その22

シリンダーヘッド組みあげ

やんごとなき理由につき、きれいにしてる暇なく組み付けに。

(H20.10/2)10/6更新

 

急遽、シリンダーヘッドが必要になりました・・・。

 

シリンダーヘッド・イジリ壊しのため。

急遽組み上げて働いてもらうことに。

エンジンの部品達を分解し、いそいそ磨いて・・・組み上げようという計画はワタシの不注意(とは思いたくないが)のため、急遽断念せざるを得なくなりました(泣き)。

ただし〜。楽しみでもある初めての作業。

バルブすりあわせとシリンダーヘッドくみ上げです。

取りいだしたるは解体エンジンに使われていたシリンダーヘッドです。これは左肺の方ですね。左エキマニのスタッドは前オーナー時代に折れて、代わりにボルトが打たれていた代物です。バルブスプリングもECAS Green-spring になっております。あと、特徴的なのはバルブシートの再カットがなされているようだということ。まずはスタッドボルトのとり外しです。プライヤーでホイ。

スタッドボルトは大変折れやすい(泣き)。こちらのシリンダーヘッド、もう一つのスタッドのネジ山が心配です。日本の規格の10mmのボルトが打たれていたんです。新しいスタッドをねじ込んでみたら、ナントカ使えそうです。ヨカッタ。

こちらは右シリンダーヘッドです。室内でプライヤー攻撃も玉砕。おもてでバーナーあぶり出し作戦に致します。

エンジンなどの解体屋さんでは、バーナーなどといわず、アセチレンガスで真っ赤っかに焼いてネジをゆるめます。簡単に緩む。ただし、これは熱が加わってもよいところ、しかも、そのネジ、ボルトなど再利用しない、という鉄則があると聞きます。ウチでも新調するので、あぶっちゃいます。

プライヤーでも抜けず、ダブルナットでチャレンジしたら、やはり一本折れました。無事に抜けてヨカッタ。
さて、いよいよバルブの摺り合わせ作業です。用意するのは「タコ棒」「バルブグラインディングペースト」「光明丹」です。おなじみ。タコ棒にバルブを付けまして、バルブステムにオイルを塗った上でカンカンスリスリです。
こんな風(撮影のため左手でタコ棒を持っています)。打ち付けるとグラインディングペーストの粒子が細かくなるのだそうです。最初はスリスリ、のちカンカン、またまたスリスリ。音が甲高くなってきます。
これは途中経過。バルブのシートとの当たり面がきれいになってきました。しかし、バルブに黒い斑点のようなものが・・・。これでもだいぶ小さくなったところです。あまり摺り合わせるとバルブシートとの接合面が広くなりすぎてNG。ほどほどにします。
あたりを確認するためにバルブの肩に光明丹を付け、そっと、そしてじわ〜っと押しつけ、外す。光明端がきれいに一周しています。これでオッケー。続けてエキゾーストバルブ、そして逆側のバルブすりあわせを行います。
いや〜、バルブすりあわせは椅子に座ってやりたいですね。あぐらかいてやっていたら腰が痛い(笑い)。無事にすべて終わりましたよ。
新しいスタッドボルトをダブルナットでねじ込み。さて、これからは室外に持ち出します。燃焼室の気密性のチェックは灯油を用いますので、室内は危険。パーツクリーナーでバルブガイドまわり、シートまわりをしっかりと洗浄します。グラインディングペーストはエンジン内には入れないようにしないと。オイルと共に回ってクランクシャフトベアリングなんてスリスリしたらお釈迦ですから。
まずはバルブステムシール(後述)は取り付けず、バルブスプリンコンプレッサーでコレットまでを装着。すべてのバルブで行います。
さ、お外での作業。右手に持ったステンレス容器に灯油を入れて、シリンダーヘッドは水平に。そして灯油を燃焼室に入れていきましょう。
バルブの汚さが気になる・・・これで灯油は満たされています。
インマニ側の画像です。灯油は滲んでもきません。成功です。エキマニも問題なし。左右とも一発合格となりました。
さ、室内に戻ってシリンダーヘッドの部品を組み付けましょう。最初はバルブステムシール。これは右が販売品。左は筒状のスプリングを外したところです。このスプリングでバルブガイドをしっかりと固定。○バネのリングスプリングでバルブステムからのオイルの流れを止めています。これが緩むとオイル下がり。
装着は指でねじ込むなどするとシールを傷めてしまうので、古いシールを径の小さい側からはめ込んで、バルブステムをガイドにしながら一気に押し込みます。これでシールを傷つけず、はめることが出来ました。画像は古いシールが乗っかっている状態。もちろん古いシールは外すのですよ。そして筒状のスプリングをはめ込んで終わり。

この後は画像がないのですが、バルブを差し込み、バルブスプリングをあてがってバルブスプリングコンプレッサーを用いてスプリングを締めていきます。バルブエンドにある溝にコレットをはめ込み(マグネットなどを用いると容易)、バルブスプリングコンプレッサーをゆるめて、プラハンでコンコンと馴染ませます。

作業はHaynesの37,38頁、How to〜の47ページ(602ccの物ではない)をご参考に。

さて、ロッカーアームを組み付けた状態です。
ロッカーアーム関連の部品構成は簡単なお絵かきをしておいたのが助かりました。

あとは組付です。緊急作業ですので、汚れ落としもほどほど。残念。

 

問題となった(イジリ壊した)シリンダーヘッドは右、しかし、スタッド折れは左とこまった状態です。この解体エンジンのシリンダーヘッドがあったから無事に乗り切れそうです。

次に続く

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