西やん画論

              第3章 すべては近似値である


(その1) 「ドレミも近似値!」

絵の話のワクを飛び出してしまいますが音楽でも同じようなことがあります。音楽は絵に比べると理論的に

きっちりしているように見えますが結構いいかげんです。だれでも知ってるドレミファソラシドが実は1種類で

はなく何種類かあり、代表的なものが「純正調音階」と「ピタゴラス音階」と「平均律音階」の3つです。ピアノ

やギタ
ーは「平均律音階」になっています。バイオリンや管楽器は押さえ方や吹きかたで微妙に音の高さを変えら

れます。ドを同じ高さにしたときレは「平均律音階」のレよりも「純正調音階」と「ピタゴラス音階」のレの方が

わずか高くなります。ミは「平均律音階」のミよりも「純正調音階」のミの方が低く「ピタゴラス音階」のミの方

が高くなります。ファとソはほとんど同じですがラとシはちがいます。和音が美しく響くのは純正律だそうです。

(くわしくは岩波新書「音楽の基礎」芥川也寸志78ページ)つまりドレミファソラシドは誤差を含んでいるので

す。今の多くの音楽には転調が含まれるために和音のあまり美しくない「平均律音階」のドレミファソラシドを

使うわざるを得ません。やむを得ない妥協です。近似値でガマンしているわけです。また世界には普通のド

レミファソラシドとはちがう音階の音楽もあり、和音のない音楽もあります。日本の仏教の声明を音楽の一

種だという人もいます。実はドレミファソラシドは西洋の近代の音階で、各地の民謡などはファとシのないド

レミソラという5つの音だけの音階など多種多様です。もうドレミファソラシドを崇拝するのはやめましょう。

                                                  2005.10.19