イヌの消化器系の病気について
(胃の症例について5) 
 佐々木顕正


胃の病気は、急性胃炎と慢性胃炎に分類できます。

急性胃炎の定義として、普段の様子から急変し、症状として短期間の間に嘔吐の頻度が多くなります。慢性胃炎は、その嘔吐する期間が継続し、長引く傾向になります。
胃炎は、嘔吐が主症状であり、愛犬家にとって、もっとも気がかりで、心配になる病気のひとつでもあります。また、犬にとっては、生体を守る最大の防御反応ともいえます。
摂取した異物、毒物、であれば嘔吐することにより、消化される以前に排泄されることになります。ただ、不完全なことが多く、動物医療により救済されるわけです。
嘔吐物により、病因が推測されます。形態、色、におい、未消化物の確認により、消化管の病変部が推測できます。また、胃液状、胆汁状の嘔吐により、上部消化管(胃より上)下部消化管(十二指腸以下)の病変か予測できます。

次回は嘔吐の原因として、胃疾患の症例を検討してみます。
また、嘔吐物は、胃炎診断の材料となりますので、動物病院に密閉して持参しましょう。