小田原文学館
おだわらぶんがくかん

小田原文学館は田中光顕別邸です。
小田原の閑静な住宅街、西海子(さいかち)通りには小田原文学館があります。
この小田原文学館は田中光顕別邸です。

田中光顕は天保14(1843)年、土佐藩(高知県)に産まれ、
土佐勤王党参加しますが、弾圧が始まると土佐藩を脱藩します。
このとき浜田辰弥から田中光顕と名前を変え長州藩(山口県)を頼って陸援隊に参加します。
坂本龍馬、中岡慎太郎の暗殺現場に一早く駆けつけ、中岡死後の陸援隊を統率。
維新後は陸軍中将、宮内大臣などを勤めました。


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場所は小田原駅より南に向かって歩いて15分程度の距離です。
小田原駅から箱根方面行きバス、『箱根口』停留所から歩いて5分。
駐車場は7台までとなります。

赤松越しに白壁の洋館が見えます
文学館の敷地に入ると赤松越しに白壁の洋館が見えます。
大正12(1924)年に建てられた純和風の建物に加え、
昭和12(1937)年に建てられたスペイン風の洋館があります。
ともに登録有形文化財に指定されており、
その他に尾崎一雄邸の書斎もあります。

文学館見取り図
文学館配布資料より見取り図を作成しました。
建物や記念碑などに番号を振りましたので、
順を追って説明します。

小田原文学館の本館
①文学館本館
この洋館は小田原文学館本館として、
文学者の資料が展示がされています。

観覧料は以下の通りです。
大人 250円(20名以上の団体の場合は180円)
小・中学生 100円(20名以上の団体の場合は70円)
白秋童謡館、尾崎邸書斎も合わせて見学できます。
尚、敷地内は公園として公開されており、庭園のみの入場は無料です。

1階は小田原出身の文学者たちの展示です。
第一展示室には北村透谷、尾崎一雄、川崎長太郎らの作品の展示に加え、
北村透谷にちなんだ島崎藤村の資料も展示されています。

第二展示室には福田正夫、井上康文、牧野信一、
薮田義雄、北原武夫、辻村伊助、鈴木貫介、藤田湘子らの作品が展示されています。

第一展示室は食堂として使われたお部屋とのこと。
田中伯爵は美しいお庭を眺めながら食事を取ってました。

2階は小田原に惹かれて移住した文学者たちの展示になります
2階は小田原に惹かれて移住した文学者たちの展示になります。

第三展示室には北条秀司、谷崎潤一郎、佐藤春夫、
村井弦斉、斉藤緑雨、小杉天外らに加え、
惜しまれつも平成22年末に亡くなったアニメ脚本家、
首藤剛志の作品も展示されています。

第四展示室は西海子通りに居住した作家です。
三好達治、坂口安吾、岸田国士、大木敦夫、長谷川如是閑、
川田順、辻潤、加藤一夫らの作品が展示されています。

又、2階の休憩室には、
山下清画伯が描いた在りし日の小田原城の絵画が展示されています。

3階の展示はありません
3階の展示はありませんが、
休憩室には明治大正の小田原の風景写真が飾られています。
又、ベランダからの眺めはなかなかのものです。

透谷碑
②北村透谷碑
建立から紆余曲折してこの文学館に落ち着いた透谷碑は、
昭和4(1929)年に小峰の大久保神社境内に建立されました。
当初は透谷の生家に建立する予定でしたが不浄の死に方をしたことや、
作品に危険性があるとしてなかなか許可が下りなかったそうです。

透谷碑説明板
透谷の友人であり尊敬をしていた島崎藤村は、
長文の答申書を当局に提出しやっとの思いで許可が下りました。
様々な理由で除幕式が行われたのは建立から4年後の昭和8年。
参列者も身内と関係者数人という寂しいものでした。

藤村の筆によるものです。
『北村透谷に献ず』と刻まれてます。これは藤村の筆によるもの。
断崖造りのデザインは福田正夫の義兄の牧雅夫によるものです。
昭和29(1954)年に小田原城馬屋曲輪に移されますが、
この移転には兼ねてから異論があり、
平成22(2010)年末、馬屋曲輪整備に伴い文学館に移されました。

北条秀司碑
③北条秀司碑
『王将』、『文楽』で知られる劇作家北条秀司碑です。
旧宅が近くにあったことから建立されました。
『まだ尽きず 八十六の作家の業』と刻まれています。

本名は飯野秀二、ペンネームの『北条秀司』は、
師匠の岡本綺堂に小田原にちなんで付けられました

中庭
④中庭
五葉松、楓や桜、そして西洋芝と美しいお庭です。
お散歩に尋ねるご近所さんも多いとの事、
敷地内の入場は公園として無料で開放されています。

毎月何かしらの花が咲くのが自慢です。
撮影日にはまだ橙の実が残っていました。
この庭園は毎月何かしらの花が咲くのが自慢です。

池の跡
おそらく池だと思います。

洋館のテラスからお庭を眺めます
洋館のテラスからお庭を眺めます。
晴れた日にはこのテラスでお弁当を食べてみたいですね。

灯篭
⑤灯篭
この灯篭に関しては資料が無いのですが、
田中別邸時代のものと思います。

灯篭
⑥露地行燈
収蔵庫の近くにありました。
この露地行燈も資料がありません。

白秋童謡館への入口
この灯篭は白秋童謡館への入口近くにあります。
綺麗に整備されていますね。

尾崎一雄邸書斎
⑦尾崎一雄邸書斎
小田原下曽我にあった尾崎一雄邸の書斎を移築したものです。

調度品類も尾崎家より寄贈されたものです。
可能な限り元の部材を利用しており、
調度品類も尾崎家より寄贈されたものです。
書籍類はもちろんの事、尾崎が漬けたという梅干までありました。

北原白秋 赤い鳥小鳥童謡碑
⑧北原白秋 赤い鳥小鳥童謡碑
白秋の住まいがあった城山伝肇寺にある碑と同じものです。
代表的な『赤い鳥小鳥』の詞が白秋の自筆で刻まれています。

白秋童謡館
⑨白秋童謡館
田中光顕別邸として大正12(1924)年に建てられた純和風の建物は、
藤棚で覆われた贅沢な外観、天守閣や武家屋敷を模して造られました。

白秋童謡館
現在は白秋童謡館として北原白秋に関する資料の展示がされています。
1階の西側8畳には白秋の童謡9曲が楽しめるビデオがあります。

白秋童謡館
その他、木菟の家の1/10の模型や童謡集、童謡の原稿、
『キラキラ星』をはじめ白秋が日本語に訳したマザー・グースの作品が展示されています。
2階ではビデオ『童謡のふるさとおだわら-白秋が愛したまち』を鑑賞できます。

白秋童謡館の前に広がる中庭はとても美しいです
⑩白秋童謡館の中庭
白秋童謡館の前に広がる中庭はとても美しいです。

池の鯉も元気に泳いでいます
池の鯉も元気に泳いでいます。

薮田湘子碑
⑪薮田湘子碑
小田原出身の俳人としての業績を記念して平成17(2005)年に建立されました。
代表作として『愛されずして沖遠く泳ぐなり』の句が刻まれています。

庭園の裏の門です
⑫裏門
庭園の裏門です。

白秋童謡館へと小道が続きます
白秋童謡館へと小道が続きます。

是非小田原文学館まで足をお運びください
『海良し山良し天気良し』斉藤緑雨は小田原をこう評しました。
文学館近くの西海子通りには多くの文学者が移り住むなど、
文明開化と共にたくさんの文学者が活動の場を小田原に求めました。

是非小田原文学館まで足をお運びください。
文学者たちが好んだ町として小田原を再発見できるでしょう。

お問い合わせは小田原文学館まで 0465-49-7800
休み 年末年始(12月28日~1月3日)
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)


引用・参考文献

田中美代子 2001 小田原文学散歩 小田原の文学に光と風を送る会
平井太郎 2011 小田原まちあるき指南帖4庭園めぐりの巻 小田原まちづくり応援団
小田原文学館配布資料及びスタッフ皆さんの解説


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