<<<木製ショーケース・T>>>
*2011年7月〜12月にブログに掲載した記事を再編しました。

事の起こりは2011年夏。昔ながらの学校前の文房具店。
地元では老舗クラスの文房具店ですが、後継者がいなくなり店を畳むそうな。
閉店セールが始まり、完全閉店の1ヶ月間、週3で通ってた時でした。
近所にあるお店は支店で、本店は駅の近くにあり、同じく閉店セールをやってたので支店と本店、両方通ってました。
だって割引率が違うんだもん(笑)。

結構掘り出し物がいっぱいあって、中でもヒットなのがハトメパンチとハトメ。ハトメ5個くらいセットで買っても360円(笑)。
めちゃくちゃな値引率が私を何度も通わせた原因^^

・・・・で、そこの文房具店本店にあった古〜い木製ショーケース。4面ガラス入りで所々割れてて足元は腐ってる。
でも・・・ここが閉店しちゃうともうコレもお払い箱だよね〜。ダメもとでレジのおばちゃんに譲って欲しいと話を持ちかける。
オーナーが留守なので後日連絡をくれる事に。そして見事、ゲットすることとなりました^^

ただ・・・持ち帰ってびっくり。タダより高い物はない。簡単には直せないと悟った2011年夏でした。



まず車に入れるときに思ったのが、

『汚ねぇ!! ボロい!!』

ボロいのは承知してた。でもね〜思ったより状態が悪い。足も欠損してるトコもあるし、ゴキブリの卵とかくっ付いてたし(涙)。
車に乗せるのに横にしたらガラスの破片がポロポロ落ちてくる・・・・。こりゃヤバイの貰っちゃったか!?

ガラスの破片が落ちてくるんで家の中には入れられず、外に置いておく。
まずは検証。



<<<初見>>>
@ 前面の扉のガラスが1枚欠損。1枚が割れている状態。なぜか棚板に板ガラスが大量に使われてる。
扉のガラスっぽい板ガラスも数枚入ってるからどれかが扉のガラスか?
A 足元の棚?には棚板がなく、代わりに画板が置いてあった。足元の三方を囲ってる幕板は合板で、板がベラベラになってる。同じく天井板もベラベラ。コレはもう使えない。どうやら店舗内の雨漏りの影響らしい。
B 脚が腐ってたり割れたりしてて、ほぞ組みが外れて解体寸前。

このままの状態では使えないことが判明。・・・貰ってきてちょっと後悔(汗)。
それでもガラス押さえの棒は掘り込みがある珍しい物だし、ガラスは気泡の入ったゆらゆらガラスで
このまま処分するにはもったいない。
う〜ん・・・使うにしろ、あげるにしろ、オークションで売り飛ばすにしろ、
このままではどうにもならないので、とにかく出来る範囲で補修する事に決ーーーめた!!




最初の作業。
このままだとあまりにも重いので、
背面以外のガラスを全て外す。

これでだいぶ軽くなったので、
一人で楽々動かせるようになる。

作業はウッドデッキで、
保管は和室。

ガラスを外すとまぁ数十年分の埃と
ガラスの破片がいっぱい出てきた(汗)。

和室とウッドデッキの移動時も
かなり破片が落ちてて、
結局シートを掛けてデッキに置く事に。


足の1ヵ所が縦に割れていて、その影響で木組みが緩んでハズレかけてる。
他の足も状態がよろしくないので、下から8cm位の傷んだ部分ギリギリのところでカット。
元々は高さ1800mmのショーケース。足を切った事で家具としてはちょうど良い大きさになったかな。
切った足は何かに使えるかもしれないので最後まで取って置こう。


外れかけていた所はボンドで接着し、ほぞを叩き込む。
しっかり接着する為に紐でぐるぐる固定。乾けばもう外れることは無いでしょう。

もう1つの懸案、ガラスの扉。上の段が硬くて入らない。ストッパー?の丸球が枠に当たってるのよね(丸印)。
(このストッパーは『玉ゴンベ長座』って言うそうだ)
でも下の段は扉が枠よりかなり小さくて、隙間が空き空き(四角印)




湿気が多いから膨張してるのか、上の段はキツキツ。下の扉の方が若干小さめなので、
上下入れ替えちゃおうか?って思ったけど、マイナスネジの丁番は錆びてて回らず。
う〜ん・・・・一難去ってまた一難。さてどうしよう。湿気がなくなる秋まで少し待つか??


下の段の扉を正面から見た図↓玉ゴンベがこんなに浮いてる。ストッパーの役目ナシ(汗)。





ショーケースの扉が閉まらず、扉の木枠を削るのに何とかして扉を外したい!
マイナスネジは錆びて丁番と一体化していておまけにネジの溝も浅い。

・・・で、クレ556をシュッっとしてしばし待つ。
細目の小さいマイナスドライバーで浅い溝をゆっくり、ゆっくり回すと・・・・ネジが取れた(笑)。

上下左右4枚全ての扉をなんとか外す。1枚はガラスが割れているのでガラスも外します。
分かり難いけど、緑のテープの位置でガラスが割れています。危なくないようにテープ止め。



ガラスを止めるのに本来は枠の溝にはめ込むか、細い木で押さえを作って四方を押さえる作りだけど、
この扉、一辺にしか押さえが無く、残り三辺は枠の溝にはめ込むようになってます。一辺の押さえは枠に
切り込みが入ってて、下の部分はカットされてるけど上の部分は枠とくっ付いたまま。

ふ〜ん・・・・こんな作りもあるんだ〜。側面のガラス
が四辺全て押さえがあったからてっきりコレも同じかと思った。



押さえを外す時に力任せにやるとこうなるの図(笑)→

私がやったんじゃないですよ。
もらった時からココにはガラスが無く、この状態でした。
明らかにガラスが割れて外すのに力任せに押さえを上にあげたから
『バキッ!!』って行ったんだね〜・・・。

悪い見本があったんで、慎重に慎重に作業しましたよ。

その甲斐あって、無事にガラスが外れました〜♪

今回、扉を外して気付いたこと。昔ながらのゆらゆら
ガラスは背面しか使われていないと思ったけど、
どうやら扉のガラスも1枚、ゆらゆらガラス(型ガラス)が
使われていました。

外したガラスはゆらゆらして無かったです。

さて扉が外せたら今度は上の部分の扉の閉まりが
悪いので枠を削って調整します!




画像が不鮮明でスンマセン^^;

扉に付いているこの玉。玉ゴンベ長座。
扉が勝手に開かないようにキャッチの役割を果たすもの。

立て付けが悪かったのかかなり以前から玉が枠に引っかかり、
きちんと閉まらない状態だったようです。
枠に玉の形の凹みが付いていました。

これを解消すべく、全部扉を外したついでに
上下入れ替えて付けようと思ったけど、
やっぱり玉は枠にぶつかるだけで戻らない。
これは扉自体を加工しなきゃダメか。


まずはコレを外します。錆でネジが一体化してるところにクレ556を散布し数分置く。

ゆっくり、ゆっくり回すときれいに外れた^^



油を差し、スムーズに動くようになったけど扉に取り付けると動かず枠に当たる。
なので溝をもっと深くして、玉の当たる部分を少なくしようと思いつく。彫刻刀で地道に溝を掘り下げる。

かなり下げて取り付け。仮置きで開閉してみたら、スムーズに玉が収まるようになり、枠にも当たらなくなりました^^







木製ショーケース・U





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