スポーツまいんど その61
◎昔のすぽると⑬ 投扇興(とうせんきょう)
スポーツまいんど その61
◎昔のすぽると⑬ 投扇興(とうせんきょう)
参考文献「近代体育スポーツ年表」には1875年(明治8年)、「すたれていた投扇興、ふたたび行われる」という記事がある。「扇(おうぎ)」を投げて「興(きょう)に入る(おもしろがる)」遊びだろうと想像できるが、よくわからない。今回はこの「投扇興」を取り上げて調べてみる。
「投扇興」は江戸時代の中期、1773年(安永2年)頃、京都で起こったとされている。当時、「投壺(とうこ)」という、金属製の「壺」に向かって「矢(木の棒)」を投げ入れる中国伝来の遊びがあったらしいが、ルールや作法がうるさくて遊びにくい。そこで女性や子どもでも手軽に楽しめる遊びとして考案されたという。江戸時代のNew「すぽれじゃ」であったのだ(この年「田沼意次」が「老中」となり、翌年「杉田玄白」らが「解体新書」を発刊している)。
現在でも「大小の団体が様々なルールや形式を用いてそれぞれ活動している」という話を聞いたのでHPで調査開始。「投扇興研究室」という面白い処を発見(「すぽれじゃ」研究所みたいなネーミング)。その研究室にある説明に基づいて「投扇興」を究明することを試みる(なんか論文のような文章になってしまった)。
まずは「的」、流派によって「蝶」「胡蝶」「花」「的玉」などと呼ばれる。それを載せる台「枕」がある(下左写真)。これを狙って「扇」を投げるのだが、距離も流派によってまちまち、この研究室の流派「浅草」では160cmほど離れた所に座って投げるらしい(下中写真)。開いた「扇」の木の端の部分を人差し指と親指でつまんで(「正座」した状態で座布団から膝が前に出る、お尻が浮くは反則)、逆の手は膝において、親指のスナップを利かせて「扇」が半回転して飛んでゆくように投げる(「扇」の木の部分が「的」に向かってゆく)。なかなか難しそうな技である(因みに「投扇興」セットAmazonで販売している¥25000〜)。
投げた後に「見立て」がある。つまり「扇」と落とした「的(蝶)」そして「的台(枕)」、これらの位置関係をいろんな物に見立てて名前と点数を与えるという風流なことをやるのだ。この扇・蝶・枕の位置関係に美しさ見られない場合(下右写真)、これは「花散里(はなちるさと)」、つまり花が咲き終わって散ってしまった形、そして「1点」となる。蝶が枕の縁に引っかかって止まり、扇が枕に寄りかかる「空蝉」(うつせみ)」=「18点」、枕に寄り添って扇と蝶が立っている「紅梅(こうばい)」=「20点」など、いろんな「見立て」がある。これも流派によって異なり、「日本投扇興連盟」では、銘「ほととぎす」=「0点」:扇子が蝶を落とさない、「大江山」=「50点」:蝶が落ちて立ち、その蝶と枕に扇子が橋を架けるなど、31種類の「見立て」があるという。この「見立ての心」、「すぽれじゃ」でも必要な風流なものであるかもしれない。