マリンネット湘南

安全の考え方


[安全の考え方の歴史]

安全に対する考え方は、三段階を経て現在に至っているようです。


第一段階・・・本人が悪い、個人の責任という考え方
       世界で一番古い法律は、ハムラビ法典(紀元前1700年)でこの法典での決まりは、
       たとえば、建築家が家を作り、それが壊れ、住んでいる人が腕を折ってしまった場
       合、その建築家の腕を折る。住んでいる人の子供が足の骨を折ってしまった場合
       は、建築家の子供の足を折るというもの。
        本人の責任追及というのが安全問題の第一段階であり、人間の歴史のほとんど
       をしめていた。

第二段階・・・機械の面からカバーしようという考え方
       戦後、昭和30年代以降、人間に対し非常に寛容になり、人間はエラーをするもの
       だから、機械・設備の面で補うという考え方

第三段階・・・人間を育てていく面と機械・設備の両面
       機械・設備の面から安全を図るというのは大事であるが、同時に人間も安全に強く
       なっていく、安全を意識し、安全のための技量を身につけるという考え方

子供のうちからの(学校での)安全教育は不十分であるかに思う、何らかの機会にきちんと身
に付けてほしいと思います。


[ヒューマンエラーの形態]

人間に起因する誤作動の形は、次のとおり分類できます。

  イ リズム型
    毎日の生活のなかで、脳の覚醒水準が変化する。日が昇るにしたがってどんどん高まっ
  て行き、お昼に絶好調となり、その後ちょっと下がるリズムが人間にはある。これは眠気と
  いう形であらわれるのと同じで、23時から06時、13時から14時は、注意しなければなら 
  ない。

 ロ 新人型
   経験の少ない子供の場合とそっくりな行動でおきる。あわてやすいとか、注意が過度に一
  点集中、一つののとだけで動いてします。興味のあるもの、必要と思うものに向かってまっ
  しぐらに動いてしまうのが特徴でもある。
   これを防ぐにため、新人にとって一番大事な事は、確認という動作をきちんと教えること。

 ハ 旧人方
   ベテランの弱いところは、習慣行動と考え事である。ベテランの習慣行動にはすばらしい
  ものがあるが、習慣であるからその習慣からはずれたばあいに、誤ってしまう。一番弱いと
  ころは「分かってる」という表現である。「もう20年もやっているのだから目をつぶってもでき
  る」といい、習慣でそのまま動くことが事故のパターンである。
   「考えごと」についても極めて弱く、これが安全態度に非常に悪く表れる。また、落とし穴と
  して、作業手順で、次の手順を考えながら作業し危険の中に入ってしまうこともある。

 ハ 緊急型
   慌てたとき、急いだとき人間は、非常にもろく、非常時に知的活動の低下・停止がおこる。
  落ち着けば他愛のないことでも、慌てたときはそれができかない。
   緊急時対策というのは、とても難しいが、一つは緊急事態を作らないことで、先を読み、 
 余裕をもつこと、危険をあらかじめ避けること。危険予知訓練として教育すること。

 ニ 高齢型
   「年寄りの冷水」ではないのですがが、昔はできた、気持ちは若いものと同じ、は要注意 
  です。高齢者のかたは、さまざまな機能が落ちている事をもっと自覚したうえで行動するこ 
  とが大切となります。

 ホ 不適応型
   人間はさまざまな要因で変化する安全重視していた者が、家庭の悩み、慣れ、気の緩  
  み、生活の乱れ、体力の衰え等いえばきりがないが、により事故者に変わってしまう。もち
  ろん、人間関係がうまく行った、結婚し子供ができた等から安全重視の者になる。このよう
  に人は簡単に変わる。

  人間に対しての安全教育は、これからますます大切になると思います。


トップへ
トップへ
戻る
戻る