< 伊豆一周 >

2002/6

宇佐美ー下田ー石廊崎ー松崎ー大瀬崎ー沼津 170km


  

「蕎麦なんてものは噛まずにつるつるってやるもんだ」

「そうやって食るのがうまいんで?」

「べらぼうめ、うまいわけがないだろう」というような話を落語家の誰かが書いていた気がする。

 

 日帰りで伊豆半島をひと回りできないかと、地図を見ながらずっと考えていました。伊豆半島の海岸線は御存知のように、峠を越えて集落、又越えて集落というように結構なアップダウンがあります。その上、熱海・宇佐美間は昔の狭いトンネルの連続で車も多い。

 アップダウンはともかく、トンネルが嫌で実行に移せないでいました。しかし、宇佐美まで輪行してしまえば、トンネルがエスケープでき全行程は180km。西伊豆には安良里や宇久須などに長いのがありますが、日帰りは充分可能な距離です。

 



 

 昨年の秋「トンネルをはずした伊豆一周」ということで、伊東ー下田ー石廊崎ー松崎ー仁科峠ー湯が島ー修善寺ー函南(160km)を走ってきました。

 

 7時10分に伊東駅をスタート。12時15分に松崎着。30分の休憩。昼食は走りながらパンを食べたりして4時45分、夕闇が迫る函南駅に着きました。ほとんど一日走りっぱなし。マーガレットラインは予想外に手強く。松崎から仁科峠越えは海抜0mから一気に約900mの上り。勾配もきつくダンシングの連続。よれよれになって峠を越えました。しかし車とはほとんど行き合わず、紅葉が始まる静かな山道は充分満足できるコースとなりました。

 





 

 「思い出すのは良いことだけ」といいますが、仁科峠越えの厳しかったことなどすっかり忘れて「黄金崎トンネルも我慢する」「土肥と戸田の山越えもなんとかなるだろう」。今度は海岸線を伝って沼津までの伊豆一周です。

 ここで冒頭の話が関係するのですが、このコース「まあ一度走れば充分」というのが走ってみての感想です。やっぱり蕎麦は味わって食べる方がおいしいに決まっています。一度は走ってみたかったコースだし、コースタイムも計画通りだったので自分なりに満足はしています。しかし休憩はおろか食事の余裕すらないコース設定では、ただ走っただけになってしまいました。やはり景色を楽しむ余裕も必要です。

 

 

 仁科峠越えのルートでは、松崎までの海岸線と後半の山越えが対照的で、変化に富んで充分満足できました。それに比べて今回のコースは最初から最後までが車の多い主要道。コース設定が単調でした。

 

 

 今度このコースを走るときは、石廊崎で名物のところてん。小浦の今津屋で鯵寿司でもゆっくり食べ。旧岩科学校や松崎の街を見物。大沢温泉あたりで一泊。翌日はあせらず遅めの出発。戸田の砂州や大瀬崎のビャクシンの純林を見物。夕暮れ時、大瀬崎から続く美しい入り江の風景を左手に快走。沼津港の大衆食堂(丸天)あたりで打ち上げ。

 ちなみにマーガレットラインは計4回のアップダウン。土肥、戸田間。戸田、大瀬崎間はようやく下りかと思うと再度の上り。坂マニアにとっては保証付きのコースです。

 


                        スカンジナビア

 

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