イヌの消化器系の病気について
(口腔の症例について1)
 佐々木顕正


口腔内の疾患として歯周病があります。
<歯周病>歯の構造として、深部に歯周靭帯があり歯槽骨を固定しています。また、歯周ポケットがあり、1〜2ミリの深さがあります。その周辺構造が、炎症をおこすことです。
重症になれば、ろう孔(化膿した管)を形成し鼻まで炎症をおこします。

原因:
歯石が沈着し、細菌感染をおこすことです。歯槽骨の不安定を招き、歯周靭帯のゆるみが発生し歯自体が脱落します。
予防:
歯磨きは、歯肉と歯槽の間のマッサージ、硬質ゴム製の適度な大きさのおもちゃを噛ませる。犬用の歯磨きで週1回磨く。
治療:
堆積した歯石はスケーラー(金属振動による破砕)によって取り除き、発熱によるエナメル質の障害を防ぐため水流をかけます。また再度、歯垢が着きにくくする為、研磨をします。炎症を起こした歯周ポケットは、抗菌剤入りの軟膏を注入し、歯根の炎症や、動揺を抑止します。それ以降は予防を心がけます。場合により抜歯、フラップ形成術により治療します。

次回も口腔症例をお話していきます。