スポーツまいんど その116

◎昔のすぽると67 陸軍戸山学校《體育理論》

 

 参考文献「近代体育スポーツ年表」に1932年(昭和7年)「10.—陸軍戸山学校《体育理論》」という記事があった。これだけである。何だか解らなかったが調べて見ると『陸軍戸山學校著 體育理論』という書物があることが解った。今回はこの「陸軍戸山學校」と 『體育理論』に記された「軍隊體育」を見てみる。

 陸軍戸山学校は明治の始めに出来上がり、歩兵戦技、歩兵部隊の戦術、体育、軍楽の教官・生徒育成と研究を行ったという。また陸軍戸山学校軍楽隊を有していたらしい。場所は都立「戸山公園箱根山」辺りであった。2年ほど前にこの公園に行ったことがあった。「記念碑」「野外演奏場跡」「将校集会場跡(現在は教会と幼稚園)」は目にしたが、こんな学校だったとは知らなかった(その時の写真は下に掲載)。

 第一編「體育總論」第一章「體育の意義の目的」は次の文章から始まっている。「抑々(そもそも)體育は身體訓練を通じて人格を陶冶する教育手段として,知育,徳育と相俟(あいま)ちて、教育上極めて重要なる使命を有するものである」。そして心身は一体であり「健全なる精神は健康なる身体に宿る」とし、「體育の目的」は単に身体の発達や運動能力養成だけでなく「純正なる感情、鞏固(きょうこ)なる意思並(なみ)高潔なる品性を涵養し以て(もって)人格の向上を圖る(はかる)にあり」としている。

 第二編「軍隊體操論」には「體操の目的は心身を鍛練して軍事諸般の要求に適應する體力、氣力特に機敏持久の運動能力を養成するにあり」と記され、図入りで筋肉や体の姿勢が説明されている。第三編「競技遊議論」では「遊戯」の本質に関する学説を紹介し、「人間の自然の活動に根拠を置き最も自由に愉快に興味を以て行ふ自發的活動にして本能的運動を多く包含するものを謂う」と「遊戯の意義」を述べている。「競技の意義」に関しては「争闘を本来の目的とし勇氣、力、巧緻、忍耐等を要する心身の活動」とするが、「遊戯に比し確に熱情的眞面目と熱心と努力を要する」ものであり「庭球」などは「遊戯」としても「競技」としても行うことが出来るとしている。そして第四編「體操乃遊戯競技の教育的指導法」、そして「附録」、全部で485ページ、金壱円九拾銭の大作であったのだ。















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