イヌの消化器系の病気について
(口と歯について) 
 佐々木顕正



歯の機能について説明します。

切歯: 毛づくろいや、細かい剥離などをする。 上6本、下6本
犬歯: くわえたり、裂く行為をする。 上2本、下2本
前臼歯、後臼歯: ちぎる行為や、砕く行為。 前臼歯 上8本、下8本
後臼歯 上4本 下6本
人との違い: 歯根が人より深く、長い構造をしている。  

歯は、生後約3週齢から乳歯が生え始めます。生後3ヶ月齢ぐらいから切歯から抜けはじめ歯根は溶解し、永久歯の生える容積をつくります。7ヶ月齢になり、永久歯が揃います。但し、後臼歯は乳歯がなく、6ヶ月ぐらいから生えてきます。

この過程で発症しやすい症例として、乳歯残存による障害です。
トイ犬種など歯根吸収が起きず、乳歯歯根が残ってしまい永久歯の生えるのを妨げ、歯が二重になり、不正咬合の原因となります。また歯垢も溜まり、口臭の原因にもなります。
口腔の症例について、継続してお話していきます。