< 金精峠 > 2008/8/15
宇都宮 ー 日光 ー 中禅寺湖 ー 金精トンネル ー 沼田 約122km
一昨年は丹後。去年は能登。
「次は出雲か。」しかし真夏のこの時期、暑さは半端ではない。
今年は趣を変え、涼を求めて山へでかける。
5年程前に日光から足尾へ下った。標高差は800m、走行距離150kmは結構走りごたえがあった。今回はさらに中禅寺湖、戦場ヶ原、金精トンネルへの上りが加わり、標高差は1700 mとなる。
< 日光街道 >
市街地を離れると早速覆いかぶさる緑のトンネル。暑いこの時期には実にありがたい。昔の旅人も同じ思いをしたことだろう。宇都宮から日光まではゆるやかな上り基調、軽めのギアをクルクル廻す。旧い街道は路肩が狭く荒れていて、信号待ちの車の列の脇をすり抜ける度に神経を使う。
並行する杉並木に関していえば、例幣使街道の方が深山幽谷の感じが強かったような気がする。
日光街道 宇都宮市内
旧日光街道杉並木
< 中禅寺湖 >
日光駅前から西参道付近にかけては観光客であふれ、駐車待ちの車が渋滞の列をつくっている。東照宮は前回立ち寄ったし、今日は時間的余裕もないので、そのまま中禅寺湖を目指す。
いろは坂
足尾方面への分岐を過ぎると、いろは坂。いよいよ本格的な上りとなる。お盆の時期とはいえ車がやたら多い。皆殺気立ったように上っていくように感じるのは、のろのろ上る自転車から見るせいか。
中禅寺湖は少し奥に入れば観光客もまばらになって、静かな湖となる。木立越しに湖面を見ながら、道は軽いアップダウンを繰り返す。
中禅寺湖
中禅寺湖畔ボートハウス
中禅寺湖畔ボートハウスに立ち寄った。明治から昭和初期にかけての建物を復元したとのこと。往時は避暑に訪れた各国の外交官たちで賑わったとある。
< 戦場ヶ原へ >
男体山
戦場ヶ原の散策ルートなどについても事前に調べてはいたが、赤沼茶屋付近の混雑を目にして割愛する。ここまできて人ごみに混じるのも気が進まない。そのまま金精峠へ向かうことにする。
別荘族のような軽装で、汗もかかず自転車を走らせている人がいる。気温が20度程だから、車で運んで来てしまえば快適な高原のポタリング。一方のわたしは汗まみれになってペダルをこぐ。
戦場ヶ原
< 金精峠 >
金精道路
いよいよ金精トンネルへの最後の上りとなった。ロードレーサーが手で合図をして反対車線を下っていった。沼田方面から上って来たのか。こちらはまだ上りの最中。一漕ぎ、一漕ぎの苦行である。戦場ヶ原で引いた汗が又一気に吹き出し、水をかぶったようである。傾斜がきつくなると立ち漕ぎの連続。速度も10km/hを切って、8km/h、7km/hと落ちてゆく。
< トウモロコシ街道 >
トンネルを抜けると群馬県。快適な下りとなる。しかし積雪対策のためか、荒い砕石の舗装で、しかも路面が荒れている。ブレーキを握る手に振動が直接ひびく。
地図から、菅沼や丸沼一帯は高原の湖のような、広々とした所を想像していたが、予想が外れた。全く視界がきかず、樹間越しに湖面がかろうじて見えるだけだ。
樹間から菅沼
日光から沼田への120号線は「日本ロマンティック街道」と名付けられている。しかし通称の「トウモロコシ街道」の方が似つかわしい。
道路沿いには野菜の直売所が多く、どこでも焼きトウモロコシのいい匂いがしている。都会では見ることのないほど大きな大根が50円、100円で売られている。箱売りのトマト、カボチャなどが山積みされている。
老神温泉の先、利根町大原で再び上りとなる。疲労と下りで冷えた足にはちょっとした上りも辛い。
< 沼田駅 >
沼田方面
沼田駅で自転車を畳む。峠から沼田までは距離にして約60km。標高差1600mの下りであった。4時4分発の電車が出てしまった後で、次の電車まで1時間弱待たなくてはならない。
駅前の店先で盥にトマトやキュウリ、早生のリンゴが冷やしてあった。傍らに塩や味噌も用意されている。トマトをほうばり、リンゴをかじる。早生のリンゴは幾分小さめだが、さっぱりした味だった。もうリンゴの季節なんだ。
< 夕立 >
高崎で湘南新宿ラインに乗り換え、「このまま眠っていけば。」と思った矢先、「落雷の影響で新宿方面が不通、この電車は赤羽で運転打切り。横浜方面へは上野経由でお願いします。」との車内放送。外は大荒れで稲光。大粒な雨が音を立てて窓を打つ。そういえば下りの途中、老神温泉の手前で遠雷を聞いたことを思い出す。夕立に遭遇しないでよかった。
山の夕立は逃げ場がない。道路が一気に川のようになる。タイヤのスリップだけでなく、ブレーキパッドとリムの間に水の膜ができると非常に危険である。昔、久野林道の下りで夕立にあった。あっという間に道が川のようになって、突然ブレーキが効かなくなった時は肝を冷やした。
窓をたたく雨粒を眺めながら、そんなことを思い出していた。