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私的なGMになるために

雑文篇

「前書き」

 会社の先輩にあなたが「TRPGをやっている」、または「やったことがある」と漏らしたことがあるとしよう。たいていの場合は、それに対して反応は特になく、会話は別の世界へと移っていくはずだ。
 だが、そうでない場合もある。
「へぇ、TRPGってほんとにやっている人いたんだ」
 この発言は筆者が以前お世話になっていた環境下で、その環境内でかなりマニアックとして知られている先輩から返ってきたものだ。
 ほかに「一度やってみたかったんだ」「久々にやりたいなぁ」という反応が返される場合もあるかもしれない。こういう反応の後にはこう続くだろう。
「●●くん、GMやってくんない?」(とてつもなく軽い感じで/いうなればコップに水を一杯汲んできてもらう感じ)

「本編」

 GMをやるのに必要なのは、第一にきっかけ。次はプレイヤーさんを不快にさせない心がけ。余裕ができてから楽しませようとすればいいのさ。そして、最後に度胸

 きっかけは、本に載っていた誰かの誘惑の文章でもいいし、上司や先輩の命令、恋人の懇願、何でもいいよね。あなたに影響力を持っているものなら。また、こんな文章を読んでいるわけだから、あなたはもう「きっかけ」について悩む必要はないのかもしれない。

 心がけ。同席している人を不快にさせない、ということは人間として最低のこと。同席している人が大人ならば、不快になっていても顔に出してくれないかもしれない。そうなると、次回来てくれるかどうかで不快だったかどうか判断しなければいけない。この場合不快だったと知った後にはもう後の祭りだろうけれど。
 人に会う前に身だしなみを整える。バリバリのスーツとネクタイ、紋付き袴、十二単、振り袖を着用しろ、ということではなく、「脳味噌腐った輩だな」と思われないよう普通のカッコをしておけ、ということ。
 これがなかなかゲームしか視界にない輩には実践できん奴が多いのだ。筆者はたぶん実践できている……はず、もしかしたら、できてないかもしれないけれど。
 そういった心がけができてきたら、自然とプレイヤーさんを喜ばすにはどうすればいいかを心で感じ取れるようになっているはず。その感じ取ったものを実行すればいいのだ。

 何事も形が入るのが楽なこと。というわけで、GMも形から入ろう。それがプレイヤーからの信頼「度胸」につながる。
 ルールブック(あれば)メーカー製のマスタースクリーン。これはGMがルールに従ってプレイ・マスタリングしてますよ、という安心感を表す看板になる。ルールブックは適度に汚しておけばベテランにみえてプレイヤーさんも多少安心する(かもしれない)。
 何か書いてあるメモ用紙。プレイヤーが覗いてはいけないものの、GMが大事そうに扱うメモ用紙があると、プレイヤーさんは安心する。きっとすごいシナリオが準備してあるに違いない……。準備できていなくてもそう思わせられれば勝ちだ。
 物語の舞台の地図。適当にホテルや民宿か会社か学校の見取り図を持っていこう。修正液で図面にある文字を消して汚くコピーすれば、あやしげな舞台の表現に使うことができる。
 筆記用具、サイコロ。消耗品なので、途中でプレイヤーさんの手持ちが尽きるかもしれない。もっとも、最近は持ってこない、という素敵なプレイヤーさんも見られなくはないけれどね。

 度胸。さまざまな準備をしていけば、「おれはこんだけやっていったんだから、満足なマスタリングで、みんなをうならせられるぜ!」という気持ちにあなたを追い込むはず。
 プレイヤーさんは楽しみたいと思っている。その場にやってきてくれたということは、マイナスからのスタートではないんだ。君がちょっとくらいミスをしたとしても、楽しみに来ているプレイヤーさんは君を信じようと努力してくれる。その努力の前にあぐらをかくのではなく、その努力に応えられるよう君も努力を見せるんだ。
 つまるところ、これこそが信頼だ。

 シナリオ。導入部分と解決方法だけは最低限決めておくべき。スタートとゴールさえあれば、なんとかプレイヤーの顔を見ていればシナリオの運営は十分できるだろう。
 (必要に応じて)図面、謎。プレイヤーさんのキャラクターが挑戦・直面することになる迷宮、謎。これがあればとりあえずシナリオが冒険っぽくなる。

とりあえず、今日はここまで。
「私的」に「素敵」をかけています……おやじ風に。(2005/05/28加筆)


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