ディプロマシー初等外交書
著:佐藤真人
本著はディポロマシーにおける初期の各国の他国に対する外交戦略を筆者の独断と偏見に元づいた戦略本です。異論反論が多いと思いますが私見ですのでご勘弁ください。
目次
編集者者からの注:
本データは、いくつかのイベントでサークル〈オニオンワークス〉から発行されたデータです。
初めに
外交の種類外交は様々な外交が存在します。これはその一例です。
- 同盟
攻守とも行動を共にします。 - 空白補給都市の分配
初期に必要な行動です。軍がかち合わないよう速やかに占領地を得るための前交渉です。 - 共同作戦
他国に攻めこむときや、自国の防衛のために支援を同盟国もしくは中立国に要請します。 - 輸送
他国の海軍に陸軍の輸送をたまに頼むことがあります。(経験上めったにありません)
ディプロマシーをやっていく上での基本的な戦略の一部です。
- 敵を一国に絞る
どの国を担当にするにしても敵国は複数存在します。複数の敵と同時に渡り合うことは戦略上不利なので、一国と戦争するように他国とは同盟もしくは中立の外交交渉をしましょう。 - 弱いほうに味方する
同盟を結ぶ時に選択肢が2ヶ国有る場合は弱いほうと同盟を結びましょう。
これは最終的に同盟を結んだほうと戦闘になることも考えられるためです。ですから強い国をさらに強くすることも無いためです。 - 裏切りのタイミング
私の場合はパターンが2つあります。結んだ相手が滅びそうな時に他国に領土を取られるぐらいなら私がいただくと言った場合と、ここで裏切れば勝てると言った場合のみにします。
あまり目先の利益で裏切ると次のゲームで信用してもらえないからです。
例外としては担当プレイヤを考えて裏切ることも有ります。こいつはあまり信用できないから先に裏切っておいた方が有利だなと考えた場合です。(めったにありません。私はです)
各国の基本外交
-
1.イギリス
イギリスは端に位置した上、海に囲まれ防衛がしやすい国です。またNth (North sea 北海)に海軍を置くことにより鉄壁の守りをしくことができ、防御的に有利に展開することができるため前半は傍観することも可能になります。
前半で気になるのはやはり近隣諸国のドイツ、フランスの動きです。特にこの二国に組まれるとイギリスの未来はありません。よってこの二国同士は反感させるのが基本です。
この二国のどちらを攻めるかはヨーロッパ全体の動きをみることによって決まります。■対フランス
攻めることも同盟を結ぶことも両方できます。
同盟を結ぶ場合は Eng (English Channel) を進入不可領域にすると強固な同盟を結ぶことができます。これはこの海域がお互いの急所となるためここに軍が入った場合宣戦布告とも取れるためです。また裏切るときにはここに海軍を進出させるとほとんど勝ったも同然と言えます。
フランスを敵にするときはドイツと組むのが基本です。また後方から同時に攻めこんでもらうためイタリアとも交渉をしましょう。組んでドイツを攻めるならば Eng にぜひ海軍を入れておきましょう、後のフランス攻めにこの海軍がものをいいます。■対ドイツ
これもフランス同様、攻めることも同盟を結ぶことも両方できます。
私見ではフランスよりもドイツを敵に回したほうが有利にことが運ぶと考えています。これはドイツを取ると言うことはヨーロッパ中央に進出することを意味し、今後の展開を有利にします。攻める時にはフランスと同盟を結び、短期間で勝負を決めましょう。このときも Eng に海軍を入れておき、後のフランス攻めに活用しましょう。またロシア、イタリア、オーストラリアとも共同作戦がとれるため、他国の動きに応じ交渉相手を選び交渉しましょう。■対ロシア
遠くに見えて実はとても近いのがロシアです。イギリスは序盤に Nrw (Norway)を取るとすぐにロシアの拠点に隣接します。序盤としては二つの方策が考えられます。
穏やかな中立関係を保っていくか、強固な同盟関係を結び南方の戦略に没頭するかです。前記では状況を見て Stp (St.Petersburg)を掠め取るくらいが関の山ですが、同盟を結べれば後顧の憂いを取り除け、ただでさえ地図上の端で敵が少ない上にさらに敵が減り、戦力を南方に集中できます。■対イタリア
戦端を開くことはほとんどありませんが、この国の動きでドイツに攻めるかフランスに攻めるかが決まります。
序盤の作戦目標を決める上でもっとも重要なファクターとなります。
イタリアがフランスを攻めれば同時にフランスを攻め、ドイツを攻めていればドイツとなります。オーストリアを攻めていればどちらも洗濯することができます。イタリアの動きに対しては細かい情報収集が必要となります。■対オーストリア
イタリアと同じような関係ですが、こちらの方が重要度は落ちます。この国と外交することによりヨーロッパ東方の状況を知ることができるかもしれません。■対トルコ
端と端なので直接的にはまったく関係しません。ロシア攻めかオーストリア攻めのどちらに重点を置いているかによって全体の力関係が変わるので、情報のやり取りだけはしておいて損は無いと思います。 2.ドイツ
中央に位置し戦略の幅は広いが敵に囲まれていることも意味し防御がとてもしずらい国です。
ただ一方に強固な同盟を結べれば、かなり軍(陸軍)を展開しやすい土地柄なので戦力を集中すれば速い段階で領土を拡大することが可能になります。
どこと結び、どこと戦うのかその選択が今後のヨーロッパ全体を占います。ただ各国の的になった場合いきなり滅びる可能性が大きいので、最初の戦略はどこか一国と強い同盟を結ぶことだと考えます。■対イギリス
フランスと組まれることだけは最低限阻止しましょう。これをやられると生き残る道は皆無と言えるからです。
攻めることを考えると遠い国です。イギリスを攻めるときには Nth(North Sea)の制海権が必須となりますが、ここには必ず強固なイギリスの艦隊が浮かんでいます。やはりこの国を攻めるにはフランスとの攻守同盟が必要となります。経験では両国あわせ5個艦隊でも攻めあぐねました。
また、イギリスと組んでフランスを攻めることもできますが、私はお勧めできません。なぜなら次にイギリスの的になるのは自国だからです。この状況下ですとイギリスには多数の海軍がおり制海権も握られています。不利な状況は目に見えるからです。
ですが、フランスと組まれて攻めこまれる気配があるならば積極的にフランス攻めを呼びかけましょう。フランスと結ばれるのを絶対阻止するためです。■対フランス
最終的には絶対倒さねばならない国だとは思いますが、序盤では同盟も考えられます。イギリスを攻めるには同盟が必要絶対条件と必要となります。攻める場合はイギリスと手を必ず結びましょう。これはフランスに先に手を結ばれるよりも絶対に先にやりましょう。近いため補給は楽ですが泥沼になったあげくおいしいところをイギリスに持っていかれることだけは避けましょう。■対イタリア
Swi(Switz)が邪魔をしておりお互いに攻めあぐねる国です。なるべく中立か同盟を結んでおくことをお勧めします。フランス、オーストリアの両国を攻めるときに共同戦線をはることが多いと考えられ、お互いに情報交換を多くやっておきましょう。■対オーストリア
とても攻めやすい環境にあります。ですがイタリア、ロシア、トルコに対する壁の役割を果たしており滅ぼすのは考え物です。オーストリアはこれらの国があるためドイツには攻めてくる状況はあまり考えられません。中立をたもって他を攻めるかこの国を経由してロシアを攻めるのが良いのではないかと考えます。■対ロシア
ロシアはトルコ、オーストリアとの戦端を開いていると考えられ、ドイツにはあまりかまってこないと考えられます(序盤です)。よって攻めるも良し同盟もよしと言ったところです。攻める場合は敵の本拠地がちょっと遠いことが上げられます。「これが冬将軍てやつか」と考えながらせめるのも一興です。3.フランス
西の端に位置しますが、結構領土が広大で二面戦争に陥りやすくなり戦略的に厳しい状況がよく見うけられます。海軍(対イギリス・イタリア)も陸軍(対ドイツ)も必要となるため展開が非常に難しい国です。周りの攻められる国もなかなか攻めに土地柄に有り、領土の迅速な拡大は難しい点が多くあります。なんとか敵を一国に絞れるような外交をしましょう。■対イギリス
攻めるならばドイツと同盟を結びましょう。この時イタリアにちょっかいを出されないように十分な外交と南方に若干の戦力を用意しましょう。ドイツ攻めはドイツの項とは違いちょっとお勧めです。これはドイツ攻めの時にフランス海軍がEng(English Channel)に入れているときの話です。ここに軍を展開しておくことが出来れば後のイギリス攻めに優位に働きますので、これだけはやっておきましょう。■対ドイツ
ドイツの項の対フランスと同じような展開です。■対イタリア
とてもこちらからは攻めにくい土地になります。しかし相手にとっては攻めやすいので対処にとても難儀します。同盟を結べれば結びたいところですが若干の守備部隊は割かなければならず戦力の集中が難しくなります。オーストリアの動きには注目しておきましょう。攻めている、もしくは攻められている時はこちらに優位な外交・戦闘をおこなえます。■対オーストリア
直接的にはまったく影響を与え合いませんが、この国のイタリア・ドイツに対する戦略がこちらの戦略にも大いに関係するため動きには注目しておきましょう。■対ロシア
イギリスを攻める時には一様呼びかけましょう。多分相手はそれどころではないとは思いますが。■対トルコ
序盤ではまったく関係有りません。まあ社交事例の挨拶ぐらいはしておくとしましょうか。4.イタリア
戦略の幅が狭いと考えています。これは東のオーストリアはトルコ・ロシアに対する壁の役割をしてもらう必要があり攻めにくい状況です。北にはSwi(Switz)が邪魔し進みにくいからです。必然的に西に進むしかないかなと考えてしまいます。また他国の動きに大きく影響され戦略も変わるため情報収集に力を注ぎましょう。■対オーストリア
とてもおいしく映りますがここはぐっとこらえましょう。これはトルコ・ロシア両国に対する大きな壁と言える存在のためです。この国が滅ぼされる前に両国に対抗できるだけの戦力を整えましょう。また滅びる直前にはいくつかの領土をもらっておきましょう。また逆に攻められる時がたまにあるので事前の外交には力を注ぎましょう。■対フランス
もっとも攻めやすい相手といえるでしょう。イギリス・ドイツと組んで攻めるのもいいですが単独でも攻めることもできます。これはイタリアが攻めることによって、イギリス・ドイツが動くことがありフランスがこちらに戦力を送ることが出来なくなるためです。同盟を結ぶ状況はオーストリアを攻める場合のみです。■対ドイツ
ドイツの項でも上げたとおりSwi(Switz)が邪魔になっておりとても攻めにくい環境です。お互いに序盤はぶつかることはありませんが、Mun(Munich)は比較的取りやすい位置にあるため、これは上手く掠め取りましょう。つかず離れずといったところでしょう。■対トルコ
トルコはオーストリアかロシアのどちらかしか攻める場所がありません。もしオーストリアを攻めた時は次はイタリアとなるので、目をロシアに向けさせる外交努力に力を注ぎましょう。それでもオーストリアに攻めこんでいた場合も次の相手をロシアに向けさせましょう。これは絶対にそうさせましょう。またロシアを積極的にけしかけるのも重要です。
オーストリアを攻めるときには同盟を結ぶことになりますが、なにも将来の敵の手助けをすることはないと私は考えています。■対ロシア
こちらもトルコほとんどいっしょです(前項参照)。トルコをロシアに、ロシアをトルコにして読んでください。■対イギリス
フランスを攻めるときに共同作戦を取りましょう。フランスが落ちた後は戦闘になることも覚悟しましょう。ですがこのころにはロシア・トルコが迫ってきている状況が考えられるので、ほどほどにしておくのが良いと思います。またロシアが伸びてきた場合ちょっかいを出してもらえるような交渉も必要となります。5.オーストリア
一番外交を楽しめる国だと考えています。外交で生き残り、国が大きくなったときの感動はひとしおです。これはあまりにも辛すぎる環境にあるためです。ロシア・トルコが端に位置し伸びるためにはオーストリアを攻めるのが見て取れるからです。これを阻止するためには前記の両国に噛み合ってもらしかありません。■対トルコ
多分ほとんどの場合敵に回ります。トルコが伸びるための道すじにはオーストリア領があるためです。これはロシアをけしかけてトルコにぶつけましょう。
くどき文句は
「トルコは必ず伸びるから今のうちにいっしょにたたきましょう」
積極的に動きましょう。■対ロシア
前述の通りです。強固な同盟を死に物狂いで結びましょう。トルコと結びロシアを攻めるのはあまりお勧めできません。その後トルコに攻められるのが目に見えるからです。■対イタリア
トルコの攻めをしのぎつつ、この国を上手く攻められれば上出来です。しかし世の中そんなに甘くありません。よってこの国とは硬い硬い同盟を結び背後の憂いを除きましょう。くどき文句はロシアと同じで通じると思います。時には一領土ぐらいの割領を覚悟してもいいかもしれません。うまく交渉しましょう。■対ドイツ
イタリアとほとんど同じです。しかし上手く行けばロシアに攻めこんでもらえるかもしれないのでがんばって交渉しましょう。■対フランス
ドイツ・イタリアがこちらに目を向けないように攻めこんでもらいましょう。ドイツに攻めこんでもらえれば、上手く行けば Mun(Munich)ぐらい掠め取れるかもしれません。■対イギリス
ドイツ・ロシアにちょっかいを出してもらえるように交渉しましょう6.ロシア
軍隊は他の国より一軍多いのですが、いかせん領土が広いためカバーしきれず徐々に衰退していくことが多い国です。また宿敵としてトルコが挙げられ Bla (Black Sea)の攻防が興亡を意味します。■対トルコ
Bla (Black Sea)が重要な点となります。基本的には同盟・敵対の両方が挙げられます。
同盟を結ぶならばBla (Black Sea)を不可侵地としましょう。ここに軍隊がいるいないは戦略上重要です。攻める場合はここを必ず取りましょう。ここを取らなければトルコ本国に攻めこむことは難しくなります。最終的にトルコは伸びてくるので同盟を結ぶ場合は絶対にまっとうするのだとトルコに働きかけましょう。経験上背後にイギリスを抱えているロシアのほうが不利だとなっているので気をつけましょう。■対オーストリア
同盟を結びトルコと戦うか、おいしくいただくかどちらかになります。どちらにするかは戦況を見て決めていきましょう。■対イギリス
攻めこむ余裕はほとんどありません。同盟を結んで背後の憂いを絶つことをお勧めします。■対ドイツ
オーストリアと結びトルコに対抗した場合は同盟・敵対の両方が上げられます。ドイツに余裕があまりないようならば攻めこんでBer(Berlin)ぐらいいただけるかもしれません。逆に相手が攻めてくることも考えられるために同盟も視野に入れていく必要があります。■対イタリア
オーストリアと組んだ場合はオーストリアに攻めこまないように三者(イタリア・ロシア・オーストリア)交渉をしましょう。オーストリアを攻めるときにも三者(イタリア・トルコ・ロシア)交渉をしましょう。直接攻めこむことは無いですが、交渉は重要です。■対フランス
ドイツに対する戦略に重要なファクタです。動きに注目していきましょう。外交的にはイギリスの牽制には使いますが余り必要としないと思います。7.トルコ
強い国です。ただし道がほとんど限定されているので、私はあんまりやっても面白くありません。しかし初心者がやるにはいいかもしれません。正直はとりあえずオーストリアを攻め、ロシアと同盟を結ぶか、攻めこむかしか戦略の幅がありません。交渉相手もあまりいません。ですから外交戦略もあまり書くこともありません(つまらん)。■対ロシア
ロシアの対トルコで上げた通り、Bla (Black Sea)の占領が重要です。敵に回すか同盟を結ぶかは、ほとんどのトルコの意向できまります。序盤は結んでおいて後で裏切るのが一番楽な戦略かもしれません。■対オーストリア
敵。外交の余地無し。いかに迅速に倒すかだけ。■対イタリア
オーストリアに攻めこんでもらえるよう交渉しましょう。■対ドイツ
ロシアに攻めこんでもらえるよう交渉しましょう■対フランス
後々のことを考えてイタリアに攻めこんでもらいましょう。■対イギリス
ロシアに攻めこむ時にちょっかいを出してもらいましょう。
最後に
ディプロマシーは裏切り、裏切られのゲームです。裏切られても怒らずにしましょう。裏切られたら、次にはあなたが裏切れば良いのです。まあ隙をみせたのがまちがいなのです。あまり怒らずに楽しんでやりましょう。
筆者はもうディプロマシはいいかなっとも考えています。
なにしろ疲れるうえに、しかも外交は最初の数ターンで終わりますし。あまり勝ち負けにこだわらず外交を堪能した後、6ターンぐらいでゲームをおえて次のゲームって感じがいいかもしれません。
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[管理人:たまねぎ須永へ連絡]