あとがき

2006/3/23 Up

あとがき

この本は『英語耳』『英語耳ドリル』の編集を担当した加藤貞顕氏とコラボレーションする3冊目です。

TOEICの本をつくるにあたって2人の考えたコンセプトは、「TOEICのための勉強と、本来やるべき英語の学習は同じもの」でした。つまり「きちんと発音とリスニングを勉強すれば、結果としてTOEICのスコアが上がる」という考えです。また、「発音できれば聞き取れる」というコンセプトも3冊に一貫しています。従来は「発音」と「リスニング」は別々に学習されていましたが、これらの2つは脳の中で相互に密接に関係しあっています。書店に並ぶ英語の学習書もだんだん両者を組み合わせる考えが取り入れられてきている傾向を嬉しく思っています。

 

今回TOEICのリスニングに対策するためのこの本を作りながら、「リスニングのための本を作っているけれど、練習を進めればリーディングにもいい結果が出る」ことを強く感じています。TOEICテストのリスニングとリーディングの問題を比べると、とてもよく似ています。話すスピードで聞き取れるようになると、リーディングの問題文や選択肢も話すスピードで理解できるようになって、テストの時間内に余裕を持って終了することができます。

 

リスニングが得意な人に聞くと、「あるときから突然よく聞きとれるようになった」といいます。これはリスニングだけではなく、発音や読む力や語彙の力などの蓄積がお互いに脳の中でつながってきたためだと思います。個々の能力がつながったときに、「あるとき突然わかる」という感覚になるのだと思われます。

 

そのような英語の能力を身につけるためには、それなりの努力と学習の継続が必要です。普通の日本人にとっては、普段の生活では英語が必需品ではないため、学習のモチベーションを保つのが難しいという現実があります。「発音を50回から100回練習すれば大きな効果がある」ことは本当ですが、挫折するほうがノーマルと考えてもいいかもしれません。わたしは常々、TOEICを受験するみなさんのエネルギーを、なんとか英語そのものの学習エネルギーに役立てることができないかと考えていました。皆さんはいろいろな理由があってTOEICを受験するのだと思われますが、受験すること自体が英語を学習する大きなエネルギーを生んでいるのです。これをうまく利用する学習方法を提供できれば、本当の英語の実力が付いてTOEICのスコアという結果も付いてくるという一石二鳥がねらえると思ったのが本書を作成した大きな動機です。

この本は各分野のエキスパートの方々のコラボレーションによって出来上がりました。ご協力いただいた方々に感謝いたします。TOEIC問題はよくばって2回分を()ナラボー・プレスに作っていただきました。ナレーションは、プロのアナウンサー5名の理解と協力をいただきました。新TOEICはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの発音が入ります。今回の5人のナレーターは、スタジオ録音に立ち会ったときに思わず「すばらしい」と声をもらしてしまうほどの実力の方々でした。録音の最中も、国によって違う発音に対して「その言い方、かわいい!」とナレーター同士で盛り上がっています。こういう雰囲気でいいものが作られていくのだなと実感しました。私は製作者側というよりも、すばらしい発音にうっとりして聞いていました。このめぐり合いに感謝します。皆さんに早く聞いていただきたいCDができたと考えています。

 

 私の本音は、本書の発音部分とParrott’s Law部分は、最低100回、できればそれ以上練習してほしいと考えています。そうすれば、英語の発音が脳に刷り込まれて、学習のブレイクスルーに確実につながります。そのために子音、母音、Rの発音練習を10分程度、TOEICPart3Part4を使った文章の発音練習の部分を5分半(英・加・豪の発音は除く)と高密度に作りました。これらを100回ずつ繰り返すと累積で1600(27時間)ですので、毎日30分やれば2ヶ月弱で終わります。

 

 第6章の練習問題を繰り返しやる時間を入れると、だいたい3ヶ月で本書を完全制覇できると思います。ぜひ本書を活用して高得点をねらってください。テストが終わっても本書は使えますので、皆さんが英語の発音・リスニングについて自己実現できるように活用していただけることを願っています。

200625日 松澤喜好

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