今回は ちょっと 硬苦しい?かな という内容ですが、気楽に読んでください。

AED(自動体外式除細動器)をご存知ですか?
 

AEDとは、高性能の心電図自動解析装置を内臓した医療機器で、心電図を解析し除細動(電気ショック)が必要な不整脈を判断します。
 AEDは、小型軽量で携帯にも支障がなく、操作は非常に簡単で、電源ボタンを押すと(又はふたを開けると)機器が音声メッセージにより、救助者(助ける人)に使用方法を指示してくれます。
 また、除細動が必要ない場合にはボタンを押しても通電されないなど、安全に使用出来るように設計されています。

〇除細動とは、
  「突然の心停止」の原因となる重症不整脈に対して、心臓に電気ショックを与え、心臓が本来持っているリズムに回復させるために行なうものです。

〇早期除細動の必要性
  心停止の原因にはいろいろな原因がありますが、特に「突然の心停止」では 心室細動などの重症不整脈が原因となることが考えられます。
  この重症不整脈には、できる限り早い除細動が重要です。例えば、心肺蘇生法(人工呼吸と心臓マッサージ)が5分以内に開始され、除細動までが10分以内に実施された場合、生存率は37%です。心肺蘇生法が5分以上経過 後開始され、除細動まで10分以上経過した場合は、生存率は0%です。

〇救命の連鎖(そばに居合わせた人→救急隊→医療機関の医師との連携)
  @早い通報 A早い心肺蘇生法 B早い除細動 C早い2次救命処置

●AEDを用いた救命手当の手順
  @周囲の観察(傷病者に近づきながら)
     周囲の状況、大出血の有無を確認
  A意識の確認
     肩を叩きながら、耳元で「わかりますか」と声をかけたり、名前を呼んで反応を見る
  B119番通報とAEDの搬送依頼
     意識がないときは、直ちに近くに居る人に協力を求め、119番通報AEDを現場に持ってきてくれるよう依頼する。
  C気道確保と呼吸の確認
     意識がないときは、中指と人差し指で顎を引き上げ、同時に額にあてた手で頭をそらせます(頭部後屈あご先挙上法)これにより気道(空気の通り道)が開き確保されます。呼吸の有無を10秒以内で確認します。傷病者の口と鼻先に自分の頬を近づけ、目で胸腹部の動きを見、耳で呼吸音を聞き、頬で吐息を感じます。 
  D人工呼吸
     十分な呼吸が感じられなければ、気道確保をしたまま、額に当てた親指と人差し指で鼻をつまみ、大きな口を開け傷病者の口を覆い、息をゆっくり吹き込みます。人工呼吸は、2回行ないます。
  E循環のサインの確認
     最初に2回人工呼吸を実施後、循環のサイン(呼吸・咳・体の動き)の有無を確認します。心臓のポンプ機能があれば、傷病者は呼吸、咳、体の動きのいずれかがあります。なければ、5秒に1回の割合で人工呼吸を行ないます。
  F心臓マッサージと人工呼吸(心肺蘇生法)
     循環のサインがすべてなければ、心臓マッサージ15回と人工呼吸2回を行ないます。
  GAED到着
     傷病者の肩の脇に置くと使いやすい
  HAEDの電源を入れる
     電源ボタンを押すものや、カバーを開けると自動的に電源が入るものがあります。使用方法は、AEDが音声で指示します。周囲に医療従事者がいないときは、自分でAEDを操作します。
  I電極パッドを傷病者の胸に直接貼る。
     電極パッドを貼る時は、心肺蘇生法は中止する。
  J心電図を解析する
  K除細動を行なう
     除細動を実施するときは、誰も傷病者に触れていないことを確認します
  *救命手当の一例を紹介いたしました。(参考文献:救命講習テキスト)
  ◎AEDは、現在、各市町村の公共の場所に設置が進んでいます。詳しいことは、各市町村に問い合わせて下さい。
  ◎参考:平塚市は、市役所1階、中央公民館、市民センター、競輪場、市民病院の各階、平塚球場・競技場、市民体育館です。設置場所は、各施設に確認して下さい。

●この機会に、各市町村の消防機関等で実施しているAEDを取り入れた救命  講習等に参加されては、如何でしょうか。