< バラ園のはしご >

2007/5/26

津田沼 - 谷津バラ園 - 谷津干潟 - 京成バラ園 - 草ぶえの丘バラ園 - 印旛沼 - 我孫子 約70km


 津田沼から佐倉にかけて故鈴木省三氏ゆかりのバラ園がある。それら「谷津バラ園」「京成バラ園」「草ぶえの丘バラ園」を繋ぐと約30km。電車、バスでは機動性に欠けるし、車は渋滞。まさに自転車がぴったりのコースとなる。

 

 


 

< 谷津バラ園 >

 

 津田沼駅で自転車を組み、「谷津バラ園」へ向かう。旧谷津遊園のバラ園を引き継いで現在に至る。洋式の幾何学的庭園の中央部分にハイブリッドティやフロリバンダなど。外周部を一段高くして、つるバラのトンネルやパーゴラなどを配置している。

 

 

 バラの盛期とあって、たいそうな人出である。家族連れやグループ連れなど、バラ園の客は声が大きい。初夏の強い日差しの中、その開放感がバラ園には似つかわしい。

 バラ園は概して品種の見本園のようになりがちだが、ここではアイスバーグの白やロイヤルスカーレットの真っ赤な植栽など、同一品種をまとめて鮮やかな色面を強調したり、フランソワジュラルビルやニュードーンなど、ツルバラのトンネルやパーゴラが色鮮やかな日陰を作っている。

 


           色鮮やかなつるバラのトンネル

 


                    パーゴラがつくる気持ちよい半日陰

 


 

< 谷津干潟 >

 


                  谷津干潟

 

 谷津バラ園と背中合わせに谷津干潟がある。東京湾にかろうじて残された干潟で、森田三郎氏の物語で知られる。干潟の砂や泥の中には膨大な数のバクテリアや微小生物が生息している。干潟は彼らの活動に必要な酸素や光を得るための最適な環境であり、窒素やリンなどに富んだ排水や動植物の残骸を分解、浄化している。清らかな源流の風景も貴重だが、汽水域のヘドロの中の自然の営みの価値について、我々は最後の最後になってようやく気がついたということか。

 干潟ではヤマトオサガニが歩き回っている。ちょうど上げ潮の時で、道路下の水路では潮に乗ってスズキやエイが水路を遡っていく。冬鳥が北に帰ってしまった時期で、干潟で見られるのはコチドリとアオサギ、ウミウくらい。自然観察センターの裏手の芦原でセイタカシギが子育てしている。コチドリは機敏な動きで餌を探し、何かに驚くと一斉に舞い上がり、旋回して再び元の所に戻ってくる。動きもかわいいが鳴き声も好きである。

 


                             ヤマトオサガニ

 


                        水路
         

 


 

< 京成バラ園 >

 

 成田街道を京成バラ園へ向かう。道幅は狭く、路肩の状態も良くないので、渋滞中の車列の脇をすり抜けるのに神経を使う。昼に近く日差しが増々強くなる。五月のこの時期は紫外線が強く、油断するとひどい目に遭う。

 


                         京成バラ園

 

 さすが京成バラ園である。発券所には列ができ、大勢のひとでごった返している。広い園内は中央にハイブリッドティやフロリパンダ。比喩ではなく、あまりに鮮烈な色彩に目が痛い。周囲にはオールドローズやイングリッシュローズ。奥に大きな池を囲んた芝生の丘が広がっていて、イギリスの田園地帯を思わせる。池を囲む芝生の丘は原種のコーナーとなっているが、ほとんどの株は花の時期を終えてしまっている。

 

< オールドローズ >

 

 

 ここのオールドローズが好きである。系統ごとに自然な樹形を行かした植栽となっている。バラは剪定や施肥、消毒など、管理が必要な最たるものだが、それらが一見無造作に、奔放に乱れて咲く様が逆説的で面白い。

 バラの魅力は花の美しさや香りは勿論だが、品種改良の過程で作出者の美的感性が色濃く表れる点にある。散った花びらも美しいが、濃厚な香りを持ったまま散らずに形を崩して行くバラにもひかれる。オールドローズの植栽に当時の宮廷の繁栄と滅亡の香りを感じるのは私だけであろうか。

 


 

< 佐倉草ぶえの丘 バラ園 >

 

 数年前、バラ文化研究所・ローズガーデンアルバに問い合わせの電話をしたことがあった。「現在、佐倉くさぶえの丘に移転中で株が根付いて見頃を迎えるのは数年先でしょう。」とのことであった。

 このバラ園は故鈴木省三氏のコレクションの一部を受け継ぎ、「バラの博物館づくり」というテーマでスタートした。原種とオールドローズが中心のこのバラ園の特異性にはそうした背景がある。

 

 

 ガリカ、ブルボンなど系統ごとに区画され、説明板が置かれている。「照葉や赤い新芽はチャイナローズから受け継いだ特徴か。」など想像を巡らすのが楽しい。

 


 ヒュームズ・ブラッシュ・ティ.センティッド・チャイナ

 

 苗の販売コーナーにも普段目にする機会のない品種が多く、このバラ園の特徴が強く出ている。

 


                   マダム ・ルイ・レベック

 


                               ジュリー・ドゥ・メルサン

 


 

< 印旛沼 >

 


                       印旛沼

 


                  印旛沼サイクリングロード

 

 この日はバラを見るのが主だったので、ほとんど走っていない。日暮までにはまだ間があるので、印旛沼のサイクリングロードをひたすら北へ向かう。安食から成田線に沿って西に向きを変え、結局、我孫子まで来たところで日没となる。

 電車に乗ってもなお、鼻の奥にバラの香りが強く残っていた。

 

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