マギウス・風の中の少女 金髪のジェニー
2章 判定方法
PCなどのキャラクターがものごとを行なう際に、成功したかどうかなどを知りたい時に行なうのが、これから説明する「行為判定」です。
判定方法は『スタートブック』の18頁から書かれています。そういうわけですので、基本であることは書きません。能力値で判定するときは2Dを振って、該当する能力値に加えてGMに伝える、それだけのことです。技能で判定するときは3Dを振って、その中から2Dを選んで、該当する能力値に技能レベルを加えて、GMに伝えるということです。そのような基本を改めて書く必要はありませんね。
とはいうものの、『ジェニーTRPG』独自の判定方法などもあるので、いろいろ説明させていただきます。ひとまず、下にあげた表7は、あらゆる行為判定の難しさと、その行為の成功するために必要な目標値との対照表です。ゲーム中は、GMはめんどくさかったらこの表ですべて目標値を決定してください。
難しさ | 目標値:目安 |
寝ててもできる | 7:かんたん |
誰でもできる | 11:ふつう |
得意ならばできる | 15:むずかしい |
素人にはもう無理 | 18:えらくむずかしい |
プロ並み | 22:すごくむずかしい |
達人並み | 25:とにかくむずかしい |
不可能 | 30:最高にむずかしい |
一、能力値判定
各能力値で判定する基準を表しておきます。
まず、M(感情)ですが、いろいろなことに気付くとか、嘘を見抜いたり、涙を流して説得したり、眠気をこらえたり、いろいろなことを我慢したりなどのようなときに用いられます。
B(肉体)は、肉体を使用した行動をしたり、スポーツをしたり、毒や病に抵抗したり、持久力、頑丈さが必要になったときに使用されます。
T(知識)は、様々なことを知っているか、器用にそれをこなすことができる知識を持っているか、などのようなときの判定に用いられます。
GMは、どの能力値で判定を行なうのがいいかについて、悩んだ場合はとりあえずTでやっておけば、何とかなります。プレイヤーにも判断がつかないような場合ならこれでたいてい丸くおさまるはずです。プレイヤーが明らかな判断を示した場合は、次の判定からその能力値を判定に使用してあげましょう。プレイヤーの言い分を聞いて、振り直しを認めていたらセッションや物語が進まなくなりますから。
二、技能判定
『スタートブック』20頁に書いてあることに付け足すことはいくつかあります。この付け足しは、「人間関係技能」に関するものです。「行為技能」は、まさに『スタートブック』に書かれているままにことをそのまま適応します。
「人間関係技能」は、「自分以外の誰か」のために行なう「行為判定」に使用することができます。「誰かのために〜〜〜をする」ということを再現するためのルールなのです。もし、「行為技能」を持っている行動をするとしても、誰かのために行動するのならば、「人間関係技能」を使用します。知り合いでない人(「人間関係技能」のないキャラクター)のための行動の判定には、通常の「行為判定」を行ないます。その際、「行為技能」がなければ「能力値」で判定を行なうのは『スタートブック』のとおりです。
「人間関係技能」の亜種である「共感・偏見・狭量」の技能でも「〜〜のためにする」ということは可能です。その「共感・偏見・狭量」の対象となる集団の一員のために行なうことでも、対象となる集団のために行なうことでも、その技能は判定に使用することができます。
ところで、「人間関係技能」は負の数値をとることもありえます。そのような場合でも、対象となる人間のために行なう判定には、その「人間関係技能」を用いなければなりません。嫌な奴のために行なうことからは、つい気が抜けてしまうことはよくあることなのです。
三、特殊な判定
ジェニーTRPG独自の判定方法について、この部分で説明していきます。これらのルールで原作の雰囲気に近付けようとは思っているのですが、うまくいっているかは、あなたが判断してください。
a.「無理」をする
キャラクターは他人のために、普段以上の力を出すということができます。これを「無理をする」といいます。これを使用すれば、他人のために不可能なことでさえもしてしまうことができるかもしれません。個人に対する「人間関係技能」で判定するさいにしか、「無理」を行なうことができませんが。
「無理をする」と、判定のときに振るサイコロの量を増やすことができます。
この場合、通常の技能判定時と同じように、振ったサイコロの中から2Dを選ぶことになっていますけれど。そして、サイコロを一個増加させるたびにM(感情)が1点減少します。
このMの減少は、通常の手段で回復は可能です。単なる精神の疲労を表すだけですので。さらに、判定に使用した「人間関係技能」も変化します。増加させたサイコロ1つにつき、「2D6−6」の出目だけ技能レベルに変化が生じます。「無理をする」ということは、とても疲労するものなので、その苦難を通して、友情が深まったり、冷めたりすることを表現しています。
ところで、1回の判定にサイコロは3個までしか増やすことができません。また、ゲーム内で、同一人物に対する「無理をする」ことは1日に一回しかできません。
付け加えておきますが、「技能0レベル」と「技能なし」は違います。「無理」をしたりして、「技能0レベル」になったとしても、サイコロは通常の技能判定時のように3つ振れますし、「無理」を行なうこともできます。
ここで発生する技能レベルの変化は、混乱するかもしれないので、プレイが一段落している余裕のあるときに行ないましょう。そうすれば、他のプレイヤーにあんまり迷惑をかけなくてすむでしょう。
b.ハプニング(選択ルール)
このルールは、適用が難しいので、自信がないグループは導入を見送ったほうがいいでしょう。きまれば、とてもおもしろいですけれども、ロールプレイにはまっていないと、ひどい結果がまっています。
「人間関係技能」での判定において、目標値の算出に使用する2Dがゾロ目(同じ出目)だった場合には、ハプニング(予想もしていなかったこと)が発生します。さらに、その目のぶんだけ(例えば、1ゾロだった場合には1点)、判定に使用した「人間関係技能」が減少します。
ハプニングで、発生することは、GM・プレイヤーの創意で決定されます。多少PC側に有利に働く、意表を突くことが発生するのであります。技能レベルが減るのですから、プレイヤーが思い付いたことならば、いくらか御都合主義的なものでも採用してあげましょう。
c.第一印象判定
人と人の出合いというものは、最初の出合いによってかなりのものが決定づけられます。そういうわけで、「人間関係技能」を持つこのTRPGにおいては「第一印象判定」というものが重要になってくるわけです。
この判定でうまくいけば、「人間関係技能」が0レベルで獲得できます。とはいっても、町中の人々との関係を技能欄に記入するのは疲れるので、GMもしくはプレイヤーが必要と思えたNPCとの「初対面」のときにだけ、この判定を行なうことにします。
判定方法はGMとプレイヤーが互いに2Dを振って、出目が等しかったら互いに何か相通じるものがあったということで、技能レベル0が獲得できます。その時振った出目が「2」のときには、互いの出目を気にすることなく、出目を出した側のキャラクターは、何かいけすかない奴ということで技能レベル−3が獲得されます。逆に出目が「12」だったときには、好感を感じたので、技能レベル3を獲得します。
四、キャラクターの成長
TRPGは成長しなければならないという考えを持つ人々がいます。そういう人がいるから、どうでもいいけど必要となっているのがこのルールです。でも、成長するのは楽しいですけれどね。成長はセッションが終了したときに行なわれます。プレイ中には行なわれるのは、技能の変化(「無理をする」「ハプニング」「第一印象判定」)だけです。
能力値の成長は誕生日を経過するごとに行なわれます。各能力値ごとに1Dを振って、奇数が出れば1上昇します。これによって、HP・MPも変化します。
HP・MPは1Dを振って、関連の能力値以下の数が出れば成長します。HPはB(肉体)以下を振れば上昇、MPはM(感情)以下を振れば上昇するわけです。上昇する数値は出目に等しい数値です。 技能は、セッション終了ごとにプレイヤーの人数×2の技能ポイントを、プレイヤーの総意で振り分けてください。GMがいいセッションだったと思ったときにはいくらかボーナスを与えてもかまいません。いいロールプレイをしたプレイヤーには特別にボーナスを与えてやってもかまいませんが、5点を越えるボーナスはやめましょう。
ここで獲得した技能ポイントは、どんな技能につぎ込んでもかまいません。しかし、ここで負の数値を持った技能を作成して、技能ポイントを獲得することはできません。
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