コーチの経験から | 戦術の種類(攻撃) | 戦術の種類(守備) | 練習方法 |
コーチの経験から(低学年)コーチの経験から(5年生)
- 1〜2年生ではコーナーキックがゴール前までなかなか届きません。
- ショートコーナーをするにも、
キッカーと受け手のコンビネーション、
キッカーのキックの強さ・精度、
受け手のボールコントロール、
どれをとっても戦術練習するには不足しています。- 従って、ゴール前にキックするだけで、戦術練習らしいことができません。
ゴール前でゴチャゴチャになってしまいますが、仕方ないのかもしれません。- ただし、ボール近くやゴール前に集まり過ぎないよう「バラバラになる」ことに指導をします。
- 3年生になってキック力のある子供に限り、ゴール前までようやく届き始めました。
ゴール前まで届くといっても、精度はまだまだです。- また、キックも正確にできるようになり、ストッピングなどボールコントロールも上達してきたので単純な戦術練習を始めました。
- まだまだ戦術をマスターするには技術・体力ともに時間がかかりそうですが、実際の試合の中で使うパターンをいくつか子供たちが持ってほしいと思います。
- 戦術にはいくつかありますが、ショートコーナーと味方のバックにもどす場合には、特にキッカーと受け手の「素早い選択」が必要であり、声をかけあうコンビネーションやアイコンタクトが大切です。
- キッカーは「ゴール前にキックするぞ」と時間をかけてしまう傾向があります。
- 素早い選択をする練習についてはポジションが固定しないと難しいようです。3年生では限られた練習時間でほとんどできていません。もう少し子供たちが戦術に対する意識を自発的に持て、選択できるレベルになるまでは無理なようです。
- (2000.12.30記)
参考書「Jリーグをめざす!サッカー<戦術編>」のSTAGE5にチーム戦術を攻撃と守備に分けて解説されており、「セットプレーでのポジショニングの役割分担表」を参考に練習しました。
ゴールポスト際に1名ずつ、ゴール前ニアポスト前にヘディングの強い選手を配置することがポイントです。
戦術の種類
- (1)フォワードの位置取りについて
Jリーグなどを見ていると、マークをはずそうとゴール前で頻繁に動いています。
また、遊びのサッカーではゴール前にたくさんの子供が群がってしまいます。
しかし、低学年ではフォワードの位置を決めて、動かない方がよいようです。
最初からゴール前に張り付くのではなく、ゴールエリアの外から詰めるようにします。
キックの方向・強さ・高さに応じて動くことを指導します。
- (a)直接ゴール前に(下図の@)
- (b)ショートコーナーからゴール前に(下図のA)
- (c)直接バックにもどす(下図のB)
- (d)ショートコーナーからバックにもどす(下図のAからBへ)
- (2)守備の位置取りについて
参考書『Jリーグをめざす!サッカー<戦術編>』の「セットプレーに対する守り」から参考にしました。
- (a)守備側の注意
GKをゴール中心に、
@(ニアポスト内側で)
ニアポストを守る
Aファーポストを守る
B(ゴールエリア内ニアポスト側で)
ニアポストを守る
ヘディングの強い選手にする。
C(ペナルティエリア内ニアポスト側で)
ショートコーナーにつながるボールを
防ぐ
Dマンツーマンでマークする
(ニアポスト側で)
Eマンツーマンでマークする
(ゴール正面で)
Fマンツーマンでマークする
(ファーポスト側で)
G(ペナルティアーク付近で)
こぼれ球をひろう
- (b)攻撃側の注意
- @最初からゴール近くに集まり過ぎない
- Aあわててゴール近くに走り込まない
- Bキックに合わせる
- C相手DFよりも一歩前に出て、競り勝つ
- Dこぼれ球を狙う
- E相手守備陣形が整う前にショートコーナーを狙う
- (c)キッカーの注意
原則としてペナルティキックマークとゴールエリアラインの間を狙う。
ニアポストかファーポストか、高いボールか低く強いボールか、
を使い分けができるとよい。
また、以下の判断が大切。
- @ゴール近くに落とすか、
- Aゴールから離れた所に落とすか、
(ペナルティキックマーク付近)
- Bショートコーナーを狙うか
(1)直接ゴール前に図の@をねらって直接ゴール前にキックする。
(2)ショートコーナーからゴール前に
- キックの弾道には、弾道の低いキックと、弾道の高く大きなキックがあります。
- キックの距離には、ニアポストへのキックとファーポストへのキックがあります。
- キックの方向には、ゴールに近い所へのキックとゴールから離れた所へのキックがあります。
- キッカーにはキックの精度が必要になるので大変ですが、キックの使い分けをできれば、1パターンにならないように指導します。
- キックの使い分けができなければ、できるだけ高く大きなキックをするようにします。
ゴール前に届かないよりは届く方が得点につなげることができます。- 「コーナーキックはゴール前に」と言う固定観念を持たせないように方向づけ、ショートコーナーや味方バックに戻すなどの他のパターンを使えるように、キッカーだけでなくチーム全員の戦術に対する意識のレベルアップを図れればと思います。
図のAに短いキック(パス)をつなぎ、ゴール前にパスかシュートする。
(3)直接バックにもどす
- ショートコーナーの受け手がコーナーに素早く近寄ることが大切です。相手ディフェンスのマークが付いては手遅れです。
- キッカーと受け手がショートコーナーをキックの選択肢の一つとして常に意識できるように練習します。
- 受け手はキックをもらった後、外側(ゴールライン側)に出るか、反対に内側に入るかの選択が必要です。ストッピングする時に「良い体勢(good body shape)」をとるよう指導します。
- 受け手はストッピングの後、ゴール前にパスするか、ゴールに向いドリブルするか、キッカーにもどすか、味方バックにパスを出すかの選択も必要です。
利き足、得意とする技術(キック、ドリブル)に応じて子供自身で選択する練習にします。- 1〜2年生ではキック力が足りないので、ショートコーナーができるとよいのですが、キックの精度と受け手のコントロールが十分でなく、コンビネーションもまだまだです。
ただし、ショートコーナーを使おうと意識する子供たちが出てきます。その時には積極的に使わせます。図のBの味方バックに直接ゴロのキックでもどし、ロングシュートかセンタリングする。
(4)ショートコーナーからバックにもどす
- コーナーに近い方のペナルティエリアの外にいる味方バック(MF/DF)に、ゴロで少し強めにキックします。
受け手はダイレクトでロングシュートかセンタリングをします。- コーナーからのキックは少し強めでないと相手DFに詰め寄られます。
ゴロでなくバウンドさせたり、浮かせてしまうと味方バックがボールに合わせにくくキックミスになってしまいます。- 3年生になると正面からのゴロに対してインステップ、インフロントでかなり強く長い距離を飛ばすことができる子供がでてくるので、このパターンを使えるようになります。
- このパターンは失敗すると逆襲をくらいやすいので、
キッカーが味方と相手プレーヤーの位置を早く見極めること、
キッカーがゴロで正確にキックすること、
受け手が予測し体勢を整えること、
キッカーと受け手でコンビネーション、タイミングを合わせること、
を心掛けて練習することが大切です。図のAに短いキック(パス)をつなぎ、Bの位置の味方バックにもどし、ロングシュートかセンタリングする。
- (2)と(3)の組合せですが、コーナーキックの練習を繰り返す中でパターンを増やす一例です。
- キック、ストッピング、パスなど子供たちがかなり上達してからでないとバラバラになりやすく、特定の子供たちだけの練習になりやすいので、時間配分には気を付ける必要があります。
- 子供たちがいろいろなパターンを自ら考え、状況に応じて自ら選択し、子供たちで自ら実践できるようになることを目標に練習します。
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