スポーツまいんど その4

 

◎スポーツ技術の伝道者になろう

 スポーツの技術は「真似る」ことができる。つまりスポーツの技術には「模倣的要素」があるとされている。あなたのゴルフスウィング、あるいはテニスのストローク、野球のバッティング、全て、誰かの技術を真似ることから始まった。そしてそれを、また誰かが真似をして、そしてその真似をして・・・。このように「真似る」ことの連続でスポーツの技術は、現代まで伝わって来ている。

 そして、誰も真似をしなくなると、伝わらなくなる。例えば、我が国の「蹴鞠」というものの技術。今はもう、殆どのひとは知らない、保存会の人たちがかろうじて伝えているだけ。あるいは「ポロ」、そう、あのポロシャツの「ポロ」の技術。こんなものは最近になって日本に入ってきた、と思われるかもしれないが、平安時代に我が国にポロ(打毬)のブーム(もちろん貴族の間で)があり、また、徳川将軍家茂、明治天皇も打毬を観覧したらしい。しかし今は、その事実さえもが忘れ去られている。

 このように、あなた(貴男・貴女)が親しんでいるスポーツの技術が、何年か後には消滅している可能性がある。現在は、学校の体育の授業や部活動、あるいは地域のスポーツクラブなどで、組織的にスポーツ技術を「真似る」ことが行われ、次の世代へと引き継がれてはいるが、いつまで続くか解らない。大学では体育を選択科目とするところが激増しているし、高等学校の体育もいつまで必修でいられるかわからない状況。そうなると、特にいわゆる不人気種目といわれるようなスポーツの技術は、組織的に伝えていくことが困難となる。いずれ、○○保存会なるもので細々と伝えていくか、消滅することになる。

  Jリーグが始まった頃、野球人気が下火になることが懸念された。幸いにも野球人気は衰えず、逆にJリーグの勢いが停滞。しかし、サッカーやバスケットボールをする子どもたちは多くなったが、野球をする子どもたちが少なくなってきているという。昔はよく見かけた、父親と息子とのキャッチボール、今はあまり見かけない(ちなみに、私の友人の研究者エムさんはスポーツ映像の研究をしているが、彼によれば、キャッチボールはアメリカの父親と息子の関係をシンボル化したものとして映画に数多く登場するそうだ)。野球は学校(小・中)で組織的に教えるスポーツには入っていない(ソフトボールは入っている)。だから、誰かが伝えないと、野球で育った世代がいなくなった頃、野球保存会なるもので細々と、ということにならないとは限らないのである。さあ、物置から古いボールとグローブを探し出し、スポーツ技術の伝道者になろう。


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