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『夏コミに行ってきたぞ!』の巻

作成:1996-12-上旬
実施:1996-08-04
修正:2001-09-08
作成者:たまねぎ須永

『お詫び』

 8月4日に行なわれたコミックマーケットのレポートを主目的としたこの記事であるが、この記事を執筆しているのは12月上旬のことである。これは、この記事を書く余裕がなかったため(理由としては、ここでの本紹介と関連頁とのリンク構成を考えていたところ、関連頁を作るどころか、TRPG頁の目次部屋の製作もなかなか順調にいかなかったことがあげられる)である。
 簡単にいえば、レポートの部屋として構想していたのだが、購入作品リストと、その短評・感想だけの部屋となってしまったことをお詫びしたいのである。早いうちに「RPG関係同人出版物の部屋」(仮称)を改築したいものである。冬コミレポートのほうは、どうにか今年度中にお届けできれば幸いである。

『購入物品と短評・感想』

 「題名」(著者)、発行団体、発行日、短評・感想の順でリストをつくらせていただく。いずれは、どうにかそれぞれの作品紹介の部屋でも作りたいとは思っている。

「MTGエキスパンションシール・魔法騎士レイアーズエディション」
 B.C.C
 絵(かねことしあき氏、白亥志郎氏担当)の質は悪くない。カードゲームにおいては絵の質がものをいうことが多いのだから当然か。カードの種類は少なく、またそれぞれのカードはアクが強く実際のデュエルでは使いこなすのがなんともいえない。
「GURPS UNISSIAN Annex03」
 ゆにし庵
 1996年8月4日
 雑誌形式で「GURPS UNSSIAN」のサポートをするための本。ルールブック第4版の不備点や改良ルールを掲載している。これを読んで、GMをしやすくなったが、もう少し世界がよくわかるようなものが欲しい。シナリオの種となるものは多いのだが、世界に根づいたところがいまいちよくわからん。シリーズとしては期待できる。
「GURPS UNISSAN Senario Making Material Vol.1」
 奈落のゲームマスター
 1996年8月4日
 これはよく使えた。アドリブでセッションを進めることが多い私にとっては、この量のシナリオメモでなんとかセッションは行なえる。シナリオの舞台が設定されているのはいいのだが、1つしかない地方とたくさんシナリオのある地方があるのはちょっと困った。他の地方のシナリオを置き換えて使ったのでなんとかなったが。この本を読んだ結果、「テーマパークとして作られたイベントに予定外の分子が紛れ込んだ」というパターンが私には一番シナリオを作りやすいことがわかった。いい本だ。
「RPGふっく袋 ’96」
 Adventurer’s House
 9編くらいのシステムといくつかのシナリオと批評記事が載った本。実際にやってみようと思わせるシステムは少ないが、それだけに商業を考えた「RPG福袋」なんぞよりも使える。批評も雑誌で読めないような辛口のもので一読しておいてもいいだろう。なんて書いているけれど、わしは……、そんなこといえるほどの立場でないかな。
 付録としてついている「ランダムメーカー大全 書の5」は面白く、使えそうで使えないように見えるが、使えるのかもしれない。
「お誘いならギフトパーティーに」
 ひとあそかい
 1996年8月4日
 世界観理解のために有益な小説2編と漫画1編が掲載されている。いい雰囲気がかもし出されているので続編に期待したい。いや、ほんとに読みたい。タロット購入を無事果たしたならば、一回プレイしてみたいとは思っている。
●サイコホラーRPG「古き絆」体験版
美少女ファンタジー「お城と街とご令嬢」アクセサリー2「ジャコーレの初恋」
 ひとあそかい
 1995年12月30日
 「古き絆」のほうは、18禁のサイコスリラーRPGの紹介のためのリプレイを中心としたものになっている。あっしにプレイしきれるとは思えないが、システム発表が楽しみ。恐怖判定で失敗すると、プレイヤーに恐怖の引き起こされた状況を説明しないというのはいいアイディアと脱帽。
 「ジャコールの初恋」のほうは、コミック。一冊の中に同時掲載されているのが「古き絆」というのを不思議がらせるくらいの、ほのぼのさ。商業誌ではどうか、と思わせる絵柄であるが、最近この絵もいいと思い始めている。
「王都お嬢様物語」お城と街とご令嬢アクセサリー
 ひとあそかい
 1995年8月21日
〈「このGAMEってどんなストーリーができるの?」って方向け〉というだけあっていい内容になっている。下手な新作RPGに手を出すよりもこっちのほうがよっぽど楽しませてくれる。サポート体制も悪くないし、ま、商業的にはサポート続けるのが難しいというのはわからんでもないが。他のRPGのセッションにまわすことのできる資料集としてもなかなか。
「ADVANCED WIZARDRY追加アイテム集 防具」
 真夏の夜の夢
 1996年8月3日
 パワーアップキットを使用している私にとっては、パワーアップキットを併用することが危険であると説かれている本書は、どうしたもんだか。ウィザドリィ・シリ−ズは一回もコンピュータでプレイしたことがないのでなんともいえない。というわけで使っていない。
●「アドバンスト・ウィザードリィリプレイ第3話『城塞都市の流浪人』
 やんばる(山原久稲)
 1996年8月4日
 遊演体のマスターが発行するいいリプレイ。さすがプロだけあって、読ませる文章を書いている。あっしなんぞはまだまだ読ませる文章にはいたっていないのに。冬コミ当選したようなので、いろいろ買い込む予定の団体。5〜6レベルのパーティで、ルールブック推奨のプレイヤー一人につき、キャラクター二人の形で行なわれているようである。
「Advanced Wizardry II」
 悪魔商会&南瓜館
 1996年8月4日
 基本的にはチャート集なのだが、基本ルールブック、パワーアップキットの両方のデータとコンピュータ版の中から好きなデータをとことん煮詰めていったデータ集になっている。もう少し、コンパクトなチャーとになっていれば実用的だと思うのだが。だから使用していない。やんばる氏に頂いたチャートのほうがだんぜん使用しやすいのだ。コンパクトだし。
「ソードマスター14号」
 ゲームサークル『あすたりすく』
 1996年8月3日
 「ロールプレイング・ゲームへの攻撃」という翻訳記事を読みたくて購入した。決して表紙と裏表紙がウェディングピーチがらみだったから購入したわけではない。日本でもこのような濃い翻訳記事が掲載されるRPG商業誌がないことを考えると、まだまだ日本のRPG界も発展途上という気がする。ある程度、論争が起こるようにならねばその分野はまだまだ未成熟ということだ。「旅のおむかえ」(石岡正和)というコミックはなかなか好感が持てた。
「神社絵巻」汎用RPG副読本
 宇宙堂
 1994年12月30日
 神社の建物構造などの資料をただ張り付けただけの本。最低、どのような文献から引用したかを書いておかなければいけないのは当然だというのに。張り付けただけなので、旧字体がたくさん使用されていて、もう使う気がしない。こういう本をつくる場合は、図表を張り付けるとしても、説明・解説くらいは新たに書き下ろさなければいけないのではないか。
●汎用RPG副読本「祝詞 絵巻」巻の一・一 大成
 宇宙堂
 1995年12月28日
 祝詞をただ、紹介しているだけの本。訳や註をつけろ、とは言わないが、最低限どのようなときに使用された祝詞だかを列記していただければありがたかった。どこから引用されたものだかを列記することはいうまでもない。祝詞の基本的解説からやったほうがよかったのかもしれない。
●汎用RPG読本「祝詞絵巻」巻之二 東文寸部献横刀時呪
 宇宙堂
 1996年7月28日
 絵巻とはいっても、絵巻でないのは一・一と同じ。今回は一つの祝詞をとりあげて、口語訳と語註と解説がついている。口語訳はもう少し真面目にやってもらえないと実用性が低くて困る。
「RPG駄作劇場’96 COMPACT」
 駄作RPG普及委員会
 1996年8月4日
 5作の駄作RPGが収録されている。だが、駄作というわりには、なかなか目を剥くアイディアも内包していて、そのアイディアを突き詰めれば、「RPG福袋」などは及びもつかないものになるだろう。しかし、最近は新しいシステムに手を出さない生活をしていないせいかプレイはしないなぁ。
「ソードワールド RPG 分冊4 追加モンスター」(音乃、九尾)
 I・T・S
 1996年8月4日
 なかなかの良質のデータが掲載されているし、それぞれのモンスターにデータが掲載されているのも便利でいい。プレイヤーの知らないデータのモンスターというのは未知な恐怖を醸し出すことができるので好きだ。完全版に収録されないようなデータが載っている本は嬉しい。分冊4ということなので、他の分冊も売れ残っていたならば、購入してみたいものだ。こういうデータ本はGMしか買わないから商業レベルでは難しいなだろうなぁ。
「月刊 アレクラスト2」(月刊という字には×がおもいっきりかかっている)SOWDO WORLD BOOK 2−5
 騒動世界
 1996年1月
 「すちゃらか冒険隊」「バブリーズ」「サーラの冒険」関係のアンソロジーと、「すちゃらか冒険隊」の第10話が掲載されている。笑える本で、面白い。続きがあったら購入したいもんだ。SWのリプレイや小説を読んでいない人にはよくわからん本だろう。
「ネルブファイル」ねおん じぇねしす えばんちょりおん
 発行団体、発行日の書かれていない、やばい本。エヴァンゲリオンとかいう作品をおもいっきりパクったもので苦情もきたらしい。「番長学園」の本である。「番長学園」は何でもできるということなのだろう。寺田氏と藤井英俊氏が組むとこういう本ができるんだなぁ。
「番長道」巻之二
 さーくるG3
 小説型リプレイ本。絵がキレていて、さすが番長学園といった感じだ。絵に圧倒されていて、内容はあんまり覚えていない。
「『番長学園!』リプレイ 第1話」(ローランド)
 愛好推進振興普及後援会
 1996年8月4日
 絵もない、行間もないけれど、字が大きいので読みにくくはないという、私の好きな書式の本。番長だけあって、なかなか燃えるものがあってよきかな、良き哉。とりあえず、続編は出るのか?
「実録 番長学園! RPGリプレイ 第1話 強襲究食高校」(弁当)
 愛好推進振興普及後援会
 1996年8月4日
 ローランド氏のシナリオとクロスオーバーしている、これまた番長学園らしい作品。同じ事件を別のメンバーで別の視点から描いたものと私は解釈したが、なかなかいい。
●ロールプレイ資料集シリーズ1「冒険者ハンドブック」
 キャンパスプロジェクト
 1995年8月20日
 まず最初にあげられるのは、参考文献の提示がないこと。図板をどこから引き写したかはやはり書いておかねばなるまい。という小言を無視すれば、案外いい書物である。昔からの雑誌購入者でもないかぎり一読してもいいだろう。私は河出書房新社の「中世の森の中で」という生活史の本(この書籍の参考文献の一つと思われるし、こういう本・記事を執筆するときによく参考とされる本の一つ)を読んでいるので、すぐに図板の引用はわかったが。専門書を読む暇・気力がない人にはいい本だね。
●ロールプレイ資料集シリ−ズ「GMハンドブック」
 キャンパスプロジェクト
 今回はGMの知識にピッタシの世界・社会的な解説が中心となっています。文句をあげるとするならば、「冒険者ハンドブック」と同じになるので省略。GMじゃなくても読んでいい本だと思うぞ。現実の中世欧州と架空社会を区別するようなこともあんがい書いてあるし。ところで、「〜〜コレクション」シリーズなんぞで誤りを書いているような点は記述したほうがみんなの役に立つと思うぞ。たいして違う本を参考に書いているわけじゃあるまいし。
「陋巷伝承・外伝 日本狼異聞」(東葭之)
 不確定名わーうるふ
 1995年12月30日
 実はあっしもアンケートに参加した狼本。いや、日本狼本。妖魔夜行で日本狼にはまった筆者が調べたことを小説などにまとめたもの。陋巷伝承の外伝だけあって、陋巷伝承という妖魔夜行のシリーズ(いやはや、あっしも雑誌で知ったくちです)の本編に出てくるキャラクターも出ていて面白い。
●GURPS 妖魔夜行オリジナルリプレイ「九妖【下ノ巻】」
 不確定名わーうるふ
 1996年8月4日
 出てくるキャラクターのデータ集である【別ノ巻】をつけた「九妖」三部作の最終巻。リプレイのあいまを小説でつないでいる作品。陋巷伝承のシリーズなんだね。裏が大きすぎていてプレイヤーがどこまで理解できているか、という点ではルナルのリプレイなみだと思う。リプレイなんぞは一読で意味がわかって、深読みしなければいけないということは必要じゃないと思うんだけどね。
 しかし、あっしもいろいろと学ぶところが多いシリーズです。後書きでは、みんなが感じている出版社への文句を書いているし。そこがまた好感持てるけど。

『後書き』

 この内容入力に2時間かかった。情けない限りです。これで風烟飃泛の第3話の結果出力がまた遅れてしまう。大学も一日まるまる休んでしまったし、いや、これは「エルフを狩るもの」のあと「らくごのご」を見たのに問題があるんだが。
 こうやって書いてみて思ったことは、同人誌にすばらしい逸品が案外あるということですね。もっとも商業ペースが狂い始めているということの裏返しかもしれませんが。そのためにも、できるだけ早めにRPG関連同人誌データベースを作らねば……、と強く思うばかりです。私自身の大学1年の冬からの課題「SW薬草本」もどうにかしなきゃいけない状況を無視して好き勝手書いてしまったものです。もちろん今年の冬も上記の本は無理ですよ(笑いごとじゃねぇな、プレイヤーもちょっと殺気立ってきたような……)。
 今年も冬は楽しみです。が、去年よりも今年のほうが私のGM魂をゆざぶるような強烈な本がなくなってきています。MTG本の強襲も理由としては存在しますが、まだまだ安直なSWやガープス・ルナルの原作好き好き本がまだまだ勢いを増しているからでしょうか。いやはやまだまだそのへんの本が売れると思っているやからが多いから始末に負えない。出版社サポートのまだまだあるようなゲームの同人誌は買う気にはならない。
 97年冬、平安絵巻演戯群「うつつまぼろし」、中世欧州風世界用演戯「風烟飃泛」にご期待ください。

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