イヌの消化器系の病気について
(下部消化器12) 
 佐々木顕正


寄生虫性結腸炎は、鉤虫、鞭虫(回虫と同属の線虫類)によって結腸の粘液成分が増加(結腸の杯細胞が過形成を起こすため)、場合によっては水様性下痢や、血液が混入します。

診断は、糞便検査による虫卵確認。血液検査(白血球の好酸球増加)。診断がつかない場合、内視鏡検査、生検をおこないます。治療は、駆虫剤フェンベンダゾール、コンバントリンなどです。

組織球性結腸炎はボクサー、フレンチブルドックで報告されています。結腸の粘膜に、組織球の存在と粘膜潰瘍が見られます。症状は、下痢、新鮮血と、粘液があり、体重減少が起こります。血液検査では白血球の増加と、低アルブミン血症と、高ガンマグロブリン血症がみられます。内視鏡検査にて潰瘍を確認し、組織標本(生検)を採取して、PAS染色陽性で組織球が確認されたうえで診断します。治療は、サルファサラジン、タイロシン、テトラサイクリン、クロマイなどです。長期投与が必要です。場合により生涯治療が必要かもしれません。

肉芽腫性結腸炎は、回腸と大腸に限局した肉芽発生が特徴です。出血便や発熱。嘔吐、体重減少があり、重症例では遠位結腸や直腸に排便の通過障害が起きてしまい、便秘、しぶり、排便困難、血便を招いてしまいます。

診断はバリウム造影や、エコー、内視鏡などです。瀰漫型(ところどころにある場合)は結腸全体を内視鏡で確認する必要があります。治療は外科による切除です。瀰漫性の場合は、サルファサラジン、プレドニゾロン、タイロシンなどです。予後は不良で、再発性の高い疾患です。

次回もひきつづき症例紹介いたします。