ねえマスター、シール交換してあげてよ?の巻。

人様のトラブル引き受けて・・・・オチ有り。

(H20.7/29)7/29更新

 

今回はシビアなミッションです。

エピソード137です。

赤2CVは元気ですることなし。

↑ここまでは一緒なのだが。

実は〜、ご近所のブルースペシアルにお乗りのNさんのクルマで起こった出来事・・・

前回、遊びに行ったとき、車検が切れているのが発覚し、いつもの整備工場に出すことになったのです。ま、タイヤも減ってるし、マフラーもそろそろね・・・あとあちこちいじる部分がありそうだ。

 

と、ところが!

車検が終わって、二駅先の工場から奥さんが引き取り、帰る間際の大磯駅付近・・・・

フロントブレーキ固着でスタック。

 

内容は不明なのだが、工場からの依頼は「マスターシリンダが駄目だから部品とってくれ」とのこと。

で、私に電話が。

フムフム、なにやらおかしい感じ。ブレーキ固着ならマスターシリンダに行く前にキャリパーシールからチェックするよね。その工場はもともとNさんの2CVを見ていて、このクルマは2代目なんですよ。

ま、追求ご当人におまかせして・・・。

部品はフロント、リアのシールキット、そしてマスターシリンダ新品を手配しました。

すぐに到着して、作業は終わったらしい・・・

で、Nさんが古いマスターシリンダーを私のところへもってきてくれました。マスターシリンダーのシールキットも頼んでおいたのね。こいつを交換して、私は勉強。Nさんはパーツストック、という算段。

ただ、工場から戻った固着した方のマスターシリンダーの箱の中・・・

フロントもリアもシール交換していません!!

この件はご当人同士で解決すべし!!とお伝えし、マスターシリンダのみ預かったというわけ。

新品についていた蓋をはめてありました。これから勉強もかねてマスターシリンダ分解とシール交換です。
これは前方のサーキットのタンク下の部分(インレットポート)。後期の2CV(LHM)ではツインサーキットのマスターシリンダーが標準です。前方側はリアブレーキのサーキットです。
こちらが後方、つまりブレーキペダル側のサーキットです。周囲が錆びていますね〜。いずれにもロールピンが仕込まれています。こいつを抜かなければピストンが出てきません。

で、おもむろにドリルでこじる・・・!!(ひどいと思うなかれ)。haynes,How toのいずれにも、3mmドリルでロールピンに食いつかせて抜きなさい、と書いてあるので。

ほれ、抜けた。同じようにもう一つも抜いてしまいます。これで簡単にピストンは出てくるはずさ・・・・・、なわけないのであった・・・・。どちらかというと固着なんですから・・・。
ピストンの後ろにスロットがあります。このスロットはペダル側からのプッシュピンがはまるために必ず上下に来るようにしなければなりません(実はさっきのロールピンが入っているときはその様になるのであった)。で、ピンを抜いちゃったので、ラジオペンチの先で開きながら回してみたら、少しだけ出てきました・・・。
こんな風ね・・・。でもここからは手前に出てこないなあ・・・。
アウトレットパイプの基部に入っているシールを先に抜きましょう。木ネジで簡単に。左が新品。右がこれまで入っていた品です。硬いです・・・・。長さも違うのね。

で、ピストンは?

抜けないでしょう・・・・。ひいても駄目なら押してみな〜、と一度押し込むことにしました。

ドライバーの柄を当てて、

ぎゃあ!!ブシュッとオイルを吹きだした〜。

ステンレスのバッド上で正解・・・。

そして、ピストンが出てきましたよ〜。シールが硬いな・・・・。

で、ステンのバットにこぼれでたLHM・・・・・のはずだが、

やはり何か違う物性のものが入っています。分離しとる・・・。

LHMの下にあるから比重の重い、そして極性の異なる物質です。

これがマスターシリンダ固着の原因なのでしょうか?詳細は闇の中だな〜。

水のような感じもするな・・・・。DOT4とか他のシリコン系のオイルとLHMの物性が不明です(どなたかご教授くだされ)。でも、ここに残っているということなら、リザーバータンクに入れちゃって、比重が重くてマスターシリンダーに入り込むことは容易に想像が出来ます。

で、前方のピストンが・・・・

まったくどうしようもありません。

困ったときの「ガレージ奥」さま。エアー吹いて抜いちゃいましょう。お出かけ20秒で到着。

ほれ抜けた!

前側、リアブレーキのピストンです。ピストンが二つとそれぞれのピストンの前方にスプリングが入っていました。前方には黒いスプリング、後方にはシルバーのスプリングが。これが重要。バネレートが違うかもしれないので、覚えておきましょう。

これがマスターシリンダーの中に入っているピストンです。上の画像が前方の、しして左の画像が後方のピストンです。長さが違う。それぞれのピストン尖端にメッシュの板が張ってありますが、このピストンの切りカキの裏側に「ピストンが戻ったとき、ロールピンにあたってピストン内から内圧の高いオイルをリザーバータンク側に戻す機能」がついています。これでプッシュするたびに圧を高め、そしてブレーキペダルを離すとオイルが戻る仕組み。なるほどね。この部品が我々の命を守っているのね・・・・・。

構造が理解できました!!勉強になった。

というわけで、交換用のシール、向きを間違えないようにセットして組み付けです。(LHMオイルをお皿にとって、シール、ピストン、その他の部品をつけ込んで。もちろんピストンも。)

ちなみにリアのサーキットのシールの一枚(古い方)が容易にぶち切れました!!!

「効かなくなるのではなく、効きっぱなしでスタックでヨカッタ」

さて、ピストンのシールは無事交換(力がいりますが、交換用シールはよく伸び、そして復元性もばっちりでよかった)。この写真は前方のロールピン部分。

これが後方、フロント側のロールピンです。もちろん交換キットに新品が入っているのでそちらを。ロールピンが空洞なのは訳ありますよね?だって、オイルの戻り道をかねているから・・・。で、上の写真と、左の写真、ピンの入りが違いますね。上の写真が正解。左のは完全に打ちこむ前です。シリンダーの下面にロールピンがおさまる穴が開いているので、そこまで確実に打ちこむこと。

 

いや〜、できた〜!

さ、Nさんに届けましょう・・・

あれ?オレ、整備士じゃないよな!!

この作業工程は完全なる自己責任の範疇ですね・・・。

これをお返しして、Nさんが万一ブレーキトラブルになったら駄目ですね。

ウチで使うしか道はないな・・・・。

当然のことですが・・・

あくまでも自己責任でやるべきです。人様のブレーキに手を出すな〜

出しそうになったオレがなにいっとるの・・・・(反省)。

 

オドメータ92159kmでした。

次に続く

やらなきゃいけないことリストっ。

次回オイル交換は91,000kmあたりです。エアフィルター掃除は100,000kmぐらいかな。次回ドライブシャフトグリスアップは95,000kmぐらいかな?次回キングピングリスアップは95,000kmぐらいかな。ミッションオイル交換は100,000kmあたりです。ファンベルト交換は次回の車検前です。エンジンマウント交換は120,000kmぐらいかな?つきることが・・な・・い(笑い)

やりたいことリストっ。

シート調整、さび対策、定期的なフッ素コートフェンダーキャッチラバー交換、リアデフォッガー(ファン式)&ユニット製作、・・こんなにあるの?(笑い) 、ロールスクリーンの遮光アミ取り付け、オイル漏れ探索の旅・・・「左フロントキングピンキャップ締め直し」エンジンミッション降ろしたら、ステアリングラックのあちこち部品交換もやりたい事に。雨漏り補修窓のスキマにウレタンを貼りたいクラッチ交換、排気温センサを捜してつけたい、エキパイの全周クランプが欲しい、

エンジン欲しいのです・・・。分解・勉強・組み上げ・再搭載(笑い)買っちゃいました!

やっちゃったことリストっ。

ETC装着幌交換内装張り替え、バックランプ交換ハイマウントストップランプ間欠ワイパーフロントベンチレーションシャッターパッキン交換ハイマウントストップランプベース作成排気漏れ対策ミラー調整、レギュレーター交換&移設オイル交換ルームランプ掃除、ウインカーレンズ修理! 仮免許練習中プレート(前後)作成、「すだれトップならぬ2CVなのにアミ仕様」加工、キングピン交換(左。69382km時)、センダーユニット結線絶縁修理。グリスアップ、ジャッキアップ用「かませ」づくり、バタンコ騒音修理?。アンテナ調整、ハイマウントストップランプ球交換。ステアリングラックグリスアップ。中間ジョイントグリスアップ、ガスリタンバックホースのフロントアーム干渉の解消。定期的なフッ素コート(6月)、トランクパネル中古探し。前ナンバープレート位置調整、ショックを改造・ふわふわに。ハンドブレーキ調整、ブレーキラインのエア抜き(プロにおまかせ)、シフターダストブーツ交換&プラグ交換、ラジオ交換、助手席サンバイザー取り付け、右キングピン交換、ボールピン分解と組み立て、アジャスタスクリュー調整、トランクパネル塗装&交換。バルブカバー交換&プッシュロッドチューブダブルジョイントシール交換(右肺)、ドライブシャフトグリスアップ、ウインカーリレー交換、レギュレーターベース取り付け。ユーザー車検。ミッションオイル交換。キャブコンバート、オルタベルト交換、オイルクーラー掃除、エンジン&ミッションマウント交換、ダクト交換、タペットクリアランス調整。隙間ウレタン貼り付け、タコメーター取り付け。クラッチ交換、ドライブシャフトブーツ(アウター)交換、ドライブシャフトブーツインナー交換、中間交換、ウインカーインジケーター球交換、スペアミッション準備(磨きもね)、ウインカリレーふたたび交換。ギアボックス交換、ドライブシャフト交換。ステアリングラックの手入れ。ブレーキパッド交換、ディスク交換後元に戻す(笑い)。ギアオイル交換。ドアのバンド交換、エアクリーナー洗浄、トップのフッ素加工。フロントタイヤをナンカン135R15に。ヘッドランプスイッチユニット壊れて交換。人様のブレーキマスタシリンダ分解&シール交換。

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