イヌの肝臓病について
(慢性肝炎の症例ついて2) 
 佐々木顕正


慢性肝臓病として重篤なものとして肝臓の血管短絡(シャント)、肝臓腫瘍、肝臓アミロイド、肝臓腫瘍、胆嚢、胆管障害があります。では、今回は血管短絡について説明します。

  1. 肝臓の血管短絡は門脈(腸管から血液を肝臓に流す)と後大静脈(血液が心臓に戻る)の異常な血管結合です。腸管からの血液が肝臓で濾過されず、アンモニアなど毒素が脳に移行して(肝性脳症)を起こし、痙攣、嗜眠、旋回、発作、口渇、嘔吐などの症状が発現します。診断は、レントゲン検査、胆汁酸の測定、生化学検査(アンモニア値、揮発性窒素値など)、超音波検査、門脈造影にて判断します。

治療は、内科療法として静脈を確保し、点滴してアンモニアなどの毒素を希釈していきます。強肝剤やアンモニア産生を抑制するラクツロースの投与を試みます。食事療法として蛋白を制限し、消化率のよい肝臓専用の療法食を与えます。

外科療法は、原因となる血管短絡を結びます。しかしながら、高齢であったり、手術に適応できない場合は、内科療法で維持していくこともあります。根治治療は、外科療法をおこないます。