イヌの消化器系の病気について
(下部消化器8) 
 佐々木顕正



下部消化器の炎症性腸炎ついて述べていきます。

炎症性腸炎とは?
症状として、慢性経過です。慢性嘔吐、慢性下痢、慢性嘔吐と下痢が特徴。
改善と憎悪を繰り返し、体重減少が顕著になります。
嘔吐物は、時間経過した未消化物であり、胆汁を含みます。
下痢は軟便、液状であり、悪臭を伴います。時々、貧血も見られます。
免疫介在性であり、腸粘膜に免疫性細胞(リンパ球、形質細胞、好酸球)など浸潤するのが特徴です。
診断名として、リンパ球性形質細胞性腸炎、好酸球性腸炎、グルテン過敏性腸炎、肉芽腫性様腸炎、などです。腫瘍性のものとしてリンパ肉腫、腺癌、腺腫、平滑筋肉腫などがあります。
カテゴリーとして、吸収不良性症候群と分類できるでしょう。診断は、内視鏡検査とバイオプシーによって確認できます。
治療は、食物アレルギーが関係した免疫疾患ですので、腸の免疫系が異物認識しない蛋白質、脂肪、炭水化物などの低アレルギー食を与えることです。
グルテンを含まない、タピオカ、ポテト、コーンなどが選択されます。また繊維量を増強することで腸の動きを良くします。
内服は、免疫抑制剤(プレドニゾロン、アザチオプリン、)を投与します。限局した腸炎にはスルファサラジンが効果的です。
腫瘍性のものは、外科摘出、プレドニゾロン併用の化学療法(抗がん剤:エンドキサン、オンコビン)などです。ただし予後不良の場合が多いといわれます。

次回は、各炎症性腸炎について説明します。