来日後に受けた「人種差別、偏見」

[1]指紋採り
来日したばかりの頃の出来事です。
外国人登録証を作成するために、入国管理事務所を訪れました。
係官が、私の右の人差し指を両手で押さえ、転がすように指紋を採りました。
容疑者扱いされたような出来事で、とても嫌な気分でした。
しかし現在は、規則がかなり緩和され、在日外国人の私たちにとっては、大変喜ばしいことです。
個人的な意見ですが、いっそ日本人と同じようにその制度を無くせば、
『日本は素晴らしい国になる』と私は思います。


[2]野菜好き女性は、男も好き?
2001年の夏。講演会の宿泊先で朝食時の出来事です。
この時は、バイキング形式でした。
幼い頃から、生野菜が大好きな私は、思わす生野菜を大盛りにしました。
すると、同じホテルに宿泊していたと思われる、背広を着たビジネスマン風の男性が私のそばに来て、
『野菜もいっぱい。男もいっぱいいるでしょう!?』と言ったのです。
まったくこの方、朝っぱらから何を色っぽいことを考えているのでしょう。
しかし、残念でした。男は男でも、昨夜私と一緒に泊まったのは、
他でもない11歳になったばかりの“我が息子”でした。


[3]来日後に受けた「人種差別、偏見」による言葉の数々
「難民たちは、援助に依存してしまい働く意欲はありません。」
「『難民』という呼称は、あなたの『特権』よ。」
「あなたは『難民』であることを、いずれは子供たちに話さなくちゃだめよ。」
「なんだかんだ言っても、本当に『難民』なんだから、しょうがないじゃない。」 
「『難民』なんだから.あまり良い格好をしちゃだめよ。」
「難民と言えば、あなたしか思い浮かばなかった。」
「夜の仕事のほうが高いよ。」
「いくら?」
「お前、ゴキブリみたいに色が黒いね。」
「あんたの命はおまけだね。」
「難民は日本社会の負担?」
その他諸々...

つい先日も、恩人でいらっしゃる方のカンボジアの絹絣と衣展に出かけた際、
その帰りのタクシーの中での出来事です。

私「○○公民館の近くまでお願いします。」
すると運転手さんは「あの辺りは店が2軒あるけどどっちの店?」
と言うのです。
私「近くまで行ったら、また道を教えます。」と返事をしました。
目的地である我が家は、その手前の道を右に曲がったところでした。
私「ここでお願いします。」
すると運転手さんは「○○円です。おやすみ。」と言うのです。
お分かり頂けたかと思いますが、「どっちの店?」「おやすみ」といったニュアンスは、
明らかに「東南アジア女性=水商売」と運転手さんは決めつけてしまった訳です。
おかげで楽しかった一日の気分が半減してしまいました。