<  花菖蒲の水郷  >
2001/5

佐原ー潮来ー利根川ー銚子

 

伊能忠敬の生家のある佐原に一度出掛けたいと思っていた。

 


 

 

< 輪行袋 >

 

 輪行袋は便利だ。オーストリッチのレーサー用を使っているが、たためばスペアタイヤのように携行でき、サイズ、重量、担ぎ具合など、とても重宝している。これを使うようになって起動力が増した。

 

< 佐原 >

 

 佐原には一度出掛けたいと思っていた。どうせなら花時の潮来もということで、利根川を下って銚子までのコースで出発。佐原のような古い街は道路が狭く、特に車だと最悪の結果になることもある。この点、自転車は気楽だ。

 佐原の町は写真などから想像していたのよりもこじんまりしていた。小野川沿いには小江戸といわれる面影が残る。掘り割りの風景と云うのは絵になる。街全体に一昔前の時間が流れている。伊能忠敬の旧宅には忠敬が30年余りを過ごした店舗と、寛政5年(1793)忠敬自身が設計したといわれる母屋が残っている。意外なほど簡素な印象。重厚な豪農の住まいなどと比較すると、当時の町家とはこういうものだったのだろうか。

 


                          伊能忠敬旧宅前


 伊能忠敬の測量は隠居後の50歳を過ぎてからのこと。社会的な評価が高まってゆくのに比べ、妻や後添い、子供達をつぎつぎに亡くし、私生活はけっして安穏なものではなかったらしい。

 

< 潮来 >

 

 潮来大橋を渡り水郷十二橋へ。ざっぱ船がクリークを往き来する。集落内の細い路地を入ってゆくと、農家の隙間に通路があって屋敷を繋ぐ木橋が見える。昔は水路が生活の重要な役割を担っていたのだろう。ざっぱ船が閘門で水位を調節して、水路に入ってくる様子を野次馬的に見物。

 




                 潮来12橋

 

 観光客にまぎれ、アヤメまつりを見る。花菖蒲がよく手入れされている。

 

 

< 利根川 >

 

 利根川の土手に出てサイクリングコースをひたすら銚子を目指し。さすが板東太郎。とうとうと流れている。水量が豊富で川岸の芦原ぎりぎりを水が洗っている。たまに犬を散歩させる人がいるだけで、すれ違う人はほとんどいない。利根川大橋で対岸に渡る。平らな道をひたすら走る。考えてみれば、今日のコースはほとんどが坂もないポタリング。心拍数を上げて走るのはここだけだ。宮原町で地道に変わり、いい調子で走っていたらリム打ちでパンクしてしまった。

 

< 犬吠埼 >

 

 街道に出て356号線を銚子まで。犬吠埼の台地をぐるっと回って灯台で記念撮影。


                   犬吠埼灯台

 

 薄暗くなって銚子駅に着く。食事の場所を探していると、親切な御婦人が声を掛けてくれる。「港の手前、鈴女(すずめ)さんが安くておいしいよ」こんな出来事だけで銚子の町が好きになる。お店の方も今日を締めくくるのに相応しかった。三人満足。

 

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