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学力が定着する社会ノート
                                          TOSS湘南 鈴木隆夫

ノートにはさまざまな使い方がある。
 今日は社会科の授業で扱うノート指導のある典型について述べる。
主に有田和正先生の実践の紹介である。
社会科のノート指導でどんなことを心がけたらよいであろうか。

1.社会科ノートでやってはいけないこと
@丸写しをさせている。
A自分の考えを書かせていない。
  B教師のコメントがない(毎時間とはいわないが)。

2.何のためにノートするのか
@子どもの理解を確かにさせる。
A子どもの思考を深化拡充させる。
B子どもの書く能力を伸ばす。

3.ノートに書かせること(見開き2ページ)
<導入時>
@日付
A単元名(題材名)…省略することあり
B学習問題
<展開時>
C予想
D追求(調べた内容)
E新しく発生した問題
 <まとめ時>
F本時で学習した内容の整理
G本時の学習に対する自分の考え(感想・疑問・反論など)…学習感想

4.一番大事なことは
@子どもが考えたくなるような楽しい授業をすることである。
 子どもの考えが生まれないようではノートは活用されない。
 楽しい授業であれば子どもは自然と考え、その考えがノートに書けるようになる。
   逆に考えが出てこないようなつまらない授業ではノートの必要性がなくなる。
Aそのためにも討論が生まれるような授業を仕組む。
子どもの意見が分かれるような授業展開を工夫する。

5.ノート指導のポイント
@どんな使いかたをしてもよい。 …個性的なノート
つぶやきを書かせる
A板書の丸写しをさせない。 …どうしても書かせたいこと以外は
Bきたなく速く書かせる。 …「鉛筆の先から煙が出るくらいの速さで」
Cノートに思考の足跡を書かせる。…日付は必ず
Dノートを書く時間を確保する。 …学習感想は最後の5分間で
Eノートを点検する。 …時間内に 
                   じっくり見たいときは集めて
参考になるものはコピーしておく
Fほめたり示唆したりする。 …よいところを見つけてほめる
誤字・脱字などの指導はしない
G次時の課題作りに活かす。 …学習の連続性
次の時間までの追求
・「はてな?帳」

『こうして学習ノートに刻まれた朱筆の文字は、教師の肉声以上に子どもの心の奥 深く伝わっていくに違いない。やがてそれは単なる知的なものの交流だけではなく、 教師と子どもの「心の交流」を開き、相互の信頼関係を創り上げていくことになる。 それは、いわゆる学級で一斉に行われる授業に比べて、いっそう精緻で個別的かつ個 性的な「もうひとつの授業」の場であるといえよう。』
                    (『「学習ノート」のつくり方活かし方』より)


<参考文献>
『ノート指導の技術』(明治図書) 有田和正著 
『「学習ノート」のつくり方活かし方』(東洋館出版) 小林宏己著
『ノート指導と板書』(国土社) 岩浅農也・横須賀薫編
『有田式指導案と授業のネタ8』(明治図書) 有田和正著
 『向山洋一実物資料集第7巻授業編』(明治図書) 向山洋一著

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