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マギウス・風の中の少女 金髪のジェニー

はじめに

 このTRPGはMAGIUSを使用して作成されています。
 そういうわけでして、このTRPGをプレイするにあたっては、『MAGIUSスタートブック』(富士見書房ドラゴンブック/430円/詳細情報 in 楽天ブックス/以下、『スタートブック』と表記します)が必要です。本書では、必要な書物に掲載されているルールを改めて説明するつもりはありません。これはあらかじめ、お断りしておきます。
 で、このTRPGは1992年にテレビ東京系でNECなどの会社などがスポンサーであったアニメ映画「風の中の少女 金髪のジェニー」(石森史郎原作/詳細情報 in 楽天市場)の世界を訪れるための道具です。ちなみに、TRPGについてわからない方は、失礼ながら本書では説明をはぶかせさせてもらう都合上、『TRPGがよくわかる本』(角川スニーカー・G・文庫/詳細情報 in 楽天ブックス)でも参考にしてください。
 そんでもって、このTRPGの舞台は、19世紀半ばの米国です。しばらくすれば、日本では明治維新を迎えようとしていたころです。だいたい、ペリー来航のころでしょう。そのような時代の中に生きる、少年少女がたくましく成長していく姿を追うのが本作品のテーマの一つです。成長していくに従い、少年少女は人と交流をしていきます。また、その交流によって、成長するのだともいえましょう。そのような人生の一時期を体験できるのが、TRPGのいいところと、我々製作班は思っているわけです。
 また、そういうわけなので倒すべき敵といったものも存在しません。
 願わくは、あなたがこの地を訪れんことを!


1章 キャラクター作成方法

 TRPGにおいては、架空世界で人生を追加経験するために、その世界の住人との精神連結を行わなければなりません。これをたいていのTRPGでは、「キャラクター作成」とか言って雰囲気を壊していたりするんだから、たまりませんよね。また、そのことに気づいているゲームデザイナー達の少ないことといったら………。それはともかく、てっとり早い説明のために、精神連結の仕方のことを「キャラクター作成」と称させてもらいます。それにともない、その世界の住人のことをキャラクターというわけです。ここいらの説明は『スタートブック』に載っているのでわからないという方は見ておいてくださいね。

一、能力値の決定方法(あなたはどのような力を持っているのだろうか)

 各キャラクターの基本能力は、MAGIUSシリーズにおいて、M(メンタル)、B(ボディ)、T(テクニック)の3つの能力値によって、あらわされます。そして、本作品においては、M(感情)B(肉体)T(知識)という能力値を使用させていただきます。

M(感情)―――キャラクターの感情を表します。他人へ感情的な影響を与えるときなどに関係してくるものです。己の感情をコントロールするさいにも使用されます。感受性とかを表すわけです。MP(マインド・ポイント)の決定の際に影響を与えます。
B(肉体)―――肉体的な能力をあらわします。力仕事をしたり、肉体労働をしたり、病気に対する抵抗をするさいに、重要視されるものです。HP(ヒット・ポイント)の決定の際に影響を与える能力値です。
T(知識)―――人が後天的に学んでくるもの、それが知識です。〜〜を知っているか、とか、〜〜を作れるぜぃとかいうものです。

 これ以上の詳しい説明をここで行うと、混乱を生じる人が出てきてしまう可能性があるので、「2章 行為判定」のやり方のところにまわさせてもらいます。

 それでは、能力値の意味もわかってきたところで、能力値を決めてみましょう。これを行うには、サイコロ(普通のさいころですよ)を振って、次の表を見てください。能力値の一種類ずつについて振ってください。

表1「能力値決定表」
サイコロの出目
能力値

 で、決定した能力値をキャラクター用紙の能力値のところに記入しておいてくださいね。キャラクター用紙には鉛筆もしくは、それに準ずるものを使用するといいですよ。

二、背景の選択方法(あなたはどのような家庭でくらしてきたの?)

 人は産まれながらに一人であるということはめったにあることではありません。そして、このTRPGのキャラクター達は何らかの家庭に産まれてきて、そこではぐまれて生きてきたのです。というわけで、ここでは、キャラクターがどのような家庭を育ってきたのかを決定させていただきます。

a.種族の選択
 まずは、キャラクターの種族を決定してもらいます。
 本作品の舞台となる時代はまだ、人種間の差別はほとんど解決されていませんし、経済的格差なんぞはまったくといっていいほど、解決されようともしていませんでした。こんな時代を背景に生きるキャラクター達にとっては、種族によって、階級が決定されるといっても差し支えがないでしょう。原作のように、金髪の少女が長年に渡って、黒人使用人に友情を保ち続けたということは滅多にあったことではないのです。なんといっても、まだ奴隷解放宣言のきっかけとなる南北戦争で興っていないのですから!!
 というわけで、選択した種族によって、次項で選べる階級に変化が生じますので、気になる方は一度そちらを見てからここに戻ってきて、選択を行なってもいいでしょう。
 このTRPGにふさわしい種族としては、イギリス系白人(清教徒の末裔など)、黒人、イタリア系移民、スペイン系移民、その他の白人、インディアンの末裔、ユダヤ人、白人と他人種との混血などです。これ以外の種族は、滅多に目にすることはありません。ですから、これ以外の種族のキャラクターを産み出したい場合は、あなたの相手を務めてくれるGMさんの判断をきいてくださいね。
 ちなみに、現在でも世界中には、差別に苦しんでいる人々がたくさんいます。ここ日本でさえも!です。みなさん、人はみな平等であるということを忘れないでください。

b.階級の選択
 人は大人になると、どうしても社会というものに入っていくことになります。ま、子供のうちから入っているという考え方もありますけれど。でもって、人の成長というものには、環境が影響を表すという考え方が一般的です。
 そういうわけですので、キャラクターは家族の階級によって、個性が作成されることになります。ここで、後天的な変化がおとずれるわけなのです。そして、家庭の階級というのは、父親の階級(職種)によって決定されることが相場です。
 ですから、ここで階級を選択するということは、父親の職業を決めるということでもあります。職業によって、扶養可能な家族の構成人数も決定されますので、ここである程度、家族の決定をしておきましょう。
 ではまず、階級を選びましょう。人種によって、選択可能なものと不可能なものがございます。

表2「階級・人種対照表」
階級選択可能人種
使用人階級:全種族
奴隷階級黒人のみ
知識人階級イギリス系白人、その他の白人、イタリア系移民、スペイン系移民、ユダヤ人
小店舗主階級イギリス系白人、その他の白人、イタリア系移民、スペイン系移民、ユダヤ人、混血種
労働者階級黒人以外の全種族
資本家階級イギリス系白人、その他の白人、イタリア系移民、スペイン系移民、ユダヤ人
不定住者階級混血種、インディアン、イタリア系移民、スペイン系移民、ユダヤ人

 階級の説明を念のために行なっておきましょう。私が強引に作成した階級名もあることですしね。

『使用人階級』――使用人です。一つの家庭に雇われて、そこの家での召使いとなります。独り者の場合は泊り込みで雇われることもありえます。さらに、一家ぐるみで使用人として雇われ、主人の庭先を借りて住んでいる場合もありえます。その場合の黒人は、奴隷階級との区別が難しいものです。
 原作でのビルはこの階級にあたります。
『奴隷階級』――大航海時代にスペイン人によって、アフリカ大陸から連れてこられた哀れな、黒人奴隷の末裔です。このTRPGの舞台となる時代ではまだ、政治的に権利を認められてはいないのが黒人でして、主人である白人は、先祖から学んできた黒人を奴隷として扱うことをいまだに続けています。とはいっても、なんとかようやく、徐々に奴隷解放への気運が盛り上がりつつありますが。
『知識人階級』――医者、弁護士、教師など、知識がないとできない職業についている階級です。
 この時代はまだ、公立学校といっても、とても高い月謝を取っていたため、せいぜい一般人では小学校相当の学校しか行くことはできませんでした(黒人や不定住者階級においては小学校相当の教育を受けることもかないませんでした)。そういうわけですので、その知識を使用して、たくさんの富を築くことも可能でした。そして、その富でまた子供に高等教育を受けさせて、というわけで、多少のお馬鹿さんでも、知識人階級を受け継いでいくことも可能になるのでした。
 原作では、ジェニーやスチーブンがここにあたります。
『小店舗主階級』――町の雑貨商やらです。「資本家階級」と区別できないような感覚を受けてしまうかもしれませんが、財産の量は「月とすっぽん」です。
 この店を利用する労働者階級と大して、財産は変わりません。収入のほとんどが、仕入れに消えてしまいます。ちなみに、このような店であっても田舎においては、町に一つしかないという現象が多々見られました。いわゆる独占市場状態だったわけです。
 原作では、ポーラあたりがあたるでしょう。ここらへんの階級ならば、ゆとりを持って学業を行なわせるでしょう。中等教育もなんとか受けさせれますが、家業を手伝わせるために親が受けさせてくれるとは限りません。
『労働者階級』――「労働力を提供し、その資金によって生活する階層。産業革命期以降に明確に形成された。プロレタリアート。working class (対義 資本家階級)」(講談社 日本語大辞典 第二版)
 このTRPG世界では、人に雇われて働く人々(ただし、使用人、奴隷は除く)のことをいいます。ここの階級は、子供に初等教育を受けさせることができます。一人くらいならば、無理して中等教育くらいまでなら通わせることができる場合があります。
『資本家階級』――「階級としてみたときの資本家。ブルジョアジー。capitalist class(対義 労働者階級)」「資本家――生産手段の所有者であり、労働者を使用して商品・サービスを生産し、利潤を得る人」(前出の辞書より)
 このTRPGにおいて、あまり出てくる階級ではありません。なぜなら、今回のルールでは、田舎での生活を扱うからです。それはともかく、この階級は工場主や、社長とよばれる人々です。こういう方は都会に集って住みます。そのほうが経済的にも有利だからです。それでも、田舎に住んでいる資本家もいるでしょう。でも、そうなると資本家の住む田舎の町は彼の経済的支配に置かれているということになり、かなりPCの出身階級とするには問題が発生します。そういうわけですので、この階級出身のPCを作成するのには、GMの許可が必要とします。
 この階級の子息は、田舎ではなく、大都市の学校において教育されることがほとんどです。そういうわけですので、平気のへっちゃらで、学力が多少劣っていたとしても、高等教育を受けることができます。
『不定住者階級』――各地を点々としている者たちです。「労働者階級」に近いものがあるのですが労働者とは違い、定住しないのです。一週間から一月くらいで、様々な地方へと移っていきます。どんなことをしているかというと、各地を巡業する音楽家、収穫時に足りない人手となる麦刈り、逃亡を重ねる犯罪者、放浪の絵描きなどがあります。当然、そのような状態で生活しているわけですので学校に行く機会はありません。行けたとしても、転校に次ぐ、転校で結局まともな授業を受けることはかなわないでしょう。初等教育も満足に受けることができないのです。経済状態も「労働者階級」に勝るわけでないのですので、独学をするための教材なんぞも結局入手することはかないません。


 さて、階級が決定しましたら、父親の職業の例と、家族の構成人数を提示しておきますので、これを目安として、一度、キャラクター用紙に記入をしておいて、後で詳細を決定しておいてください。
階級名職業例家族構成人数
『使用人階級』使用人、召使いなど両親、子供(PC)一人
『奴隷階級』奴隷両親、子供(PC)一人、主人一家(知識人階級、資本家階級)
『知識人階級』医者、弁護士、書記官、市長など両親、子供(PC)一人、兄弟姉妹(1D3−1人)、使用人
『小店舗主階級』小売業者、小店舗主など両親、子供(PC)一人
『労働者階級』日雇、農民、鉱夫など両親、子供(PC)一人
『資本家階級』農場経営者、工場経営者、商事会社社長祖父母、両親、子供(PC)一人兄弟姉妹(1D6−1人)
『不定住者階級』芸術家、季節労働者など両親、子供(PC)一人、兄弟姉妹(1D3−1人)
 ちなみに、「1D3」とは普通の六面体のサイコロの出目を半分にして、端数を切りあげたものです。

 この家族はできれば、プレイヤー達で設定を考えてもらいたいのですが、案外めんどくさい作業になりがちです。
 設定の助けになるよう、「父親・母親・兄弟姉妹」の特徴を決定する表を参考としてつけますので、御利用いただければ幸いです。さすがに、職業くらいは自分たちで決定してください。ここらへんのPC作成の背景を深化させるためのデータを将来的にはサポートしたいとは思っておりますが。
 それぞれにつき、2Dを振って、多くても3つくらいまで特徴を決めてください。

表3「父親特徴決定表」
出目(2D6)特徴
 父親は、町一番の酒癖の悪さで有名。しかし、決して酒に強いわけではない。
 父親はばか正直で、疑うということを知らない。町一番の正直者として評判。
 父親の職業は、町で、父親以外やっている人はいない。ふさわしくない場合、振り直すか、強引に解釈すること。
 父親は偏屈もので、町ではやっかいに思われている。
 父親は働き者と思われている。
 父親は、町の人にあまり知られていない。
 父親は、一人でいるのを好む。
 父親は人と打ち解けるのが早く、みんなに親しまれている。
10 父親は、雇用主、主人、客などに好印象を持たれている。
11 父親は嘘をつくのが、好きで、町一番の大ほら吹きと言われている。
12 父親は子供が嫌いである。

表4「母親特徴決定表」
出目(2D6)特徴
 母親は夫とは違う階級の出身である。
 母親は、後妻である。PCとの関係などは自由に決定すること。
 母親は、不治の病に侵されている。少なくとも、あと20年はたたないと治療方法は発見されない。毎回のセッションの直前にGMは1D6を振って、1が出たらそのセッション中に死去する。
 母親は、父親と仲が悪い。
 母親は高等教育まで受けている。昔、なにかしらの職業につこうとしていたのかもしれない。
 母親は、自他公認の働き者でみんなに慕われている。
 母親は手に職を持っており、昔は一人で生計をたてていた。
 母親は父親と恋愛結婚をしている。周囲の反対を振り切っての結婚である。
10 母親は昔、賞金稼ぎだった。
11 母親は、現在も父親と熱い恋愛中である。
12 母親は異世界の出身である。魔女、宇宙人、妖怪、忍者、日本人などなんでもいい。原作の雰囲気にあわないと思ったら、振り直すこと。

表5「兄弟姉妹特徴決定表」
出目(2D6)特徴
 兄弟姉妹はPCに殺意を持っている。
 兄弟姉妹はPCとは血がつながっていない。
 兄弟姉妹は、何かしらの芸術家の素質を持っている。
 兄弟姉妹は、PCをいじめている。
 兄弟姉妹は、バカ正直で通っている。
 兄弟姉妹は、PCと仲がいい。
 兄弟姉妹は、嘘つきなのだが、調子がいいので許されている。
 兄弟姉妹は、PCからいじめられている。または、PCを恐れている。
10 兄弟姉妹は、盗癖がある。
11 兄弟姉妹はPCを愛している。
12 兄弟姉妹はPCを尊敬・敬愛している。

 こうして決定した背景の中で、PCは生きていたことになります。プレイが始まったとしても、それ以前とは矛盾しない形ならばどんどん設定を深めていってください。そうすればそうするほど、あなたのPCは存在感が増し、プレイの楽しさも上がることでしょう。GMもそこからシナリオを作る種にしていきましょう。そのほうが楽ですよ。

三、HP・MPの決定

 HP(ヒット・ポイント)MP(マインド・ポイント)を決定します。それぞれの意味がわかっていないと、作成してもつまらないでしょうから、一応、説明しておきます。『スタートブック』16頁にも説明はあるのですが、『ジェニーTRPG』だけの解釈もあることですし。ちなみに、この2つの数値は判定には用いません。あくまでも、キャラクターの状態を表すためだけのものです。

『HP』―――肉体的な耐久力を表します。疲労したり、傷を受けたり、声が枯れたりしたときなんかに減少します。休憩を取ったり、食事をしたりすれば適当に回復します。
『MP』―――精神的な耐久力をあらわします。ショックを受けたり、動揺したり、重大な決断などをするときに、減少します。下手な音楽を聞いたりしたときなんかにも減少するでしょう。
 ゲーム内においては、他人のために「無理」を行なったりするときなどにも減少します。いい音楽を聞いたり、憧れの美少女などの微笑みを見たりすると回復します。睡眠をとったときには、1D6だけ回復します。

 「無理」をするということは、「2章の判定方法」のところで説明します。


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