニコチンガム「ニコレット」(ファルマシア社)を、一般用医薬品として輸入
承認した。
 これまで医師の処方が必要だったが、薬局で薬剤師の指導を受けながら購入できるよ
うになる。同社は年内に発売するとしている。
 ニコチンガムは、禁煙したい人がたばこを吸いたくなった時に三カ月程度をめどに服
用、吸わないとイライラ、集中できない、などの症状を緩和する効果がある。医療用は
一日三十個まで服用が認められていたが、一般用は二十四個が限度となる。
                                 [共同通信]
千里コメント>>現在日本医師会では禁煙キャンペーンを行っています。良いきっかけになるのでは?

国の乳幼児医療費無料制度目指しネット結成

 保団連など4団体は5月31日、小学校就学前の子どもを対象にした医療費無料制度
を国に創設するよう求めるため、「乳幼児医療全国ネット」を設立、都内で発会式を開
いた。平成14年度の制度創設を目指し、国会議員や政府、主要団体などへ働きかけて
いく。保団連の調査によれば、平成13年4月現在、乳幼児の医療費助成制度はすべて
の市町村・都道府県が独自に実施しているが、対象年齢や所得制限など内容に格差があ
る。(4024号掲載)
                                 [日本医事新報]
千里コメント>>これは以前から医師会でも平塚市に要望しています。

6月6日
アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインが掲載されていましたので紹介しておきます。ただし、これはいわゆる民間療法の紹介ではありません。一般の患者さんが直ちにこれをみて参考にはならないかもしれません。厚生省の研究班が調査用紙を医師に送ってまとめたものが基本だと思います。当院でもこの調査に協力した記憶があります。開業医の医師にとってどの様な治療が他で行われているかを知る参考資料ですから、誤解の無いようにかかりつけの先生と相談して個々の治療方針は決めてもらって下さい。  ガイドライン入り口

それにしても、最近は開業してだいぶ経ちますが、昔から入っている学会の名残で各種の調査用紙が送られてきます。食事アレルギーや食事でショックになった症例報告や、喘息死の調査や、昔の骨髄移植の経過や、血小板減少性紫斑病調査やいろいろ来ます。以前はこんなにも統計調査をたくさん行っていたでしょうか?確かに必要な調査もあるでしょうが、言葉は悪いのですが「他人のふんどしで相撲を取っている研究」はあまり好きではありません。なぜなら学会で質問しても、「自分が診た患者さんではないので解らない」とお偉い先生(まとめた先生)に言われたことが何度かあったからです。早く本当の病因を見つけて欲しいですね。こう言う自分も他人のふんどしを期待していますね。


5月29日
最近は当院の患者さんが非常に少ない状況が続いています。子供の病気がなくなってくれるのは嬉しいことですが、通院したくても出来ない人がいるのなら心配です。先日大学の同窓会があって小児科関係でも患者さんの多いところと少ないところが分かれていました。どうしても子供の人口によって差が出てくるのは仕方がないようですね。忙しい時期にはゆっくりと話せないことでも今の時期だったら時間もとれそうですよ。
4月以降は人事もいろいろと交代になっているようで、医師会も人事交代があったのは2月に予告したとおりです。写真は ここ 
保健福祉事務所(保健所)もだいぶ人が交代になって、保健セミナーの話し合いを本日行いましたが例年になく早い進行状況ですし、昨日市役所の環境部と廃棄物の処理に関して話し合いをしましたが、旧いマニュアルを一新するとの意気込みがあり、なにか小泉総理大臣になってやる気が出ている感じさえ受けました。自分を変革するのはなかなか大変ですが、このような変革の時期にあらためて気持ちを新たにしていこうと考えています。


5月23日
ここに書いて良いものか迷ったのですが、さりげなく不満を爆発させましょう。今日は医師会の公衆衛生委員会が開かれました。大体どこの会議でも委員長や会長を決めてから始まりますが、委員の互選とうたっていても大体内定者がいるものです。良いのか悪いのかわかりませんが、いきなりあなた会長を引き受けてくれと言われてOKは出ないものですから、ある程度は仕方がないでしょう。この委員長内定者に日程や時間を合わせ、内諾を得て会議が始まります。ところが今日の日時を指定した内諾者がドロンしてしまったのです。前期からの継続なので、問題はなかったはずですが?定刻を過ぎても音沙汰差しで、電話で聞いても外出中とのこと。これって最初から会議のまとまりが(かえってまとまったかな?)つかないはずですよ。それで後でいろいろ文句が出てくるのだから(今回はご勘弁願いたいですよ)、いつもの常套手段かもしれませんし、誰もがうっかり忘れたとは思っていませんでした。いや、この様な先生は本当に稀な存在ですからご安心を。


5月15日
昨日麻疹の話しをしたばかりですが、感染症動向調査で先週の報告に成人麻疹が1名ありました。そうしたら先週の金曜日から熱が引かないので本日来院された患者さんが麻疹でした。最初は近所の先生に診てもらっていたそうですが、今日から発疹が出現しました。コプリック斑も出ており、麻疹の予防接種もまだでした。平塚市の北部地域の住所で保育園も北部地域です。どうやらこれから麻疹の流行が始まりそうな印象がありますので、予防接種の済んでいない人は急いで接種をお奨めします。現在ポリオの接種が行われていますが、状況によっては麻疹を優先させた方が良いかもしれません。天然のポリオは西太平洋地域(日本を含む)では絶滅宣言が出ているのですから、身近の麻疹を予防する方が賢明だと思います。


5月14日 「はしか」は怖いでしょうと言う話し

福島の中学生はしかで死亡 修学旅行後、添乗員も入院

 福島県富岡町の富岡一中(堀川紘征校長)の三年生六人が四月下旬の修学旅行の後、
はしかの症状を訴え、男子生徒(14)一人が死亡していたことが十二日までに分かっ
た。学校は保護者に文書で注意を呼びかけた。
 富岡一中によると、修学旅行は四月二十四日から三日間で、三年生百一人が京都市な
どに行った。
 今月になって、男女六人が発熱などを訴え、はしかに感染していることが分かり、二
人が入院した。
 死亡した生徒は二日に富岡町内の病院で受診。その後も発熱が続き、別の病院ではし
かの疑いと診断され、点滴などを続けたが回復せず八日夜に入院。十日午前二時半ごろ
死亡した。死因は、はしかに起因する合併症という。
 福島県いわき市の旅行代理店によると、修学旅行に同行した同社の男性添乗員(28
)が旅行前から体調が悪く、いわき市内の病院で風邪と診断されていた。旅行初日は大
阪まで同行したが引き返し、二十六日に東京都内ではしかと診断され、入院。五月一日
に退院したという。
                                 [共同通信]

麻疹の予防接種が済んでいるのか再確認をして下さい。県内でも出始めているようです!!


5月13日
今日は丸々一日休日夜間診療所に勤務していました。以前にも申したように、ここにいると現在の流行状況が大体把握できます。そして、今日の特徴は高熱に頭痛(時に咽頭痛)と吐き気(おう吐は1〜3回程度)で下痢は比較的少ない感染症が非常に多かったです。これは、夏風邪とでも言えるコクサッキーウィルスなどが増えてきたのではないかと勝手に解釈しています。この陽気ですから一時的なものかもしれませんが、例年手足口病も出始めてきます。昨年はすでに多かったので、本番の7〜8月に注意報まで出ましたが今年は如何でしょうか?


5月8日
今日の新聞で報道されましたが、平塚市では子育てファイル「すてっぷ」を配布することになりました。かなり大きなA4版でいろいろな情報を綴じていくものです。使い勝手はハッキリと言えば悪そうです。あまりにも大きいのですが、家庭に保存しておくのには良いかもしれません。病気説明や免疫説明に誤り?もあるような気がしていますので後日連絡しましょう。医師会も市の事業には積極的に参加していますが、この様な説明は事後報告を受けることが多いのでこれからも連絡を密に取りたいと思います。


4月25日
複数の患者さんから 麻疹 は2度かかるのですかと質問を受けました。どうやら読売新聞で記事になったようです。この記事にも書いてあるとおり大規模な調査を行わないとハッキリとは言えませんが、以前より麻疹の予防接種を2回にしようと言う動きはあります。以前から申し上げているように、感染する事と発病して病気になる事とは別です。病原体の強さと体の持っている免疫力のバランスで発病したりしなかったりします。(厳密にはもっと難しいこともあるのですが) 従って、赤ちゃんの時に麻疹の予防接種を行って出来た免疫が年月とともに少なくなっていきますが、自然の麻疹ウィルスに感染する事で再び免疫力が高まることの繰り返しが一生続くと考えられていました。しかし、自然のウィルスは年々減少化しているので、免疫力も下がる一方になると考えられて2度かかるのかもしれないと言うことになっています。確か小児科医会では2005年目標に麻疹予防接種を2回にしようとキャンペーンをはっているはずです。成人の麻疹は昨年の平塚市でも非常に多く入院されていました。ほとんどは麻疹の予防接種を行っていない人たちですから厚生省の研究班で結果が出たらハッキリとするはずです。少なくとも現時点では麻疹に関しては後進国と非難されている日本ですから、規定の予防接種は確実に受けて下さい。流行が数年間なかったので、幸いにも感染しなかった人達が成人になって流行に巻き込まれて入院しているのが大部分であると個人的には思っています。確かに数年後(日本の麻疹患者数が減ってきたら)には予防接種の回数が欧米並に2回になるかもしれません。


4月24日
ここに書かなくても良いのですが、休日診療所で怒られてしまいましたと患者さんのお母さんが来ました。高熱と吐き気とのどの痛みに細かい発疹が出て休日診療所に行ったようです。ここで、舌も白くなっているので溶連菌感染でないかと聞いたそうですが、「溶連菌は舌が赤くぶつぶつになるので違う。市販の薬を飲ませたので薬疹が出たのだ。」と言われたのに処方された薬はペニシリンの薬でした。お母さんはお兄ちゃんが溶連菌感染症の既往があり知識があったので、反抗されてしまったのでしょうか?でも薬は溶連菌を意識して出されていました。紹介状には熱、発疹としか書いてなかったのですが、ハッキリさせるために検査をしたら溶連菌感染陽性でした。このように実際のやりとりを聞いていないので判らないのですが、患者さんから間接的に聞いておかしいと思う診断が時々あります。「サプレッサーグロブリンが出現して・・・」とか「蕁麻疹は食事だけが原因だとか・・・」本当に診察時に話されている先生がいるとしたらこちらから講義にでも出かけなくてはいけないのですが、本当のところはわかりません。悩みます。確かに医学的に誰もわかっていないところはたくさんあるのですが、勝手に自説を患者さんに説明してはいけないと思うのですが如何でしょうか?ちなみに、病気の解説でも書いたとおり、溶連菌感染症の初期は舌が白くなります。しかし、絶対に出現するとは限りません。苺舌にならない人もいますから教科書もあくまで参考です。


4月20日
子供の食事アレルギーに関するニュース。いつも診察の時にお話ししているのですが、安易に食事アレルギーの診断を血液や皮膚検査で行われている実体が報道されました。本当に食べて症状が出るのかがいつも問題なのですが、アレルギーに悩んでおられる人が多い事もあって、いろいろな報道・情報に登場する有名先生方のお話に自分たちを当てはめて考えてしまうからでしょうか?もちろん今回の報告ですべてというわけではありませんが、アレルギーの話題の流行と言える状況がここ20数年あったので、改めて思い返しています。まあ、実体がまだ解明されていない病気が現在も病名として残っていることを再確認しましょう。本当の原因が判ればその病気はこの世から無くなっているはずです!!


4月6日
4月より懸案の茅ヶ崎市との予防接種相互乗り入れが始まりました。ツ反とBCGは茅ヶ崎市では集団接種を行っているので相互とはなりませんが、その他の予防接種法で規定されているDPT、麻疹、風疹、日本脳炎、DTは個別で茅ヶ崎市民の方も当院で公費負担で接種が可能です。


4月3日

輸血経験者は自費検査を 厚労省、普及啓発強化 “国民病”に総合対策 (1)

 輸血経験者や大きな手術を受けた人など、肝炎ウイルスの感染率が高いと考えられる
人たちに、自己負担で検査や治療を受けるよう呼び掛けることなどを柱とした、今後の
肝炎対策の最終報告書を、厚生労働省の有識者会議(座長、杉村隆・国立がんセンター
名誉総長)が三十日まとめた。
 報告書は、国民病ともいわれる肝炎をめぐり、国の総合対策を初めて提言。これを受
けて同省は「具体的な呼び掛けの方法などを決め、自治体や学会など連携しながら早急
に対応したい」との方針を示した。
 同省は、今月二十八日にウイルス感染の恐れがある非加熱血液製剤を投与した可能性
がある医療機関名を公表、公費負担の検査を呼び掛けたばかり。それ以外の人たちが自
己負担になることについて、患者団体などは「大多数の感染者を見捨てるのと同じで、
信じ難い内容」と反発している。
 報告書は、感染者が百万―二百万人とされるC型肝炎を中心に、百二十万―百四十万
人の感染が見込まれるB型肝炎についても、肝硬変、肝がんへと進む危険性を指摘。正
しい知識を普及させ、「自らの適切な行動」で健康を守るよう啓発を強化すると同時に
、医療現場や職場で感染者が差別されないよう、対策を求めた。
 感染率が高いとされる人のうち、非加熱製剤を投与された人に対しては、感染実態を
把握する検査を国の研究として緊急に行い、結果を医療に生かすことを提言した。
 一方、ウイルス検査態勢が確立した一九九二年以前に輸血を受けた人や、大手術の経
験がある人、患者多発地域の住民、薬物乱用者、ボディーピアスをした人などは「本人
や家族は認識しているが、行政による特定は困難」として、自費負担による検査受診を
呼び掛け、必要な相談指導や医療が受けられるようにする方針にとどめた。
 血液製剤の中で、約四十万人に投与されていたと推定される旧ミドリ十字の「フィブ
リノゲン製剤」については、薬事法の報告命令に基づきメーカーが進めている感染実態
調査の結果を待って対応するとした。
                                 [共同通信]

肝炎対策報告書要旨   (4)

 厚生労働省の有識者会議が三十日まとめた肝炎対策報告書の要旨は次の通り。
 【肝炎ウイルスの感染経路】
 一、献血時の検査の導入で現在、輸血や血液製剤投与による肝炎の発生は限りなくゼ
ロ。
 一、B型肝炎は血液感染や母子感染や性行為により感染。C型肝炎は血液感染以外の
感染可能性は極めて低い。
 【対策の基本的考え方】
 一、肝炎による健康被害を回避することが可能であることや、感染者への偏見を防ぐ
観点から正しい知識の普及が重要。C型肝炎ウイルス感染者の数は極めて多く、ある程
度対象集団を絞り込んだ重点的、迅速な対策が必要。
 【国民一般への対応】
 一、国民が自身の感染の状況を認識し、必要な相談指導や医療を受けるなど、自らの
適切な行動で健康を守ることができるよう、行政の支援が必要。
 一、普及啓発のため国民向けには肝炎に関する問答集を、行政担当者や医療従事者に
は検査指針や治療指針をそれぞれ提供する。
 一、相談指導は医療機関を中心に、保健所など身近な窓口も活用。プライバシー保護
や経済状況、地域特性などに配慮。
 一、スクリーニング検査の研究推進。地域や職域での診断などの活用検討。
 一、C型肝炎ウイルスワクチンの開発など研究の質の向上。
 一、診療については、治療指針など医療機関への周知や専門医療機関の確保が重要。
 一、感染リスクが高い医療行為や医療現場では、徹底した感染経路遮断策を行い、感
染予防を図る必要がある。
 【感染率が一般より高いとされる集団への対応】
 一、考え得る集団は(1)C型肝炎のウイルス検査体制が確立された九二年以前に輸
血を受けた者(2)フィブリノゲン製剤を投与された者(3)大きな手術を受けた者(
4)薬物乱用者や入れ墨をしている者(5)ボディーピアスをしている者(6)非加熱
血液製剤を投与された者(7)長期に血液透析を受けている者(8)臓器移植を受けた
者(9)その他(過去に健康診断などで肝機能検査の異常を指摘されたにもかかわらず
、肝炎検査を受けていない者や、肝炎多発地域の住民ら)。
 一、(6)は一般に比べ感染率が高いため、早急に検査を実施して実態を把握する。
(6)のうち血友病患者や(7)、(8)は医療機関で感染の有無が確認され、治療を
受けていると考えられ、感染経路の遮断を徹底し新規感染の防止を図る。(1)―(5
)と(9)は普及啓発などの対策を充実強化。
 【健康被害救済】
 一、血液製剤を含むヒトの細胞組織などに由来する医薬品については、感染の危険性
をゼロにすることは困難。将来的な課題として、新たに生じる健康被害について、救済
の枠組みについての研究が必要。
                                 [共同通信]

3月29日  乳幼児医療費無料化を提言

 公明党は二十八日、六歳以下の乳幼児の医療費を国が一律に無料化するなど子育て支
援策の提言を発表した。二○○二年度予算編成に向け政府に実現を求めていく。
 提言は(1)地域の子育て支援(2)子育てと仕事の両立を進めるための環境づくり
(3)子どもと家庭のセーフティーネットの強化(4)小児科医療の充実―の四分野。
専業主婦が短時間子どもを預けられる「子育て支援ルーム」の新設や、認可外保育所へ
の助成や駅前保育所の拡充を求めた。児童相談所の態勢強化や、子育て支援に協力的な
企業への優遇税制導入も強調している。
                                 [共同通信]

と言うニュースがありました。少子化対策での意見は数多くあるのは知っていますし、各分野で改善する点があるかと思います。医療費の無料化で直ちに少子化の改善にはならないと思いますが、既に東京都では行っている所もあり、各市町村の財政状況でまちまちな無料化よりもすっきりしていて小児科サイドとしては有り難いです。同じ薬を出しても大磯や二宮の人と平塚市の人では公費負担の対象年齢が違うからです。同じ平塚市でも3歳になれば所得制限があって、6歳まで無料にはほど遠い現状だからです。行政がこの方向に進んでくれたら嬉しい限りです。


昨日の肝炎ウィルスについて、タイミング良く厚生労働省からの呼びかけがありましたので、再度ニュースを掲載しておきます。また、厚生労働省HPにも医療機関が公表されていますのでご参考に。 ここから入れます 

803医療機関を初公表 千人前後に汚染製剤投与 数百人が感染の恐れ −1−

 非加熱血液製剤を投与された患者が肝炎ウイルスに感染した問題で、厚生労働省は二
十八日、汚染された非加熱製剤を血友病以外の患者に投与した可能性がある全国計八百
三の病院・診療所名を公表した。
 同省は、これらの医療機関に非加熱製剤が納入された一九七二年から八八年までに入
院した患者のうち、千人前後が出血を抑えるために危険な製剤を投与され、数百人がC
型やB型肝炎ウイルスに感染した恐れがあるとして該当する患者に検査を呼び掛けてい
る。
 検査は公表された各医療機関で七月三十一日まで受け付け、費用は国が負担する。昨
年十一月から同省が取り組んでいる肝炎対策の一環で、医療機関名の公表は初めて。非
加熱製剤投与をめぐる医療機関名公表は九六年の薬害エイズ以来。
 検査対象は、公表された医療機関に入院し(1)新生児出血症(新生児メレナ、ビタ
ミンK欠乏症)などの病気で「血が止まりにくい」との指摘を受けた(2)肝硬変や劇
症肝炎で出血が著しかった(3)食道静脈瘤(りゅう)の破裂や消化器系疾患で大量の
吐血・下血があった(4)大量に出血するような手術を受けた(出産時の大量出血も含
む)―のいずれかの患者。
 カルテの保存期限は五年で、受診状況がはっきりしない場合なども検査を受け付ける
という。
 八百三施設のうち六百九十五施設は、エイズウイルスに汚染された疑いのある輸入非
加熱製剤(十一製品)を血友病以外の患者に投与した恐れがあるとして同省が九六年に
公表した施設に含まれている。
 新たに肝炎ウイルス感染の危険が判明した国産の非加熱製剤とエタノール処理された
輸入非加熱製剤(計四製品)の納入先百八施設を加えて今回公表した。
 八百三施設の中には廃院や所在不明の医療機関八十六施設が含まれているほか、非加
熱製剤の投与が確認されていない施設もあるという。
 同省は「八八年まではC型肝炎ウイルスが発見されておらず、製造工程でウイルスを
死滅させる技術も不十分だったため感染の可能性が高い。実態把握のため公表に踏み切
った」としている。
 同省の問い合わせ窓口は医薬局血液対策課、電話03(5253)1111内線27
30―2732。午前十時から午後五時まで職員が相談に応じる。
                                 [共同通信]

3月28日
今日のメインユースで御存知の人も多いと思いますが、元帝京大学副学長の安部英被告が無罪の判決を受けました。判決にコメントする気持ちは特にありません。怒りでもありそうかでもあるからです。私も血友病の患者さんに非加熱製剤を注射したことは数えられないほどあると思うからです。20数年前の入局したての頃の大学では外来で処置番に当たると教授を始め診察担当医からのオーダーで何も考えることなく注射をしていました。どこの救急外来に行っても血友病の患者さんが出血が止まらないで深夜にでも救急外来に来れば迷わずに非加熱製剤を注射していましたし、それが誰もが認める治療で患者さんにも喜ばれたと思います。そんな製剤にエイズウイルスが潜んでくるとは夢にも思いませんでした。確かにアフリカで奇妙な病気が流行しだしたとのニュースは医者になってからのことで血液を介しての伝染とは思っても見ませんでした。猿からの伝染?とかいろいろ言われていたと思います。ギャロ博士がウイルスを見つけたと報告して血液製剤が危ないから使わないとみんなが納得したのがいつ頃か記憶にはありませんが、自分一人でやめれるだけの実験や資料もなかったので当然公式見解が出て他の医者の誰もが一斉に止めたような記憶があります。実はこのように未知の病原体が現在でもまだまだたくさん存在すると言うことです。一昔前にB型肝炎ウイルスが血液で感染するとわかり医療関係者はパニックでした。昔の医者は注射針や注射器を煮沸消毒して何回も使っていました。親父の世代はその典型です。でもB型肝炎ばかりでなく、非A非B肝炎と言われていたものもC型肝炎ウィルスとわかってさあ大変です。これは慢性肝炎から肝硬変最後には肝癌にいたる元凶だとわかってきました。推定で200万人も感染者がいると言われているはずです。ですから、大先生の時代に予防接種など注射を受けた人の何割かは感染してしまったはずです。こんな事を今頃言われても困るという人は多いと思いますが、昔は判らなかったことが現実は残酷です。もちろん予防接種程度の感染力はあまりないはずですが、私のように使い捨ての注射針で教育されたものにも輸血でこんな感染があるとは思いませんでした。もちろん輸血には未知のウィルスやGVHと言った好ましくない反応があるのは判っていたので、無駄な輸血は控えていたし、骨髄移植では提供者のウィルスを可能な限り調べてから、成分輸血の鬼となって自分で輸血製剤を作ってもいました。でもC型肝炎ウィルスは当時チェック出来なかったのです。この様なチェックは非常に多額の検査費用を要して移植の高額費用に跳ね返っていましたが、それでも今思えば漏れているのです。もちろん移植以外の一般輸血でこの様に検査をしたらいろいろな方面から怒られるのはわかったことですからしていません。国民の医療費がどうのこうの・・・・保険医療では許されない・・・・もしもこのHPをご覧になっている方で、昔私に限らず輸血をしてもらった覚えのある人は肝炎の検査を受けて下さい!!!平成になる前の昭和の時代に受けた人は必ず検査を受けて下さい。現在ではインターフェロン療法でウィルスをやっつけられる可能性があります。このように非加熱製剤をはじめ人間の血液にはウィルスが他にもあるかもしれませんね。エホバの商人って御存知でしょうか?血液は不浄なものとして輸血を拒否する宗教とでも言って良いのでしょうか?この人たちが出血多量で瀕死の時にどうするかが話題になることがあります。現在では自己血輸血で手術も出来ることがありますが、他人の血液は汚れていると言うのはあながち誤りではなかったことになりそうです。今回の裁判でも争点になったようですが、当時の医療水準と言うのがあります。私も昔はある分野では最先端の医療水準の知識があったはずですが、それももう旧い水準です。今後は心して現在の医療水準から取り残されないようにしたいと思います。開業の小児科医であれこれと変動しているのは予防接種と解熱剤でしょうか??抗ウィルス薬も新しいかな?勉強も大事ですね!


3月21日
本日は突然の休診でご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。


3月11日
今日は休日夜間診療所に終日勤務してきました。ここに来ると平塚市内の小児科の感染症状況を体感できます。結論を言えば、非常に混雑していました。例年の年末や正月休みと同じ状況です。と言うことは風邪がはやっていることになります。ほとんどの人が高熱か吐いて下痢してと言うことになりますが、臨床的にインフルエンザと言える人は思ったよりは少ないようです。この休日診療所ではインフルエンザの検査も出来ませんので確定したことは言えないのですが、乳幼児の発熱と幼児の吐き下しはいわゆる風邪になりそうです。日頃の対処方法が身についていれば熱が出てすぐに受診しなくても大丈夫と思われる人は相変わらず多く、かかりつけ医の指導の重要性を再認識しました。患者さんが多いと混乱や間違いを防ぐにも同一処方でほとんど済ませてしまいましたが、かかりつけ医を受診してもらい適切な処方に変更してもらおうと思います。


3月3日
どうも「健康カレンダー」は平成13年度から廃止になるようで、代わるものとして「平塚市母子健康ファイル」(仮称)が配布されるようです。従って27日の記述も変更しなくてはなりません。また、茅ヶ崎市との予防接種の相互乗り入れが4月より現実になります。当院での茅ヶ崎市住民のかかりつけ乳幼児は少ないですが朗報でしょう。
 感染症情報でもいずれ示されると思うのですが、この1週間でインフルエンザの患者さんが急増しました。幸いA型インフルエンザ陽性者が多くて子供にも抗インフルエンザ薬が使えます。しかし、爆発的な流行ではないようですが??今後の動向に注目していきたいものです。
2月に保険適用になった成人用のタミフルカプセル(抗インフルエンザ薬)も非常に効果があり、大体翌日には元気になれるようです。これも48時間以内に投与を開始しないと効果が期待できないので、急にゾクゾクと発熱し、頭痛、咽頭痛、吐き気に加えて筋肉痛や関節痛や腰痛などがあればインフルエンザの可能性がありますので早めの服薬がお奨めです。市販はされていませんのでご注意を!


2月27日
ポリオ予防接種の予定を掲載しました。正式には健康課より「健康カレンダー」で公表されると思いますので、お確かめ下さい。
12日に医師会の役員選挙が行われて一部役員の交代がありました。北原実衛現会長にはもう少し頑張って続けていただくことになりました。たいへん医師会活動に造詣が深くもう一期お願いすることになったようです。不肖私も理事継続になり患者さん方にご迷惑がかからないように努めさせていただきますので宜しくご理解をお願いいたします。


2月25日  迅速検査について
前回の続き。現在インフルエンザ迅速検査はA型のみ、又はAB型双方に反応するが区別は出来ないと言う2系統のキットがありますが、どちらを使った方が良いか悩んでいます。インフルエンザに反応すれば薬で治したいとなると思うのですが、子供にB型に効果のある薬はないのです。
A型キットに反応した場合には薬で早く治る可能性があるので選択できますが、AB型キット陽性であってももしB型だったら不要な薬を使うことになりますし、効果もありません。16歳以上にはAB型キットだけで十分ですが、小児科医院ではどちらが良いのでしょうか??診断が多少不正確であってもA型キット使用が良心的な気がします。陰性ならば、B型インフルエンザの可能性はあるのですが、使える薬がないのだから従来通りに一般の風邪?として経過を見るしかないと思うのですが如何でしょうか?もちろん臨床診断でもかなり正確だとは思うのですが、お墨付きが欲しくなることもありますから。似たようなことで、アデノウィルスやロタウィルスも迅速診断キットがありますが、治療薬がないのでどうしようかといつも考えています。確定診断が出来れば経過の見通しがつくのは非常に有り難いのですが。その点、溶連菌感染症の迅速検査は抗生剤の適応があるし、中途半端な治療を防げるので助かります。


2月20日
本日掲載した感染症情報でもお分かりのようにインフルエンザの流行に突入しました。とは言っても昨年までとは異なり、非常に少ない状況です。今年もA型がメインと思うのですが、B型も混ざっているようです。小児に使えるB型インフルエンザの薬はまだ承認されていないので困ったものです。海外ではノイラミニダーゼ阻害剤の小児用シロップ剤もあるようなので早く使えるようにして欲しいものです。診断さえ確実ならば効果は非常に期待できます。へたな風邪よりも早く治るかもしれませんから。あいまいな表現で申し訳ありませんでした。風邪とはなんぞや?これが難しいのでいずれお話しすることもあるかもしれませんが、今日は控えておきますね。


2月13日
感染症情報になるかもしれませんが、一家4人が高熱→インフルエンザ確定となっています。予想通りだとすれば遅ればせながらの流行になってきたかもしれません。本日の県医師会の公衆衛生委員会でも少し増えてきたようですねとのコメントがありました。相互乗り入れの話題に関しては発言もしましたが直ちに実施とはならないようです。それまでは茅ヶ崎市と個別の交渉になりそうです。今月は乳幼児健診、乳幼児ケア、すくすく子育て教室、ポリオ日程など13年度の予定を決めなくてはいけないので結構忙しいですね。


2月11日
以前に書いたように予防接種の相互乗り入れの問題がまだ決着がついていません。茅ヶ崎市医師会がどうも難色を示しているようですが、近々県医師会でも相互乗り入れを積極的に推進しようと方策を検討することになります。結論は公表段階になればお知らせしますが、行政単位を越えて通院している人にとっては朗報となるかもしれません。当院にも周囲の各市町村から通院してくださる方が数名おられますので朗報となりますか?すでに予防接種年齢を過ぎようとしている人も多いかもしれませんが。


2月8日
インフルエンザ迅速把握事業の還元情報が毎日更新されないので、厚生労働省に問い合わせてもらった結果、依然としてコンピューターソフトの不具合があって手作業で集計を行って更新できないようです。なんだかアメリカ大統領選挙の集計を思い出しましたね。迅速にコンピューターで作業できても手作業は遅い遅い。いつも言われることですが機械を扱うのはまだ人間ですからね。大流行のシーズンだったら大変ですよ。


2月4日
今までインフルエンザを中心とした感染症について書いてきましたが、もうスギ花粉症の季節になってきました。花粉症のサイトもリンクしてありますのでご覧になって下さい。花粉症ほど劇的に増加した疾患も珍しいのではないでしょうか?私が大学病院にいたころはアレルギー班でしたのでスギ花粉症があるのはわかっていましたが、教科書的には花粉症と言えばブタ草花粉症を指していたものです。鼻アレルギー担当者は鼻粘膜にディスクを置いて検査もしていました。今ではスギ花粉は耳鼻科の専門のようになっていますが、専門外の耳鼻科の先生からアレルギーについて検査方法や治療方法などを聞かれたこともたくさんあります。まあアレルギー科が本当の専門でしょうが、診療標榜科のアレルギー科もまた病院と開業医ではニュアンスがことなります。スギ花粉については原因がはっきりしているので対策がそれほど診療科で異なることはないとおもいます。少なくとも内服と点鼻点眼ではあまり差がないでしょう。減感作療法やレーザー照射、粘膜焼却は専門科が必要と思いますが。
小児科医はこういう役目を持っていると言うリーフレットがあります。子どもの疾患は入り口であれば大体小児科医で大丈夫というものですが、これは間違いではないと思います。スギ花粉症についても情報があればこれから発信していこうと思います。


2月1日
共同通信の記事によると、今冬のインフルエンザはやはり少ないようです。知り合いのドクターも同じ答えです。2月の後半がピークと思っていますが?
勘違いしないで欲しいのは、当院でも確実に検査で陽性者が出始めています。ただ例年に比べて異常に少ないだけで、皆無ではありません。

今冬、異常なおとなしさ インフルエンザの流行 北半球にも共通の現象 「1」

 今冬のインフルエンザは異常におとなしい。例年なら一月下旬から二月上旬にかけて
流行がピークを迎えるが、今シーズンの患者発生は「流行が始まった」と判断するライ
ンの半分にも達していない。この傾向は欧米など北半球に共通しており、このまま推移
すれば、今冬はかなり特殊なシーズンになりそうだ。
 ワクチンの増産、相次ぐ新薬の承認など、インフルエンザ対策を強化している厚生労
働省も取りあえず胸をなでおろしているが、「今後、極めて短期間に爆発的流行が起き
たり、少し遅れて別の型が流行する可能性もあるので、気を抜かないでほしい」と呼び
掛けている。
 例年、インフルエンザが流行するのは十一月から三月ごろ。正月休み明けの一月上旬
から患者発生が急増し、学校、学級閉鎖や老人施設などでの集団感染が相次ぐようにな
る。過去五シーズンはいずれも一月下旬から二月上旬がピークだった。
 今冬も、患者数は昨年十二月中ごろ増え始め、同月二十日、厚生労働省は都道府県に
「流行期に入った」との見解を通知した。しかし、全国約五千病院の平均患者数は、今
月八日から十四日までの集計分で一病院当たり○・四一人と、本格的な流行開始の判断
の目安となる一・○人を大きく下回っている。保育所や小・中学校での欠席者数も昨年
の四十分の一以下だ。
 こうした傾向は欧米でもほぼ同じ。米疾病対策センターのまとめでは、一月中旬現在
で大きな流行が起きているのは二つの州だけ。欧州十四カ国による監視ネットワークへ
の報告でも、フランス北部と英国のスコットランド地方で地域的な流行があるが、多く
の国では「散発的流行」や「流行なし」のレベルにとどまっている。
                                 [共同通信]

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1月27日
ようやくと言って良いのでしょうか?インフルエンザ迅速把握事業の還元情報サイトが出来たようです。本日メールで知らせがありました。
まだ流行になっていないようですが訪れてみて下さい。 ここから ・・・予定よりも医療機関が1/2と少ないようです。


1月26日
まだインフルエンザの流行はないようですが、迅速検査で陽性者がいますのでこれから少しは流行するかもしれません。ところで昨シーズンに発売になる予定だった吸入薬のリレンザと今シーズン登場の内服カプセルのタミフルが2月2日から医療保険の適応を受けることになりました。残念ながら小児での適応がないですが、B型インフルエンザに効果がある点が昨シーズンに使っていたシンメトレルと異なります。言い換えればB型に効果のある小児用の薬はありません。今後の動向に注目しています。


1月24日
先日東京都が乳幼児に対する医療助成を現行の5歳未満から就学前まで引き上げたとの報道がありました。どこの自治体も財政困難な時代に東京都の見識に敬意を表したいと思います。平塚市も徐々にひき上がってきており4歳未満が該当しますが、所得制限があります。
近隣の大磯町や二宮町よりは進んでいますが、東京都には追いつけません。引き続き平塚市にも医療補助の拡大をお願いしていきましょう。
地方の時代になりました。このことはご存じでしょうか?予防接種も健康診査も現在は実施主体が各市町村ですから、住んでいる町の予定にしたがって健康診査も受けることになります。かかりつけが隣町の病院であっても住んでいる市町村が行う事業はやってくれないのが普通です。
例えば、平塚市では4ヶ月健診を個別の医院等で行っていますが、他の市町村では3ヶ月健診として集団で公民館行うと言うように対応が別です。面倒でしょうが覚えておいて下さい。でも自費なら全国どこでも大丈夫なはずです。

都が乳幼児医療補助拡充へ

 東京都は二十二日までに、区や市町村の乳幼児医療費助成事業への補助について、対
象の年齢を現行の五歳未満から就学前まで引き上げる方針を決めた。所得制限も、現在
の六百七十万円(夫婦と子供二人の場合)以下から七百八十万円以下に緩和する。
 二○○一年度予算案に必要な経費約八十三億円を盛り込み、今年十月から実施の予定
。
 乳幼児医療費助成は、二○○○年度で約二十一万三千五百人が利用している。
                                 [共同通信]

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1月19日
年末にお知らせしたインフルエンザ迅速把握事業が9日より開始されています。しかし、せっかく入力しても還元情報が入ってきませんでした。せっかく迅速に流行を把握しようと言うのに結果が出ないのでは何の役にも立ちません。今日厚生労働省からの連絡があって、プログラム調整に不測の時間を要しているとのことでした。幸いというのか平塚地域ではほとんどインフルエンザの患者さんは出ていないようで、他の医療機関情報でも学校情報でも出ていないようです。従来の定点での全国の患者数も第1週では昨年の1/20と非常に少ないようです。したがって迅速把握事業も今年に限ってはまだ効果が出ていないようです。しかし、ここ10年の経過を見てもインフルエンザが全く流行しなかったことはなく、必ず今後に流行があると思います。私は2月下旬にピークがあって規模は小〜中規模ではないかと予想していますが??それにしても新世紀になって小児科の外来が少ないのは珍しいことです。ここ2年間ワクチンの接種が大幅に増えた結果だとすれば嬉しいことですが、数年間の経緯を見ないと判断は出来ないでしょう。
追記:年末に高熱が続く感染症が一時的に多かったのですが、大部分はアデノウィルスによる感染症ではないかと思われます。
また、ヘルパンギーナ様口内炎に手足口病の発疹に突発疹様全身発疹の児のウィルスはコクサッキーA6型でした。


1月7日
厚生省は昨年十二月二十八日、妊娠可能な年齢の女性らに、ビタミンBの一種で緑黄 色野菜や果物に多く含まれる「葉酸」を摂取することの重要性を呼び掛けるよう、都道 府県や全国の医療関係者に要請した。葉酸は、二分脊椎(せきつい)など先天性異常の 子を出産する危険性を減らすことが、欧米で報告されているためだという。  特に妊娠を計画中の女性は、妊娠一カ月以上前から三カ月まで、食事からの摂取に加 え、栄養補助食品などのいわゆるサプリメントを使い、一日○・四ミリグラムの摂取を 推奨している。  「女性本人の判断に基づく選択を可能にするのが目的」としているが、同省が栄養補 助食品類の摂取を積極的にアピールするのは初めてだという。  葉酸は毎日取ることが必要で、不足すると貧血を起こすほか、二分脊椎など神経管閉 鎖障害の発症リスクを減らすことが知られており、米国では一九九二年、妊娠可能なす べての女性に一日○・四ミリグラムの摂取を勧告している。  ○・四ミリグラムは、約三百五十グラムの野菜などで摂取可能。日本は諸外国と比較 して二分脊椎の発症率は低いが、同省は「食生活の現状などから今後、葉酸の摂取が増 えるとは考えられない」として、今回の措置を実施した。                                  [共同通信]
コメント:イギリスでは葉酸の摂取キャンペーンで二分脊椎の発生頻度が日本並に減少したとのことです。もともと日本では発生頻度は多くはありませんが、知っていた方がよいかもしれません。


1月1日(平成13年、2001年)
本日は元旦の休日診療所に出かけてきました。例年と比べて特に混雑している感じはありません。昼間は少ない方かもしれないようです。本日の受診者の傾向では、やはり消化器症状を伴う感染症が多いようです。インフルエンザを疑う患者さんはまだまだのようでした。しかし、発熱、咳、鼻水は常に一番多いのですが、この地域では耳鼻科の休日・夜間診療所が藤沢になることもあって中耳炎の患者さんが目立ちました。

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12月29日
インフルエンザの話題ばかりで申し訳ありませんが、感染症情報はいつもお知らせしている通りですが、インフルエンザについて今シーズンは迅速情報を厚生省が提供することになりました。現在の定点約全国で5,000医療機関のうちでインターネットで速報の可能な500カ所程が当日のインフルエンザ患者数を翌日までに厚生省に報告して翌日の午後には全国500カ所での患者さんの数がわかる仕組みです。平塚、大磯、二宮を管轄する平塚保健福祉事務所では当院がその任務に当たることになりました。この情報も後日掲載の予定ですが、具体的にどの地域が流行に入ったかを把握できないシステムのようです。幸い当院ではインフルエンザの検査を行っても現時点での流行はないようです。


12月26日 感染症情報掲載しました

インフルエンザワクチンの在庫本数から予約簿をみてあと何人大丈夫とかの連絡をしていましたが、接種に来ない人にこちらから電話で確認したところ、他で受けたのでキャンセルですとの返事がいくつかありました。この人達のために当院で接種を希望していた人をお断りしていたのですからネ。このワクチンは接種のタイミングがあるので、もっと早く確認すればよかったのでしょうか?こちらとしてはキャンセルの連絡を早くして欲しかったです。昨シーズンのワクチン不足が社会問題になっていたときでさえ3月には余ったワクチンが出てきたと言うことを聞いています。幸いまだ本格的な流行期に入っていないし、13歳以上であれば1回接種で済む可能性もあるので十分に間に合います。本数は少ないですがあきらめていた人は至急どうぞ!


12月21日  インフルエンザの流行が始まったようですが、昨年よりも今のところは患者さんの数は少ないようです。

7道府県で患者 インフルエンザ流行始まる

 厚生省は二十日、今冬のインフルエンザが流行期に入ったとの見解を都道府県に通知
した。患者数は例年より一けた少なく、流行の勢いは昨シーズンより弱いが、同省は「
大流行となった二年前も、当初は患者数が少なかった。今年の流行がどうなるかは分か
らない」としており、十分な栄養や休養、人込みを避けるといった予防を心掛けるよう
呼び掛けている。
 今月十九日現在、保育所、小・中学校などで休校や学級閉鎖などがあったのは、北海
道、茨城、和歌山など七道府県。患者の合計は七百三十七人で、昨年同時期の約九千九
百人より大幅に少ない。
 全国に約五千ある「定点」病院での、十二月四日から一週間の平均患者数も○・二三
人と、昨年の三分の一程度にとどまっているが、ここ一、二週間で報告数は増加傾向に
あり、シーズン入りとの判断になった。インフルエンザウイルスはA香港、Aソ連、B
と、例年流行の原因となる型が今年も患者から検出されている。
 同省は今月二十五日から、定点での一週間当たりの患者報告数が一定数を超えた場合
、都道府県、保健所単位で「警報」「注意報」を出し、関係者に注意喚起するシステム
の運用を始める。約五百の病院から患者数を毎日報告してもらい、流行状況を早期に把
握する別のシステムも、来年一月中旬をめどに稼働させる。
                                 [共同通信]
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12月19日 感染症情報掲載

小児医療体制の充実やら少子社会に対応する施策は云々と言う議論が最近多くなってきました。厚生省課長のコメントでもわかるように、小児科医は病院内では不採算診療科として目の敵にされ、病棟の閉鎖などが広がっています。小児科医は昔ほど夜中に起こされることは少なくなっても、たくさん働いても稼ぎの少ない科として入局者も少なくなっているようです。これでは悪循環です。でも診療報酬を上げても若いご家庭からの出費が増えてはたまったものではありません。子供は後世に残る宝ですから国をあげて地球規模で育てていかなくてはならないと思います。考えは賛同しても財政問題でいつもつまずいてしまいます。不況であれ子供はみんなで守らねばと考えますが如何でしょうか?県レベルで財政援助する施策と言っても額は公表できるほどあるのでしょうか?心配です。

■ 小児医療体制の充実強化訴える 

       ― 厚生省・藤崎母子保健課長 ―

 厚生省児童家庭局の藤崎清道母子保健課長は12月7日、東京都内で「健やか親子21」をテーマに講演し、病棟閉鎖が相次ぐ小児医療体制について、「診療報酬面、医療経済面を含む行政の対応が不可欠」と強調、「(診療報酬点数を)他の診療科に対して遜色のないレベルにしていく」との姿勢を打ち出した。あわせて小児科学会や小児科医会などが中心となり、世論を巻き込んで小児医療体制の充実強化を訴えていく必要があると指摘した。

 講演は都内で開かれた「第21回これからの母子保健を考えるシンポジウム−『健やか親子21』−」で行われた。来年1月に始まる「健やか親子21」では、21世紀の母子保健の主要課題4点を中心に、10年にわたって国民運動を展開する。医師不足や病棟の閉鎖・縮小、救急医療体制の不備などに直面する小児医療体制への対応もその柱のひとつ。

 藤崎課長は小児医療の不採算性を打開するため、国として診療報酬面から最大限バックアップする姿勢を強調するとともに、小児救急医療体制の整備を都道府県の責務として位置づけ、それぞれの地域医療計画で整備計画を明確に示していく必要があると指摘した。


12月16日
 予防接種は任意接種を除くと、各市町村が医療機関に委託して行っているのをご存じでしょうか?住んでいる隣の市町村の医療機関で予防接種は受けられない(公費負担で)のが通常です。この壁をうち破って他の市町村でも公費で受けられるように県医師会でも進めています。これを、相互乗り入れと言っているのですが、平塚市では近隣の秦野・伊勢原と相互乗り入れしており、大磯町や厚木市とも個別契約で行えるようになっており、県下でも進んでいる都市だと思います。この度、茅ヶ崎市とも個別契約で予防接種が出きる運びとなりそうです。現在調整中ですが、今まで自費負担をお願いしていた人にとっては朗報となりそうです。TOPへ


12月15日 以下の報告からわかるように、今シーズンは保険適応のあるB型インフルエンザに使用できる薬は無さそうです。また、乳幼児にも使用できる薬はなかなか出てきません。やはり予防に心がけるのが一番でしょうか??

経口インフルエンザ薬承認 発売時期は未定

 厚生省は十二日、日本ロシュ(東京)が輸入製造を申請していた新しいインフルエン
ザの経口治療薬「リン酸オセルタミビル」(製品名タミフル)を承認した。A型、B型
両方のインフルエンザウイルスに効果があり、医師の処方を受けた十六歳以上が使える
 薬価は決まっておらず、発売の時期は未定だが、インフルエンザ治療薬では、別の会
社の吸入式治療薬が今月八日に保険未適用のまま発売されたばかり。日本ロシュも「保
険適用されない状態で発売する可能性もある」(広報グループ)としている。
 同社によると、リン酸オセルタミビルは、日本人を対象にした臨床試験で、インフル
エンザウイルスの増殖に不可欠な酵素を阻害し、発病期間や症状を軽減する効果が確認
された。発症を予防する効果もあったという。
                                 [共同通信]

リレンザ・タミフル 薬価収載は来年2月中旬以降に

 A・B両型のインフルエンザを適応症とするグラクソ・ウエルカムの「リレンザ」と
、日本ロシュの「タミフルカプセル75」の薬価収載は、インフルエンザの流行がピー
クをすぎた来年2月中旬以降になりそうだ。緊急収載の可能性について、厚生省保険局
医療課の村上貴久薬剤管理官は「中医協で決定したルールを、初回から吹き飛ばすよう
な臨床上のニーズがあるとは思えない。」とした
                                 [じほう]

12月13日  インフルエンザワクチン在庫無くなりました。

今年も結局インフルエンザワクチンの在庫が無くなりました。これから接種を考えている人には申し訳ないと思います。
昨年よりも多く注文した分が無くなり、追加でかき集めたワクチンまで無くなってしまいました。他の医療機関にはまだ残っている可能性はあります。しかし、今後の入荷は難しいでしょうし、接種時期の問題もあって現実的に当院での新規接種は難しいです。今シーズンは乳幼児の脳炎・脳症の問題がマスコミに流れたためか乳幼児の接種が非常に多かったようです。昨年度は高齢者のワクチン接種の盛り上がりがあり、この調子でワクチン接種の機運が高まれば、集団接種の時代よりも多くの人が接種を行ってインフルエンザの流行までも無くなってしまうかもしれません。今までの接種で当院にかかりつけの人の多くがこの冬のインフルエンザを克服してもらえば診療も忙しくなくて嬉しい限りですが??
 また、ついにインフルエンザ迅速検査で陽性の患者さんが出始めました。くれぐれも感染しないようにご注意を!!


12月6日     解熱剤について      最新感染症情報掲載

解熱剤の使用について、最近マスコミにも取り上げられて関心が高くなっているようです。いままでも予防接種が怖いという報道がされて接種率が下がったために病気が勢いを取り戻し、死亡者や後遺症の報告が報道がなされてから再び予防接種が見直されたり、卵や牛乳がアトピーになると言う報道で何が何でも控えてしまう事が過去にもありました。
確かに解熱剤は今までにもいろいろな薬剤が副作用のために使われなくなってきています。スルピリンや最近ではアスピリンも小児科での使用は少なくなっています。現在はアセトアミノフェンが主流になっていますが、これもいつかは他の薬剤に取って代わる可能性はあります。問題なのは、確かな情報ではない一部の報道だけですべてが悪いと決めつけない事だと思います。どの様なときに使えば有効なのか無効なのか?有害なのはどの様なときかを知ることだと思います。
現在安全だと言われているアセトアミノフェンでも保険金殺人で使われたように使い方次第では死につながります。
子供さんの状態をよく観察することが第一です。熱を下げてあげるメリットがあれば、つまり一時的にせよ水分を摂ってくれたり食事を摂ってくれた方が脱水による腎不全や多臓器不全を防げるとしたら使った方が良いと思うのですが。
もちろん元気な発熱に使用するメリットはないでしょう。これから本格的に流行するインフルエンザで数十万人〜数百万人の人が全員解熱剤を使わずに、脳炎や脳症がなくなり死亡者もなくなれば嬉しいのですが、ありえません。この2シーズンの調査でも解熱剤を使っていない人でも亡くなっているのですから。どの手段がベストなのかは個人個人の信条信念で変わって結構だと思います。でも情報は確かなものを、わからなければいろいろな情報を整理理解してよりベターな方法で看護にあたっていただきたいし、そのお手伝いをしたいと思っています。TOPへ


風邪薬のPPAで注意 厚生省

 風邪や鼻炎の薬に含まれる「塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)」に、米国
で出血性脳卒中の副作用が見つかった問題で、厚生省は三十日、医薬品・医療用具等安
全性情報を出して医療機関に注意を呼び掛けた。
 PPAを含み、医師の処方で服用する薬(商品名ダン・リッチ=住友製薬)は、高血
圧、脳出血の既往症のある患者には投与しない「禁忌」の扱いとした。
 また、薬局で売られている六十八種類の鼻炎薬や風邪薬について、高血圧、心臓病、
甲状腺(せん)機能障害の診断を受けた人、脳出血を起こしたことがある人は服用しな
いこととした。                             

●今季のインフルエンザは要注意      ワクチンの新たな入荷がありました(今回が最終です)

 また、今年流行が予測されているインフルエンザウイルスに対しては、日本人の感染防御力が低いことが、国立感染症研究所感染症情報センターが11月15日までにまとめた調査速報でわかった。インフルエンザA、B型いずれの流行ウイルスに対しても、感染防御力の指標となる抗体保有率が低い。同センターでは、ワクチン接種で抗体価を上げる必要がある、としている。


11月28日 最新感染症情報を掲載しました

あらためて実感したことですが、6歳で百日咳にかかって入院した子供が来ました。半年前のことですが、今まで何回か診察をしたことがありましたが、予防接種は行っていなかったのです。今回は2種混合の予防接種でわかったことです。私も母子手帳を見たことがなかったので、3種混合ワクチンをやっていなかったとは。病気で来院されても、初めての患者さんにも予防接種歴を聞くはずなのですが、漏れてしまった人もあるかもしれません。あらためて母子手帳を見直して下さい。7歳半まで公費負担の予防接種が多いので、その前にやってしまいましょう。3種混合や日本脳炎の追加接種を忘れている人がけっこういるようです。麻疹と女児の風疹は必須だと思います。母子手帳は大切ですよ。TOPへ


11月26日

最近はインフルエンザの話題が多くなってしまいましたが、ことしはインターネットでQ&Aが厚生省より出されています。
ここを公式には参考にして下さい。県でも保健所を通じての対策やらの通達がでています。と言うことはそろそろ注意する季節に近づいてきたのでしょうか?当院での検査ではまだインフルエンザは出ていません。例年の事ながら、吐き気を催す感染症が口火となって、乳幼児には下痢主体の感染症になり、インフルエンザにつながっていきます。また、溶連菌感染症や水痘も徐々に増えることが多いのです。うがいと手洗いの励行は忘れないで下さい。


インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤(ジクロフェナクナトリウム)の使用について

厚生省より以上の見解が出されています。医療サイドの問題ですが、当院では使用の予定はありませんし、今までも使っていません。しかし、現実問題として、高熱のために全身状態が悪いのであれば何とかしてあげたいと考えるのはみんな同じです。今回の報告は年間100万人もの人が罹患するインフルエンザ感染症全員に対しての禁忌ではなく、脳炎や脳症には使用しないと言うおかしな通達ですが、個々の患者さんの状態にあわせてご両親と相談の上で解熱剤の使用について考えていきたいと思っています。


インフルエンザワクチンの入荷状況    11月14日UP

昨シーズンのワクチン不足は記憶に新しいところですが、今年もいよいよワクチンの入荷が困難になってきました。今年の製造は昨年の約2倍ですが、既に700万本出荷されており、あとは残りの分の製造検定待ちの状況のようです。不合格のワクチンも少しあったとのことです。神奈川県に配布予定のワクチンは既に配布完了とのことで、新たな追加注文には県内の各市町村とも入荷困難になっているようです。残りの約50万本の行方と初期注文の未入荷分で、これからの新規予約の人に充てる予定ですが、どれほどの方々に行き渡るか心配な状況になってきました。既に予約完了している人は早く終了しましょう!!これから新規予約の人は入荷状況次第ですからご理解をいただきたいと思います。きっと今年は昨年の騒ぎで買い占めてしまった病院や施設、医院が多いのではないかと考えられています。それにしても定期的にワクチンを受けていた方々には申し訳ない状況になってきました。今後の情報に注意していて下さい。以上は正式な文書での情報ではありませんが、かなり近いと思われます。TOPへ


昨シーズンのインフルエンザ脳炎・脳症のまとめの報告です

発症者、死者とも減少 インフルエンザ脳炎・脳症

 今年一月から三月までの三カ月間に、インフルエンザによる脳炎・脳症にかかった人
の数は全国で百九人で、うち三十一人が死亡していたことが、二十五日開かれた厚生省
「インフルエンザ脳炎・脳症研究班」(班長、森島恒雄名古屋大医学部教授)の班会議
で報告された。
 昨年の同時期の発症者二百十七人、死者五十八人に比べ減少したが、インフルエンザ
の流行自体が小さかったことなどが関係しているとみられる。研究班は、感染したウイ
ルスの違いや、重症化との関連が指摘されている一部の解熱剤使用の有無による発症率
の違いなどなどについて、引き続き解析を進める。
 報告によると、発症者の七一%は五歳以下が占め、男女とも一歳児が最も多かった。
インフルエンザ発症から脳炎・脳症の症状が現れるまでの日数は平均一・八日で、症状
は意識障害やけいれん、まひなどが中心。亡くなった人以外に後遺症が残った人も二十
二人いた。こうした傾向は、昨年とほぼ同じだった。
 脳炎・脳症を発症した人から分離されたインフルエンザウイルスは、A香港型がAソ
連型に比べ約二倍だったが、今回のデータで詳しいことは分からないという。
 班会議では、米国や英国、オーストラリアなどでも日本の脳炎・脳症患者と同様のケ
ースがあることが報告された。研究班は今後、米国の大学と共同して米国内での調査を
行うことにしている。
                                 [共同通信]

インフルエンザの予防接種について その3 11月3日UP
「注射をしないでワクチンを行えると聞きましたが」と言う質問を受けましたのでこの場でお答えします。。確かに鼻腔に噴霧する方法は研究されていて、将来は有望な方法であるのは確かです。しかし、現在承認されているワクチンでの有効性ははっきりとしていませんし、定められた方法ではないので、もし何かあった場合の責任はとれないと思います。インフルエンザワクチンは任意接種ですから、健康被害が生じたときは「医薬品副作用被害救済基金法」での救済になるのですが、定められた方法でないとどのような結論になるのかよくわかりません。従って、もっと有効性のはっきりした鼻腔接種用のワクチンが開発されるまでは当院では行いません。これが現在でのお答えです。

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ポリオの話し −−−西太平洋地域での撲滅宣言出される−−−  10月30日UP
ポリオは小児マヒとも言って昔は怖がられていた病気の一つですしかし、ついに10月29日WHOから西太平洋地域(加盟36カ国)での撲滅宣言が出されました。日本もこの中に入ります。それではなぜまだワクチン接種を行うのかと疑問のある人もいるかもしれません。それはまだまだ世界の中で、中東地域や南東アジア、アフリカ地域では依然として多くの患者さんの発生があり、世界規模での撲滅宣言はまだまだ先のことなのです。日本で最後の野生株のポリオは1980年の長野ですが、これは輸入株でした。日本でのワクチン接種をやめると、免疫のない人が増えてきますが、その状態で海外からのポリオが侵入したら大変なことです。現在行われている生ワクチンによる予防は、ワクチン株でのポリオ被害が約440万回に1回と言う頻度で発生しています。したがって不活化ワクチンへ移行する準備をしている最中です。実用は2003年以降になるのかな??またWHOの描くポリオ根絶のシナリオは2002年を野生株ポリオをゼロにし、2005年に世界レベルでの撲滅宣言を行い、2010年にはワクチン接種の全世界的な中止にしたい意向のようです。はたしてこのように進かは定かではありませんが、遠からずその日はやってくるのでしょう。現状では生ワクチンですから、ポリオを飲ませた後には便の中からウイルスが出ている可能性があるので手洗いをしっかりと行って下さい。また、50年から52年生まれの人の免疫抗体が低いことがわかっていますので、世界の流行地に出かける人はワクチンをのんだ方が安全でしょう。南東アジアで1999年のポリオ患者は1,160名で内訳はインド1,126名、バングラデシュ28名だそうです。TOPへ


インフルエンザの予防接種について その2  10月25日UP
厚生省からのQ&Aが11月に出るようですが、13歳以上でも基本的には2回接種を勧めています。しかし、65歳以上は1回接種が原則とのことです。これは、研究班の報告があるので高齢者は1回になったのですが、その他の年齢では研究されていないのが本音と思います。外国では8歳くらいから1回接種もあるようです。理論的には10月21日に書いた通りです。ワクチンの数や公費負担による財政の圧迫とか複雑にあるのでしょう。ワクチンのだぶりも困りますし。


感染情報の速報になるのかな

だいぶ寒くなってきました。最近になって気持ち悪くなって吐く風邪?が増えてきたようです。原因は検査していないのでわかりませんが、家族内感染もあるようなので、毎年流行するウイルス性の胃腸炎(感染性胃腸炎)かもしれません。手洗いと緊密な接触を避けるのが一番の予防かもしれませんのでご注意を!!10月21日UP


インフルエンザの予防接種について  10月21日UP 平成12年、2000年

インフルエンザワクチン投与の時期になりました。当院でも接種を開始しています。今年は昨年までと異なって、13歳以上は1回接種でも可能になりました。インフルエンザにかかったことがある人や予防接種を毎年行っていた13歳以上の人は1回でも十分と思います。何としても予防しておきたい人は2回接種しても結構です。また、昨年とはワクチン株が異なりますが基本的には大きな違いではありません。最近は乳幼児の接種希望者が増えてきていますが、乳幼児でも良好な抗体の上昇が報告されています。また、総ての予防接種に言えることですが、100%の人が感染を予防できるとは限りません。昨年度当院でインフルエンザの感染を確認(ウイルス分離または抗原検査で)出来た人でワクチンを受けていた人が2〜3%程いらしたようでした。また、一昨年の流行状況からは脳炎や脳症にかかった乳幼児(217人程)でワクチンを受けた人はいなかったそうですが、昨年度は少しあったようです(解析中)。接種間隔は1〜4週間の間となっていますが、免疫効果は1<2<3<4週間で良いと思われます。他のワクチン接種を受けられるまでは1週間以上空けることになっていますので注意して下さい。注射後数日間多少腫れることもありますがまず心配はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。やっぱり注射は痛いですよ。インフルエンザの流行のピークは1月中旬から2月中旬が多いので、今年中に行えば間に合いますが、12月の上旬からウイルスは分離されますので第1回目の接種は10月でも早すぎることはありません。不明な点は診察室でどうぞ。


秋のポリオ予防接種は けんこうカレンダーの日程通りに行われます。(H12.9.8UP)

10/25日(水) *総合公園体育館
    27日(金)  旭南公民館
    30日(月)  保健センター
    31日(火)  金目公民館
11/ 1日(水)  神田公民館
    6日(月) *教育会館
    8日(水)  保健センター
    9日(木) *総合公園体育館
   13日(月)  なぎさふれあいセンター
   15日(水)  金田公民館
   17日(金)  保健センター

          お車をご利用の方はできるだけ*印の会場にお越し下さい とのことです
    

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当院でお渡ししている病気の解説パンフレットを順次掲載しています。
 実際は診療時に解説を加えていますので、このパンフレットはあくまで参考にして下さい
そのまま変換していますので図や改行が実際とは多少異なっているのをお許し下さい
画像に変換してあるのは大丈夫ですが(^^;)。


 小児科医とは   
  1. 麻疹
  2. 風疹
  3. 水痘
  4. 溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)
  5. 流行性耳下腺炎
  6. 伝染性紅斑
  7. 手足口病
  8. ヘルパンギーナ
  9. とびひ
  10. 突発性発疹
  11. 蕁麻疹
  12. 蟯虫症
  13. 熱性けいれん
  14. 気管支喘息1NEW
  15. アレルギー性気管支炎
  16. 便秘症NEW
  17. 乳児下痢症 NEW
  18. 下痢の時の食事 NEW
  19. ウィルス性胃腸炎
  20. アトピー性皮膚炎 ここは自分で作成したものではありませんが、公式見解のガイドラインが書いてあります。
  21. 子供の発熱について

                                                                  

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 国立感染症研究所感染症情報センターによる          
 たくさんの感染症の話しは       ここから入れます 
上の解説パンフレットにある感染症の話しも掲載されていますので参考にして下さい。









講演会などのお知らせ        

 現在予定の一般向け講演会は全て終了しています。
 
 8月9日掲載 「平成13年度保健医療セミナー開催」のお知らせ 詳細は こちらへ

 9月26日掲載
「腎臓病と糖尿病について」 お話と相談会
                 平成13年10月28日 MNビル11階      終了

9月9日掲載
目の愛護デー<講演と相談>平成13年9月30日 MNビル11階  のお知らせ  終了
 世界保健デー市民公開シンポジウム

「こころの健康−21世紀の課題−」   4月7日(土) 日本医師会館  終了


 2月8日掲載   「おいでよ・子育てフォーラム」  3月13日(火) 平塚市勤労会館   終了  

 2月16日掲載 「ステロイド剤の正しい飲み方と副作用」 3月2日(金) 横浜市民総合医療センター  終了

その他の新しい講演会情報はありません。
 以前に掲載しました日本医師会としては初めての市民公開講座である「感染症新時代見直される予防・治療」 が

 2001年1月19日(23:00〜24:10)のNHK教育テレビ(金曜フォーラム)での放送は終了。
 

 


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