がんばってね
地 震、原発事故、台風と、世の中は落ち着きませんね。日本列島は、傷だらけという感じ、自然とか、季節の移り変わりも、なんだか少し変になっているよ うな気もしますが、それも人間のスケールで測っての話。地球にとっては、たとえ砂漠が海になっても、別にどうってことない。だから、「地球にやさしい」な んておこがましいことをいってないで、エコも節電も、脱原発も、すべては人間が、人間のためにすることなんだと、しっかり認識しましょう。それでも季節は 夏から秋へ。とりあえず、夏の終わりに、ヒャクニチソウは咲き誇っております。

最 近、「がんばらない」というのがひとつの風潮となっていまして、怠け者の私ももちろん、そのクチです。無理して、肩ひじ張ってるよりは、自然体、リラック スしている状態の方が、いいに決まっている。ただ、あいさつのように人が口にする、「がんばってね」というのを、やめてくださいといわれると、少し困惑す るのは、私だけでしょうか。本当に多くの場所で、被災者の方々が、「がんばってね」といわれるたびに、辛くなっているんですか。

こんなにがんばってるの に、もっとがんばれっていうのかしら、というわけでしょうが、「がんばってね」という人の誰が、「お前はがんばり足りん、もっとがんばらんかい」という意 味で、いってるでしょうか。少年野球のコーチじゃない限り。あるいは、阪神の4番バッターにいってるのでない限り。こと ばは同じかも知れませんが、気持はずいぶん、違います。

「がんばってね」の本当の意味は、こうです。「わたしは、あなたの直面している困難が、相当がんばらないと克服できないほどの、厳しいものだということを知っている。でも、わたしは本当に、心から、あなたがこの困難を乗り越えてくれることをねがっている」。

聞く側が辛い思いをするとなると、こまってしまうのだけれど、せめて遠くの方から、小さな声で、むしろ唇の動きだけでわかるくらいに、私は誰かにいいたいときがあるのです。がんばってね。

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