小文集(序文集) ’1986
86.5.2 空 間
よい絵には心地よい空間が感じられます。者を描いていながら、物と物、あるいは物を
見る人(描く人)の間の空間が描かれています。現実の生活にもそれは通じそうです。
今の子供の生活には空間が少ないです。空き時間もないし空地もなくてかわいそうです。
大人もそうです。空間を作るには空間を大切にする意識と努力がいります。会話にも空間
が必要です。
86.6.2 幻の季節
春かな?と思っていたら春は終わっていて初夏でした。四季と言いますが春と秋は短い
のですね。春らしい日が1週間続くことはないわけで、そういう意味では春という季節は
心の中につくられた幻想の季節かもしれません。でもこれから来る夏は幻想ではない実体
のある季節です。その前の梅雨も・・・。
86.8.1 スピーカー
楽器を教えていてこんなことを言うのは変ですが、静けさこそ最高の音楽ではないかと
思うのです。静けさの中で自分の心にわきでてくるリズム、流れ出てくるメロディー。モ
ーツァルトのシンフォニーもマイルスのソロもそういうものだと思います。だけど静けさ
って怖いものですね。
86.9.1 今年の夏、さようなら
ツクツクボウシが鳴くようになり、朝晩が涼しくなり、市営プールが閉じられ、梨が出始め
、学校から運動会練習の放送が聞こえはじめる・・・。4年前のこんな季節にビレッジ教室は
オープンしました。この9月で5年めに入ります。早いものです。公務員(教員)をやめて多
くの方にご心配をかけましたが、おかげさまで少しづつ生徒さんも増えてきました。うれしい
ことにご年配の方の入会が増え、「この年になってギターが弾けるとは思わなかった」「私に
こんな絵が描けるようになるとは思わなかった」という声をこの耳で聞くと本当にいい仕事を
見つけたと思います。これからも地域の寺子屋として親しまれるようにがんばって参ります。
86.10.1 HARVEST
花屋さんの店頭がまた、にぎやかになってきました。半袖か長袖か、朝迷います。田んぼが
日を追って美しくなります。冬のうす茶色から土を起こして茶色に、水が入って黒くなり苗が
伸びて黄緑色に、それから黄色、そして黄金色に・・・色彩のドラマです。そんな自然に刺激
されてか、人間の方もあちこちで展覧会、コンサート、運動会、文化祭・・・と実りの秋を迎
えました。人の演奏を聴くこと、人の絵を鑑賞することも必要です。練習さえしていれば上達
するというものでもありません。コンサートや展覧会に足を運びましょう。
86.11.1 春秋雑感
春と秋というのはあるようなないような季節、と以前この欄で書きましたが、今年は特に秋
が短いように感じています。たしかこの間まで暑いという言葉を使っていたのに今、寒いです
ねぇと言っているのがなんだか不思議です。穫り入れがすんで積み藁ぼっちが並んだ晩秋の田
んぼは郷愁の色です。日曜日にときどき子供と田園ハイキングをします。
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