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第129回旨い酒の会開催記録 2005.01.19
今回は「まろやか」な酒というテーマでいろいろな酒を楽しみたいと思いました。味わいの表現として、マイルド、ソフト、まるみ、やわらか、なめらか、優しい、穏やか、ふくらみのある、とろり、快い、ふっくらした、ふくよかな、スムーズな、よく練れた、とろける様な、などなどいろいろとありますが、そんな言葉が当てはまりそうなお酒を探してみました。それは甘口?酸の少ない酒?それとも熟成酒?さて、それはどんな酒だったのでしょうか。久保の井の貯蔵酒も登場しました。
本日の酒
@ 丹沢山純米吟醸山田錦14BY火入れ
神奈川県山北町、川西屋酒造店、兵庫県産山田錦、精米歩合50%、9号系酵母、アルコール分15.8%、日本酒度ー2、酸1.7、アミノ酸1.2、仕込水西丹沢山系中硬水使用、杜氏 上川修氏
A 歓びの泉袋吊り純米吟醸山田錦13BY生
岡山県倉敷市、中田酒造、倉敷産山田錦、精米歩合50%、アルコール分16〜17%、無加圧、無濾過生原酒、備中杜氏 横坂安男氏
B 曙光純米吟醸山田錦7BY火入れ
神奈川県茅ヶ崎市、熊澤酒造、精米歩合45%、協会9号酵母、アルコール分15.8%、日本酒度+2、酸1.4、アミノ酸1.1、仕込水丹沢山渓伏流水、杜氏 兵庫県小林登喜彦氏
C 火長神人(かちょうじにん)山廃純米13BY火入れ
大阪府交野市、大門酒造、交野山田錦、精米歩合60%、協会9号酵母、アルコール分15〜16%、日本酒度+1、酸2.0、アミノ酸1.3、仕込水交野山中清水ヶ谷自家井戸湧水軟水、能登杜氏 横道俊昭氏
酒は@から始めてA、次にBと飲むが、Bはデザート酒の味わいなのでCへと移り、Cの冷やと燗を飲んでからBへと戻る。なお、丹沢山の仕込水を脇に置いて酒を飲んでいきました。
本日の肴
湯豆腐、酢の物、レバニラ炒め、けんちん汁、揚げ物
皆さんの感想です
丹沢山すごくおいしい。つまみなしの食前酒。最後に飲んだら苦味感じてイメージ変わったが、でもやっぱりおいしい。火長神人は絵に描いたような山廃。私は冷やで、お燗は苦手、苦手。
@丹沢山は50%磨きの大吟醸と言ってもいい位の味わい。磨いている、きれい、飲み口爽やか、香りあって非常においしい酒。A歓びの泉、非常に重たい酒。すごく甘いが、酸味があるので飲みやすくなっている。B曙光、おいしい酒だなあと思う。7BYということで老ねている味だが、旨味のっている印象。C火長神人、山廃らしい味わい。非常においしく飲ませていただいた。この燗、常温で飲んでる時の甘みが消えて、非常に辛口の酒へと変化した。燗のほうが常温よりおいしいかなの印象です。
今日は4つともそれなりにおいしかった。ペースが速かったのもそれによる。一番いいのはBの曙光。甘露という言葉あり。まさにそういう酒。@は次に良い。香りよく、口当たりよく、まろやかでおいしい。B@はよい。Cは辛口の古酒の感じ、可もなく不可もなく。Aもそれだけで飲むとすごくいいのだろうけど、@ABCと比べて飲んだので、順番は最後かな。
@はなかなか微妙な酒。酸が立っているので温度が上がったほうがいいかなとも思ったが、味が薄いのでよくわからない。印象が薄い。A、最初飲んだ時おいしくて、炭酸もちょっと残ってて、飲み始めた時の温度が一番良かった感じ。B、これ以上寝かしても、う〜んどうかなという感じ。今開けるのがベストかな。バランスが今一番良かったと思う。C火長神人、13BYでこんなに老ねてるのかなとの感じ。燗いい。もうちょっと熱燗がよかったかな。
@Aは傾向似ている、普通の純吟。ちょっとほわっと甘くて、厚みある酒。@Aの差はあまり感じない。B、癖なくがぶがぶ飲んだ。C、一番複雑な味がした。自分だけで楽しく飲むんだったら、これが一番だ。燗で刺々しさが飛んだ。
@、最初のひと口目、すっきりですごい美味いと思った。二口目から、コク、酸味が出てきて、丹沢山だと思った。A、最初酸っぱく、やがて甘み。二口目より濃い感じ。B、癖あるがトータルでおいしい。相当マイルド。C、実はよく呑んでた酒、熱燗で呑んでた。冷やは初めて、やはり燗がいい。
@丹沢山は酢の物とは合わず、湯豆腐と合う。A歓びの泉は酢の物と合う。B曙光、レバーと合う。C火長神人は私と相性がよく、課長辞任(?)だ。熱燗で呑んでる。
@の丹沢山いい。がやはり、酢の物とは合わない。A、甘さ目立ち、重い。B、老ね香強い。Cは苦手な酒だが冷やでは飲める。今回はまろやかな酒のテーマをすごく感じる酒。
Aがすごく甘口だった。最後Cの燗、すごくおいしかった。もう酔っ払ってしまってだめです。
なにも書けない?って。それぞれに味があるのは感じた。おいしく感じたのはなあにと言われたら、何も飲んでいなかった時の@が一番いいかな。ほわっとひろがっていいな。どっちかと言うと淡白な酒が好きだから@Aかな。さらりと飲めて、いっぱい呑めるお酒が好きです。料理もおいしくて、お腹いっぱいでした。個人的には食べないで呑むほうです。だから4種類全部呑んでから、あとで料理を食べるのがいいかな。
@Bはワイン的。Bは貴腐葡萄のデザートワイン的だが、温度が上がってくるとあまり鮮烈ではない。Aはレバニラ合う。Cのぬる燗、甘辛ピン、いろんな味がすうっと出てきた感じ。最初の@、料理いらない、酒のみでいいな。
今回の企画の狙いは見事に当たったかな。Bの熊澤酒造がこんなすばらしい酒を造っていたのかと思い、びっくり。@の酒蔵の仕込水はおいしい、最初から最後まで味が変わらない。実は私、千葉の鴨川で酒米を作って酒造りに参加していて、2月の旨い酒の会でその酒を出したいと思ってます。
私の感想です
@、見た目ではうっすらと曇った状態の沈まない滓があり、ぼわっと霞のかかった液体、冷たいのを口に含めば、おいしいという言葉が出てしまう、甘口の丹沢山。ほのかによい香り、さわやかな甘さ。おいしいと言う液体がそのまま喉を通り抜ける。冷たいのが旨い食前酒。最高のバランスを楽しむには必ず冷たくして飲んで下さい。今、冷酒で甘口との方にはこれを一番に勧めます。A、最初酸味強く感じ、飲んでいくと甘味を感じるようになり、さらに豊満な甘味がやってくる。生老ね香もたっぷりありながら柔らかく、それがまたよい。B、すごい黄色の液体。これ常温管理もの、開けてびっくり、今回の最高傑作。これが久保の井の貯蔵酒です。うっとりとする甘み、余韻がものすごく長い。ご馳走様した後のデザート酒でした。出す順が違いましたね。C、Bよりもっとすごい黄色です。今回の中ではいつまでも呑める、一番気を遣わないなごみ感のある気楽な酒とのイメージで考えてきたが、甘露なBを先に口にしてしまったせいでCの酸味と辛味が強調され、さらに熱燗で辛口酒のよさが味わえるとの評価へとつながったようだ。とすれば今回のテーマから外れそうだが、実はこの酒を久保の井は、「やわらかな熟成感に酔う、疲れた時の一杯の酒、和みの味わい。常温や燗をして、ぬる燗は秀逸。」と言って販売している。もう一度試してほしい、まろやかで甘みもふっと感じるこの深い味わいを。

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