9月13日(木)
【本来なら帰国の日】

旅行を計画した時、JALの格安航空券の条件で、出発&帰国日共に平日だと安い価格で購入できる。
日程を組む時に、この条件を満たしながら計画を練った。
13日(木)に発てば、日本到着が翌日の14日(金)の夕方になる。15日(土)、16日(日)と連休なので、旦那もお疲れ休みができる。
しかし、私たちは帰る事が出来なかった。憎むべきテロリストのせいで・・・。

朝食を取るために1階へ降りる。昨日同様、ブレックファーストエリアのTVは付けっぱなしになっていて、みな見入っていた。
日本人ツアーのご夫婦が朝食を取っていたが、とりあえず子供たちの朝食を持って部屋へと戻る。
食事の用意をして旦那に子供を任せ、再び下へ行き、先ほどのご夫婦に話を伺おうと思った。
もう1人男性も加わっていて、4人で今回の件に付いて話をした。シミズご夫妻と男性はタグチさんと言った。

このツアーの方たちは、9人でここのホテルに泊まっていて、昨日が帰国予定だった。航空会社は大韓航空だと言っていた。
旅行会社から昨夜TELがあり、今日も飛ぶ予定が無いので延泊をしてくださいと、早々連絡が入ったらしい。
ただ、ディズニーランド周辺にもっと安いホテルがあるので、希望者は移る事が可能と言っていた。
私たち家族は5人で子供もいるので動けない事、無料の朝食がつくので、とりあえずは食べ物には困らない事(飽きるけど・・)、
電子レンジや冷蔵庫もあるので、食材があれば何とかなる事を話した。
みな、延泊代を気にしていたが、$119という価格は一部屋の値段ですよ、と教えてあげた。
日本の感覚で1人=$119と勘違いをしていた。
タグチさんは男性3人で今回のツアーに参加したらしい。大韓航空利用だったが、安いツアーだったのでここに決めたらしい。
しかし、この大韓航空がネックで、JAL利用の私たちを羨ましがっていた。
というのも、JALの方が明らかに便数が多く信頼という面では勝っていた。もし、国際線が再開されてもすぐには乗れない可能性が高い。
ツアーの方たちは格安航空券なので、早い別の飛行機に乗りたいなら、正規の運賃を払って(30万と言っていた)、
チケットを買いなおさなくてはいけないらしい。仕事があるのでとにかく明日には発ちたいと言っていたが・・・。
ツアーの人も大変なんだね。ここは日本人同士、力をあわせて協力して無事に日本に帰りましょうと妙な連帯感が生まれた。

朝、9時を回ってすぐミッキーネットさんに電話を入れた。アツコさんが出て、今日の国際線の状況を聞いた。
しかし、全く再開のめどが立ってないらしい。
サンフランシスコにあるミッキーネットさんのオフィスからはパソコンでJALやLAXの情報を入手しているようで、
私たちがTVのニュースで聞いている情報よりもはるかに詳しかった。
夕方またTELしますと言って電話を切った。さてと、考えても仕方ない。スーパーに買出しに行かなくては。
その前にフロントでシャトルを出してもらえるか交渉しなくては。タクシー代を節約したいからね。

フロントでの交渉も成立し、近くのスーパーの連れて行ってもらった。初日に行ったスーパーとは別で、ちょっと小さかったな。
文句は言えない。まずは同じ敷地にあるバーガーキングでランチ。
ホテルの朝食はホトホト飽きたけど、こういったランチも食べられなくなるかも。所持金が底をつき始めてるのよね。
アメリカのファーストフードのドリンクはサイズを言うとカップが出てきて、自分で好きなだけ注げるというのが利点。
一回飲んで、さらにまた注いで一つのカップで家族全員ののどを潤す(笑)。

スーパーでは末っ子のフォローアップミルク、おしりふき、缶のスープ、カップラーメン、洗濯用の洗剤を購入。
旦那がバイクの本を買ったので、私も Country の本を買う。しめて$56.24なり。

約束の時間に迎えにきてもらい、チップを渡してシャトルを降りる。
部屋に戻り、TVをつける。ニュースでは『新たな戦争』と題し、テロリストの名前が大々的に報道されていた。
それと空港が再開されたのか、一番機が着陸しました・・・・みたいな報道をしている。動いたか?!
ミッキーネットさんにTEL。国内線は動き出した模様だが、国際線は今のところ未定。
明日、カーゴ(貨物機)が飛ぶ予定になってる、と教えてくれた。そっか〜。明日出発も無理そう・・・・。
アツコさんは、9月13日のチケットを持っている私たちは若干の優先権があるかも、と言っていた。
国際線が再開した場合を想定して、運休になっていた日にちの乗客が優先して乗れるはず。確かにそうかもね。
でも、相変わらず、JALのサービスセンターには電話は通じず、今度つながった時にこの件は聞いておいてくれるとの事。

日本にはテロの当日から何度か電話を入ていたが、電話代も節約する為、今後電話はしないと姉に伝えた。
そして、姉から両方の実家に連絡を入れてもらった。遅くても一週間後には帰れると思うから心配しないように。
便りの無いのは良い便り、成田に着いたら電話を入れると言って、電話をきった。

夕方、あまりにもヒマなので、シャトルでダウンタウン・ディズニーに行く事にした。
ディズニーランドやカリフォルニアアドヴェチャ−にも有効なチケットがあるので、入れない事もないが
余計な買い物をしそうで、両方のエントランスを早足で横切る。
お金も無いので見てるだけ〜。子供の「買って〜買って〜」の声にも耳をかさず、ただひたすらウインドウショッピング。
帰りにフレンチフライとサンドウィッチを買って大急ぎでシャトル乗り場まで走る。

夕食は缶のスープをマグカップに入れて電子レンジで温め、フレンチフライ、サンドウィッチ、朝食に付いてるヨーグルト。
ただ、長丁場のこの旅行、私も子供たちもめっきり食欲が落ちている。
お腹もあまり空かなくなった。食欲があるのは旦那と末っ子だけ。
末っ子はこっちで買ったフォローアップミルクでも嫌な顔をせず、平気で飲んでいた。たくましくなるよ・・・・。

今日一日、買い物だけでどこにも行けず、ゲームも禁止(有料だからね)、プールもダメ(娘の怪我で)で子供たちが暴れ出した。
ストレスも溜まるよね。日本語を話すのは家族だけだし、TVも英語。楽しみもない。
旦那と相談し、明日は本来行く予定だったナッツベリーファームに行く事にした。
現金は少なくなっているけど、まだカードがあるのでこちらで入場券などを買う事にしよう。
タクシーだとお金がかかるので、ディズニーランドの近くから出ている Airport Bus で行く事にする。
大人子供とも1人$5。計$20。往復の値段だから安いかな。
フロントで8時のシャトルを予約し、ディズニーランドの手前のAirport Bus のバスターミナルで降ろしてくれるよう頼む。
快くOKが出た。ありがとう!

夜、シミズご夫婦の部屋に電話を入れ、状況を聞いてみた。
旅行会社から特に電話は無く、わかっているのはまだ飛行機は飛ばないと言う事だけらしい。
どこもそうなのね。お互い頑張りましょうと言って電話を切った。

所持金を数えると、ホントに残りがわずかになってきた。これからはカードの出番か〜。
新婚旅行でカードで痛い目にあってるので、あまり使いたくなかったが、今回は仕方がない。3枚持ってきてよかった。
もし、空港が再開された場合、Airport Bus で空港まで行く予定なので、キャッシュで最低$50は必要だ。
何とかトラベラーズチェックを換金し、$50だけは確保しておかなければ。

もしもの時のために、少しづつ荷造りを始める。
最初の方に買ったお土産や、おもちゃ類、ガイドブックなどはまとめてスーツケースに入れる。
いつ帰れるのか?このまま戦争になってしまうのか?日本政府は何か行動を起こしてくれてるのか?
LAの総領事館にも電話を入れようとしたが、電話代がかかるので止めた。


スーパーで買ったカントリーの本
この旅でよく使ったお金は25セント硬貨(クウォーター)で、電話からコインランドリー、
ペニープレス機etc・・・ありとあらゆる所で、クウォーターが必要になった。
フロントでも何回、クウォーターに両替をしてもらったかわからない。
洗剤を買うのも自動販売機でクウォーターを使うので、しまいには持って帰る事を覚悟して
スーパーで箱入り洗剤を購入した。

公衆電話は日本と使い方が違い、受話器を上げて『0』かな?押すとオペレーターが出て
ローカルコールとか、ロングディスタンス(市外)、インターナショナル(国際)とかを告げる。
そうすると、最初にいくら入れて〜と言ってくる。
私が使ったのはローカルコールだけなので、50セントとか入れて、そのままダイアルしていた。

電話機自体もあまり性能が良くないのか、何度もコインを飲まれてしまった。
所持金も残り少なくなってきていて、コインを飲まれると、電話機を壊したくなる心境だった・・・。
日本はなんて便利なんだ〜と、つくづく感じてしまった。
旦那とも日に何度もこの選択で間違っていないか、確認するように話し合った。
もし、日程が逆で先にホテル、後にMomの家だったら、こんな心配はしなくて済んだのに。
Bonnie がPCを持っているので、借りれたはずだし・・・・。これは結果論だけどね。

このままこのホテルに居れば、延泊代も食事代もバカにならない。狭い部屋で(普通よりは広い部屋だけど)、
ストレスも溜まってくる。「ここに居よう。」と決めたが、決心が揺らいでくる。
あと何日ここに居るのか?いつ帰れるのか?そればかりが頭の中をグルグル駆け回る。

しかし、Momの家に行っても延泊代と同じくらいかかるレンタカー代や空港までの距離を考えれば、やはりここがベストなのか?
アメリカでは日本より遥かに子供のチャイルドシート着用の義務付けが徹底している。
Momの家の車では到底、5人家族の私たちは乗れない。結局、レンタカーは必需品。チャイルドシートも2つ必要だ。

「とにかくここに居よう。」と言う旦那の意見で、私も自分自身を納得させた。居るしかないのだ。

さて、明日は念願のKnott's Berry Farm だ。
今回、お土産のほとんどをここで買う予定にしていたので、他の場所では全くといっていいほど買っていない。
7年前の新婚旅行の時に買いそびれた Wood サインをぜひ買って帰りたい。
テロ事件後、一度は諦めた Knott's Berry Farm 行きなので、明日は何としてでも買いたい。・・・と、その前に、まだ売ってるか?!




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