イヌの消化器系の病気について
(下部消化器3)
 佐々木顕正


下痢は愛犬家がもっとも遭遇する病気の一つと思われます。
下痢便の状態により、原因や疾患もある程度予測され下痢便の軟度、色、回数と量、愛犬の症状により判断していきます。

水様性のものは、食物の腸の通過時間が早く、蠕動、振り子運動が正常ではないことがわかります。どろどろとした便では腸粘膜の剥離が起きています。
油状であれば吸収不全。泡状は病原性細菌の増殖を疑います。タール状、黒色便は、小腸、もしくは胃から出血。鮮血は大腸、肛門から出血。薄い色は胆汁分泌が不完全である場合。

粘土状は、消化吸収が低下した場合で、膵臓からの酵素分泌低下を疑います。
回数が多く少量の便を多く排泄するのが、結腸、大腸性下痢。比較的多くの便を数回にわけて排泄するのは小腸性下痢。臭いがきついのは、細菌過剰増殖。愛犬が体重減少するの場合は吸収不良。食欲は変わらないが、下痢であれば結腸、大腸の疾患と思われます。

次回は、各種疾患について説明していきます