犬の消化器系の病気について
(下部消化器4)
 佐々木顕正


下部消化器の下痢疾患で代表的なものを述べていきます。

  1. ウイルス性(パルボ。ジステンパー。コロナ。)コロナウイルスは、パルボと同時感染すると、症状を憎悪させます。
  2. 細菌性(ぶどう球菌。パスツレラ。連鎖球菌。)クロストリジウムは毒素による障害があります。サルモネラ、カンピロバクターなど。
  3. 出血性(細菌毒によるもの。)小型犬に多い。ミニチュアシュナウザー、ミニチュアプ−ドル、ダックスフントなど。
  4. 食物アレルギー(消化器症状と皮膚炎を併発。)下痢のほか、嘔吐、腹痛、体重減少、皮膚炎と同時に外耳炎。
  5. 吸収不良性症候群(消化不全、吸収不全。)小腸の機能不全、すい臓の酵素分泌不能により栄養素が吸収できない疾患です。
  6. 炎症性(腸の粘膜炎症。)腸粘膜の免疫障害により炎症がおこり吸収不良が起こります。
  7. 蛋白喪失性(たんぱく質の吸収不良。)小腸の蛋白吸収ができず、蛋白質が腸管内に漏れてしまい、腹水や皮下浮腫を起こします。
  8. 寄生虫(回虫、鞭虫、原虫。)子犬などに、散見されます。
  9. 拾い食い(異物摂取)

次回は、各種疾患について説明していきます。