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第107回旨い酒の会開催記録 2003.3.26
 皆様にこのようなかたちでお会いできるとは思ってもいませんでした。私は今自分がどのような姿なのか、わかりません。 近年、人に見られたこともございません。昔、久保の井の店主にこわれて私はこの平塚の地に来たわけですが、なぜか忘れられて今に至った気がします。 冷たい冷蔵庫の奥深く、また、日の当たらない倉庫の片隅で、静かに静かに今を待っていました。 おいしいという言葉でなくていいんです。何か私に言ってください。(久保の井に眠っていた酒より)という案内をして会を開きました。 今回は、Aさんの転勤でAご夫妻さよならの会でもありました。また、K氏And氏のお二人が蔵人として酒造りに参加した成果を持ち込んでくれて、 感動いたしました。ありがとうございました。
本日の酒
@ 爛漫全国新酒鑑評会金賞酒2BY火入れ
(秋田銘醸)
日付1991.10、清酒1級、本醸造大吟、秋田流花酵母、山田錦、精米歩合35%、アルコール15.8度、 日本酒度+4、酸1.3、アミノ酸1.0、冷蔵管理12年
A 備前の酒一筋赤磐雄町の純米大吟醸自然酒生貯蔵酒2BY
(岡山県、利守酒造)
日付1991.6、清酒2級、精米歩合40%、日本酒度+4、酸1.4、アミノ酸1.0、アルコール17〜18度、 但馬杜氏田村豊和氏、冷蔵管理12年
B マル文の酒(K氏And氏作)純米無濾過生原酒14BY
(長野県、黒澤酒造)
原料米ひとごこち、精米歩合59%、アルプス酵母、アルコール17〜18度、杜氏中澤礎氏
C マル文の酒純米無濾過火入れ(Bの酒を熱処理したもの)
D 筑後杜氏の詩特別純米5BY冷蔵管理
(福岡県)
日付平成6年12月、西海134号麗峰米、日本酒度+4、酸1.4、アミノ酸1.2、9号酵母、アルコール15度
E 筑後杜氏の詩特別純米5BY常温放置
(入荷時DとEはまったく同じもの)
本日の肴
冷奴、ホタルいかの酢味噌合え、鳥手羽煮物、鰹刺身、かつ煮
印象に残った感想
@とAについて。久保の井の在庫一掃のための会?でも酒は生きてたんだな、爛漫すっきりしてる、10年経つと良くなるか、もっと寝かしたらおもしろい。 Aの自然酒、980円のワイン瓶みたいなのに入ってて、5千円では絶対買わん。@は老ねが少し、さらっとしているがものたりない。Aはバランス良くて感動もの。 @Aは素直な味わい。@の爛漫、私が中学生の頃か。期待はしなかったが切れ良し。Aは非常にどっしりしており、甘みもあって好み。@Aをよく持ってたな。老ねていないのにびっくり。 Aはいい香り。私、岡山へ転勤です、贔屓目でみてもAはおいしい。10年以上経ってても香りの良い@が好き。Aはコッテリ。@Aともあっさり系、当時こういうお酒が多かったのかな。 Aはこれで雄町なの。@Aの味?もう忘れた。BとCについて。まずラベルだが、くどい。味だが、火入れの酒はまた飲みたい。買って飲みたい。K氏And氏お二人の涙と汗のまじったおいしい酒。 こだわりが伝わる、感心。火入れは良かった。BCの酒は標準以上の酒。K氏And氏がかかわって、これだけの酒。杜氏の力か、もとの酒がほしい。努力と結晶のお酒、どんな料理にも合う、飲み飽きない酒。 生よりは火入れ。AndさんKさんでこんな酒ができるんだ、アハハ。Bの、香りがたってスッと入って切れる印象のいい感じ。味わいは新しいお酒らしくきりっとしてる。 酒を持ってきて緊張していたが、評判良くて安心した。思い入れのある、世界中で一番いい酒だ。Cの火入れ、おいしかった。私も一度酒造りを体験してみたいな。マル文のお酒は本当においしな。 Bは混ぜ喰いOKの酒、Cはすきっと爽快、冬の空の味わい、天を突き抜けた感じ。BCはいい。9月の秋上がりプレミア酒に期待。ラベルももっと考えてほしい。DとEについて。 普段飲めないし、飲まない。Eはもっと寝かしたらどうかな。DEとも置いたわりにはまだとげとげしてる。私はDよりEの常温が旨い。Dの冷蔵は良い。Eはあと10年寝かせろ。 冷蔵でこの程度なの、DEどちらも苦手。Dは酵母の香り癖あってちょっと飲みづらいと思ったが、空気にふれちょっと置くと味わい深く飲みやすくなった。 E面倒の見方、相手しないとこうなるか、香りにびっくり。DE苦手、Eは飲めん酒。D冷蔵庫だとこんなにとっとけるんだあ。黄色のE、こんなんとっといたの。 常温のE、鼻にムカッとくる酒、揚げ物と。E常温8年こういう色、冷蔵ではこういう味なんだ、おいしかっていう感じ。会で残った杜氏の詩の2本をまた飲みながら、思い出している。 この酒は5BY、実は平成5年12月に入荷の4BY酒は吟香があってきれいにやわらかい飲み口で評判だった。そして、翌年入荷した5BY酒は酸がぐっと強く出てて飲みづらく、4BYのファンだったお客さんにそっぽを向かれた。 初めは気づかず何でだろうと思っていたが、1本開けてみて納得した。これでは売れん。棚に数本、残りは冷蔵庫の下段に積まれた。在庫をとる毎、頭の痛い酒だったが、 こうして再会してみれば何とも言えんいとおしい気持ちがふくらみ、ああ少し飲めるようになったなと思った。ちょっとうれしかった。

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