書 山本

マイ風鈴講座


マイ風鈴を作ろう!!

1.風鈴をどんな考えの基に製作をしているか 当工房で作る風鈴は、人に心地よい音色を聞いて頂くため金属の調合や熱処理、形状の違いによるに音色の変化等を研究しています。 そのため、音色の振動解析・金属組織、機械的性質等を調べ、"人にとっての理想的癒し音"を追求しています。

<風鈴砂型断面図>
完成した砂型
<鋳込み後の風鈴>
完成した砂型
砂型を作る
D 溶鉱炉で混ぜた金属を溶かす
1300℃で溶けた材料
(溶解温度1300℃)
E 砂型に溶けた金属を流し込む。
砂型に流し込む
3、自分の風鈴を作る。
砂型
シェル砂で作られた外型に千枚通し等の先端の尖った針先で型の中央部に自分の思いを紋様として描く。 紋様は、写し取られるため左右逆となるので注意して下さい。
(3)自分の風鈴を作る。
人は良い音色を聞くと、脳神経を刺激し大きく相をくずします。 それではよい音色とはどういうものなのでしょうか。 自然界での、小川のせせらぎや鳥の鳴き声などは人にとって心地よい音色として多くの 人が感じています。 その音色の周波数は、3000ヘルツ以上の周波数をもち、異なった音がほぼ同時に発生しています。 すなわち、良い音色とは高い周波数をもち、異なった周波数が近い音が同時に発生し、その波形が互いに干渉し、 重なり合ったり打ち消し合ったりしてゆらぎ(うなり)を発する音がよいとされています。 当工房で作られた風鈴の音色解析をしてみました。
<当工房で作られた風鈴の周波数>
<当工房で作られた風鈴の波形>
  周波数が異なった二つの音が、打ち消しあったり、重なり合ったりして左の写真のようなうなり音を発する。
   うなり音、2/100秒サイクルで続く。

<鉄製風鈴の波形>



4.金属材料について
下図は、CuーSn系合金の状態図であります。融液からから凝固過程では、初晶α相が析出し、温度が下がるに連れβ相になり、β相の一部がα相に変わる。566℃以下ではα相とデルター相の2相になり、350℃以下では、α相とε相の2相となる

<常温時の金属組織>

<拡大組織図>

                      (硬さが組織によって異なる)

(金属材料のまとめ)
銅と錫の合金は、溶解から凝固までにα相からε相まで、5相の変化をして常温にて固まります。それぞれの相は、固い・柔らかい・脆い・・・・等の機械的性質を持ちます。  当工房で作られる鳴り物は、高音で澄んだ余韻の長い音色を目指しているため、材料は 脆くて硬い性格を持ちます。ただ、音色にとって金属組織がどのようものが理想なのか、色々な角度から実験を進めているところです


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