2. 放射線の単位

 放射線を利用する場合、もしくは放射線から身体等を防護する場合、放射線の量を知る必要があります。 その放射線の量及び放射線のエネルギーを示す主な単位を次に述べます。

1. 照射線量:C・kg-1(ク-ロン・パ-・キログラム)

 照射線量は、放射線による空気の電離の量を示すもので、空気1kg中に電離作用によってどれくらいの電荷を与えたかという単位で、X線およびガンマ線でのみ使われる。 しかし、空気のみ定義されている値のため、他の物質には適用できない。

照射線量率:C・kg-1・h-1(ク-ロン・パ-・キログラム毎時)
照射線量率とは、単位時間当たりの照射線量を表す。

2. 吸収線量:Gy(グレイ)

 吸収線量とは、物質1kgに1J(ジュール)のエネルギーを与える放射線量をいう。 この単位は、放射線の種類にかかわらず適用できる。

3. 線量当量:Sv(シ-ベルト)

 線量当量とは、人体に対する放射線量の単位で、吸収線量に線質係数及び修正係数を乗じたものである。 現在β線、X線およびガンマ線においてはQ=1、エネルギー不明の中性子線においてはQ=10とし、Nはともに1としている。

H=D×Q×N
H:線量当量      D:吸収線量
Q:線質係数      N:修正係数

4. 電子ボルト:eV(エレクトロンボルト)

 1Vの印加電圧を加えた場合の電子に与えられる運動エネルギーを1eVという。 なお、極板間の距離又は電子の移動量には関係しない。

1eV=1.602×10-19
            
5. 放射能:Bq(ベクレル)

 放射能は、1秒間に壊変する原子数で表わされる。また旧単位では、毎秒3.7×1010個崩壊する放射能の強さを1Ci(キュリー)と定義していた。これは、ラジウム1gの放射能に相当している。