最
近、「がんばらない」というのがひとつの風潮となっていまして、怠け者の私ももちろん、そのクチです。無理して、肩ひじ張ってるよりは、自然体、リラック
スしている状態の方が、いいに決まっている。ただ、あいさつのように人が口にする、「がんばってね」というのを、やめてくださいといわれると、少し困惑す
るのは、私だけでしょうか。本当に多くの場所で、被災者の方々が、「がんばってね」といわれるたびに、辛くなっているんですか。
こんなにがんばってるの
に、もっとがんばれっていうのかしら、というわけでしょうが、「がんばってね」という人の誰が、「お前はがんばり足りん、もっとがんばらんかい」という意
味で、いってるでしょうか。少年野球のコーチじゃない限り。あるいは、阪神の4番バッターにいってるのでない限り。こと
ばは同じかも知れませんが、気持はずいぶん、違います。
「がんばってね」の本当の意味は、こうです。「わたしは、あなたの直面している困難が、相当がんばらないと克服できないほどの、厳しいものだということを知っている。でも、わたしは本当に、心から、あなたがこの困難を乗り越えてくれることをねがっている」。
聞く側が辛い思いをするとなると、こまってしまうのだけれど、せめて遠くの方から、小さな声で、むしろ唇の動きだけでわかるくらいに、私は誰かにいいたいときがあるのです。がんばってね。
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