3. 放射線の性質 |
放射線には、写真作用、蛍光作用、透過作用、化学作用及び電離作用がある。これらを利用し、いろいろな機器が作られている。 |
3.1 電離作用 | |
放射線は、物質中を通過するさいに、原子にエネルギーを与え、電離や励起を起こす。 電離とは、放射線が原子の軌道電子を核外にはじき飛ばすことをいい、励起とは、原子の軌道電子を1つ外側の軌道に移すことをいいます。 電離作用を利用した機器には、電離箱式サーベイメーターやポケット線量計があります。 |
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3.2 写真作用 | |
放射線を、写真フィルムにあてて現像すると、放射線をあてた部分が黒化します。健康診断で行うX線撮影、非破壊検査及びフィルムバッチ等で利用されています。 |
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3.3 蛍光作用 | |
放射線や紫外線をあてると、光を出す物質があり、それを蛍光物質と呼んでいます。例えば、蛍光灯は、ガラス管の中に塗った蛍光物質に紫外線があたって光っているわけです。蛍光作用を利用したものとしては、シンチレーター、熱ルミネッセンス線量計、蛍光増感紙等があります。 |
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3.4 透過作用 | |
放射線には、その種類とエネルギーにより異なりますが、物質を透過する能力があります。 これを利用して、厚さ計、レベル計、密度計及び非破壊検査等広く利用されています。 一般的に、その透過能力は、α線、β線、γ線の順に強くなります。 |
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3.5 化学作用 | |
ポリエチレンや塩化ビニール等に放射線をあてると、ポリエチレンなどをつくって いる分子同士が手を結びあっているのが離れたり、別に結びついたりします。すると、見かけは同じであっても、前より固くなったり、熱に強くなるなどの変化を起こします。プラスチックの改質等に利用しています。 |
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ガラスへ放射線を照射すると、着色できます。右が放射線照射後で、照射する線量により色が変化します。(「くらしとアイソトープフェア」にて入手) |