カレー屋ケ○ちゃん
矢部さんはとってもグルメな人だ。少なくとも私にはそう見える。
”やけに高いモンばっか食う”というわけではないのだが、ある種独特の
食べ物へのこだわりがある。
矢部さんと遊びに行くときは、だから、必ずといっていいほど何かを食べにお店に入った。
その一つに、某カレーチェーン店がある。そこではさまざまなトッピングが選べて、
アスパラガスでもチーズでも好きなものを入れることができるのだ。
”ねー矢部さん、この納豆トッピングって、結構強烈じゃないスか。(^^;)”
”おおー、すごいね。これにチーズもプラスしたらさいっこーだね。(@_@)”
”みっちーはちょっと食べてみたくなりました(笑)。”
”別に止めはしないけどサー・・・”
そう、グルメの矢部さんの弱点は納豆。いくら愛するカレーとはいえ、そんな不気味なモン
とてもじゃないけど勘弁だ、という顔をしていた。
”まーでもほら、愛よりも慣れだってスヌーピーも言ってるし”
”ふーん(心モチいじわるな表情で)、じゃあさ、みっちー君、そのさ、
カレー納豆チーズトッピング食べられたらオゴってあげるよん。”
”ええー!?”
”ベースがそれなら他のトッピングもなんでもOK!”
”まじスか?じゃあ、じゃあお言葉に甘えてアスパラ”
私は納豆は大好きだ。
彼はその血も凍る惨劇をアリーナ席で見る羽目になった。
糸を引く、カレー。
うまそうにぼりぼりとオシンコまで食べるみっちー。相手が誰でも決して負けないオイニーの
する食い物どうしの悪夢のようなデュエットを、さも幸せそうに見せつける私は、そのとき
ちょっとした恍惚感を味わっていた。
”まさかホントーに食べるとはなー・・・”
いつもなら”イヤー良いモン見してもらったよ!!”という彼が、さすがにげんなりしていた。
私は毎朝パンを食べている。たっぷりマヨネーズに、トッピングは
メンマやわらぎラー油風味。
彼の負けは、実はハナから決まっていたのだった。