< 距離よし、道よし、眺めよし、おまけに、食事よし >

2001/5

宇佐見ー伊東ー冷川峠ー中伊豆町、修善寺ー戸田峠ー大瀬崎ー西浦ー静浦ー沼津 90km

 


                冷川峠 01/5/4

 

 腕のよい漁師は秘密の漁場を持っていて誰にも教えないというが
自転車好きは逆に、みんなに吹聴してまわる。

 


 

 伊豆はどこを走ってもよい。その中でも、このルートは特に私のお気に入り。ウオーミングアップのために、宇佐見を起点に伊東まで軽いギアを回す。冷川峠は標高360m。勾配も適度で緑も多く快適。高度を上げるにしたがって、背後に海が広がる。 峠に着くと石碑があって、古来より人が往来してきた歴史を感じさせる。道中の無事を願って下りにかかる。





 修善寺までは20kmの下り。中伊豆町は修善寺方面へ向かって、なだらかなに傾斜する田園地帯。以前に筏場方面から下って来たとき、畑の真ん中でハヤブサが鳩を襲った。生憎狩りは失敗に終わったが、事件の現場に遭遇したような気がして、しばらくその場面が頭を離れなかった。 

 修善寺。橋の渋滞をすり抜けて温泉街を右折。虹の里まで車も多いが、それを過ぎるとめっきり静かになる。だるま山レストランの手前辺りからの勾配がきつい。 とは言え、残りはわずか。峠を越すと戸田の入り江が望める。急勾配の下りを一気に戸田の港へ。

 

 

 昼食を「あまみや」でとった。自家製のピザ、あんみつが美味しい、一昔前の小さな喫茶店。地元の家族連れでにぎやか。腹ごなしに港を一回り。運がよければ、富士をバックに松林と赤い鳥居が絵のよう。

 さて、これからは大瀬崎までの山越えにかかる。港のはずれから、一気の上りが始まる。以前ここで踏み込んだ瞬間にチェンを切った。昼の休憩で冷えた体が重い。井田へ一旦下って、再度上る。S字に巻けば新しいトンネル。うれしいことに上りはここまで。

 大瀬崎で一旦浜に下る。ダイバーの多さに圧倒される。あたかもアザラシの繁殖地の様相。自転車を押して先端へ。ゲートで自転車を置いて散策。こんな小さな岬の先端に、真水の池やビャクシンの驚くほどの巨木があり、記念撮影。

 

 沼津までは海辺すれすれの海岸道路。江梨、足保、古宇、木負、西浦と入り江をめぐる。南伊豆のダイナミックな海も良いが、ここの穏やかな女性的な風景も好きだ。養殖の筏や漁船やヨットが係留される小さな船溜まりが続く。

 



 三戸浜を過ぎ、狩野川放水路で幹線に合流。これから沼津までは道幅も狭く、車両も多い。沼津港には安くておいしい店が集まっている。千本浜や我入道など美しい松林。御用邸記念公園や芹沢文学館などの見どころも多い。輪行だったので、沼津駅に向かって左脇の魚河岸寿司。店の前に自転車をチェンで結わえて、ゆっくり食事。

 適度の疲れと満腹状態、満ち足りた気分で車中の人となった。


 

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