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                 「あなたもノーベル賞がもらえる」
                                                               TOSS湘南 鈴木隆夫

 2002年10月、小柴昌俊さん、田中耕一さんの二人がノーベル賞を受賞した。同じ年に二人受賞したのは日本では初めてだ。また、白川秀樹さん、野依良治さんに続き三年連続の受賞ともなった。このことは日本の創造性も捨てたものではないことを証明した。日本は小さい国で天然資源も少ない。21世紀は創造性・独創性がますます重要となる。子どもたちに日本の未来、自分の未来に希望を持ってほしいと考えこの授業を考えた。

                                              (ス)…パワーポイントで作成したスライド

指示1クイズです。なんのことか分かった人は手を挙げて下ろしてください。分かっても声に出して言わないように。

(ス1)@「基礎と応用」→A「大学と企業」→B「物理と化学」→C「76歳と43歳」→D「一度に二つ」→E「3年連続」
   →F「12人」→G「○○○○賞」

指示2 何のことか分かった人みんなで言ってもらいます。さんはい。

『ノーベル賞を受賞した日本人。』
※ノーベル賞のことをしらない知らない場合は説明する。
「答えはノーベル賞です。昨年の10月にテレビや新聞でさかんに伝えられていましたね。ノーベル賞とは人類のためにすばらしい発見や発明をした人がもらえる世界的な賞のことです。およそ100年前にスウェーデンのアルフレッド・ノーベルという人が考えました。」

発問1 正解です。昨年ノーベル賞を受賞した日本人のことを言っています。昨年二人の日本人が続けてノーベル賞を受賞しました。一人目は誰ですか。

※指名する。
『小柴さんです。』

発問2 よく知ってるね。二人目は誰ですか。

※指名する。
『田中さんです。』

説明1 そうですね。それでは授賞式の様子を映したビデオを少しだけ見てみましょう。授賞式はこの賞を考えたアルフレッド・ノーベルが生まれたスウェーデンのストックホルムというところで毎年開かれています。

※ビデオを20秒ほど放映する。(資料…『NHK新春スペシャルトーク「未踏の“知”をめざせ」』より)

説明2 どんな感じがしましたか。とても晴れやかで素晴らしい舞台ですね。みなさんもこんな舞台に立ってみたいと思いませんか。
発問3 将来このノーベル賞をもらえるかもしれないと思う人、いますか。手を挙げてください。

※手を挙げる子は少ないであろう。

説明3 いやわかりませんよ。みなさんの中からノーベル賞をもらう人が将来でるかもしれません。それでは、この二人はどうしてノーベル賞がもらえたかをいくつかのエピソードから考えてみましょう。


(ス2)小柴さんと田中さんの画像を映し出す。

指示3 これから二人のエピソードをのせたプリントを配ります。空いているところにどんな言葉が入るか考え、書き込んでいきましょう。

※プリントを配る。
※プリントの順にどんなことばが入るか書き込ませる。
※「物理学はいかにして創られたか」アインシュタイン著(岩波新書)を見せる
(ス3)プリントの答えを写す。
(ス4)4つのキーワードを順に映し出しながら以下のことを説明していく。

説明4 先生はノーベル賞をもらうために必要なことを4つのキーワードにまとめてみました。一つは「きっかけ・出会い」です。小柴さんは中学の先生からもらった本を読んだことが物理をめざすきっかけになりました。田中さんは小学生の頃、担任の澤柿先生に見せてもらったおもしろい実験で化学に興味を持つようになりました。どんな実験だったか見てみましょう(ビデオ)。
人との出会、そしてきっかけが大切なのですね。「よき出会いを」です。

※ビデオを見せる。(資料…『NHK新春スペシャルトーク「未踏の“知”をめざせ」』より)

説明5 二つ目は「失敗」ということです。田中さんは実験中失敗を大きな発見につなげました。一昨年に受賞した野依良治さん、その前に受賞した白川英樹さんもある失敗がノーベル賞をもらうような発見につながりました。まさに失敗や間違いを通して学問は成長するのですね。「失敗は成功のもと」、「教室は間違える所」なのです。
説明6 三つ目は「なんでだろう?」と思うことです。今「なんでだろう」という歌が流行っていますね。目の前にあることを当たり前と思うのではなく、“なぜかな”と思ってみることが大切です。常識にとらわれないということですね。
説明7 四つ目は自分の夢をもつことです。「思いは実現する」といいます。思わないことはかないません。自分の夢を持ち、それが実現することを強く強く思うのです。
説明8 最後は「オンリーワン」ということです。小柴さんや田中さんなどに共通していることは自分の考えや思いを大切にjしていたということが言えそうです。ナンバーワンをめざしていたのではなく自分が興味を持ったことをとことん追求していったのです。
発問4 最後に、小柴さんや田中さんはノーベル賞をもらうために努力したのでしょうか。
指示4 賞をもらうために努力したと思う人。いや、違うと思う人。
説明9 二人は賞をもらうために努力したのではありません。二人とも自分の思いや考えを大切にしながら努力した結果、ノーベル賞に巡り会えたのです。みなさんも、将来ノーベル賞をもらえるかもしれません。進級おめでとう!!
指示5 今日の授業の感想を書いてください。


<参考ホームページ>
 「いい人田中耕一さん」 http://www.wtbw.net/news/tanaka/tanaka.html
 「[SHIMAZU]田中耕一ノーベル賞受賞関連情報」
                http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/nobel/index.html
 「NIKKEI:特集」 http://www.nikkei.co.jp/topic3/photoelc/photo11.html
 「ノーベル賞の100年」 http://www.cir.tohoku.ac.jp/j/forum/20/0101.htm
 「今週のわからん」 http://www.nhk.or.jp/kdns/_wakaran/02/1012.html
 「小柴・田中氏にノーベル賞」 http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2002/nobel/gallery/

<参考図書>
「ノーベル賞の百年 創造性の素顔」(ユニバーサル・アカデミー・プレス)
「私の歩んだ道 ノーベル化学賞の発想」白川秀樹(朝日選書)
「オンリーワンに生きる 野依良治教授・ノーベル賞への道」
                        読売新聞中部社会部(中央公論社)
「ニュートン2003年1月号」

<参考資料>
「朝日新聞2002年10月9日版」
「朝日新聞2002年10月10日版」