『ゲーマートに行ってきたぞ』の巻。

「旅立ちは突然？」
　８月中旬、Ｍ先輩らに数枚のＢ４の紙切れを渡される。「ゲーマート」（英文字での綴りは忘れた）とか書いてある。確か、コミケで貰ったし、「ＲＰＧドラゴン」とかにも広告が載っていたなぁ……。チラシのはじっこには「あのトライソフトも出店」とか書いてある。これを見て、行きたくなくなってＷ氏にコミケで貰ったチラシを渡したんだよなぁ……。
　「とある事情があるので出店したまえ。いや、Ｍさんの会社でね……。参加サークルがぜぇんぜぇん足りないの……」
　「へ？？　これに行くの？　いや行くんですか？」
　「俺もＩと出店するから……、返金もあるかもしれないから……」
　「はぁ……。そうですか……」
ということで、東海大学シミュレーション・ゲーム研究会はこのイベントに参加することになった。要望書を書いて財務局より金を前借りする余裕もないので、まだ財務に提出していないコミケの収益からとりあえず出店参加費を出す。わし自身としては、ＪＧＣ’９６のＧＭの準備でいろいろ忙しいので、新刊を書く予定もないし、ＭＴＧがらみの本は売れ線だから作る気しないぞ。ま、夏コミに落ちたＴ＆Ｔ関係のサークルが出店したいたら嬉しいなぁ。

　さて、数日後。
「８／２５まで連絡がない場合は直接事務局まで問い合わせてください」とあるので８／２７に問い合わせてみる。第２次締切の８／１６ぎりぎりに出したのでまだ来なくてもおかしくないようなぁ……とか思いつつ、電話する。午後２時ころより電話するが、ぜんぜん誰も出ない。長い食事時間だと思ったが、電話続ける。４時ころようやくつながる。「現在発送中ですので今日か明日届くと思います」今日の郵便はすでに確かめたので、明日ということになるのか……と思いつつ、サークルに行く。次の日、速達が朝７時に来る。８時だったかもしないが、寝ていたのでよくわからん。入場チケットと遅れてごめんしゃいという手紙が入っていた。
　わが家で速達来るのはわしだけ……という会話を母と午前７時ころしていると（就寝時間は午前４時なので食事後また寝ます）、速達が来たのだった。今度は会場配置図とタイムテーブルが入っている。しかし、サークル数が２０とは……。
　デュエルスペースとトレードスペースにはさまれたサークルスペースというか、デュエルとトレードを区切るサークルスペースといったところだね。
　で、前日。先週の「ＪＧＣ’９６レポート」でも本にして新刊１０部くらい出そうかなぁ……とか思ったけれど帰宅２２：３０で次の日の荷造りで時間が減ったので寝ることにする。
　朝７時に起床する。飯喰って、いろいろしていると７：５０。駅に向かう。先週よりだんぜん楽な時間帯である。その分、乗客は多いが……。８：１７平塚駅発の東海道線各駅停車に乗り、旅立つ。９：００に都内に入ると、見事にぱらついている。品川で山の手線に乗り換えると、山の手線はワイパーを動かしている。同人誌持っているのに、雨はいやだなぁと浜松町につくとやんでいた。でも蒸し暑くなっている。はぁ……。
　この駅で９：３０ということで、鉄人Ｏ氏と待ち合わせていたのだが、改札がいくつあるのか知らないので、待ち合わせ場所は不明である（お互いに）。とりあえず、開催場の東京都立産業貿易センターに近い北口に行く。９：２２。とりあえず改札付近にはいないようなのでトイレにいく。ホリデーパスという乗り放題切符なので改札の前をいくらでも往復できるのだが、つまらなそうだし駅員に不快観を与えるのでやめておく。９：４５になってもこないので南口へ向かう。いた！　感動のあまり、周囲の目を忘れて抱きつく二人であった。周囲は感動の再会を見て涙ぐむ人々でいっぱいであった（嘘）。大塚氏は改札の外に出ていたので産業貿易センターに近い北口にホームを通って行くのはいろいろ問題を内包するので、よくわからないところを通って北口へ向かう。まだ１０時になっていないので商店街はぜんぜん開いていなかった。

「めにょめにぃな空間」
　会場に向かうと、涼しそうな格好のＩ先輩と遭遇する。この方向であっているということなので進む。しかし、目が死んでいたように感じられたが……。
　で、Ｏにサークルの数を聞かせると、驚きを見せた。まぁ、３枚入場チケットがあるので１回生を誘ったら誰もこないわけである。ふぅ。

　７分くらい歩くと、会場のあるビルについた。チラシに書いてある情報だと４階なのだが、別のイベントが書いてある。３階に会場が移っている……。そういうことをなんっで、配置図とかに書かないの？　あれ？　書いてあったのかなぁ？？
　３階に行き、入り口を見て会場待ちを見ると独りしかいない。しかも後輩２回生の小柳くんではないか。北口で見かけた若林どん（２回生）のほうのチケットは足りないのかなぁ、と思ってきくとやっぱり足りないらしい。余っていたチケットを渡して一緒に入場する。しかし、開会４０分くらい前で誰も並んでいないのはさびしいなぁ。「勝ち星チケット」なるものが配られ、これをアンチ（賭け）してデュエルしてください、ということでたくさん集めて上位３名に食い込むと賞品がもらえるそうだ。どうせ勝てないからどうでもいいことなのに説明してくれる。小柳なんて説明も聞かずに、勝ち星チケットもとらずに進んでいくではないか、はぁ。
　スペースに行くと、隣のサークルの方々に挨拶って、シミュ研の先輩方である。ＭさんとＩさんは徹夜で本を作っていた……。はぁ、元気ですね。わたしゃ、新刊作るのやめて、寝てましたよ……。とりあえず、会場を見渡し、デッキが必要なイベントだということに気づくＯ。いや、伝えなかったのは悪かった。開場とともにスターターとブースターを買いに行くＯ。わしのデッキを改良して使うことを勧めたたのだが、バイトをしていて資金力のあるＯは買うことにした。とりあえず、商品の配列もすんだので、昼飯などの買いだしに行く。
　向かいにあるコンビニに入る。コンビニあるなら、原稿を刷ってくればよかったかなぁ……。わしは、五目寿司（４００円）とあんこ＆マーガリンのコッペパン（１００円）を買う。Ｏ氏は太っ腹に午後の紅茶（２８０円くらい）、使い捨てコップ（Copではない）、自分の握り飯などを買う。帰ってしばらくすると、開場だ。

　開場とともに、Ｏは入り口近辺にあるトライソフトに行く。わしは先週のＪＧＣ’９６で貰った「ＲＡＧＥ」というものを購入したかったが見かけることができなくて購入意欲もなく、「ぽわぽわ」を出しているサークルも出店しなかったので、ぼーっと店番にはげむ。すると、Ｏは箱を持って帰ってくる。「アイスエイジ」のスターター３つとブースター３つ以外にも箱買いですか……。
「いや、ね、これ福箱。アンコとコモンがどっしり入って１０００円だぞ！」
　そういっていきなり開けてみる。ほーー、１０００円でこれだけのアンコが入っていればいいのーーー。幻影怪物が３枚。いいのぉ……。コモンが邪魔と言えば、邪魔だが……。アイスエイジがちょびっとと、４ｔｈがどっしり入っている。わしも慌てて買いに行く。わしはずっしりとした重さで１０００円ということだけで感激するので、開けずにしまう。帰宅してあけるのだ。とりあえず、デッキ構築に必要なコモンはほぼ網羅できる。
　Ｏ氏は、弱々なわしじゃないのに無謀にも、３色デッキを組む。ゴールドカードがあるわけでないのに、青赤メインの白補助の疑似３色デッキでデュエルに行く。こんなデッキにテストでやった須永デッキを負ける。須永デッキはよっているので、黒単色デッキでもう一回テストする。さすがに勝つはずだったのだが、大塚を１点までけずったところで逆転負けする。わしは定期的に切り直さないので、どうも半年たっているデッキはみんな、よっている……。
　そんなデッキでテストしただけあって外へ出たＯはさんざんな目にあう。レフリーの渡辺ヒロシ氏には「キーマナ」２つのカードは使えないと思ってください、とかいわれる。そういうわけで、「カウンタースペル」もだめです。そういや、そうだな。わしも３色以上作るときはそうしてるのぉ。大塚になぜ、忠告しなかったのだろう？　ＭＴＧでわしゃ人に忠告したことないからなぁ……。
　さて、うちの店はＴＲＰＧ本しかおいていないが、他の店よりも安価なせいか、１７分に１冊くらいの割合で売れる。「Ｓ＝Ｆ（セブン＝フォートレス、菊地たけしとF.E.A.R.／ホビージャパンより発売のＴＲＰＧ）出ましたね、ありゃ、みんなでおれをだますために仕組んだ同人誌なんですよねぇ」とか渡辺氏と話していたが、天羅本を書いてＲＰＧマガジン編集部に送るのだ！　となった。ま、そういうＳ＝Ｆのことを聞いた人にＳ＝Ｆの本ないですか？　ときかれた。さすがに発売して２週間で本作るほどの私じゃないし、我輩のモットーは他人の作る分野には進まない――というのがある。そういうわけで、発売前からたくさんあったＳ＝Ｆみたいなものの本を作る必要性は無いではないか！　誰もサポートしないＴＲＰＧをサポートするこれがバランスというものだと思うが、どうだろうか？　天羅も一時期ほどの同人誌量ではないが、その関係の同人誌を見てないからなぁ、Ｏに元気があったら作ってみるとしよう……。
　相変わらず、スナッチャーですか、好きなんですよ。ということで「ＧＧＭ」は売れる。が、在庫量を考えればあと１０年は、もつ。ＨＴＴのソロ・アドベンチャーですか、ソロ・アドベンチャー好きなんですよ、ということで「ＧＧＭ３」も買ってもらえる。サークル数が少ないし、入場者も多くなく、適度なのでみんなゆっくり見てまわれるので時間の割には夏コミよりは回転は早い。サポート近ごろありませんね……、と最後のメタルヘッド本も売れる。１９９３年の冬発表だったこの本もついに在庫なしとなる。よく、こんなのＴＲＰＧにしましたね、世界名作劇場系が好きなんですよ……とかいって「ジェニー」も在庫一冊となる。よし、来年夏にはシナリオ、リプレイつきの第２版を製作だ！　ＨＴＴ本も冬に出したいなぁ……。

　なんてやっていると、午後になる。私もシミュ研以外の人と２回ほどやる。とりあえず、勝ち星チケットを集めている人には負ける。それで、勝ち星チケット集計時間になる。もう一枚はＳどん（２回生）にアンチでとられた。Ｏと楽しんでいる人は５色で始めたばっかりらしく、いくらなんでも勝つ。今日はみんな対戦相手にデッキを選ばせたのだが、全部須永デッキを選ばれ、勝ち星１つ、負け星３つを増やした。５色の人に、たしかＯは「福箱」のコモンを箱ごともたせてやってたなぁ……。
　「勝ち星チケット」集めは、どこかで聞いたことのあるＳＴどん（２回生）が３１枚集めてかち取る。４ｔｈのブースター一箱だそうだ。あとでたかろうと思ったら、後日郵送だそうだ。ちっ！　無念。今更あいつが４ｔｈ貰ったところでなにもいいことはないだろうに……。

「反省だー！」
　一般入場者は追い出され、椅子の片付けが始まったのは１５：００。サークル参加者時間に余裕のある方は椅子の片付けのあと、反省会を行いますので、残って下さい。といわれたので、１年のころからコミケで片付けを手伝う先輩の姿を見ていて、手伝うのが当然と思っている私とＯは当然残る。先輩方も残る。２回生は帰っていく。こいつらには、ＯＢの方が開いたイベントと伝えていなかったからか、とっとと帰っていく。夏コミのときも帰りたがっていたのを無理矢理手伝わせた（スタッフ優先封筒受け渡しの関係）のを嫌がっていたようだしなぁ……。１回生のうちは仕方がないが、もう少し、スタッフの手伝いをすべきなんだけどねぇ……。
　反省会は１５：２７ころより始まった。とりあえず、宣伝が失敗したが、思ったより今日は人がきてよかった。とＭ氏はおっしゃられた。とりあえず、サークル参加数の少なさとかこれからの方向性、イベントを開こうとした意味、などが問われていた。ＭＴＧを筆頭とするトレーディング・カード・ゲームに便乗して、電源無しゲームの発展のためのイベントとして「ゲーマート」はあるそうだ。たしかに、電源無しゲームだけの同人誌即売会などで大きいものは少ない。コンベンションと同時開催されているものもあるようだが、やはりそれはＧＭは安心して買い物ができないだろう。即売スペースも、プレイスペースも空間を大量消費するからね。
　こういう現在のゲーマーの思想を掴むことにできる反省会は、実に有意義である。会場の都合上時間が足りなかったが……。こういうものに２回生ももっと参加してもらいたいなぁ。ふだんわかりにくい他のサークルの思想、ひいては同人誌執筆層の思想が掴めるのに。購入層を視野に入れるのは正しいが、執筆層ももっともっと視野に入れないと……。同人誌においては、執筆層も購入層も紙一重の存在だというのに……。

　反省会も終わり、撤収となる。ＩさんとＭさんは撤収のバイトじゃ！　徹夜明けのオーラを背景に送り出してくれた。Ｔさん（４回生、通称：パパ）にさぁ、サークルだ！　と言われて行くことにする。山の手線で品川で田中さんと分かれる。Ｏと横浜まで東海道線に乗る。山の手線一周の旅というプランもあったが１時間むなしく終わるので、やめる。横浜でＯと分かれて椅子にすわる。茅ヶ崎までは乗車率８割くらいでなかなかの混み具合。やっぱり都心に通勤するのは嫌だな。と気が抜けて、酔いかける。気のはっていた行きとは違うのである。先週のように、軽い読み物もなく（持っていたのは、字の小さい岩波文庫のギリシア・ローマ時代の「歴史」という書）、酔ってしまったわけ。やっぱり品川駅内の本屋売店で軽いのを買っておくのだった。
　そういうわけで、帰宅後ふとんに、ばたんきゅー。だって気持ち悪いんですもの。ちなみに、帰宅は６時半だ。気がつくと、９時。そういうわけで、サークルには顔を出せず。夕飯喰って、また寝て１１時。すっかり眠気もとれて「福箱」を開ける。どうもＯより「当たり」のアンコは少ない。アンコは計１００枚くらい入っていたようだ。アイスエイジは１０枚くらいしかアンコはない。「ブロンズダブレット」はレアだっけ？　コモンはアイスエイジも４ｔｈも同じくらいで、エンパイアのホマリッドが一枚入っていた。強力なのが少しでもいればなぁ……ということで、４ｔｈの箱とアイスエイジの箱の中からアイスエイジを選んだのに……。１０００円という値段を考えれば、アンコがたくさん増えたなぁ……。しかし、クロニクルはまだまだ高いねーー。ぜんぜん買っていないよん。ストームシーカーがクロニクルとは知らなかったよん、ホームランドだと思ってた。
　結局、このイベントでは１０００円しか使わなかった。レイアースＲＰＧを買おうかな？　って思ったんだけど１０００円はねぇ……。次回があったら、個人でもいいから出店したいものだ……。