大磯町議会議員 竹内恵美子の議会レポート

wind まちづくりNEWS LETTER/議会報告



    vol.71   2021年4月 発行  (令和3年4月)
  

  令和3年度予算可決

   3月22日に1都3県で緊急事態宣言が解除されましたが、感染者が若干の増加傾向を示しています。
感染のリバウンドや感染拡大が懸念されています。ワクチン接種の早期実施が望まれます。
  大磯町議会が2月15日から3月18日まで32日間開催されました。
  3月議会は、今年1年間の予算案を審査する重要な議会です。


議案    

●大磯町一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例
  専門的な知識経験を活用するため採用する任期付き職員以外の任期付職員については、大磯町職員の昇給に係る規定については適用除外となっているため、適用除外となる規定を削除する。この条例の規定により採用された任期付フルタイム職員は5人。任期付短時間勤務職員は26人。
     賛成者多数で可決

●大磯町特別職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
 いじめ防止対策推進法に基づき設置している「大磯町いじめ問題対策・調査委員会」では、審議や事実調査・認定において、弁護士が中心的な役割を担っていることから、その職の専門性に鑑み、報酬の額を改正する。
 条例に「日額6,500円」と規定されているが、弁護士に委嘱する場合は、学識経験者として、「日額8,400円」を支給しています。委員会の審議では、いじめの背景にある学校や環境等を理解し、俯瞰的に事実を検証する資質が求められ、弁護士による対応が不可欠となっている。
 そのため、職の専門性に鑑み、弁護士に委嘱する場合は、報酬の額を「日額20,000円」として新たに規定する。弁護士以外は、「日額6,500円」。
     賛成者多数で可決

●大磯町国民健康保険税条例の一部を改正する条例

  平成30年度税制改正における個人所得課税の見直しが令和3年1月1日に施行されたことに伴い、給与所得控除・公的年金控除について10万円引き下げるとともに、基礎控除を33万円から43万円に引き上げることとされた。
  また、租税特別措置法の一部改正により、低未利用土地(利活用されていないまま所有されている空き地や空き家)等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除が設けられ、課税所得の計算方法を見直し、令和3年度に係る国民健康保険税の課税分から適用されることになった。令和3年4月1日から施行
     賛成者多数で可決

●大磯町介護保険条例の一部を改正する条例
   介護保険法により、市町村は、3年ごとに介護保険料を見直すこととなっているため、令和3年度から令和5年度までの介護保険料を定める。
  第7期の現行の基準額、 年額 68,400円 月額 5,700円
 → 第8期の改正案の基準額、 年額 63,600円 月額 5,300円に。
   5年を超えて取得していた土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得のうち、利活用されていないまま所有されている空き地や空き地等の低未利用地等を譲渡した場合、譲渡価格から取得費及び譲渡費用を控除し、さらに100万円を控除する特別控除制度が創設されたことに伴い、介護保険料の算定に用いる所得額に、当該特別控除を反映するための改正。

創設:低未利用土地等の譲渡がある場合 
   譲渡価格 −(取得費+譲渡費用)−特別控除100万円=長期譲渡所得の金額 

  介護保険料の減、申請期限を介護保険料の納期限の7日前までに申請するとなっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響等で7日前までに申請することが難しい場合の例外として、申請期限後においても申請することができるようにする改正。
     賛成者多数で可決

●大磯町消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例
  消防団員の処遇の改善を図るため、費用弁償の単価について整理を行い、水火災、警戒、訓練等の職務に従事する場合においての額の改正をする。
  また、費用弁償の支給方法を見直すための規定の改正をする。
  団員には、全日数にわたって勤務しなかった場合は、報酬は支給しない。

  団長    年額  157,900円   
  副団長   年額  92,900円
  分団長   年額  53,400円   
  副分団長 年額  40,400円
  部長    年額  37,900円   
  班長    年額  35,500円
  団員    年額  33,000円

災害出動       3時間未満  3,100円
             3時間以上  4,600円
訓練、警戒等出動  3時間未満  1,600円
             3時間以上  3,100円
令和3年4月1日施行
     賛成者多数で可決

◆副町長に横須賀市岩戸にお住いの 宮越 雄司氏(63歳)にお願いすることになりました。
◆教育長に中井町井ノ口にお住いの 熊澤 久氏(70歳)にお願いすることになりました。
◆人権擁護委員に大磯町東町にお住いの 近藤 晶一氏(70歳)にお願いすることになりました。


補正予算

 自立支援給付費:730万円
 ごみ処理広域化リサイクルセンター受託事業収入:1,480万円
 リサイクルプラザ運営費負担金:128万円(運営費確定のため)
 運動公園補償、補填及び賠償金:208万円(コロナ禍により運動公園利用休止のため)
 学校教育充実事業補助金:89万円(修学旅行取り消しのため)
     賛成者多数で可決
(前号で数字の単位を間違えていました。申し訳ありませんでした)

令和3年度予算

 令和3年度一般会計歳入歳出予算の総額は、106億9,300万円で、前年度に比べて、明治記念大磯邸園の整備費の増などにより、11億1,400万円の増額となり、伸び率は11.6%の増となっている。
 新規予算は、
  高規格救急車購入事業:3,763万円
  消防指令システム更新事業:6,503万円
  地域福祉計画策定事業:167万円
  環境基本計画策定事業:190万円。
  し尿処理施設更新事業(調査委託料):2,535万円
  明治記念大磯邸園維持管理事業:840万円
  公園トイレ改修事業(馬場公園、山王町児童遊園トイレ改修):2,270万円
  学校昼食運営事業:378万円 等

その他、
  小児医療費助成事業:8,525万円
  放課後子どもプラン事業:2,832万円
  子ども子育て支援新制度運営事業:5億6,560万円
  予防接種事業:7,359万円 
  がん検診推進事業:3,093万円
  運動公園維持管理事業:3,054万円
  明治記念大磯邸園整備事業:9億2,490万円
  ごみ処理広域化運営事業:1億49万円
  都市計画決定事業(都市計画基本図修正等業務委託等):818万円
  橋りょう長寿命化修繕事業:1億2,481万円
  生沢月京1号線整備事業:2,118万円
  農地活用・鳥獣対策事業:1,007万円
  大磯港指定管理事務事業:6,556万円 等

討論

 一般会計予算については、新型コロナウイルス感染症の影響により、町税収入の減が見込まれる中で、大型予算になっていることに懸念を感じていましたが、予算審議の中で、明治記念大磯邸園整備事業の約9億2,490万円ほどは、令和3年度予算においても、そのほとんどの額を、国や神奈川県からの補助金や交付金などが充当され、実質的に町の財政負担は生じないことが理解できます。この事業費分を町の負担として捉えなければ、過去の当初予算額と比較しても、さほど大きなものではないと言えますので、他の投資的事業の内容を見ても、堅実な予算編成がなされていると思われます。
  他の事業配分においても、新たに施設を整備していくということではなく、道路橋りょうなどを含め、老朽化した施設整備や備品整備などに対応した予算となっており、施政方針に掲げた「子育て」「教育」「健康」「経済」「安全・安心」の5つの力点における各項目に予算配分や予算措置がされているものと判断しました。
  また、3特別会計と1企業会計のそれぞれの予算配分も高齢化への対応や災害対応なども適正にされていたと判断しました。
      賛成者多数で可決


竹内恵美子の一般質問

旧吉田茂邸について        

竹内  平成21年3月に吉田茂邸が焼失してしまい、その後、町が主体となり、神奈川県が基盤整備や技術的な支援を行うという役割分担のもと、神奈川県の発注で、平成24年度に基本設計、25年度に実施設計、26年度から再建工事を行い28年5月に竣工しており、初年度は10万人の入場者があったと記憶していますが、現在までの入場者数はいかがか。
  平成29年度は、104,247人。平成30年度は、62,262人。令和元年度は38,355人(コロナで1か月休館)。令和2年度は10,727人(コロナ対策で5ヶ月休館)。

竹内
  指定管理者制度を見据えた民間活力導入を検討してきたが、明治記念大磯邸園の進捗が見えてきたので、大磯邸園との一体的な管理運営等を考えていくというが、指定管理に向け、スケジュールはどうか。
  まず、町郷土資料館条例改正を。その後、民間事業者との対話(サウンデイング調査)を始めている。大磯邸園の進捗状況を踏まえながらスケジュールを組んでいきたい。

竹内
  民間活力導入を検討した中で、民間事業者から見た吉田茂邸の課題等はいかがか。
  大磯邸園は、国と町の管理区分、城山公園は県と町の管理区分。今後は、国、県と連携しながら、一体的な公募選定などができるような仕組みも併せて検討していければと考えている。

相模の国「国府祭」について        

竹内  「国府祭」の調査事業は平成28年度からの事業で国指定の検討は。
町長  県の無形民俗文化財に指定されている。4年間かけて、令和2年3月に報告書は完成。文化庁に提出。次の段階として、文化庁の調査官が「国府祭」の祭事を行っている現地に赴き、報告書の内容について齟齬がないか、伝承がされているか現地調査をする。今後、国の文化審議会での議論を経て、文化財指定になる。 現状は、コロナ対策のためお祭りが実施できないので、調査官の調査のタイミングを待つという状況である。教育委員会は、今後の「国府祭」の執行状況について必要に応じた支援を講じていきたい。

竹内
  調査の目的は達成できたか。
  現時点で知ることのできる「国府祭」の事実関係、歴史を把握する。 祭礼の準備や当日の実際の行事、片づけに至るまで詳細に正確に記録する。事業の目的は達成できた。

竹内
  この調査で得られた成果はどうか。
  2市3町に及ぶ神奈川県内最大の祭礼。6つの神社と鷺の舞、調査対象は7項目あった。奈良時代、8世紀よりも古い時代の社会組織が残っていた。

竹内
  国指定になったらどのような期待、効果があるのか。 
  全国に向けての情報発信力が大きくなる。インバウンド効果を期待。

竹内
  指定される側としての心構えは。
  行事を行うのは、行政ではなく、地域の方々になる。次世代に受け継いでいく努力が肝要。行政は、文化財の保護を継承の立場から支援をしていく。

大磯町空家等対策計画について

竹内  大磯町では、空き家対策については、平成27年3月に空き家総合窓口を設置、平成29年3月には、大磯町空き家対策に関する指針を策定。空き家に関する法務、管理及び不動産事業者等、各分野の事業者と協定を締結してきた。2月9日の新聞報道での、民間データベースの活用とは。
  空き家所有者の登記情報や空き家の位置、外観など空き家の正確な情報把握がわかることで、所有者へ意向確認や適正管理の通知が町からできる。官民連携による空き家対策が実施できると考え民間データベースを活用させていただく。

竹内
  このデータベース活用により、町の業務として変わることは。
  町が行う業務内容は基本的には変わらない。

竹内
  二宮町、横浜市は既に、リフォーム補助などしているが、移住や定住施策への取り組みは。
  移住先という形だけでなく、店舗の開設や各種就業事業、シェアオフィス等期待されている。町としては、この情報を民間事業者と共有しつつ連携体制を整えていく。

竹内
  今後のスケジュールは。
  本年度中に第2回空き家対策協議会を開催。素案を協議した後にパブリックコメントを1か月間。意見を取りまとめ、令和3年度の夏ごろまでに計画策定をする。




いま問われているのは大磯の未来
 
 
一歩、一歩、また一歩、一生懸命に。
 


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