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TRPGって何じゃらほい?

 TRPGというのはテーブルトークRPGの略語です。という話はときたま聞くでしょ う。そんな名称の話はさておき。歴史みたいな話はある程度やりこんでからで十分。というわけで、基礎知識がどれだけあるかによって、読み始めるところをわけてみようっと。最初から読みたいなら勝手にどうぞ。

RPGって何だろう(2000/05/08)
TRPGって何だろう(2000/05/08)
TRPGって実際何するの?(1997/05/07)
ファンタジー世界って何?(1997/05/07)
TRPGの舞台ってほかに何があるの?(1997/05/07)
やってみたいんだけど仲間がいないの〜〜(1997/05/07)
マナーってあるんですか?(1997/05/07)
参考文献(2005/02/11)


RPGって何だろう

 RPGとは楽しい娯楽の一種です。「役割演技する遊び」と訳すことができます。「ロール・プレイング・ゲーム」(Role-Playing-Game) の略語です。ま、語義的なことはどうでもいいです。そんなことは、はまってから知ればいいことですし、知ったところでたいしたことはありません。やってみれば、一発でわかる遊びなんですが、それでは説明にもなんにもなっていませんね。
 この遊びはよく、幼少期に行われることの多い「ごっこ遊び」に例えられます。「役割演戯する遊び」ということでRPGも「ごっこ遊び」と同じように「他人になりきって遊ぶ」遊びなのです。この「他人になりきる」ということがRPGの本質です。
 コンピュータRPGなどで見られる「物語の美しさ」「戦闘の楽しさ」なんてものはRPGにとっては「おまけ」に過ぎないものなのです。
小難しい話
 「他人になりきる」というよりは、「自分ではない人物として行動する、と割り切る」のが、「ロールプレイ(演技)」的にも、「ゲーム」的にもおもしろく、ときにはめんどくさく、難しいところです。
 「モンスター・ホラー・ショウ」(J・H・ブレナン著、本田成二訳、邦訳版:社会思想社)では、プレイヤー・キャラクター(PCと略される)はプレイヤー自身であることが主である。こういった場合は、「自分」が「ふだん遭遇しないであろう状況下」で「どのように行動するのか?」を演技することになるが、これは「演技」という語彙表現で表すのが正しいのか、どうか。
 たいていのRPGでは、プレイヤー自身と違うキャラクターを演じることになるのだが、コンピュータRPGで麻痺しきったせいか、TRPGでも「演技」に重点を置かない限り、PCを駒として見てしまいがちである(著者も含めて)。

TRPGって何だろう

 一般的なTRPGの解説書では、ここでTRPGの歴史を語り始めます。たしかに、物事の発祥を知れば、物事の理解が潤滑になることは多いのですが……。今回は、そんなめんどくさいことはやめます。
 TRPGとは「RPG」とほぼ同義語です。コンピュータRPGと区別するためにT(テーブルトーク=雑談)という語をつけたものです。日本語にするならば、「会話式演技する遊び」とでもなるでしょう。言い換えれば「秩序ある ごっこ遊び」となります。なのですが、最近は「物語を創る」新しい手段というとらえ方が生まれています。
 各参加者が、個々の登場人物を演じながら「物語を創る」『遊び』、それがこの『遊び』です。それぞれの主張の調整役・司会役としてGM(ゲームマスター)が置かれます。それは「場」を中心とした集まりになります。その集まりで生まれた『物語』が「リプレイ」と呼ばれるサロン文学として、発行されています。

小難しい話
 1995年ころまで発行されたシステムは、ダンジョン探索やトラブルシューターとしての活躍を再現する、どちらかというとなぞ・問題解決ゲームとして「ゲーム」的な要素が強かったのですが、最近出版されたものは以前のものと区別化をはかるために、「ロールプレイ」要素を強め、物語(ストーリー)の枠組みの中でPCをどう動かすかに主体を移しています。

TRPGって実際何するの?

 実際の雰囲気を掴むためには「リプレイ」という記録簿が発行されています。いい時間つぶしになるので、暇のある方はいろいろと読んでみるのもいいでしょう。
 さて、実際のTRPGという遊びの「場」は1〜9名(平均4名)のプレイヤーと1〜2名(普通は1名)のGM(ゲームマスター)によって構成されています。プレイヤーは物語の登場人物のなかでも主要キャラクターを演じ、GMはそれ以外の存在を演じます。GMは“世界”を演じるため、ルール(秩序)に頼ります。
「“世界”を演じる」とは難しく書きましたが、具体的にわかりやすくいうならば、天気を決めたり、武器屋の主人を演じたり、怪物を演じたり、矢がどれくらい遠くまで飛ぶのか、なんてことを決定する役目を行うことです。「物語を創る」さいには“世界”の描写も重要ということです。“世界”のなかで人々は活動するわけなんですから。

ファンタジー世界って何?

 固有の神話を持たない国、アメリカ合衆国でこのゲームがはじまったせいか、このゲームではヨーロッパ系の中世社会をモデルにした幻想世界が構成されています。アメリカ建国者らはヨーロッパからの移民が多かったからでした。ヨーロッパの中世社会をモデルにしていますが、非ヨーロッパ系の神話、古代説話などからもいろいろと世界のエッセンスを採用しております。「未知」ということは「神秘」でもあるので、様々なエッセンスが導入されたのです。
 一般的に故トールキン教授の著作「指輪物語」の世界観に大きな影響を受けているのですが、各RPGによって固有の世界設定が行われています。中世ヨーロッパの社会構造を学んでおけば、どのRPGでも役に立つでしょう。
 現代社会とは違い、人々は土地に縛られ、領主の気まぐれで人々は処刑されたり、「平等」「自由」なんて概念のない時代。それが偏見と誤解にあふれた中世観です。悲惨な時代です。だからこそ、英雄の生まれる土壌があるのかもしれない世界、そこがRPGの舞台なのです。

TRPGの舞台ってほかに何があるの?

 先の項にあげた『ファンタジー世界』以外にも様々な世界があります。人間の創造力が無限のように、TRPGの舞台も無限にあるのです。そういうわけで、代表的でよく遊ばれているものをいくつか紹介することにしましょう。
 『S=F(サイエンス・フィクション)』は広いものです。宇宙を旅するもので『スペースオペラ』とも呼ばれるものを多数含んでいます。「スタートレック」のようなものなんでしょう。
 『サイバーパンク』は近未来の世界を舞台としています。体にパワーアップ器官をたくさんつけた改造人間たちの世界です。退廃と裏切りの世界です。
 『時代劇』は、日本の江戸時代的な世界です。侍と忍者が斬りあい、芸者が殿様に帯を引っ張られる世界なのです。「右門捕物帳」「必殺!」「江戸を斬る」な世界です。
 『中国演義もの』は、中国数千年の歴史のなかに出てきそうな嘘くさい英雄・奸雄、仙人・道士たちの世界です。「三国志演義」「封神演義」「金瓶梅」な世界です。
 『怪奇恐怖もの』は恐怖におびえる無力な人々の世界です。無知からくる恐怖、知ってしまったがゆえの恐怖、恐怖のあまり発狂する人々。そういう世界です。「ラヴクラフト全集」な世界です。
 以上のような世界が、一般的によく遊ばれている世界です。

やってみたいんだけど仲間がいないの〜〜

 TRPG雑誌やアニメ雑誌の「お仲間募集」「サークル紹介」、TRPG専門店・アニメ漫画専門店の「御客様交流スペース」などを頼るのが、いちばんてっとり早いでしょう。しかし、あたりはずれがひどく自分にあった仲間と出あえる可能性は半々くらいです。
 普段一緒にいる連中や遊び仲間を誘って、TRPGをやるという手もあります。これは他人にRPGの説明をしなければならないので少々めんどくさいです。自分でプレイ仲間を作りたいならば、コンベンションなどのイベントで同じテーブルで遊んだ人間でも誘ったほうがよっぽど楽です。イベント情報は戦術の情報コーナーで、最低限手に入るでしょう。
 メーカーの出しているファンクラブに入るのもあんがいいいかもしれません。コミケなどで同人誌を買っているならば、同人誌の発行団体でもあたってみる手もありますね。

マナーってあるんですか?

 人が集まるところには「マナー」は必要です。この遊びは「場」に支えられて存在しています。「場」という人の集まるものに支えられているだけあって、「マナー」は必要です。
 「マナー」とは、「同席者を不愉快にしない」ために存在しています。ですから、「人付き合い」で要求される基本的な最低限なマナーは守りましょう。コンピュータ・ゲームのように機械が相手なわけではないのですから、自分がされたら嫌だな、ということはやめましょう。ゲームマニアなどで、自分の世界に入り込みすぎた方は気を付けましょう。基本的な「マナー」をいくつか書いておきましょう。
あいさつをしよう。
ex.「こんにちは」「さようなら」「おはよう」
時間を守ろう。
ex.会場の都合で16時迄に部屋を清掃して出なければなりません。
ゴミはゴミ箱に入れよう。
ex.あのサークルは使ったあと、清掃しないからもう貸すのはやめよう。そうそう、同じような活動をするサークルもきっと掃除しないんだろう。貸すのはやめよう。(〇×公民館の人の一言)
約束は守ろう。
ex.今度、オニオンワークス発行の「将軍KKの置き土産」というシナリオやるから、みんな読むなよ。
他人に勝手に席を立たない。
ex.あれ? 僧侶はどこへ行った? 

参考文献

 以前、東海大学シミュレーションゲーム研究会の新入生歓迎用冊子『コミュレイター』(1996年度版)に書いた説明記事にあげた「参考文献」をもとに構成させていただきます。
 しかし、21世紀だと手に入れるのが難しい書籍がたくさん混じっていて、あまり役に立たないかしら?

リプレイ集
ルールブック(2001/07/01)
解説書
雑誌(2001/07/01)
小説(1997/07/15)
漫画(2001/07/01)

 あと、はじめてのTRPGルール選びに困ったら、「初めてのTRPGお薦めチャート」2001版もお薦めです。

【リプレイ集】
 TRPGの実際の風景・雰囲気を知るにはいいかもしれません。ですが、読み物として再構成しているものがほとんどですので、実際のプレイが書かれているようにすんなりといっているわけではありません。
『RPGリプレイ 魔獣戦士ルナ・ヴァルガー 呆然』
 著者 秋津透 & スペース・ワン・ゼロ
 角川スニーカー文庫
『RPGリプレイ ロードス島戦記1』
 著者 安田均 & 水野良とグループSNE
 角川スニーカー・G・文庫
『盗賊たちの狂詩曲――ソード・ワールドRPGリプレイ集1』
 著者 山本弘/グループSNE
 富士見ドラゴンブック
『能登半島幽霊事件』
 著者 風見潤
 講談社X文庫ティーンズハート
『妖怪どもをぶっとばせ! 央華封神リプレイ1』
 著者 友野詳とグループSNE
 電撃ゲーム文庫
『ドラゴンズ’ ヘヴン1』
 著者 安田均とグループSNE
 角川スニーカー文庫

【ルールブック】
 RPGにはルールが必要です。ルールを1からデザインするのはとっても大変なので、ふつうは売られているものを使います。みんなが知っているルールなら仲間を捜すときにとっても便利なのです。そういうわけで売れているものを紹介しましょう。
『ソード・ワールド 完全版』
 著者 清松みゆき/グループSNE
 富士見書房(A4変形版)
『ガープス・ベーシック』
 編著者 Steve Jackson(Steve Jackson Games)
 編訳者 佐脇洋平とグループSNE
 角川スニーカー・G・文庫
『ガープス・ベーシック【完訳版】』
 原著 Steve Jackson(Steve Jackson Games)
 監修 安田均 訳 黒田和人/グループSNE
 富士見書房(A4変形版)
『ハイパーT&Tルールブック』
 著者 安田均・清松みゆき・黒田和人とグループSNE
 角川スニーカー・G・文庫
『セブン=フォートレス Advanced』
 著者 菊池たけしとF.E.A.R.
 アスペクトB5版

【解説書】
 TRPG全体を解説しているものや、1つのRPGの解説をしているものなどがここに分類されます。もっとも、1つのRPGを解説しているものでも、RPG全般に触れないわけにはいかないのでそれなりに役に立つでしょう。
『T&Tがよくわかる本』
 著者 清松みゆき
 社会思想社 現代教養文庫
『D&Dがよくわかる本 改訂版』
 著者 黒田幸弘
 電撃ゲーム文庫
『RPGマスターらくらく読本』
 著者 細江ひろみ著
 富士見ドラゴンブック

【関連雑誌】
 TRPG関連の雑誌はいくつか出ています。「ゲームをやらない読者」と「イベント情報のために買っている読者」と「メーカーが引退しないために買っている読者」を合計すれば購入者の8割はいくんじゃないでしょうか。ほんとうに買っている人は多くない。プレイヤーしかやんない人の半分は買わないんじゃないでしょうか。
『ゲーマーズ・フィールド』(隔月刊、下旬)
 ゲーム・フィールド(ときどき、現在入手可能なTRPG書籍一覧を掲載します。ありがたい試みです)

【小説】
 TRPGをやるうえで、読んでおくと面白いであろう小説をいくつかあげておきます。
『指輪物語』(全9冊)
 著者 J.R.R. Tolkien
 訳者 瀬田貞二
 評論社
 小人族(ホビット)が大きな力を持つ(ただし悪にとらわれている)指輪をはるばる悪の本拠地まで行って、捨ててくる話。
『影との戦い――ゲド戦記』
 著者 Le Guin
 訳者 清水真砂子
 岩波書店 物語コレクション
 村の子供が力に目覚め、学院に行き、魔術を学ぶ。その過程で若さゆえの過ちを犯し、人が誰もが持つ悪しき“影”を呼び出す。その後始末の話。
『眠れる龍』
 著者 Joel Rosenberg
 訳者 浅羽莢子
 社会思想社 現代教養文庫
 現代米国の大学生のTRPG仲間が、普段プレイしている世界に意識をとばされる話。意識のとばされた先は、普段使っているキャラクターであった。キャラクターとプレイヤーの2つの意識のせめぎあいのなか、米国に戻る旅はすすむ。
『暗黒太陽の浮気娘』
 著者 Sharyn McCrumb
 訳者 浅羽莢子
 早川書房 ミステリアス・プレス文庫
 大学の教授(天文関係)は、自分書いたSF小説の売り込みのために、SF大会を訪れた。そこで出会った殺人事件をTRPGを使って自白させる。
『ロードス島戦記』(全7冊)
 著者 水野良
 角川スニーカー文庫
 田舎にて、不名誉な死をとげた騎士を父に持つ若者、パーンがロードス島を動かす冒険に身を染めた話。
『ルナル・サーガ』(全8冊)
 著者 友野詳
 角川スニーカー文庫
 とある双子が父の仇を討つために旅に出る。その過程で己等を生ませた思惑、陰謀などを知る。それを自己昇華させる過程を描く。
『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』(全13冊)
 著者 秋津透
 角川スニーカー文庫
 滅びかけた王国のおてんば姫ルナが、国に伝わる魔獣を蘇らせた。国を守ることはできたものの、それをきっかけに世界中の魔獣も蘇り始めた。その顛末を描く。
『フォーチュン・クエスト』(全8冊)
 著者 深沢美潮
 角川メディアワークス電撃文庫
 ごくふつうの村娘が流行病にて一家滅亡したのを機会に冒険に出る。コンピュータRPGに対するパロディ的な面を含んだ、ほのぼのとしたライト・ファンタジー。
『メルニボネの皇子』(エルリック・サーガ 全8冊)
 著者 Michael Moorcock
 訳者 安田均、2巻目から井辻朱美
 早川文庫SF
 滅亡寸前の種族による古代王国の王の一生を描く。他の同族らとは違い、蛮人たちのよきところを学ぼうと旅に出た主人公は、次元を超える神々の争いに巻き込まれ、愛するものを滅ぼしていく。
『ダイアモンドの玉座』(エレニア記 全5冊)
 著者 David Eddings
 訳者 嶋田洋一
 角川スニーカー文庫
 エレニアに仕える騎士スパーホークの物語。魅力的なキャラクターの掛け合いと、旅の描写は必見かも。ハヤカワ文庫FTから6冊の続き(タムール記という別シリーズ)が出ている。
『大いなる序章』(ワイルド・カード 全6冊)
 編者 George R. R. Martin
 訳者 黒丸尚・山岸真・尾之上俊彦
 東京創元社 創元SF文庫
 日本語版は6冊。原書ではとてもたくさん出ている。「GURPS WILDCARD」もあるらしい。物語は第2時世界大戦終結直後の米国ニューヨークに始まる。そこにて、宇宙から送られてきたウィルスが散布される。それにより地球人類は遺伝子に影響を受けた人物が多数発生する。彼らの存在する世界での歴史を描く。

【漫画】
 「小説」と同じようにプレイのさいに役立つ漫画・アニメ作品を紹介します。漫画で出ているTRPG解説書もここにあげておきます。
『RPGなんてこわくない!』
 作画 こいでたく
 原作 山本弘
 ホビージャパン→ゲーム・フィールド
『オリスルートの銀の小枝』(全4冊)
 著者 紫堂恭子
 角川書店 アスカコミックDX

 以上、駆け足で追ってきましたがご理解の助けになりましたでしょうか。なお、何か思うところがありましたら、「蛇行道端立ち話」にコメントいただければ幸いです。

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[管理人:たまねぎ須永へ連絡]